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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼管理業務主任者の相樂です。
今回は、先日、赤羽橋と麻布十番のマンションをご案内している際に、「お部屋の内見は一件いくらですか?」と聞かれました。内見は何件やっても無料です。今回はそのような部屋探しの経験が少ない方向けに内見や契約、入居までに掛かる費用や条件交渉について、失敗やトラブルを避けるため、説明してます。
0.はじめに
トラブルの少ないお部屋を借りるなら、内見は絶対に必要だと思います。VR内見の際に書きましたが、急いでいると内見を飛ばす方が大勢いらっしゃいます。
スーモ調べでも70%近い人が後悔している部屋探しで内見をしないと、後でトラブルになることが本当に多いです。その為、不動産会社によっては内見なしでの賃貸借契約を受け付けていません。
内見をはじめると自分を含め、担当者も丸1日それに付き合うことになります。しかし、その1日でむくわれるわけではなく、お客さまによっては別の不動産会社で賃貸借契約をされる方もいます。。。
「ここまで付き合ってもらって選ばないのは・・・」 優しいあなたならそう考え、同時に「お部屋の申し込みをしなければ、内見が有料になるのではないか?」という考えにいたるのではないでしょうか?他にも、「たまたま私が行った不動産会社は料金がかからなかっただけなのかも?」や「もしかして、エリアや人気のお部屋によっては料金がかかるのかも?」
そんな不安を抱えるあなたが部屋探しの際に騙されないよう、この記事では内見をするのに料金がかかるか、また、内見前後にかかる費用と少しでも負担を軽くする方法について解説します。また、私がお客様から聞いた「無料なのに断っていいの?嫌な顔しない?」という質問にもお答えしていきます。
1.お部屋の内見は何件目から有料なの?
内見は何件行っても無料です。どの不動産会社でも基本的にお金はかかりません。もし、内見でお金がかかるとしたら内見の事前の準備です。
例えば、内見には寸法を測るためのメジャーや紙、ペン、カメラ、スリッパが必要になります。カメラを除き、不動産会社によっては貸し出しをしてくれます。しかし、使い勝手などを考えると自分で準備をしておくことをオススメします。
時々ですが、内見での交通費が実費の会社もあります。直接的にお金がかかるポイントは交通費だけと考えられるので、もし心配なら、担当者に事前に問い合わせ、確認しておいてください。
夜の内見は電気が通っていない可能性もあります。その際の対応について、こちらのページにまとめておきました。
2.お部屋の相談だけでも無料?
「この部屋に住んでみたい。色々教えてほしい・・・。」
住んでみたいお部屋があれば、このように考えるのはよくあることです。予算や似たようなお部屋があるかどうかも比較の為に聞きたいところでしょう。
そういった相談ももちろん無料です。
不動産会社で提供される情報一式は一般的に無料で提供され、弁護士事務所のように相談で一時間当たり、お金がかかることはありません。
聞きたいことが気軽に聞ける。多くの不動産会社が目指しているところでもあるので気がねなく足を運び、相談してください。もちろん、電話やメール、LINEでも相談できます。
3.ある女性の疑問:無料の内見なのに断っていいの?
「無料なのにお部屋の申し込みを断っていいの? 嫌な顔しない?」
私がお客様と話しているときに言われたことです。もちろん断って大丈夫ですし、嫌な顔もしません。買い物を色々なお店でするのと同じように、『不動産会社も色々なお店を使うべき』というのが、我々不動産会社の考え方だからです。
ところで、この女性ですが以前引っ越しをしたときに無料での内見を断ることに後ろめたさを覚えて、お部屋選びを妥協したと言っていました。 このように後ろめたさを覚えることで、いいお部屋を見つけられる可能性がガクッと下がります。
いいお部屋を見つけるためには内見は断ってもいいことと、しっかりと断ることはメリットにつながることを覚えておきましょう。 内見で他の店舗を見たいときは「検討します」と言えば、お店側も察してくれるでしょう。
とはいえ、不動産会社の担当者も人ですし、時期によっては忙しいので、断る際は早めに連絡を入れてあげてください。 それによってあなたと同じように一所懸命お部屋を探している方の選択肢が増えます。
もし、その後も連絡が続いたり、強引な営業が続くようなら、その断り方はこちらのページにまとめておきました。最悪、その業者に指導をしてもらう事も出来ます。
4.内見後にスムーズに断るための対策は?
内見というサービスを受けているのにこちら側は何も恩を返せない。 そうなると何か悪い気がする…、そんな心優しいあなたのために安心材料をお届けします。
恩を返せないことについて悪い気がする…、これは返報性の法則といって、他人から何かほどこしを受けた時に返さなければならないという、人間の基本性質から来ている気持ちです。他のビジネスでもよく応用される法則で、断れない状況を作ってモノを売る一種のテクニックです。
念のため、以前まとめた内見後に断って良いのかはこちらのページです。
しかし、そうはいっても一生懸命お部屋を案内してくれた担当者の方に「検討します」といって断りを入れるのはなかなかに難しいですよね。そこで、少しでも精神的な負担を減らすために、内見で自分で断る状況に持って行かないような方法を4つ紹介します。
4-1.VR内見で担当者をつけない
VR内見はVRゴーグルを装着することで、直接お部屋に足を運ぶことなく内見ができます。隣に担当者がつくこともなく、内見後もお部屋の申し込みを断る必要がありません。
しかし、VR内見には注意点があります。お部屋内の細かな箇所を採寸ができなかったり、時間帯ごとの日当たりを見ることができなかったり、というところです。
お部屋の選択肢が多い段階ではVR内見を使い、ある程度絞れたところで気に入ったお部屋は一度足を運ぶことを個人的にはオススメします。
4-2.他店を見ず、一店だけでお部屋を決める
最初に内見をした一店舗目で住みたいお部屋が見つかれば、申し込みを断る必要もありません。
しかし、いくらWeb上で気に入ったお部屋を見つけても実際にお部屋に足を運んで内見をすれば「なんか違うな」と思うこともあるでしょう。
内見は時間がかかるため、一店舗目でお部屋を決めてしまうことも珍しくはありません。どうしても断るのが嫌なら一店だけに執着して、お部屋を決めるのも一つの手段です。
4-3.家族や知り合いを連れて内覧へ行く
たとえ一人暮らしでも、内見は採寸などする作業が多く友達や恋人、親など二人以上で向かうことも少なくありません。 断るのが苦手なら、彼らにお願いをして交渉してもらうのも一つの手です。
4-4.お部屋の内見代行サービスを使う
少し趣旨が変わりますが、最近では内見代行サービスもあります。内見代行サービスとは、不動産会社のスタッフがお客様に変わって内見し、画像や動画等で情報をお届けするサービスです。
直接出向いたり、スタッフと触れ合うわけではないので、お時間がなかったり断るのが嫌なら、サービスを利用するのもオススメです。
5.お金がかかるのは契約時から
内見は不動産会社が仲介手数料を手に入れるためのサービスです。広く消費者を集めるために内見を無料にしています。ですので、内見までは安心して申し込んでも大丈夫です。
具体的に料金がかかるのは契約後で主に以下の内容です。
- 敷金・礼金
- 前払家賃
- 火災保険料
- 仲介手数料
一般的に初期費用と呼ばれるもので、これらを合わせると、一般的に4ヶ月から5ヶ月の家賃相当額の費用がかかります。内見が無料とはいえ、契約後にはまとまったお金が必要になるのでお部屋探しは計画的に行いたいものです。
6.内見時に考えたい交通費
お部屋の内見自体には費用がかかりません。しかし、各お部屋間の移動で交通費がかさむことがあります。一般的に、不動産会社の事務所でお部屋の紹介を受け、そこへ足を運びチェックしていきます。アクセス方法は会社やエリアによって様々で車での移動もあれば、タクシーなど公共交通機関を使っての移動もあります。
そこでかかる交通費は多くの不動産会社が負担をしてくれます。が、一部自己負担が必要なケースもあるので注意してください。お部屋間を行き来するだけなので大した費用ではありませんが、心配なら事前に問い合わせて聞いて下さい。
ただし、都心の地域密着型の不動産会社であれば、不動産会社の事務所から内見したいお部屋まで徒歩圏内のケースも多いです。その為、ある程度住みたいエリアが決まっているなら、地域密着型の不動産会社を選ぶのも一つの手です。
もちろん、直接マンションで待ち合わせして、そのままお部屋を内見するケースも増えています。時間やお金をムダにしない様、キチンと事前に確認し、部屋探しをするようにして下さい。
7.内見時にかかる費用
内見のために不動産会社に支払う費用は基本的にありません。しかし、内見のために多少は準備をして置いた方がよいモノがあります。それは以下の通りです。
- メジャー
- ペンと紙
- 方位磁石
- カメラ
- スリッパ
すべてスマホでおぎなえますが、メジャーだけはスマホのアプリではなく、実際のステンレス製のモノを用意することをおすすめします。というのも、スマホのメジャー機能はアプリによっては誤差が大きいからです。
実際、以前スマホのアプリで大きめの家具を置くための場所を測ったら、5cmほどズレていて、搬入できなかったケースがあります。たかが5cmですが、間取りやそのほかの家具家電の配置によっては新居で使うことができません。こうなると買い直すコストがかかるばかりか、処分費用や手間もかかって大変です。
メジャーは数百円程度で買えるので、内見前にぜひ用意してください。100円ショップでも買えますが100円ショップのメジャーは2メートル未満のモノばかりです。
家具・家電の採寸は2メートル未満のメジャーでもできるのですが、ベッドやカーテンの採寸になると少し心もとないです。数百円程度で2メートル以上のメジャーを購入できるため、事前に準備をしておきましょう。もし、メジャーにお金を出すのが嫌なら、不動産会社によってはメジャーの貸し出しをおこなっているので問い合わせてみる手もあります。
8.内見前後から入居までの料金を少しでも抑える方法
気に入ったお部屋が見つかりました。 あとは家賃交渉や入居日を交渉して、申し込みをするだけです。 ここで入居日はしっかり伝えておきましょう。
そして、このタイミングはお部屋に関わる料金を少しでも抑える最後のチャンスです。 家賃や礼金、仲介手数料などを交渉できる可能性があります。
家賃や礼金を決めるのは大家さん(オーナー)、仲介手数料は不動産会社に決定権がありますが、いずれにしてもただ「安くしてください」だけでは通りません。
安くしてもらうならそれだけの理由が必要です。
たとえば、入居可能日からすぐに住み始めるので礼金を減額してほしい、5年以上住むので家賃を減額してほしい、など大家さん側にもメリットのある要望にしましょう。
仲介手数料にしても、審査が通り次第すぐに必ず契約することなど約束を示すことが大切です。 とはいえ、あくまでお願いする立場なので横柄な態度は避けてください。 審査に落とされてしまう可能性もあります。
また、大手の不動産会社だとマニュアルが厳しく、個別の割引などは難しいケースが多いです。 一方、地域密着型で代表者の裁量が行き届く不動産会社だと案外通ったりするので、そうしたところを狙ってみるのもよいでしょう。
9.不動産の内見は無料、料金が掛かるのは条件交渉時からのまとめ
今回は、実際にあった「お部屋の内見は一件いくらですか?」から、部屋探しの経験が少ない方向けに、内見は無料であること、そして、精神的に負い目を感じないお部屋の調べ方をまとめました。実際に、お金が掛かってくるのは契約時やその後の引っ越しです。以下、今回のポイントです。
内見は相談込みで一切無料。内見は不動産会社が仲介手数料を手に入れるためのサービス。
9-1.内見後、断るのが嫌なら
・VR内見で担当者をつけない
・他店を見ずに一店だけでお部屋を決める
・知り合いを連れて行く
・内見代行サービスを使う
9-2.お金が掛かるのは?
・不動産会社によっては交通費がかかる
・2メートル以上、金属のメジャーを用意・購入する
・家賃や礼金、仲介手数料はタイミング次第で減額交渉できる
なお、既述のようなVR内見でも実際の内見でもお部屋のチェックポイントが沢山あり、引っ越し経験が2回以下の方はどこを見れば良いか分からないと思います。そのような方の為、他社を含め、失敗談を基に内見時に確認するポイントをまとめたものはこちらのページにまとめておきました。トラブルの無い住まいを見つけるため、有効に使ってください。
これまで、8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。空き部屋だけなく、記載していない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。
もちろん、弊社の無料相談も利用できます。信頼できる先がすぐに見つからない場合にはご連絡ください。これまで多くの住まいの問題を解決した経験や知識を活かし、あなたの力になれると思います。ぜひ気軽に無料相談までご連絡ください。
私たちは今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、専門家と協力し、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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