住宅ローン返済が辛い方へ、自宅に住み続けるリースバックによる任意売却とは?

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
住宅ローンの返済に困る方との面談

「子どももいるし、自宅を売却しても住み慣れた家から離れたくない。」

そう思っている方は多いのではないでしょうか?

今回は、そんなお悩みをお持ちの方に、2021年に高松市にお住まいの方からあった相談例を基に、『ご自宅の売却後も家族と一緒に住み続ける方法(リースバック)と、そのメリット・デメリットや注意点』をまとめました。

正直、住宅ローンの負担がきつい・・・でも、子どもも小さいし、自宅には住み続けたいと思っている方はお近く又は経験豊富な専門家との相談に向け、参考にしてください。

1.自宅の任意売却とは?

任意売却に関する基本的な情報やそのメリット・デメリットについてはこちらのページにまとめておきました。

ちなみに、住宅ローンの返済がうまく行かず、自宅の売却を検討する場合、宅地建物取引士がいる不動産会社に相談する必要があります。

自宅の売却や任意売却を行う事が出来るのは、弁護士や司法書士、税理士ではなく、宅地建物取引士です。

弁護士に全てを任せる方がいますが、自宅を売る・任意売却は弁護士には出来ません。

2.自宅の売却後も住み続ける事は出来るの?

自宅のリースバックで悩む

出来ます。但し、売却後に支払える家賃次第で任意売却が成功するか決まってきます。

なぜなら、ご自宅の購入を検討している方は購入後に入ってくる家賃収入を参考に購入価格を決めるからです。

そのため、もし、希望の家賃が低すぎる場合、住宅ローンの関係で債権者の承諾を得ることが出来ず、自宅の売却が出来ない場合もあります。

そのような時のため、残っている住宅ローン以下の価格で不動産を売却する方法が任意売却と言います。

ただ、一般的には任意売却後に自宅に住み続ける事は出来ません。

なぜなら、空き家など購入者がそのまま住めたり、リフォームを行って、住む方が売買価格が高く、債権者が残っている住宅ローンを多く回収できるため、承認してくれないからです。

当たり前ですが、債権者は公明正大な売却活動を求めてきます。

しかし、例外もあります。これまでリースバックを行い、売却後も住み続ける事が出来たケースは以下の二つの場合でした。

2-1.支払える家賃が相場より高い時

記述の通り、リースバックで住み続ける場合、ご自宅を購入される方(個人投資家)は投資用に利回り(家賃収入/購入価格)を意識して、ご自宅を購入するケースが多いです。

その為、購入後、どれくらいの家賃=収入が得られるかをイメージし、納得すれば、高い値段で購入します。

2-1-1.一都三県では?

賃貸ニーズが旺盛で個人投資家を見つけやすい東京を中心に首都圏ではリースバックが成功し、任意売却後も無事に住み続ける事が出来たケースが多くあります。

また、首都圏の場合、万が一のケースでも第三者に売却できる可能性があり、価格が高くなりがちです。

2-1-2.一都三県以外の地域では?

一方、それ以外の地方都市や郊外では家賃を相場以上に支払わないと、一般的にはリースバックが成功しないことが多いです。

住み続ける事を希望される方は、家賃をいくらでも出しますとおっしゃられるケースが多いですが、個人的には無理をしない範囲で決める方が良いと思います。

というのも、任意売却で生活の立て直しを図っているのに、売却後の家賃が以前の支払い以上にある場合、生活を再建できる可能性はとても低いからです。

その場合、将来的な買い戻しの価格を調整する事で売買価格を上げる事も出来ます。

この辺りのロジックは複雑な為、個別にご連絡を頂ければ、状況を踏まえ、あなたに合った対策をご説明いたします。

2-2.リフォームに必要な費用が高い時

例えば、築20年以上の木造住宅に関して、購入後の設備交換や室内のリフォームが高く、購入検討者は取り壊しをして、土地代でしか、買いたくない場合です。

このケースはリースバックで住み続けながら、家賃を支払う方が高い値段となる事が多いです。

特に、地方都市や郊外では、築年が古い物件でもリースバックが成功するケースが多いです。

なぜなら、住宅ローンの返済が進み、残債が少なかったり、周辺相場が下がり、ほぼ土地価格になっているケースが多く、リースバックで家賃を支払う方が高い値段になるからです。

一見、購入者からすると相場より高い価格を支払う事になるので、損しているように見えます。

しかし、ご自宅を投資対象としてみている為、相場より多少高くても家賃次第では成立します。

もちろん、途中で家賃が支払えないなど事故があった時には追い出される可能性が高いですが、2-1.の高い家賃を支払うことが出来るケースは都心や首都圏で、リフォーム代が高い場合でも地方都市や郊外でリースバックが成功し、住み続ける事が出来る場合があるので、専門家によく相談してみて下さい。

なお、もう少し細かい情報や希望を個別にご連絡を頂ければ、状況を踏まえ、あなたに合った対策をご説明いたします。

実際、他にも、3.で説明するようなケースで自宅の売却後も住み続けることがあります。

ここでは、一旦関係のない、第三者に売却するケースをイメージして、ご説明しました。

3.任意売却後も自宅に住み続けるための方法

自宅の競売をどう回避するのか

ここからは親子又は親戚などに自宅を購入して貰い、ご自宅に住み続けるケースを説明していきます。

3-1.親子間売買とは?

>>親子間売買に関する詳細はこちらのページにまとめておきました。

3-2.親族間売買とは?

>>親族間売買に関する詳細はこちらのページにまとめておきました。

3-3.リースバックとは?

>>リースバックに関する詳細はこちらのページにまとめておきました。

4.自宅に住み続けるメリットは?

家族での生活再建

自宅に住み続けるメリットは多くの方が理解されていると思います。

ここでは、今後、専門家に相談するため、改めて、そのメリットやデメリットを整理しています。

4-1.リースバックで住み続けるメリットは?

これまで相談を受けた中で、一定数の方は生活が変わらない為、リースバックや住み続けたいと希望されます。

例えば、近くの学校に通われているお子様がいたり、高齢で引っ越すのが大変、周囲にバレたくない等、リースバックを上手に利用し、家族との安心できる生活を賢く取り戻して下さい。

4-1-1.売却後も住み慣れた家に住める

こちらのページでも詳しく書いていますが、リースバックの最大のメリットは、『買主と賃貸借契約を締結し、売却後も住み慣れた家に家族と住める』ことです。

特に、郊外や地方都市では、子供の学校や近所の目を考えると、まだまだ自宅の売却や引っ越しはネガティブに思われがちです。

そのため、今の自宅に売却後も住み続けられるのは最大のメリットだと思います。

4-1-2.建物のメンテナンスや税金が無くなる

また、自宅を売却することで、これまで建物自体に掛かっていた固定資産税・都市計画税の支払いやマンションの管理費・修繕積立費の支払いからも解放されます。

国土交通相も公告している通り、築10年を超えたあたりから、マンションでも戸建てでも修繕が必要になります。

さらに、2022年初頭から始まったコロナウイルス後の急速なインフレにより、円安や資材不足により、設備や材料の値段が上がり、改修に掛かる工事費が10%から20%程度上がっています。

そのため、もし子どもの学費や健康上の事情で、生活が苦しくなりそうなら、任意売却に限らず、支出が増える前に、自宅を売却を検討し、購入者に費用の負担を任せるのも一考だと思います。

4-1-3.周囲に知られることがない

他にも、リースバックで住み続ける場合、生活環境を変える必要がないので、ご近所の方から無用な詮索をされる心配もなく、付き合いがしづらくなることもありません。

最後に、売却に伴う引っ越しの手間や労力、新しい地域社会に慣れる必要もありません。そのため、子育て世帯の方も子どもの転校によるストレスも避けられるなど、身体的・精神的な負担を抑えられますと思います。

4-2.将来的に、自宅を買い戻すこともできる?

リースバックのもう一つの大きなメリットとして、将来、子育てが終わり、生活を立て直し、自宅を購入したくなった時に買い戻すことが出来る事です。

取引き相手との交渉次第にもなりますが、契約時に買い戻しの条件を決めておくことで、売却額に多少上乗せした金額で自宅を買い戻すことが可能です。

買い戻しの時期にもよりますが10%~30%ぐらいは上乗せされるケースがあります。

というのも、取得時に掛かる不動産取得税や登録免許税、司法書士さんの登記費用、仲介手数料などが実際に掛かってくるからです。

入院や仕事の関係で、一時的に生活が苦しくなったとしても、売却代金を用いて問題を解決した後、再び経済的に安定することは十分可能だと思います。

そのため、大切な資産である自宅を生活に合わせ、上手に活用することも必要です。

病気や子育てなどで経済的に厳しい時期は家賃を支払い、賃貸で過ごし、数年後に経済的な余裕ができてから、自分の意志で愛着のある自宅をまた自分のものにできます。

この辺りはリースバックの大きなメリットだと思います。

引っ越しを伴う一般売却や競売だと、なかなかこのような形はやりにくいと思います。なぜなら、自分で使うことを前提に購入している人が多いからです。

4-3.親子間売買・親族間売買で住み続けるメリットは?

4-3-1.自分に都合のいい条件で契約できる

通常の不動産売買では、他人との取引となるので、買主側も自分に都合の良い条件で交渉してきます。

しかし、親子間や親族間売買の場合、買主と売主が近しい関係のため、遠慮せずに自分の要望を主張できるという最大のメリットがあります。

ただ、任意売却の場合、債権者向けに名義を意識して、売買を行う必要があります。

細かいルールやそのやり方はここでは省略しますのが、気になる方は個別相談時に担当に確認してください。

4-3-2.周囲に知られぬまま売買ができる

第三者との売買の場合、自分が周囲に知られないよう慎重に行動していたとしても、担当者や買主など第三者がうっかり口を滑らせてしまうことがあります。

その一方で、親子間や親族間売買では周囲に知られにくいのはもちろん、外部に売買情報や経済状況を知られず、契約を進めることが可能です。

特に、親子間売買では親が知られたくないと思っている事実を子供が周囲にもらすようなことはあまり考えられません。

そのため、親子間売買は第三者に売却するより、周囲に知られにくいというメリットがあります。

4ー4.リースバックで売却するデメリットは?

これまで書いた通り、リースバックはメリットが多いように見えます。残念ですが、以下のようなデメリットもあります。

4-4-1.リースバックの売却価格は相場より安くなることが多いです。

そのため、一般的な売却と比べ、売却後、住宅ローンが多く残ってしまう可能性が高いです。

過去、80件以上の債務整理を行ってきましたが、リースバックをする場合、通常の不動産売却相場と比較すると、80%~90%の価格になることが多いです。

その理由としては、投資用になるため、購入者が住宅ローンを使って、買えない事。投資用ローンは住宅ローンと比べて、金利が1%程度、そして、借入期間が10年から20年くらい短いことが多いです。

他にも、家賃を周辺相場並にできない事や売主が家賃滞納する可能性や将来的な買戻しをする可能性を考慮し、価格を下げる傾向があるからです。

4-4-2.家賃を含め、新所有者のルールに沿って、生活する

また、リースバックを活用する場合、不動産を売却することになるので所有権が第三者に渡ります。

そのため、所有者として、自分の住宅ではなく、賃借人として住み続ける形になるので、その家を使用するルールは新しい所有者が決めます。

賃貸のため、致し方ない部分もあると思います。しかし、家賃の値上げや将来の買戻し、追い出しの可否等、売却前に買い主と条件を決めておいてください。

この辺りは、何回もリースバックを経験している担当に希望を伝え、買主との交渉は任せた方が良いと思います。

ちなみに、もし、新しい所有者との契約に従わなかったり、家賃を滞納したりすると、賃借権があったとしても最悪の場合、契約解除となって、追い出されてしまうこともあるので注意が必要です。

他にも、定期借家契約を締結している場合、契約自体を更新できない可能性もあります。

大切なポイントなので、担当者にキチンと契約書を見てもらい、意向に合っているか、確認して進めて下さい。

5.自宅に住み続けるための任意売却のまとめ

相樂面談

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

住み慣れた自宅を立ち退かなければならないとなると、引っ越し先を探し、引っ越しに必要な費用等の経済的な負担と、今後どうなるのかといった精神的な負担の両方に襲われてしまいうと思います。

そのような悩みを抱えている方々に、今回はご自宅の売却後も家族と自宅に住み続ける方法(リースバック)とそのメリットについて解説しました。

住み続けるためのリースバックのメリットをたくさん紹介しましたが、もちろん親子間売買によるご自宅の売却では、住宅ローンが組みづらい等のデメリットもあるため、事前に家族でよく話し合うことが大切だと思います。

以前、三重県でやったケースでは親族との家賃の支払いと買い戻しの期間、そして、喫煙に関する条件をどうするかで売買まで時間が掛かりました。

更に、借り入れが出来なかったため、結局、現金で購入することになり、親族同士で資金繰りを一気に決めて頂きました。

もし、住宅ローンの関係で自宅の任意売却を行い、リースバックを希望する場合、金融機関との調整など専門的な知識を伴うことが多いので、信頼できる不動産会社に相談して慎重に進めることをオススメします。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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