お引っ越しという、時間配分、環境、付き合う人を変える最大のチャンスを得たのに、お部屋がそのまま…、というのは本当にもったいないです。というのも、お部屋は平日でも1日の半分近くを過ごす場所です。休日なら、半日以上お部屋にいるということもあるでしょう。
せっかくならば、デキる!お部屋にして効率的に成長を加速させませんか?
そんなお部屋の作り方を科学的に研究データを使いながら解説しています。今日から取り組める方法もあるので、ぜひ実践してみてください。ちなみに、前回までに効率的に成長するために、三つのことを意識しないと行けなくて、そのためには環境、時間、付き合う人を変えるまでは説明しました。
この記事は、けっこう多くの人に読んでいただいたので、お引っ越しで事務所の近くでお部屋を決めてしまう前に、ぜひあなたにも読んでおいてもらいたいです。
>>20、30代で実践したい成長を加速させるお部屋とライフスタイルとは(3)六本木や麻布十番は効率よく成長する3つの要素すべてを持っているエリア?編」を読む
1.科学的に証明されたデキる!お部屋の作り方6ポイント
引越しは、時間配分、環境、付き合う人を変える最もシンプルな方法の一つですが、せっかくならば、より成長を加速させるお部屋で過ごしませんか?
2-1.日当たりを計算してレイアウトする
朝、陽の光を浴びられる場所にベッドをレイアウトしましょう。なぜなら、朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、毎朝リズムよく生活できるからです。
体内時計、専門的には「サーカディアンリズム」と言います。サーカディアンリズムのメカニズムを発見した3人のアメリカ人研究者は、2017年のノーベル生理学・医学賞を受賞するほど、私たち人間にとって重要な内容です。
1日は24時間ですが、人の体内時計は個人差があると言われています。24時間に満たない人もいれば、25時間くらいある人もおり、日本人の平均が24.2時間です。
平均的な体内時計を持つ日本人が、サーカディアンリズムを意識せずに生活していると、だんだんと時間が後ろ倒しになってしまいます。たとえば、初日に朝6時に起きたとして、2日目に体内時計に身を任せて起きるなら、6時12分、3日目は6時24分となるわけです。
通常、それに合わせて就業時間を後ろ倒しにするなんてできません。ですので、本来は6時24分に目覚めるはずの体を無理矢理6時に起こすためツライ…となります。
この体内時計のズレを毎朝リセットできるのが、「朝、光を浴びること」です。
眠気は、脳から分泌される『メラトニン』というホルモンによってコントロールされています。メラトニンの分泌は、朝太陽の光を浴びてから14時間後に始まり、眠気を催す仕組みです。朝6時に起床したら、夜8時頃から徐々に眠気が出てくることになります。
そして、メラトニンは太陽の光を浴びると分泌がストップして、体が目覚めモードとなるのです。つまり、毎朝決まった時間に朝日を浴びることで、よりスッキリ目覚め、元気よく活動することができます。
メラトニンの分泌を止めるには、1,500〜2,500ルクス程度の明るさが必要とされていますが、普通のお部屋の照明だと500ルクス程度しかありません。そのため、寝起きにはしっかりと太陽の光を浴びる必要があります。
窓から1メートル以内にいれば、3,000ルクスほどの光が届くので、窓の近くにベッドをセッティングしましょう。ちなみに、遮光カーテンの場合は、カーテンを開けるまで十分な光が届かないので、もしあなたが寝起きに自信がない場合には、遮光カーテンは使わないのがオススメです。
2-2.適度な室温を保つ
お部屋で勉強や趣味など、新しい刺激に触れるときは、室温を25度前後に設定しましょう。2004年にコーネル大学が行った研究によると、25度に設定したオフィスで働く人は、20度に設定されたオフィスで働いている人に比べ、
・ミスが44%減少
・成果が150%上昇
したそうです。「寒すぎる」、「暑すぎる」環境だと、そちらに意識が行ってしまい、肝心な作業に集中できないと考えられます。正直、電気代がもったいないと思うかもしれませんが、快適な温度にしてテキパキと動いたり、作業効率を上げたほうが、最終的なコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
2-3.照明の色をコントロールする
照明は強さだけでなく、色もコントロールすることが重要です。2016年に東京電機大学が行った実験によると、赤、青、白、黄色の照明のうち、黄色の照明の下で作業をしたときに、脳の活動が最も活発になることがわかりました。そして、活発に活動する分、疲れやすいそうです。
一方、青い光では黄色ほど脳の動きが活発ではないものの、集中力を維持させることができることがわかりました。青色の光は、市販されているお部屋用の照明で言うと『昼光色』です。長時間作業する場合は照明の色を『昼光色』に、短時間一極集中で高いパフォーマンスを発揮したい場合にだけ黄色い色にするとよいでしょう。
また、翌日のパフォーマンスを考えるなら、照明の色だけでなく夜間に向けては光の強さも落とすことも大切です。夜に強い昼光色を浴び続けていると眠気を誘うメラトニンの分泌を妨げるので、電球色にして光も弱くします。
2-4.単純接触効果を利用する
もしあなたが、今、取りたい資格や学んでいること、得たいものなどがあるならば、それに関連するものをお部屋の中で目につくところにおいてください。これは心理学の『単純接触効果』を利用して、自分を成長させる方法です。単純接触効果とは、接触回数が多いほど好意的に感じやすいという心理現象を言います。
イメージ広告やCMがわかりやすい例です。たとえば、何度もCMで同じチョコレート菓子を見ていたとします。すると、たまたまチョコレートを買おうと陳列棚を眺めたとき、まったく知らないチョコレート菓子よりもCMで見ていたチョコレート菓子の方を買いたくなる、という心理です。
自分が成長したい、得たいと考えている分野に関連するものを頻繁に目にする場所に置くことで、それに対する意識が高まります。
資格取得の勉強のように“好意”とは違う性質のものであっても、効果はあります。帰宅後、ついダラっとしがちなところ、必ず目に入るテーブルの上に置いておくなどするのです。
朝、勉強する習慣をつけたいならば、ベッドの横に置いておくのがよいですね。勉強のようにちょっと大変な事柄でなくても構いません。
たとえば、「ハワイに行きたい」のような願望でも、ただ何となく行きたいと思うよりも、ハワイの写真がたくさん掲載されたガイドブックやツアーのパンフレットを目につく場所に置いておけば、意識が高まります。そして、「次の長期休暇で行けるよう、計画的に仕事をこなそう、お金を貯めよう」と行動に移しやすくなるわけです。
2-5.観葉植物を置く
一度は、緑に癒されたという経験があるのではないでしょうか?緑がもたらす効果は、2011年〜2013年にかけて行われたノルウェーとアメリカの大学の共同研究でも明らかにされています。結果的に、お部屋に観葉植物を置くと、集中力や満足度が高まったそうです。
こうした結果が生まれたのは、『注意回復理論』によるものと考えられています。注意回復理論とは、『植物など自然のものを眺めることで疲労感やストレスを緩和できる』という理論です。
観葉植物が過度な緊張状態から解放した結果、集中力がアップし、満足度が高まったのでしょう。観葉植物はこうした実利だけでなく、見た目にもおしゃれでお部屋の雰囲気を明るくしてくれるので、ぜひ取り入れたいですね。
2-6.デスクやテーブルの配置を工夫する
もし、お部屋で仕事や勉強をしたいと考えているなら、デスクやテーブルの配置に気をつけてください。具体的には、前面を壁にくっつけずに解放した形で置きます。なぜなら、目の前に壁があると心理的な圧迫を受け、集中力が落ちやすくなるからです。
また、朝や休日の昼間、自然の光を使って机につく機会が多いのであれば、デスクやテーブルと窓の位置関係も考えます。利き手と反対側に窓があるのが理想的な位置関係です。たとえば、右利きの人が右手でペンを持ったとき、左側に窓があれば手の影は体の外側にできるので、視界をジャマしません。
学校の黒板が西側に設置されているのは、昼間、南の窓から太陽光が入ったときに右手の影がノートにかからないようにするためです。(左利きの方には不利ですが…)ちょっとしたことのようですが、視界をジャマすると集中力が落ちてしまうので、デスクやテーブルの配置には注意しましょう。
3.研究で証明されたデキる!お部屋の作り方まとめ
・朝日が当たるようにベッドをレイアウトすることで、朝の目覚めが良くなり、夜の快眠に繋がります。
・作業するときは室温を25度前後に設定すると効率が上がります。
・時間や作業内容に合わせて照明の色をコントロールすると作業効率が上がり、快眠や翌朝なスッキリとした目覚めを得やすくなります。
・研究結果から、お部屋に観葉植物を置くことで、集中力や注意力が上がることを期待できます。
・デスクやテーブルの前にはスペースをつくり、利き手と反対側に窓があるように配置すると勉強や作業が捗ります。
せっかく東京まで時間とお金をたくさん使って引っ越しをするなら、部屋探しをきっかけにもっと賢く成長してみませんか?我々はお引っ越しの失敗事例を基に、引っ越し後のストレスが少ないお部屋選びを社会人の方に強く推奨しています。
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今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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