目次
こんにちは、部屋探しの不安ゼロを目指す、株式会社リビングインの不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
賃貸のお部屋に入居するまでに、通常、お部屋探し→内見→入居申込→入居審査→契約というステップを踏んでいきます。しかし、「遠すぎて、現地まで行くことができない」、「仕事が忙しくて時間を確保できない」など、何らかの事情により内見をすることが難しい場合も。このような場合、どのように対応すればよいのでしょうか?
個人的には下記、アンケート結果にも表れている通り、内見をして、室内を確認した方が後悔はしにくいと思います。契約後のキャンセルは損失が大きいので、契約前の内見時に確認してほしいですが、契約後に家具の購入や搬入を確認したいので再度内見することは出来るのか?可能です。忙しく、ちゃんと内見が出来なかった方向けに再内見のメリットやデメリットをこちらのページにまとめておきました。
大手サイトのスーモが2016年末に一人暮らしをはじめた300人に行ったアンケートでは、5人に1人がキッチンの狭さを、そして、3人に1人が隣人や周囲の音に悩まされ、後悔しています。
正直、このような後悔する可能性が高くても、一人暮らしをはじめるための部屋探しなら、室内は大体似ているし、内見自体、何を見るかよく分からない。そして、寒いし、正直面倒くさいからやらなくてもと思っている人も多いと思います。
ただ、管理会社によっては内見なしでの申し込みを拒否するところもあります。また、内見をしないで入居した場合、告知義務違反があった時に、確認の有無を問われるため、お部屋を紹介する会社も分かっている所は嫌がると思います。ここでは、内見なしの賃貸契約の可否やその後のトラブルについてまとめました。
もし、実際にお部屋の内見を全くせず、お部屋を決める場合、最低限、構造や間取りに関しては担当に確認して下さい。その辺り、これまでの失敗談を参考にこちらのページにまとめておきました。最悪、入居後に出来る騒音対策も同様にまとめておきました。
1.賃貸のお部屋に入居するまでのステップ
賃貸のお部屋に入居するまでには下記のようなステップを踏んでいきます。
- <お部屋を探す>賃貸情報サイトなどで希望の条件にマッチするお部屋を探す
- <内見>希望の条件にマッチするお部屋を見つけたら、現地に出向いて内見をする
- <入居申込>内見をした後、特に問題がなければ、入居申込をする
- <入居審査>貸主さんにより、入居者として問題がないかどうかの審査が行われる
- <契約、引っ越し>入居審査に通ったら、必要書類と初期費用を用意した上で、契約を行う
このような流れが一般的ですが、中には、どうしても内見をすることが難しいという例もあります。
2.内見をすることが難しくなってしまう例
お部屋を内見すること自体が難しく、諦めてしまう理由として、過去のアンケートではどのようなものがあったか?実際の引っ越し事例を参考に見ていきます。
2-1.現地まで遠すぎる
沖縄から東京へ引越し、アメリカから東京へ引越しなど、あまりに距離がありすぎて、現地に足を運ぶのが難しい
2-2.スケジュールの都合
引越しの日が迫っている、大事な仕事があって時間を確保できないなど、スケジュールの都合により、現地に足を運ぶのが難しい
2-3.人気のお部屋を希望している
空きが出てもすぐに入居者が決まってしまうような人気のお部屋を希望していて、他の方に先を越されないよう一刻も早く契約をしたい
2-4.一度見たことがある
以前友人が住んでいたときに遊びに行って見たことがある、今住んでいる部屋を探す時に内覧だけしていた
3.内見せずに契約することにはリスクがある
内見が絶対に必要なわけではありません。トラブルの基になるので、拒否する管理会社もいます。ただ、法律上、内見をしなくても契約をすることはできます。しかし、内見をせずに契約をしてしまうと、「こんなはずではなかった…」と入居後に後悔してしまうこともあります。たとえば、以下のようなトラブルが失敗談にはありました。
- 日当たりが悪く、室内が暗く、洗濯物が乾かない
- スマホの電波状況が悪く、常に窓際に行く必要があり、イライラしてしまう
- IHコンロの火力が弱く、本格的な料理ができない
- 近くの飲食店から食べ物の匂いや虫が飛んでくる
- 裏にある線路から早朝から電車の音が聞こえ、週末もゆっくり眠れない
- ゴミ捨て場の管理状況が悪く、ゴミがずっと残っている
- 数年前と周辺状況が変わっていて、イメージが違う
実際、内見をせずに契約をされた方の中には、どうにも我慢ができず、一年経たずに退去することになった、という方も珍しくはありません。
4.マンションの内見をせずに契約するつもりでも、チェックはしたい
ご存知の通り、内見をせず、写真や動画のみでお部屋を決め、契約をすることには大きなリスクが伴います。
しかし、どうしても避けられない、内見が出来ないという場合があると思います。その場合でも、入居後にガッカリするリスクをなるべく減らすため、下記のようなチェックは行うようにしてください。スーモを使って、初期費用を下げたい人向けにどれだけ、お部屋の選択肢が減ってしまうか?そして、スーモはどう使うのが良いのか?件数を基に住環境のいい部屋を賢く見つける方法をこちらのページにまとめました。物件数ナンバー1でも絞る条件次第では本当に変な部屋が残ってしまいます・・・。
4-1.口コミサイトをチェック
賃貸のお部屋にも口コミサイトがあります。「日当たりがよくて気持ちいい」「近くにある〇〇屋さんが便利だった」「壁が薄くて隣の部屋からの音に悩んだ」など入居されていた方の口コミが投稿されていますので、参考にして下さい。
4-2.周辺情報をチェック
Googleマップなどの地図情報サイトで、建物の外観や周辺の環境、駅までの道などを見て下さい。ただし、情報が古い場合もありますので、注意してください。
4-3.不動産屋さんにチェック代行を依頼
可能であれば、不動産屋さんのスタッフに、気になる部分をチェックしてもらいましょう。近年、積極的にこのような内覧サービスをする不動産屋さんが増えています。
4-4.オンライン内見で確認
ウイルスの影響もあり、増えているようです。ただ、音、ニオイ、振動、そして、担当があまり分かっていないなど、クオリティにばらつきがあるようです。
その為、もし、上記の代行やオンラインサービスを使う場合には、紹介してくれる不動産屋の担当に内見チェックシートを渡し、全ての項目に関して、どうなのか調べ、レポートをもらうのが良いと思います。エクセルで作った無料のチェックシートはこちらからダウンロードができます。お部屋の条件や引っ越し前後に必要な手続きもまとめたので、初期費用をムダにしないように見てみて下さい。
ちなみに、4,600件の引っ越し事例から部屋探しの経験が2回目以下の方に、特に注意してほしい部屋探しの条件に付いて、こちらのページにまとめました。件数が多かったので、分析に時間が掛かってしまいました…、ごめんなさい。
時間を無駄にしないために特に注意してほしい、電気が通っていない部屋に夜の内見をしに行った体験談を基に注意点をこちらにまとめました。併せて、ご確認ください。
5.マンションの内見をしないで入居する場合の注意点、まとめ
今回は、遠方からの一人暮らしや忙しくて、お部屋を見に行ってる時間が無い方向けにどうやって、お部屋を確認するかを文章にまとめました。
既述の通り、内見をしないで申し込みを禁止している管理会社や客付け会社もあるので、申し込みや契約前には見に行かないと行けないケースも多々ありますが、検索した部屋がダメかどうか、担当者に事前見てもらうのはアリだと思います。以下、内見をしないで申し込みや契約する場合のまとめです。
- 賃貸のお部屋に入居するまでの流れ:お部屋を探す→内見→入居申込→入居審査→契約
- 内見をすることが難しくなってしまう例:現地まで遠すぎる、スケジュールの都合、人気のお部屋を希望しているなど
- 内見をせずに契約することも可能だが、やはり入居後に後悔してしまうリスクはある
- 内見をせずに契約するつもりでいても、できるチェックはあるし、不動産屋さんに依頼することもできる
途中でも、説明しましたが、分かりづらい部屋探しを一旦整理するために部屋探しから引っ越しまでの手順や手続きをエクセルでまとめました。無料でダウンロードできるので、ぜひ使ってみて下さい。
色々な失敗談を見て、なぜ失敗したのかを調べていくと、『失敗の無い部屋探しをするためには、何も考えずにただ感覚だけで決めるのではなく、しっかり下準備をして、下調べをして、自分なりに希望やこだわりを整理しておくのが重要』だと分かりました。どうやったら良いか分からない時にはプロの力を借りてください。家の近くの不動産屋以外にも、私たちもいつでもご相談をお待ちしています。
もし、内見は昼間が良いのか、夜が良いのかで悩んでいるようなら、こちらのページが参考になると思います。他にも、平日がいいか、週末の内見の方がいいか、もし、悩んでいるのなら、こちらのページに失敗談を参考にその比較をまとめてみました。個人的には、ファミリー向けマンションや繁華街の場合、平日と週末でがらりと違うので、両方見ておいた方が良いかもしれません。
内覧でいかに真剣に部屋と自分と向き合ったかということが部屋に住み始めてから後悔するかしないかを決定づけます。是非、是非、失敗や後悔の無い部屋探しをしてください。今回ご紹介した内容が貴方の失敗を防ぐ一助となれば幸いです。過去8年間で最も相談件数の多かった騒音問題に関して、お部屋の契約前、平日夜のマンションの内見のメリットについて、失敗例を基にこちらのページにまとめました。もし、時間が許すようなら、仕事終わりにお部屋やその周りを見ることでトラブルが避けられるかもしれません。
あなたの大切な人生と平穏が守られますようにこれからも私たちは4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に、住まいのトラブル解消の専門家として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
この記事へのコメントはありません。