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賃貸物件の内見時に確認してほしい、貴方にとって「日当たり」は本当に必要か?

麻布十番・賃貸マンション、㈱リビングインの防犯設備士兼ファイナンシャルプランナーの相樂です。

これまで、お客様に無用のストレスを与えないため、六本木、麻布十番、赤羽橋付近の賃貸マンションを下見してきた我々は、これまで○○の専門家と考えるシリーズを行ってきて、弁護士の次はいよいよ、建築士と考えるシリーズです。今回は日当たりに関して、一級建築士の方に色々と聞いてまとめました。

実務でお部屋をご紹介する際、進学や就職、転職などをきっかけとして、引っ越し先を選ぶ時に多くの方がチェックポイントとしてあげるのが「日当たり」です。

各賃貸物件(戸建て・アパート・マンション)のアピール要素としても「日当たり」は重要視されることが多いのですが、あなたにとって、本当に「日当たりの良さ」は必要なのでしょうか?また、不動産屋さんが配ってくれるお部屋の資料に書いてある日当たりって、いつのことなんでしょうか?

ここでは、建築士として活躍中の榑林さんに賃貸物件選びの参考としてほしい「日当たり」に関する考察をご紹介いてもらいます。

1.理解しておきたい「3種類の日当たり」とは

欧米の住宅と比較して、日本の住宅は「土地が狭く」、「階高が低く(天井が低く)」、「隣接建物との距離が短い」のが大きな特徴となっています。

特に近年、建売住宅・マンションが主流となっている都心部・都心周辺エリアでは「土地の狭さ」、「隣接建物との距離の短さ(近さ)」が際立ってきています。目隠しなどをわざわざ付けないと建てることが出来ない家など本来はナンセンスだと思っています。

一部“分譲マンション”などでは、高層建物として庭や空地を確保。隣接建物との距離が十分に取れている物件もあります。しかし、“賃貸マンション・アパート”では、なかなか十分な「空地」、「隣接建物との距離」が確保できていないのが実状です。

そんな状況下にて、課題となっているのが「日当たり」です。正直、日本の賃貸マンション・アパートにおいては、すべての部屋(居室)にて十分な日当たりが確保できているといった物件は皆無と言えます。

そこでポイントとなるのが自分は「どんな日当たりが必要なのか?」、「どの部屋の日当たりを優先するのか」ということ。ここでは、その選択肢として大切な「3種類の日当たり」を取り上げておきたいと思います。

1-1.「リビング」の日当たり

一般の方が“日当たり”に関して、主に思い浮かべるのが「リビングの日当たり」です。賃貸物件にて、設計上“日当たり”が考慮されやすいのが“リビング”であり、賃貸物件情報にて、「日当たり良好」と記されているのも、リビングを対象としているケースが大半となっています。

リビング(居間)にて、重要視したいのが「11時~14時」の時間帯での日当たりの有無です。主なる目的が「日中の明るさの確保」、「日中の暖かさの確保」となります。

逆に言えば、リビングにて「7時~10時」、「15時~」からの日当たりが良かったとしても、効果がないことに。「15時以降の日当たり」などは西日と呼ばれ、デメリットを及ぼすこともあります。

1-2.「寝室」の日当たり

これからも成長したい20代、30代のビジネスキャリアなあなたが“睡眠への影響(体内時計など)”、“健康への影響”などを考えたときに、最も重視したいのが「寝室の日当たり」となります。

寝室の日当たりにて、大切なポイントとなるのが朝日と多くの人が呼んでいる「7時~10時」の時間帯での日当たりの有無です。朝の陽ざし(太陽光)には、体内時計を調節(正しい状態へリセット)する作用があることが知られています。

・正しい睡眠周期(メラトニン、体内時計)

・快適な朝の目覚め

・適切な成長ホルモンの分泌(時間帯・量)

などに、朝の陽ざしが影響を与えているのです。ゆえに、お仕事の生産性の高さを気にし、睡眠・健康への影響を重視するのであれば、「寝室」における東方位からの陽射し(7時~10時の日当たり)の有無を内見にて、しっかりチェックしておく必要があります。

1-3.「物干しスペース」の日当たり

3つ目の日当たりとなるのが「物干しスペースの日当たり」です。通常はバルコニー空間が対象となります。洗濯物をきっちり天日干ししたい方にとっては、“物干しスペースの日当たり”は重要な要素となります。

新しい住まいを探している時、部屋の間取りや住宅設備などは多くの方がしっかり確認していますが、案外スルーしてしまいやすいのが「物干しスペースの日当たり状況の確認」です。

物干しスペースにて重要な要素となるのが、「11時~14時の時間帯の日当たり」と「直射日光の有無」。なぜなら、明るさがあったとしても、適切な時間帯(11時~14時)での直射日光がなければ、紫外線による殺菌効果などが期待できなくなってしまいます。

2.自分のライフスタイルに合わせた「日当たり」の選択

冒頭でお話したように、日本の住宅環境(賃貸住宅など)では、前項で記した「3種類の日当たり」をすべて確保することは、とても難しい状況となっています。そこで、新たな居住スペース(引っ越し先)を探すときに大切なポイントとなるのが、『自分のライフスタイルを把握した上で「日当たりの優先順位を決めておく」こと』です。

例えば、一人暮らしをしていて、日中は仕事で外出。帰宅は夜というライフスタイルであれば、昼間の「リビングの日当たり」は優先順位の最下位となりそうです。この場合は、朝の「寝室の日当たり」を最優先要素とした方が良いように思います。

一般的なイメージに左右されるのではなく、実際の生活習慣・ライフスタイルをベースとして、日当たりの優先順位を決めるようにしていただければと思います。

3.2種類の“日当たり要素”「直射日光」と「明るさ」

日当たりには、下記2種類の要素が存在しています。

・直射日光

・明るさ

ここでは、「直射日光」と「明るさ」に関して、特徴と意識しておくべきポイント(メリット・デメリットなど)についてお話したいと思います。

4.「直射日光」のメリット・デメリット

一般的に“日当たり”というとイメージされるのが「直射日光」ではないでしょうか?“日当たりが良い物件”と聞くと、高評価と感じる方が多いと思いますが、実際には“直射日光”によるデメリットも多々存在しています。季節・時間帯・地域性によっては、どちらかというと直射日光によるデメリットの方が多かったりします。

4-1.直射日光の「メリット」

直射日光のメリットとなるのが下記3要素です。

・暖かさの供給(部屋を暖める)

・紫外線による殺菌作用

・朝の陽ざし(直射日光)による身体への作用(体内時計調節など)

主には「暖かさをもたらしてくれる」ことが、直射日光の最大のメリットとなっています。特に、冬季節において、直射日光が多く入る部屋は室内空気が暖められ快適な空間となります。ただ、「寒冷地」においては直射日光を取り込むための大きな窓があることが、夜間になって室内の熱損失を促進させる要素となることから、敬遠されるケースもあります。

4-2.直射日光の「デメリット」

一方、直射日光のデメリットとなり得るのが下記要素です。

・西日(西方位からの直射日光)による視覚への影響(テレビが見にくいなど)

・夏季節の冷房効率の低下(室内が暑くなりやすい)

・室内の建材(床・壁など)や家具などの劣化促進(色褪せなど)

中でも近年、都市温暖化の影響にて、夏季節の都市部エリアの住宅では直射日光による弊害(部屋が暑くなる)がクローズアップされてきています。

5.「内見」の重要性!内見しないとわからない部屋の「明るさ」

2つ目の日当たり要素となるのが「明るさ」です。近年の生活環境を考えると、“直射日光”よりも“明るさ”を重要視した方が良いものと考えています。

「部屋の明るさ」という要素は、物件資料(情報)や間取り図からだけでは判断ができないのが特徴。そのため、実際の物件を内見することが非常に大切なポイントとなります。

5-1.部屋の明るさに影響を与える要素1:周辺環境の「色調」「素材」

“部屋の明るさ”に大きな影響を与える要素のひとつが「周辺建物の色調と素材」となります。部屋の日当たり(明るさ)は周辺建物などからの「反射光」の影響を受けるからです。

物件の周囲の建物が

・「白色系」、「彩度の高い原色系」の色調

・光を反射しやすい素材(金属系屋根、ガラスなど)

などで作られている場合は、反射光が増え、部屋の明るさが確保されやすくなります。

また、居室前の外構仕上げ(芝、コンクリート舗装(打ちっぱなし)など)によっても反射光が増減します。部屋の中だけでなく、物件周囲の外構仕上げも併せて確認しておきましょう。

5-2.部屋の明るさに影響を与える要素2:「日陰の有無」

2つ目の要素が「日陰の有無」。物件に近接した建物による影はもちろんのこと、内見時に要確認となるのが『中距離圏の高層建物・高架橋などによる影の有無』です。

近年、タワーマンションなど高層建築物などが都心部に限らず、多く作られてきています。これら高層建築物や陸橋などの工作物の影が離れた場所に影響を与えることに。そのため、物件の近隣建物だけでなく、少し離れた中距離圏内の高層建物の影響(影の有無)も内見によって、確認しておくことが望まれます。

6.あなたにとって必要な日当たりのまとめ

日当たり(直射日光と明るさ)状況は物件情報や間取り図からだけでは見極めることができない要素です。その為、「どの部屋」が「どんな時間帯」にて日当たりがあるのかどうかを内見や担当者にキチンと確認することが後悔しない物件選びをする上での大切な要素のひとつとなっています。

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【元弁護士と考える】シリーズ、告知義務の必要な事故物件を選ばないための賢い対策他

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>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その1)

>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その2)

>>事故物件を紹介されたりしないかと不安で・・・

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今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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