相続で引き継ぐ、泉岳寺のマンションを住宅ローン返済のために売却した事例

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す白金の不動産屋(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している不動産鑑定士補兼住宅診断士の相樂です。

電話している相樂

この記事では、実際にあった港区泉岳寺にある区分マンションの売却事例を基に、売却成功のため、あなたが考慮すべき具体的なポイントを詳しく紹介します。

相続前後で使える特例についても説明し、いつ売るべきかも分かるようにしておきました。

1.はじめに

「相続で引き継ぐ予定のマンション、今すぐ売却して住宅ローンを返済したい。しかし、どのように進めれば良いのか分からない。相続前に売却するメリットはあるんだろうか?」

このような不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?

正直、泉岳寺や高輪のような都心の一等地にあるマンションは、価値が高いだけに、ちょっとの差が大きな損に繋がってしまうため、売却のタイミングや手続きに慎重さが求められると思います。
また、相続を控えた物件の売却には、税金や法律面で押さえておくべきポイントが数多く存在します。

一般的には、『相続に向け、不動産を保有し続ける』ことが推奨されています。

ただ、今回は相続前に売却を決断した成功事例をもとに、なぜその選択が有効だったのかを詳しく解説します。

この記事では、実際に行った泉岳寺のマンション売却事例を基に、相続前の売却を成功させるための具体的なステップと、考慮すべきポイントを詳しく紹介します。

この記事を参考に、最適な選択を見つけてください。

2.物件と相談者の概要

2-1.物件詳細

売却年: 2023年
売却価格: 9,400万円
取得年: 相続予定
築 年: 51年
竣工年: 1972年
地 域: 東京都港区
最寄駅: 泉岳寺駅 徒歩1分
建 物: 再開発が計画されている区分マンション
所在階: 13階建ての12階
間取り: 2SLDK
広 さ: 80㎡

2-2.相談者の背景

相談者は40代の自営業の男性で、相続予定の母親が住む泉岳寺のマンションの売却を検討していました。

お母様が痴呆症で、介護施設に入る予定がある中、再開発業者からご実家の買取打診があったものの、その価格に納得がいかず、当社に査定を依頼されました。

最終的に、私たちの売却提案とその査定価格に満足し、売却を決断して頂きました。

2-3.売却の目的

現在、相談者自身は神奈川に自宅を所有しているため、泉岳寺のマンションに住む予定はなく、再開発が行われる前に資産を現金化したい。

それを住宅ローンの返済に充てたいという希望がありました。また、母親の施設入居に伴う費用の確保も売却の目的の一つでした。

3.売却の過程と結果

3-1.相談と戦略

相談者は、私たちのホームページで泉岳寺のマンション投資の購入事例を見て、同じ地域での取引実績が豊富なことに信頼を持ち、相談に来ていただきました。

マンション自体は泉岳寺や高輪ゲートウェイ駅が近く、誰もが知る超人気のエリアであったため、売却開始直後から多くの反響がありました。

3-2.売却期間

今回の売却活動を開始してから4カ月で取引が完了しました。

マンションやその立地の希少性から、15名もの内見があり、その中で最も高い価格を提示したご家族と契約を締結しました。

3-3.成功要因

3-3-1.売れ残りを防ぐための駆け引き:

売却開始時に市場に強く訴求する価格設定を行い、ネット掲載のタイミングを調整することで、物件への関心を高めました。

また、内見者に対して、他にも購入希望者がいることを暗示し、競争意識を煽ることで、高値での売却を実現しました。

すごく多くの問い合わせが有ったので、本当にやりやすかったです。

3-3-2.戦略的な売却:

再開発が計画されていること、そして母親の痴呆により売却を急がなければならない状況ではあったものの、焦らず適正価格を維持することで、納得のいく売却価格を実現しました。

希少性が高いと思い、私たちが出した査定価格より高い値段での売出しを行いました。

3-3-3.エリアの希少性:

泉岳寺駅徒歩1分という希少性の高い立地であることが、多くの購入希望者を惹きつけ、競争力のある価格設定を可能にしたと思います。

4.相続前に不動産を売却するケース

4-1.相続前に不動産を売却するメリット

4-1-1.流動性の確保:

相続前に不動産を売却することで、相続後と比べ、現金化しやすくなり、遺産分割がスムーズに行えます。

御存知の通り、現金は分割が容易なため、相続人間でのトラブルを避けやすくなります。
相続人が複数人いる場合や、資産がほとんど不動産の場合は売却を検討する事もおすすめです。

4-1-2.リスク管理:

不動産市場の変動や再開発計画の遅延などのリスクを回避できます。

特に、築年数が古い物件や耐震基準に問題がある物件は、相続前に売却しておくことで、将来的な価格低下や維持管理費の負担を減らすことができます。

4-1-3.相続税の軽減:

実は相続前に売却しておくことで、相続税の対象となる財産を減らすことができます。

相続税の計算は相続開始時の財産評価額に基づくため、相続前に資産を減らすことで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。

4-2.デメリット

4-2-1.譲渡所得税の発生:

当たり前ですが、相続前に不動産を売却すると、譲渡所得税が発生します。

不動産の保有期間によって税率が異なり、短期譲渡(保有期間が5年以下)の場合は高い税率(約39%)が適用されます。

4-2-2.特例の適用が制限される:

相続時精算課税制度や小規模宅地等の特例など、相続後に適用できる税制優遇が利用できなくなることがあります。

4-2-3.家族内の調整が必要:

売却前に家族間での合意が必要です。イメージできるかもしれませんが、これが本当に大変です。。

特に、相続人が複数いる場合や、相続人の中に不動産の利用を希望する者がいる場合は、事前に十分な話し合いが必要になります。

4-3.税制上の違いと使える特例

4-3-1.相続時に適用可能な特例

– 小規模宅地等の特例:
相続税の計算において、居住用や事業用の宅地の評価額を最大80%減額できる特例です。
ただし、相続前に売却するとこの特例は利用できません。

– 相続税の取得費加算の特例:
相続人向けの特例ですが、相続税を支払った場合、その相続税額を不動産の取得費に加算できる特例です。
これにより、譲渡所得税の計算時に利益が抑えられ、税負担を軽減することができます。

この特例は相続後の売却に適用されるため、相続前に売却すると適用できません。

4-3-2.相続前に売却する場合に適用可能な特例

– 長期譲渡所得の特例:
不動産の保有期間が5年以上の場合、長期譲渡所得として税率が軽減されます。
具体的には、所得税15%と住民税5%で、合計20.315%が適用されます。

– 住宅ローン控除:
売却後に新たに住宅を購入し、その住宅に住む場合は、住宅ローン控除を受けることができます。
これにより、所得税から一定額が控除され、税負担を軽減できます。

4-4.不動産売却のタイミングまとめ

相続前に不動産を売却するか、相続後に売却するかは、それぞれの家族や財産の状況、将来の計画によって異なります。

どちらの選択肢にもメリット・デメリットがあるため、慎重な検討と専門家のアドバイスが不可欠です。

相続前に売却する場合は、譲渡所得税などの税負担をしっかりと理解し、可能な限り節税対策を講じることがとても重要です。

一方、相続後に売却する場合は、相続税の特例を最大限に活用し、家族間の合意を大切に進めることが成功の鍵となると思います。

5.相続前に売却した方が良い不動産の条件

打ち合わせ中の相樂と秋山

本来、築古であっても今回のような再開発が見えている場合、急いで売る必要はないと思います。
僕たちも保有を選ぶと思います。

ただ、今回の場合、お母様の痴呆が進んでしまい、業者の広告に騙されたり、正しい判断ができなくなる前にマンションを売却し、その資金で施設にも入所できるため、売却するという判断に至りました。

5-1.築年数が古く、修繕費がかさむ物件

築年数が経過している物件は、修繕やメンテナンスにかかる費用が増大する可能性があります。

一般的に、築30年以上の物件では、耐震基準や設備の更新が必要になる場合も多く、これらのコストが資産価値を上回ることがあります。

こうした物件は相続前に売却して現金化する方が、経済的な負担を減らせます。

5-2.流動性が低い物件

立地条件が不利な物件や、賃貸需要が低いエリアにある物件は、売却に時間がかかる可能性が高くなります。
また、相続後に売却しようとしても、買い手が見つからないリスクがあるため、こうした流動性の低い物件は、相続前に売却することを検討すべきです。

5-3.将来的に価値が下がる可能性が高い物件

一般的に、再開発予定がないエリアや、周辺環境の変化(人口減少、商業施設の撤退など)により、将来的に価値が下がると予想される物件は、相続前に売却することで損失を回避できます。
また、地域の都市計画や市場動向を調査し、価値の下落が予測される場合は早めの売却が有利です。

5-4.維持費が高額な物件

大規模マンションや別荘、商業ビルなど、維持管理に多額の費用がかかる物件は、相続前に売却することで、維持費や固定資産税の負担を軽減できます。
特に、利用頻度が低い不動産や、収益性が低い物件は、売却して資金を他の資産に振り向けることがとても有効です。

5-5.複数の相続人がいる場合

相続人が複数いる場合、現物分割が難しく、遺産分割協議が長引く可能性があります。
こうしたケースでは、不動産を相続前に売却し、現金を分ける方がトラブルを避けやすく、スムーズな相続手続きを進めることができます。

6.所有者と担当者の感想と学び

電話中の相樂

6-1.所有者の感想:

母親の痴呆が進み、詐欺にあったり、再開発の計画など、マンション売却に対する不安がほんとに大きかったです。

今回、リビングインの担当者が的確なアドバイスをしてくれたおかげで、納得のいく価格で売却することができました。

売却により、自宅のローン返済や母親の施設費用も確保でき、家族としても安心しました。

6-2.担当者の感想と教訓:

私たちの提案を信頼していただき、大切な資産の売却をお任せいただけたこと、本当に嬉しく思います!

相続に伴う売却案件は、時間と手間がかかる一方で、売主にとって非常に重要な決断だと思います。

今回は、相談者の方が焦らずに適正な価格を維持しつつ、私たちの戦略を信頼していただけたことが成功の鍵でした。
相続関連の不動産売却は難しいケースが多いですが、こうした経験を生かして、今後も最適なサポートを提供していきたいと考えています。

7.他社との比較と当社の強み

相楽面談説明

今回、物件売却を促した他社は再開発業者からの買取打診をそのまま受け入れることを提案しました。

一方、私たちは泉岳寺の希少な立地を考慮したうえで、慎重に市場調査を行い、最適な価格設定と戦略的な売却活動を行いました。

これにより、他社が提示した価格よりも高値での売却を実現できたのではと思っています。

7-1.無料相談について

この記事を読んで、マンション売却についてもっと詳しく知りたいと感じた方は、ぜひ無料相談をご利用ください。

無料相談は可能であれば、対面やオンラインで2時間くらいじっくり行い、しっかりと状況を理解したいと考えています。

さらに、無料相談後に売却依頼をいただいた場合、仲介手数料を1.5%と半額にしています。
と言うのも、相談を通じて相談者さまの状況をきちんと理解し、最適な戦略・ストーリーを立てやすくなります。

結果的に、高いで値段で売ることが出来たり、トラブルなく、ご満足いただける事が多いため、手数料を半額に割引しています。

7-2.無料相談の推移と成功事例

2012年から続けてきた無料相談では、これまでに1,200件を超えるケースを受け、その中から250件以上の不動産取引を成功させています。

相談件数の推移_2023

この成功が可能だった主な理由は以下の二つだと思っています。

7-2-1.経験と事例の活用

長年にわたる豊富な経験を基に、個々の状況に応じた最適な対応を提供。

このアプローチは多くのお客様に信頼されています。

7-2-2.戦略的なアプローチの確立

無料相談を通じて、お客様一人ひとりのニーズを深く理解し、適切な戦略を立てることができました。

相続したマンションの売却は重要な決断だと思います。

7-3.創業10年を超え、取引件数も250件を突破

2011年以降、250件以上の不動産取引を担当し、どの不動産を購入・売却すべきか、そして、その注意点への理解を深めています。

取引件数の推移_2023

7-3-1.住み替え相談が増えています

現在、地方のみならず、東京においても相続や高齢化に伴う住み替え相談が増加しています。

今後も、これまでの経験・強みを活かし、丁寧に対応し続けていきます。

7-3-2.住宅ローンの滞納相談

さらに、住宅ローンの返済に不安を感じる50代、60代の方々に対して、LINE公式アカウントや電話での無料相談を通じ、実務担当が直接対応しています。

成功事例の詳細は解決事例まとめに、私たちのGoogleの口コミもまとめてあります。

注)これらの事例はトラブル解決の参考として掲載しております。ただし、個人情報保護のために価格や場所の詳細は変更しています。詳細はメールや面談でご説明いたします。

荻窪駅近くの旧耐震マンションを子供の学費のため、売却した事例

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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