騒音問題を避けたい方向け、内見前の構造や間取りと引っ越し後の対策まとめ

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼管理業務主任者の相樂です。

これまで住まいのトラブル相談を色々と受けてきました。その中で最も多いのが、マンション内の騒音問題です。特に、騒音については家にいることが多く、騒音に悩まされたくない方は幹線道路や線路以外にも、建物の用途地域に気をつけてください。

世田谷区の方で実際にあった騒音に関する相談を参考に、準工業地域は工場や倉庫が近くにありつつ、マンションや戸建ても建つエリアで騒音問題が起こりやすいです。他にも、トラック等の大型車が行き来するため、お子様がいるご家庭には準工業地域にあるマンションはあまりお勧めできません。

引っ越し先のお部屋を探す際、家賃や最寄り駅、室内の状況を意識する方が本当に多く、騒音については実際あまり聞かれません。こちらから、壁やベランダ、サッシについて、ご説明し、その遮音性を確認してもらう事が本当に多いです。

今回は、抜けがちな騒音問題を避けるため、まず、内見の前、スマホでチェックしたいマンションの構造や間取りに関するポイントをご説明します。次に、引っ越し後に出来る騒音対策について、具体的に説明していきます。

1.防音性は、木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造の順で高い

建物の構造には、大きく分けて、「木造」、「鉄骨造」、「鉄筋コンクリート造」の3つがあります。

・木造:柱、梁、壁、床といった建物の主要部分に木材を用いて作られている

・鉄骨造:柱や梁といった建物の骨組みに鉄骨を用いて作られている

・鉄筋コンクリート造:柱や梁といったの建物の骨組みに鉄筋を用い、その骨組みにコンクリートを流し込んで作られている

それぞれで以下のような差が出てきます。

  • 風土適性
  • 調湿性
  • 通気性
  • 防音性
  • 耐震性
  • 耐火性
  • 耐久性
  • 建築コスト

特に、建物の防音性については、一般的に以下の通りです。

木造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート造

という順で高くなります。他との兼ね合いもありますが、防音性を優先したい方は鉄筋コンクリート造の物件を選ぶことを強くオススメします。

木造でも遮音性が強い作りはあります。ただ、専門知識が必要で、殆どの方は分からないと思うので、特に悩まず、鉄筋コンクリート(RC)造のマンションを選ぶことをお勧めします。

2.窓の構造や取り付け位置に注目

窓はお部屋の中で最も大きな開口部であり、外部からの騒音が入ってくる入り口となりやすいです。

この窓が以下のような構造であると、防音性が高まります。引っ越し後、自身で防音カーテンを取り付けると、さらに防音性が高まります。

・二重窓
・二重ガラス
・シャッター付き

また、窓の取り付け位置も重要です。たとえば、物件の近くに線路や高速道路がある場合、その線路がある方向に窓がなければ、線路からの騒音に悩むことは少ないです。

3.角部屋と最上階にある部屋は騒音の悩みが少ない

角部屋や最上階のお部屋は1棟のマンションの中でも希少性があるため、通常のお部屋よりも家賃が高めに設定されています。同様に、接する部屋が少ないため、騒音被害を防ぎやすいです。

角部屋は単純に接している隣部屋が少ないため、隣部屋からの

・話し声
・料理の音
・テレビやオーディオの音

などが気になりにくいです。もし、階段やエレベーターが近い場合、話し声や足音などが気になってしまうこともあるかもしれません。騒音が気になる方であれば、階段やエレベーターから遠い方の角部屋がお勧めです。

他にも、最上階にあるお部屋は、上階の以下のような音に悩むことがありません。

・人の足音
・洗濯機を回す音
・物を落としたときの音

ただ、屋上が開放されているタイプの物件であれば、建材の厚さによっては、騒音が気になってしまうこともあるので内見時に担当者にしっかり確認して下さい。

4.お部屋のレイアウトに注目

騒音問題はお部屋内のレイアウトとも関係してきます。たとえば、自部屋の居室と隣部屋の居室の間に、どちらか一方の廊下、クローゼットなどがあるレイアウトの場合、遮音性が高まります。隣人からの生活音に悩まされることが減ります。

他にも、引っ越し後、自部屋の居室と隣部屋の居室との間に本棚や食器棚など大きめの家具を置いても、遮音性が高まります。

5.1階にあるお部屋には注意

1階にあるお部屋は外部から聞こえてくる音が気になってしまうことがあります。

たとえば、

・商店街に面していて、人の声が聞こえてくる
・すぐ隣がその物件の駐車場になっていて、乗り物が出入りする音が聞こえてくる

など。もちろん、建物の造りや周辺環境によっては、全く問題ないこともあります。個人的には引っ越し経験が少ない内は1階の部屋は止めた方が良いと思います。

防音性もありますが、防犯性の面からどの部屋が良いのか判断しずらいため、特にこれから一人暮らしをはじめる女性の方などは、2、3階以上の部屋を選ぶ方が圧倒的に簡単に安全になります。

念のため、最近増えた隣人トラブルに関して、対策や注意点をこちらのページにまとめました。

6.引っ越し後にできる賃貸の防音対策

ここまで内見前に出来る構造や間取りの注意点について説明してきました。ただ、殆どの人が部屋探しの時、防音性より、家賃や駅を重視します。

多くの人が、『内見時に騒音を確認しておけば・・・』となっています。本当に住んでみないと騒音に関しては分からない事が多くあります。

そこで、ここからは入居してから物件の防音性の低さに気づいた!?という方向けに、以下のような引っ越し後でもご自身で手軽にできる防音対策をご紹介していきます。

  • 隣のお部屋からの音を防ぐため、壁に沿って大きい家具を配置する
  • 下階のお部屋への音を防ぐため、ラグ・カーペットを敷く
  • 外部からの音を防ぐため、窓に防音カーテンを取り付ける
  • 洗濯機、乾燥機、掃除機、テレビ、オーディオなどを使用する時は時間帯に注意
  • 音が漏れないよう、適宜、窓やカーテン、扉などを閉めるようにする

6-1.家具の配置を工夫する

これまでの相談事例だと、隣のお部屋から、以下のような音が聞こえることが多いです。

・テレビの音
・オーディオの音
・人の話声

自分が出す音も含めて、これらの音が気になってしまう場合、壁に沿って大きい家具を配置するのがオススメです。

大きい家具とは、たとえば、タンスや本棚、食器棚などです。背が高い家具ほど、厚みがある家具ほど、音を遮断してくれます。以下のような対策を行うと、さらに効果的です。

・なるべく多くの物を詰め込んでおく
・家具と壁の間にダンボールを挟む
・壁にピッタリくっつけず、5cmから10cmほど空気の層を作る

また、テレビやオーディオなどは、壁から離して配置すると、振動が減り、隣のお部屋に音が伝わりにくくなります。ベッドも壁から離して配置すると、隣のお部屋からの音が伝わりにくくなり、熟睡しやすくなります。

6-2.床にラグやカーペットなどを敷く

・人の足音
・椅子を引くときの音
・物を床に落としたときの音
・ケータイやスマートフォンのバイブレーション、振動音

などは、下階のお部屋によく響きます。下階のお部屋に住む方の迷惑にならないよう、床にはラグやカーペットを敷くと良いと思います。下階の人から騒音に関して、文句を言われる、手紙が来る、張り紙がされるは案外あります。

普通のラグ・カーペットでもよいですが防音性を高めたい場合は、音を立てにくい素材で作られた消音・防音ラグやカーペットが特に良いと思います。

他にもラグ・カーペットを敷くことで以下のようなメリットもあります。

・床に傷がつきにくい
・足腰への負担が軽減する

6-3.窓に防音カーテンを取り付ける

物件の内部からだけでなく、外部からの音に悩むケースもあります。

たとえば、

・商店街に面している物件では、人の声が聞こえてきます
・幹線道路や線路が近い物件では、乗り物の音が聞こえてきます
・サッカー場や野球場が近い物件では、試合のときに、観客の大歓声が聞こえてきます
・消防署や救急病院が近い物件では、サイレンの音が聞こえてきます

こういった外部からの音が気になる場合、窓に防音カーテンを取り付けぐらいしかできません。消音・防音カーテンとは、一般的なカーテンよりも生地を厚くしたり、音が伝わりにくいよう特殊な織り方をしたりしたカーテンのことです。

防音カーテンには、防音効果だけでなく、

・遮光効果
・断熱効果

を兼ね備えたものもあります。ご自身のライフスタイルに合わせて、適当なものを選ぶようにしてください。

6-4.時間帯を意識して生活をする

音の問題を軽減するためには時間帯に対する意識も大切です。洗濯機や乾燥機、掃除機など、比較的大きな音が出る家電は、なるべく昼間に使うようにした方が良いと思います。早朝や夜に使うのは他の居住者の迷惑になるのでNGです。

この辺りは環境庁が指針を出しています。一般的な集合住宅の場合、昼間の方が夜よりも音を立てても良いとなっています。もちろん、常識の範囲ですが・・・。

周りの住人と同じタイミングで大きな音が出る家電を使うことで周辺からの音が気になりにくくなるメリットがあります。

夜の遅い時間帯に、

・テレビを見る
・オーディオで音楽を聞く

といった場合は、なるべく音量を下げるか、どうしても大音量で聞きたい場合、イヤホンやヘッドホンなどを使用してみて下さい。

他にも結構音が響く入浴も深夜は避けた方が良いと思います。入浴中に出る水の音は普段気にならなくても、多くの人が寝静まっている深夜であれば、気になってしまうこともあります。

悪気はなくても、こちらの音が漏れてしまうことで、周りの住人も音への気遣いがなくなり、自分自身も迷惑してしまうので集合住宅では特に気をつけたい所です。

6-5.適宜、窓などを閉めるようにする

・掃除機を使って掃除をする
・オーディオで音楽を流す
・友達で集まって食事や飲み会をする

といったとき、窓やカーテン、扉を閉めておくようにするだけでも、騒音トラブルの軽減につながります。

7.賃貸マンションの内見前又は入居後に出来る騒音対策まとめ

今回はあまり相談されないものの、トラブルになることが多い騒音問題について、内見前に出来る事、そして、引っ越し後に自身で出来る事に関して、説明しました。家賃や手数料の安さに惑わされず、引っ越し後の生活が快適かどうかを先ずは考え、お部屋を探してもらう方が結局は得すると思います。

特に、内見前に出来る事は、自身でスマホで出来る事が多いのでお部屋の検索時に気にしてみて下さい。以下、今回のまとめです。

  • 建物の構造には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3つがあり、最も防音性が高いのが「鉄筋コンクリート造」
  • お部屋の中で最も大きな開口部である窓が、「二重窓」「二重ガラス」「シャッター付き」であると防音性が高まる
  • 角部屋は隣接するお部屋が少ないので、他の居住者の生活音に悩みにくい
  • 最上階のお部屋は上階がないので、他の居住者の生活音に悩みにくい
  • 自部屋の居室と隣部屋の居室との間に、廊下、クローゼット、大きな家具などがあると、防音性が高まる。
  • 1階部分のお部屋は、建物の造りや周辺環境によっては、外部からの音に悩むことがある

8.内見時の確認・チェックリスト

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。

『内見時にどこを確認すれば良いか』もよく聞かれます。これまでの失敗談を参考に無料で使えるものを作りました。ぜひ、内見時に使ってみて下さい。4,600件の失敗談を基に作った内見時のチェックリストはこちらのページです。人気のある他社の内見チェックリストも同様にまとめています。

また、今回同様、最近、お客様に聞かれた「内見の申し込み後のキャンセルって、罰金ありますか?」についてはこちらのページにまとめました。

私たちは、2012年より地域に根付いた不動産屋として、住まいのトラブルに特化し、住宅ローンの返済だけでなく、騒音や隣人、契約トラブル等のトラブルを解決してきました。

現在、無料相談を実施しており、相談者の方には住まいの問題解決事例をまとめた冊子も無料で差し上げております。問題を早期に解決し、一秒でも早く、明るい毎日を取り戻して下さい。ともかく、ぜひ一人で悩まず、時間を無駄にしない様、早めにご相談ください。

これまで、8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。

ここに記載出来ない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。信頼できる先がすぐに見つからない場合、弊社の無料相談にご連絡ください。

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私たちは今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、専門家と協力し、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。不動産トラブル専門の弁護士による、契約直後の事故物件発覚時の告知義務違反等の対応についてはこちらのページにまとめました。

遠方からの引っ越しをスムーズに行うため、内見から契約までの手順と必要な物をリスト化し、こちらのページにまとめました。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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