RC造だと思えないくらいの音が、違約金請求はできるのか?

繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。


先日、建物の構造に関し、以下のような相談を受けました。

1.説明の際と契約書の内容に虚偽があった場合、違約金等の請求は出来ますか?

私は広いスペースを単身者向け世帯に区切った造りのマンションに入居しました。
RC造と案内され、現地を確認し、怪しかったので再度確認して、入居をしました。

しかし、壁がRC造とは思えないくらいの、音が聞こえてきます。
マイソクや契約書にはRC造と書いてあるが、賠償等対策は出来ないのでしょうか?

2.ご相談いただきました件に関しまして、私たちからの回答です。

2-1.個人で解決ができる問題ではないため、弁護士や然るべき機関へご相談ください。

RC造の建物といっても、すべての壁がコンクリートで出来ているわけではありません。
都庁の建築指導課に問い合わせたところ、隣の部屋との境の壁はボードのパネルにクロスを貼った物であることもあり、これは建築基準法に違反しているわけではないとのことです。

もし、構造自体がRC造ではなく鉄骨造や木造だった場合は、もちろん訴訟の範囲内になってくるかと思います。
その際は、登記簿謄本の取得や建物診断が必要になってきます。

例えば、謄本に軽量鉄骨造や木造と書いてあるのにマイソクや契約書にはRC造と記載があれば、虚偽の記載であるので、貸主や契約書・重説を発行した不動産会社を相手に訴訟問題になってきます。

謄本にはRC造と記載があるのに建物診断の結果、軽量鉄骨造や木造だった場合は貸主(大家さん)も被害者の可能性がありますので、建築会社を相手に訴訟となってきます。
いずれも個人での調査には限界があるので、弁護士や然るべき機関へご相談ください。

2-2.現状の把握のためにも、音の記録を残しましょう。

一般的に騒音とされるレベルを超える(昼間の騒音は55デシベル以下、夜間の騒音は45デシベル以下)音が発せられているのであれば、音の測定をし記録をとりましょう。

管理会社や貸主へ騒音の発生元へ注意してもらう時や、騒音の発生元を相手取り訴訟に至った際に役に立つかと思います。

3.今後、このようなトラブルに遭わないために

今回、建物の構造がRC造で、実際の構造にも間違えがなかった場合、契約書にRC造と記載があり、捺印をしてしまった場合、承諾したものであると認識されてしまいます。

再度確認をして入居したとのことですが、その際は口頭ではなく、書面等に記載を残すことが大切です。

また、構造上の問題ではなく、隣人の騒音問題の場合もありますので、音の記録や日時等の現状の記録を残すことも大切です。
問題が起きた際に多くの証拠を集めておくことで、管理会社側の対応も変わってくるかと思います。

国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創り、個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行い、現在に至る。特に、2015年以降「失敗を活かし、再現性の高い部屋探し」をモットーに活動し、8年間で300室以上のお引っ越しをサポート。これまで、180件近い住まいのトラブルにも対応。

プライベートでは、1997年からこれまで、8回の引っ越しと17回の自宅や投資用不動産の売買を経験し、部屋探しや住まいの問題の難しさを痛感。2011年の東日本大地震を経験し、家族ともっと一緒に居られる時間を作るため、不動産投資を開始。現在は株式投資で作った資金を生かし、東京23区内の再開発にある不動産のみに投資し、資産を6億円、年間総収入6,000万円まで拡大し、不況期でも現金化できる状態を保ち、運用中。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。

保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他

念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。

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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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