不動産用語解説 『敷地内ごみ置き場』とは?

1.敷地内ごみ置き場とは、「マンション敷地内にある居住者専用のごみ置場」のことをいいます。

捨てられたごみは、管理人やごみ収集業者などによって定期的に回収されます。敷地内ごみ置き場は、マンションの1Fや地下など敷地内の1ヵ所に設置されている場合や各フロアに設置されている場合があります。後者は、最近増えている『タワーマンション』など、大型マンションなどでよく見られます。

マンションやアパートのルールによってはいつでもゴミを捨てることができる24時間対応のものや決められた曜日、時間帯の出すことが決まっているものがあり、24時間タイプは主にマンションタイプに採用されていることが多く、入居者にとっては臭いのあるごみを収集日まで家で保管をしておくことがないため、室内も綺麗に保つことができます。

賃貸アパートにて設置されるゴミ置き場は以下の3つの種類に分類されます。

1-1.路上型

これは敷地内ゴミ置き場ではありませんが、一般的には建物に沿った路上にごみの収集日の日だけゴミを置くことができるスペースのタイプを路上型と言います。屋根が無く、カラスや猫除けのためにネットをしていることが多くありますが、それでもしっかりとネットを被せておかないと荒らされたり風に飛ばされたりします。

1-2.開放型

これはブロック塀なので囲われているタイプのもので、屋根があるものとないもので分類されます。これでも路上型と同様にネットで覆うタイプのものが多く存在します。

1-3.密閉型

大きな小屋のような形状のものや、小規模のアパートの場合はボックス型のゴミ収集所が敷地内に置いてあります。フタやドアが付いているため、猫やカラスからゴミを荒らされることはありませんが、庫内の定期的な清掃がなされていないと、ゴミ袋からあふれ出たゴミから虫が湧いたり悪臭を発生させたりします。

小型のボックスタイプのゴミ置き場の場合、年末年始等の連休後のゴミ出しはごみの量が増える為、庫内に入りきれないことも多々あります。十分な大きさのゴミ置き場かどうかも事前にチェックしておいてください。

2.敷地内ゴミ置き場のメリット

さらに、決められた日時にごみ出しするタイプと、24時間いつでもごみ出しできるタイプがあります。敷地内ごみ置き場には、下記のようなメリットがあります。

・外に出る必要が無いので、ごみ出しが短時間で終わる
・外部の人にごみを見られたり持っていかれたりする心配がないので、防犯性が上がる
・暑さ寒さを気にせずごみ出しができる
・(24時間対応の場合)自分のタイミングでごみ出しがができる

ただ、便利な分、家賃や管理費などが高めに設定されている傾向があります。敷地内ごみ置き場は、

・頻繁に料理をされ、ゴミを室内に置いておきなくない方
・室内の生ごみの匂いが気になる方
・プライバシーを気にされる方
・部屋を広く使いたい方
・(24時間対応の場合)不規則な生活・多忙な生活を送っている方

などにオススメの設備です。ちなみに、「内覧時に敷地内及び周辺のゴミ置き場を確認」するのは非常に大切だと思っています。

なぜなら、ごみの捨て方やその処分方法には、マンション内及び周辺の人の民度が明確に出るため、もし、ゴミが荒れている状態で放ってあったり、ネットやリサイクルボックスが夕方になってもそのままの場合などは住環境が良くなかったりする場合があります。

町内会やその界隈の人同士がコミュニケーション等取っていない場合には、荒れるケースが多々あります。

3.敷地内ゴミ置き場のデメリット

では、逆にデメリットについてはいかがでしょうか?マンションタイプの場合は大抵、ゴミ収集所というものが設けられており、扉を開けてゴミを入れるという種類が多くありますが、アパートの場合は路上にそのままゴミを置くタイプや、蓋や扉が無く開放されているタイプの場合は、カラスや猫の被害でゴミを荒らされる可能性もあります。いくつかデメリットをまとめましたので、下記にまとめました。

3-1.清潔に保てない場合がある

室内は綺麗に保つことができたとしても、ルールを守れない入居者がいる場合には、ゴミが回収されずにゴミ捨て場所に放置されることでゴミが散乱してしまうケースがあります。入居者の情報に関して、仲介会社はもちろんのこと、管理会社でも個人情報の観点からどんな方が住んでいるかは教えてもらうことができません。ゴミ捨て場は共用部分という認識をしていないとゴミがひどく散乱して、ひどい場合にはゴミが駐車場や共用部分にまで風で飛ばされる可能性もあります。内見時にチェックできる場合には、清潔に保たれているかどうかを見ておくことが大切です。

3-2.ゴミ出しスペースに扉や蓋がないと荒らされる場合がある

“24時間ゴミ出し可能”は出すことは24時間できますが、回収を毎日行ってくれるわけではありません。そのため、ゴミ集積所は常にゴミがある状態になります。管理人が常駐しているのか、定期的に清掃がなされるかどうかを申込の前に確認をするようにしてください。また、集積所に扉や蓋がないと、猫やカラスに袋を破られてゴミが散乱する可能性があります。隠したいゴミであっても破られて道路や共用部に散乱することも考えると、できるだけ扉や蓋がある物件を選ぶと安心ですね。

3-2.虫や異臭の原因になる

ゴミを一定の場所に置くことになるため、定期的に清掃がなされていない場合には虫の発生や悪臭の発生も考えられます。例えばゴミ集積所の近くの部屋を借りていると、24時間ゴミ捨てが出来るということが原因でベランダや玄関から虫や臭いの侵入を許してしまうことになり、精神的、体力的にも非常に辛いというデメリットに悩まされるケースも考えられます。

3-4.相場よりも賃料が高めの設定が多い

24時間いつでもゴミを出すことができるということは、それなりに清掃やゴミ集積所の維持管理にお金を要するということです。そのため、相場よりも賃料が高めに設定されていることも珍しくありません。例えば賃料相場よりも2,000円高い場合、「いつでも捨てられるメリットを毎月2,000円で買うことができるなら良い」と割り切れる方にはオススメですが、そこを重視せずにお部屋をお探ししている方にとってはデメリットになります。

4.24時間ゴミ捨て可能物件でのトラブル事例は?

4-1 自治体毎のルールの相違

よくトラブルとして発展しがちなのは、「分別」ができていないことが挙げられます。燃えるごみとプラスチックゴミは分けて捨てることが一般的になってきましたが、自治体によっては燃えるゴミで出せていたものが変わっていたり、収集時間が夜だったのが朝に変わったりします。

このルールの違いが原因でゴミ置き場の扉が施錠されていると、ゴミ庫の扉の前にゴミを置きっぱなしにする方や前日の夜に出そうとする人がいます。自分は守っているのに他の人は守っていないとクレームが入ってそれがトラブルに発展することもあります。

これらは建物を管理している管理会社が新しい入居者にはゴミ出しカレンダーを配布する、収集時間を明記した紙を掲示するなどの対策が筆必要です。入居を決める前にゴミ庫をチェックして「ルールを守らない人」がいそうな張り紙をされていないかチェックすると予防策になりオススメです。

4-2 ゴミの持ち帰り

ゴミを持ち帰られるということでトラブルに発展するケースもあり、捨てたゴミ袋の中身を見ようとする人がいることがあります。ゴミ庫には、人によってはまだ使えるものを捨ててあることがあるため、中を探って持ち帰るといった具合で、子どものおもちゃや雑誌などを持ち帰る方もいます。

法的には捨てたものに関しては持ち主から所有権を放棄したとみなされるため、罪にとわれることはありませんが、気持ちのいいものではありませんよね。

マンションの規約で持ち帰りを禁じるという文言が明記されている場合もありますので、気になる方は不動産の担当者に聞いてみることをオススメします。

4-3 大型ごみや粗大ごみ

家具や家電を買い替えたり、ベッドマットを捨てたりする時等で大型のごみや粗大ごみが出る時には、通常の収集車では引き取ってもらうことができないため、各自治体に確認をして申込をしてください。料金は地域によって異なりますが、事前にインターネットや電話で料金の確認は可能です。

家電リサイクル法で定められたテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンに関しては自治体で引き取ることができないため、新しく家電を買う電気屋さんに下取りができないかの相談をしたり、専門会社に相談したりするようにしてください。

私も実務で色々な物件を見て回りますが、引っ越しの時に捨てられなかったものをそのまま放置していく退去者が多いように感じます。最低限、住んだあとにも、他の入居者に迷惑をかけないよう退去することが大切です。

4-4 他の居住者が捨てたゴミがずっと残っている

集合住宅のゴミ置き場でよくみられる光景の一つで、分別がしっかりされていないゴミに関してはテープが貼られ、回収されないまま放置されているケースが多いです。こういったゴミは自分が捨てていることが分かっていても、知らないフリをして放置する方が多いことは残念ながら事実です。

ゴミ収集場所が密閉型ではない場合、雨風に曝されているわけですから、捨てた時よりも袋の中に雨入り込んでいたり、中が湿ってカビが生えていたりと状態が悪いことがほとんどです。そのため、気付いても放置してしまい、いつか誰かが回収してくれるだろうという悪循環になってしまいます。

こういったゴミを見かけた場合、建物を管理している管理会社に連絡を入れてください。誰が捨てたかが分かっている場合でも直接インターホンを鳴らして対処するとトラブルの原因になりますので、その場合においても必ず管理会社を通じて注意してもらうようにしてください。

もちろんマンションタイプであっても、扉が少しでも開いていると侵入されてゴミが荒らされ、敷地内の駐車場や共用部にまでゴミが散乱してしまう可能性もあります。こういったトラブルを未然に防ぐためにも、蓋や扉があるゴミ集積場所なのであれば、“きちんと閉まっていることを確認する”という、住んでいる住民全員の環境美化への意識を高めることが重要です。

担当 相楽

関連用語:タワーマンション

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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