【無料診断付き】自宅の任意売却を依頼する際の専任媒介契約と一般媒介契約の違いやメリット・デメリット

媒介契約の種類を決めるには、先ず、担当の知識やキャリア、次に、自宅の状態、最後に売却までの期間や条件が大きなポイントです

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2022年4月25日

【無料診断付き】自宅の任意売却を依頼する際の専任媒介契約と一般媒介契約の違いやメリット・デメリット

このページの主な内容

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の相樂です。

2020年9月、福島県にお住いの男性から、「義理の両親と一緒に住んでいるものの、関係性が悪く、また、長引く、不況で事業がうまく行っていない為、自宅を整理して、離婚をしようと考えてる。どうしたら進めたら良いか?」と深夜に電話がありました。

離婚やローン等一筋縄ではいかないお悩みだったため、専任媒介を締結させて頂き、7か月掛け、ローンの整理を行い、ご自宅を売却しました。

住宅ローンの返済に困る方との面談

この件の様に、単純に自宅を売るだけでなく、ローンがらみの売却等複合的な悩みがある場合には、担当をやる気にさせ、あなたが望む結果を得るため、キチンと契約の内容を理解し、目的やご自宅に合った契約をするようにしてください。

ここでは、相談時にお客様に聞かれた内容を基に、2012年から200件を超える住宅ローンに関する無料相談の内容を踏まえ、自宅の任意売却を頼む際の媒介契約について、ポイントをいくつかまとめました。

媒介契約の種類を決めるには、先ず、担当の知識やキャリア、次に、自宅の状態、最後に売却までの期間や条件が大きなポイントになります。

1.専任媒介契約と一般媒介契約の違いとは?

任意売却以外の債務整理とは

まず、専任媒介契約と一般媒介契約の違いを正しく理解するため、必要な基礎知識について解説します。

1-1.不動産で言う媒介契約とは

媒介契約(ばいかいけいやく)とは、『売主が不動産会社に売却活動を依頼する際に結ぶ契約のこと』を言います。

仲介契約(ちゅうかいけいやく)とほぼ同じ意味です。

不動産会社は売主から売却活動の依頼を受けたら、売買契約を結ぶことが、宅地建物取引業法で義務づけられています。

そのため、うやむやにせず、不動産会社に売却を依頼した場合は必ず媒介契約の書類を作ってもらい、不動産会社からもらってください。

媒介契約を結ぶ目的は、双方の条件や義務を明確にすることで、望外な費用を請求され、無用なトラブルを防ぐことにあります。

1-2.媒介契約書に記載される内容

媒介契約書には、売買活動をスムーズにするための約束事を記載します。

内容が不十分だと、思うように売却が進まない、売却価格や条件を勝手に変えられる、トラブルが発生するなどの原因になるので、十分に確認して欲しいと思います。

特に、ローン返済時の任意売却は競売申立までの期間や日々金利やペナルティが増えていくため、良く理解して、無駄がないようにしてください。

私たちのところに相談に来られた方には、最低限、以下の項目は内容がキチンと明示されているか、内容に問題がないか、特に注意するようにアドバイスしています。

・希望売却価格

・希望売却条件(引き渡し日、買い替えに関する特約など)

・成約時の仲介手数料

・媒介契約期間

・媒介契約期間中の不動産会社の義務(活動報告の内容、頻度など)

・媒介契約期間中の売主の義務(他社への依頼の可否など)

希望売却価格は不動産の立地、管理状況、市況によるため判断が難しい部分があります。

しかし、売り急ぐあまりに安い金額を提示してくる不動産会社には注意して欲しいと思います。

不動産の価値を正しく極め、市況に応じた売却活動ができる不動産会社であれば、適切な価格で売却することは十分可能です。

私たちは、不当に安い金額などをご提案することはありません。

購入希望者と周辺業者へのヒアリングと相場を踏まえたご成約や引き渡しの金額は事前にご承認いただいた金額で行います。

>>自宅の任意売却を考えた時、どのような媒介契約を締結するか簡易診断はこちら

1-3.媒介契約時に報酬を支払う必要はあるのか?

不動産の媒介契約では、売却の成約時に報酬(仲介手数料)を支払うシステムになっています。いわゆる成功報酬です。

ですので、媒介契約時に支払いを求められることはありません。

万が一、媒介契約時に支払いを求められたら内容を確認し、不用意に契約しないようにしてください。

また不動産売却の媒介契約では、仲介手数料以外を支払う必要はありません。

売主が、特定の広告を使うよう指示した場合等特別なケース以外は不要なので、この点も気をつけて欲しいと思います。

なお、媒介契約成立後の仲介手数料は「物件価格×3%+6万円」が上限となっているので、金額に誤りがないか確認してください。

なお、私たちは交通費や販促費等一切掛かりません。成約後、引き渡しの際に仲介手数料一括で頂きますので、安心して売却活動を始めて頂くことができると思います。

1-4.媒介契約時に出てくる「レインズ」とは

売買契約の話を進めると、「レインズ」、「指定流通機構」といった言葉が出てくるかと思います。

まず、レインズと指定流通機構は、同義語です。

1-4-1.レインズとは?

レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が管理、運営している不動産流通標準情報システムです。

「Real Estate Information Network System 」の頭文字(REINS)から、通称「レインズ」と呼ばれています。

不動産流通機構に加盟する全国の不動産会社は、レインズのデータベースを使って物件の情報を探したり、共有したりすることができます。

1-4-2.契約後、レインズに速やかに掲載される

媒介契約を結ぶと、不動産の物件情報がレインズに登録され、不動産流通機構に加盟する全国の不動産会社が情報を閲覧できるようになります。

ただし、一般媒介契約の場合は、レインズへの登録は義務付けられていません。

一般媒介契約等、媒介契約の種類については次章で詳しく解説します。

2.専任媒介契約と一般媒介契約の違い、メリット・デメリット

不動産営業担当

不動産の媒介契約には3種類あります。

それぞれの特徴をまとめ、専任媒介契約と一般媒介契約の違いについて解説します。

2-1.媒介契約の3つの種類の違いをわかりやすく一覧表示

不動産の媒介契約には3種類あり、それぞれの特徴を一覧にまとめると、下記の表にようになります。

媒介契約の種類と概要

2-1-1.専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、売却を特定の不動産会社一社にしか依頼できない契約のことを言います。

さらに、売主は自ら買主を探すことができないことがデメリットです。

このように書くと、専属専任媒介契約は制限が厳しいように感じるかもしれません。

しかし、不動産会社としては不動産の売却を一任されているため、売却活動に力を入れてくれる傾向にあるのが、売主にとってのメリットです。

売却活動の末、売却が決まれば確実に仲介手数料を得られるからです。

その代わり、不動産会社は売主に対して1週間に1回以上、売却に関する活動状況を報告したり、契約から5営業日以内にレインズに登録する義務を課されます。

なお、専属専任媒介契約の契約期間は最長3ヶ月と定められているため、3ヶ月以内に売却が決まらず、引き続き同じ不動産会社に売却活動を依頼したい場合は、再契約しなければなりません。

契約期間終了後、他社と専属専任媒介契約を結び直したり、他の種類の媒介契約を結ぶこともできます。

2-1-2.専任媒介契約

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同じく、売却活動の依頼を一社の不動産会社にしかできません。

ただし、売主自ら買主を探すこともできるのがメリットです。

ですので、親戚や友人、知人に不動産を売却したいといった場合に有効な契約です。

専任媒介契約では、専属専任媒介契約に比べて義務や制限が緩くなります。

不動産会社は売主に対する動状況を報告義務は2週間に1回以上、レインズへの登録は契約から7営業日以内となります。

契約期間は、専属専任媒介契約と同じく、3ヶ月間です。

私たちに専属専任媒介契約や専任媒介契約でご依頼いただいた場合も、同様に3ヶ月間は弊社以外に仲介を頼むことはできません。

その代わり、情報が交錯したり、他社から何度も電話してきたり、自宅に押し掛け営業をしてくる等しつこい営業を排除します。

2-1-3.一般媒介契約

一般媒介契約とは、複数の不動産会社に対して売却の依頼や媒介契約が結べる契約形態のことを言います。

売主自身が買主を探すこともできるなど、全体として売却活動の自由度が高いのが一般媒介契約のメリットです。

売却活動の自由度が高い分、不動産会社に課される義務も少なく、売却活動の報告義務、レインズへの登録義務がありません。

契約期間についても法令上の取り決めはありませんが、3ヶ月以内での契約が推奨されています。

また、不動産会社としてはライバル多数で自社の売却活動が成約に結びつく可能性が低くなるため、売却活動への熱量がどうしても落ちてしまいます。

この点が、一般媒介契約のデメリットと言えます。

また一般媒介契約の特徴は、「明示型」、「非明示型」の2種類が選択できることです。

それぞれの意味は下記の通りです。

・明示型:売主が媒介契約を結んでいる不動産会社を明示すること。

・非明示型:売主が複数の不動産会社と契約を結んでいるか、さらに媒介契約を結んでいる不動産会社を明示しないこと。

売却したい不動産の条件によりますが、私たちは相談者には明示型をお勧めしています。

なぜなら、非明示型にすると不動産会社はライバルが何社存在するのか、またライバルがどんな売却活動をするのかわからず、戦略が立てづらいからです。

そのため、売却活動に力を入れづらく、不動産がスムーズに売れなくなる可能性があります。

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3.専任媒介契約、一般媒介契約のどれを選べば良いか?

任意売却が進まない時はどうするか?

3種類の媒介契約のうち、どの契約形態を選ぶのが良いかは、売主の状況、条件、不動産そのものや市況によります。

そこで本項では、専任媒介契約、一般媒介契約のどれを選べば良いか、その判断基準となる考え方について解説します。

3-1.専任契約に向かない方

まず、下記のような希望を持っている方は、専属専任媒介契約、専任媒介契約に向きません。

・ご自身でも買い手を探し、債権者と交渉したい
・多くの不動産会社に頼みたい

3-2.専任契約に向いている方

下記の希望があり、条件に適する場合は、専属専任媒介契約、専任媒介契約に向いていると言えます。

・少しでも早く不動産物件を売りたい
・任意売却したい
・不動産の立地が悪い
・物件の築年数が長い

こうした希望・条件の不動産物件は、不動産会社が力を入れて売却活動をする必要があるため、専属専任媒介契約、専任媒介契約の方が良い、という考え方です。

ちなみに、ライフルホームズが実施した、不動産売却の経験者1,562人に対するアンケートの分析結果によると、専任媒介契約の方が一般媒介契約よりも早く売れたそうです。

【半年未満での売却】
・専任媒介契約:46.0%

・一般媒介契約:35.3%

参照:住まいの売却データファイル

3-3.一般媒介契約に向いている方

一般媒介に向いているのは、下記のような希望、条件の不動産を持っている方です。

・複数の業者が動くことによるプライバシー等の拡散を気にされない方

・不動産の立地が良い(人気エリアにある)

・物件の築年数が浅い

・人気のブランドマンションである

・売却に特殊な理由がない

上記のように、総じて「売れやすい」不動産物件は、複数の不動産物件に売却依頼ができる一般媒介契約の方がメリットがあると言えます。

3-4.目的別に専任媒介契約か、一般媒介契約かを選ぶ

ここまで解説してきた専任媒介契約、一般媒介契約の特徴から、不動産物件の売却目的別に契約条件を選ぶと良いと思います。

大まかな目的、希望別にまとめると下記のようになります。

媒介の目的別特徴

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4.自宅の条件別、専任媒介契約・一般媒介契約の選び方

不動産物件の条件別に、専任媒介契約が良いのか、一般媒介契約が良いのかまとめました。

4-1.都心の築浅など人気の物件なら?

都内の築浅マンション

都心の築浅など人気の物件ならば、一般媒介契約がお勧めです。なぜなら、買手がつきやすいため、不動産会社も目立つところに広告を出したり、売却活動に力を入れてくれる傾向にあるからです。

実際に、ライフルホームズが発表している住まいの売却データファイルによると、築3年未満の不動産を売却した人の86.5%が一般媒介契約を選んでいると言います。

ただし、築年数が古くても、好立地、人気エリアであれば一般媒介契約でも売れます。

ですので、まずは信頼できそうな不動産会社を見つけて、物件の売れやすさについて相談してみるのが良いと思います。

4-2.自宅が郊外や地方の築20年以上の場合は?

郊外の築年の古い戸建

郊外や地方の築古など売却が難しい物件なら、専任媒介契約をお勧めします。

売却活動に力を入れないと売れづらく、不動産物件に積極的に動いてもらう必要があるからです。

郊外や地方を一律に定義するのは難しいですが、概ね政令指定都市以外にある物件は、専任媒介契約を視野に入れた方が良いと思います。

ただし、専任媒介契約が良いと言っても、実際に希望する条件で売れるかどうかは担当者の力量によるところも大きいです。

担当者とは事前によく話し、売却を希望する不動産物件に近い条件の売却経験があるか、こちらがした質問に対してキチンと答えられるか、真摯に対応してくれるかなどは見て欲しいと思います。

できれば媒介契約を結ぶ前に、複数社、複数人の担当者と話してみることをお勧めします。

5.住宅ローン整理や任意売却の場合は専属専任媒介契約、専任媒介契約が基本

任意売却なら専任媒介契約

どの媒介契約を選ぶかは売主の希望、不動産物件の条件によりますが、住宅ローン整理や任意売却の場合は、専属専任媒介契約、専任媒介契約が基本となります。

なぜなら、任意売却の場合は債権者(金融機関)の交渉と短期間での売却が必要となるからです。債権者の承諾する価格で売り切ることが本当に大切になってきます。

と言うのも、任意売却が上手くまとまらない場合は強制競売となり、自宅を市場価格よりも安く売却され、住宅ローンの残債が残るケースが多くなります。

したがって、一般媒介契約で色々な不動産会社に話すよりは、限られた期間で任意売却をまとめる実力のある不動産会社をパートナーに選ぶことが重要です。

そして、普通の売却と異なり、任意売却に係る専門的な知識や手続き、交渉力が必要となるため、不動産会社にも力を入れて動いてもらわなければなりません。

一般的な不動産売却に伴う手続きだけでなく、債権者や連帯保証人とのやりとり、税金、相続、差押等への対応力も必要です。

また、債権者(金融機関)としても、一般媒介契約だと複数の不動産会社とやりとりしなければならないため、専属専任媒介契約や専任媒介契約を求めてくるケースが多いです。窓口を一本化できないか、言ってくることがあります。

さらに、売主の個人情報保護という点でも専属専任媒介契約、専任媒介契約が良いと考えます。と言うのも、住宅ローン整理、任意売却を行うということは、ほとんどの場合、プライバシーに関わる経済的事情を抱えています。

こうした事情を必要最低限の人以外に漏らさないという意味でも、専属専任媒介契約、専任媒介契約が良いです。

以前、地元の不動産会社に相談したら、子どもの学校にもなぜか話が漏れてしまい、本当に困ったと相談を受けたことがあります。

そのため、住宅ローン絡みのネガティブな事情の場合には、なるべく多くの人に話さず、社歴や実績を踏まえ、信用のおける先に話すのが一番だと思います。

6.専任媒介契約・一般媒介契約簡易診断

ここまで、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約についてまとめてきました。しかし、それぞれ不動産物件は唯一無二であり、売主の状況、希望の千差万別です。

そこで、住宅ローン問題などネガティブな要因で自宅の売却を依頼する時、専任媒介契約と一般媒介契約のどちらが良いのか、3問で診断できるようにしました。以下の質問からご自身の状況に合わせて、お答えください。

  • 資料をキチンと作成し、高値売却を目指したい
  • 債権者や買主との交渉状況を知り、進めたい
  • 奥様など、共有持ち分を持ってい人が他にもいる

もし、住宅ローンに伴い、自宅の売却を考えている方で2つ以上当てはまる場合には、一般媒介契約で時間を掛け、行うより、専任媒介契約を締結し、担当者に責任をもって進めてもらった方が成功しやすいと思います。

また、実績や担当者から、相談先が信用できそうな場合には、診断結果を問わず、専任媒介契約を締結して良いと思います。

7.専任媒介契約・一般媒介契約についてよくある質問とその回答

ローンの返済相談

過去、売却を決めた方から頂いた専任媒介契約・一般媒介契約に関する質問とその回答をまとめました。

7-1.媒介契約中に、他の不動産会社に契約変更することはできますか?

一般媒介契約であれば、複数社と契約できるので可能です。

専任媒介契約の場合は一社としか契約できないため、契約期間が終了するまでは他社とは契約できません。

契約期間は最長3ヶ月なので、それまで待つことが必要です。

ただし、専任媒介契約をしたにもかかわらず、不動産会社が下記のような契約違反を犯した時は、契約期間中でも契約解除が可能です。

・媒介契約後、期日以内にレインズに登録していない(専属専任媒介契約は5営業日以内、専任媒介契約は7営業日以内)。

・媒介契約後、約束通りの売却活動報告をしていない(専属専任媒介契約は1週間に1回以上、専任媒介契約は2週間に1回以上)。

上記の問題点を指摘した上で、改善されない場合は、内容証明郵便等証拠が残るものを使って契約解除の通知をすることをお勧めします。

7-2.任意売却で専任媒介契約をしましたが、解約できますか?

任意売却で専任媒介契約をした場合も、原則として契約期間(最長3ヶ月)は解約できません。

しかし、不動産会社が下記のような状況の場合は解約できます。

・媒介契約後、期日以内にレインズに登録していない。

・媒介契約後、約束通りの売却活動報告をしていない。

・任意売却のために積極的に動いていない。

・キチンと連絡が取れない。

このような場合はまず、不動産会社に電話して、上記の理由を説明した上で契約解除を申し出てください。

さらに、内容証明郵便等証拠が残るものを使って契約解除の通知をすることをお勧めします。

この時、違約金等を求められるかもしれませんが、上記のように不動産会社に問題のあるのが明らかな場合は支払う必要がありません。

請求された場合は、費用の明細を提示してもらうようにしてください。

なお、任意売却の媒介契約をしたにもかかわらず、不動産会社が動いてくれないのは、任意売却が難しい状況だと考えられます。

だからと言って、連絡をキチンとしないなどの不動産会社の不誠実な対応はご法度です。

しかし、売主としては時間が限られた厳しい状況にあるので、早々に他の不動産会社を探すなど次の手を打つのが賢明だと思います。

7-3.任意売却で一般媒介契約を選ぶことはできませんか?

任意売却では専任媒介契約を結ぶのが原則ですが、債権者(金融機関)が一般媒介契約を認めれば、一般媒介契約を選ぶこともできます。

ただし、任意売却の際に一般媒介契約を不動産会社が結んでくれるかどうかは別の話です。

「5.住宅ローン整理や任意売却の場合は専属専任媒介契約、専任媒介契約が基本」で解説したように、任意売却は一般的な不動産売買以外の専門的な知識や作業が必要が必要になってくるからです。

不動産会社の負担も大きくなるため、専任媒介契約を求めてくることが多いと思います。

任意売却する不動産物件が、下記のような条件のケースを除いては、一般媒介契約は難しいと考えてください。

・都市部の好立地にある、人気マンションである、築浅物件であるなど、非常に売れやすい条件を備えている

>>債権者との価格などの交渉が要らないので、一般媒介契約で売却をするのが良いと思います。

・任意売却すれば、住宅ローンが完済できることが確約できる

>>ローンを完済できるので、債権者の承認が要らないため、一般媒介契約で売却をするのが良いと思います。

7-4.3ヶ月の専任媒介契約で成約に至らなかったのですが、契約更新しなくて大丈夫ですか?

不動産仲介の世界は結果が出てなんぼなので、専任媒介契約期間中に成約に至らなければ、更新する必要はありません。

担当者が一生懸命頑張ってくれたとかで情が入ることもあると思います。

もちろん、そうしたものも加味した上で、契約更新するかどうか決めても良いですが、「頑張ってくれたから契約更新」という余計な気遣いは不要です。

契約の世界ですからそこはシビアに、あなたの不動産をしっかり売ってくれる不動産会社と契約して欲しいと思います。

7-5.仲介手数料が「(物件価格×3%+6万円)×10%」となっていましたが、高額ではありませんか?

仲介手数料の上限額は「(物件価格×3%+6万円)」ですが、仲介手数料には消費税がかかります。

ですので、「10%」部分は問題ありません。

7-6.媒介契約時に最低売却価格を希望しても良いですか? 必要以上に値下げしてまで売りたくありません

最低売却価格を不動産仲介会社に伝えることは全く問題ありません。

むしろ、売主の意志が明確な方が不動産会社としても戦略が立てやすかったり、成約しない無駄な交渉に手間を取られなくて済むので、歓迎されると思います。

ただし相場を加味して、不動産会社が「それでは売れません」と言ってくる可能性はあります。

また、最低売却価格を下回る買主が現れた時の対応をあらかじめ決めておくと、お互いストレスも少なく、スムーズに進みやすいかと思います。

最低売却価格を下回っても報告をするか、絶対にしないか、などです。

7-7.専任媒介契約期間中にかかった諸費用は請求されますか?

専任媒介契約期間中に成約に至らなかった場合、契約期間中にかかった諸費用が請求されることはありません。

不動産会社はそうした諸費用を踏まえた上で、営業活動を行なっているからです。

営業活動以外に、測量などの作業が入っていても同じです。

ただし、事前に売主が特別に希望、指定した広告を使用した、登記や書類作成の手続きをした場合などにはその費用分については請求されると思います。

いずれにしても、事前に取り決めた内容によりますので、媒介契約を結ぶ時に諸費用の取り扱いも含めて、明確にしておくようにしてください。

一方で、自己都合による契約の解除は、違約金や諸費用が請求される可能性があります。

請求される諸費用の例は下記の通りです。

・現地調査費用に伴う交通費

・権利調査費用に伴う戸籍謄本、登記関係書類取得費用

・販売促進費用としての広告費

7-8.媒介契約期間中に紹介された買主と媒介契約期間終了後に直接取引しても良いですか?

出来ません。一般的に、媒介契約期間中に紹介された買主とは、紹介を受けた不動産会社を仲介して契約しなければなりません。

もちろん、買主を紹介されたからと言って、絶対に契約をしないといけないわけではありません。

7-9.買主を見つけたのに契約しないのなら、かかった経費分を支払うようにと言われましたが、支払う必要ありますか?

支払う必要はありません。

媒介契約では、買主との売買契約が締結して初めて仲介手数料が発生します。

買主との売買契約が締結していない以上、どんな経費がかかっていようとそれは不動産仲介会社の都合です。

「買主と話が進んでいる」、「すでにローン契約が決まっている」、「広告費がかかった」など、色々言ってくるかもしれませんが、毅然とした態度で対応してください。

事前に決めた事項でもないのに、このような言いがかりをつけてくる不動産会社はそもそも信用できません。

そのため、契約期間終了を待つか、場合によっては解除料を支払ってでも契約を解除して、信頼できる先と改めて取引することを私たちはアドバイスしています。

8.自宅の任意売却時、媒介契約をどうするかまとめ

社内でのうちあわせ

専任媒介契約・一般媒介契約について、物件別目的別にまとめてみましたが、地域性や口コミを基にいくつかの会社に問い合わせをして、価格査定や売却後の生活について、担当に色々と質問してみてください。

キチンと任せられる担当者であれば、色々な質問にも答えられると思います。

質疑や相談をした上で、あなたのご自宅に関して、専門知識や実績があり、任せることが出来ると思ったら、専任契約の方が担当はあなたのためだけに働いてくれると思います。

大まかな傾向としては下記の状況で考えてみると良いと思います。

・都度対応など時間をある程度作れる方は先ずは一般媒介契約から

・診断をふまえ、そうでない人は専任媒介契約で責任をもって、動いてもらう

なお、売却先の伝手や不動産関連の人脈等が特にない場合には、専属専任媒介契約も選択肢に入ります。

2015年以降、私たちは大分県や鹿児島県から北海道まで、80件近い債務整理や任意売却を行ってきました。ご自宅の売却を検討するため、不動産鑑定士や住宅診断士による査定だけでなく、30社以上にヒアリングを行う無料査定もおこなっております。

>>無料相談のお申込や事例の詳細はこちらのページにまとめています。

なお、アリネットのLINE公式からご連絡いただいた方には、無料で債務整理やご自宅の任意売却に成功した15事例をまとめた冊子をプレゼントしています。

9.住宅ローン問題の解消に向けたチェックリスト

住宅ローンの返済困難時のチェックリスト

念のため、あなたの状況や希望により、これからできる対策が異なります。個別相談の前に、今直ぐに確認出来るセルフチェックをやってみませんか?

2015年以降、実際にあった200件超の住宅ローンの相談を受け、チェックリストを作成しました。

  • 毎月の返済が少し厳しく、貯金がなかなか出来ない
  • 銀行・裁判所から手紙が届き、対策を考えている
  • ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
  • 転職や病気で、収入が減って、返済に悩んでいる
  • 借り入れや返済など、毎月の収支管理が出来ない
  • 養育費や学費など生活費が増え、やや苦しい
  • ボーナス等一時金が減った又は無くなった
  • 離婚や出産で共働きが出来ず、返済が苦しい
  • 自宅の買い取りチラシがポストに頻繁に入っている
  • 年金だけでは、家賃や毎月の生活が厳しい

もし、2つ以上当てはまる場合、直ぐに専門家に相談するか、近くに相談できる先がない場合、LINE公式から住まいを守る無料の簡易診断も試して下さい。

ご存知の通り、滞納が続くと利子による負担が日々大きくなり、競売による追い出しなど、今の生活を失いかねません。

そのため、自宅に関するトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。

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10.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?

何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。

ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。

10-1.査定価格はそんなに大切なのか?

この写真の通り、有名な東急リバブルが出している資料でも、3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。

そのため、まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。

マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。

査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。

10-2.戸建の売却は査定価格より売出価格が本当に大切

戸建の売出価格と成約価格の乖離

*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照

多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。

大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。

こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。

いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、「このままでは売れないからもっと価格を下げましょう」と言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。

10-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?

2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。

と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。

実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。

自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。

頂いたご相談は社内で共有し、48時間以内に回答いたします。必要な場合には、弁護士や建築士などの専門家と相談し、連絡いたします。

なお、相談は無料です。費用が発生する場合には、事前に必ずご連絡いたします。

過去に頂いたトラブル相談や質問は参考の為、こちらのページにまとめています。

*お名前やメールアドレス等を公開することはありません。

*48時間以内に確認し、回答致します。

 

*頂いたコメントを参考に、今後の活動を改善していきます。

大和田 豊 株式会社リビングイン 常務取締役
海外留学を経て、2011年より、不動産投資会社にて物件仕入れからファイナンス計画、物件販売、物件管理を経験。2019年は青森県の収益物件から港区の戸建てや区分マンション。2020年は千葉県の戸建てや都内の区分マンションの売却と購入を担当、全国各地の不動産を扱う。

保有資格:宅地建物取引士、任意売却取扱主任者

 

相樂 喜一郎 株式会社リビングイン 代表取締役
国立大学卒業後、大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創業。個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行う。

特に、2015年以降全国から住宅ローン絡みのトラブルで200件以上の相談を受け、鹿児島から北海道まで70件以上の任意売却を行う。

1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。

保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他

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相樂 喜一郎

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相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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