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麻布十番・賃貸マンション、㈱リビングインでお部屋の紹介やその後のトラブルなどアフターフォローを担当している宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーの馬場です。
突然ですが、もし、あなたが引っ越しを検討しているのなら、審査通過の為に経費の使い方に注意して下さい。なぜ、注意する必要があるのかというと、所得が赤字になると一気に賃貸契約の審査が通りにくくなるからです。
もっと詳しく説明していくと、個人事業主は利益がでた場合、通常、できるだけ経費を多く使って節税しようとします。あなたも経費を多く使い、節税しようとした経験がありませんか?
ちなみに、入居審査について、必要な物や期間など、一般的な情報はこちらのページにまとめておきました。
確かに、節税の観点で考えると経費を多く使うのは正しいと思います。しかし、賃貸契約の審査では通りにくくなってしまいます。こう聞くと、以下のような疑問を抱える人も多いのではないでしょうか?
「個人事業主の所得が赤字だと、賃貸契約ができないの?」
「どの程度の所得を残せばいいかがわからない」
「所得が赤字でも、賃貸契約の審査に通す方法はないの?」
この記事を読むと「個人事業主の税金の仕組み」や「賃貸契約の仕組み」を理解することができます。僕が実際に経験して分かった「個人事業主の税金の仕組み」や「賃貸契約の仕組み」を理解して、あなたの家探しに役立たせてください。
1.個人事業主が経費を使いすぎ、所得が赤字になる仕組み
個人事業主が経費を使うと税金が安くなる仕組みをあなたは知っていますか?税金の仕組みを細かく理解している人は多くありません。そこで、ここではまず、税金の仕組みについて説明していきます。重要な点なので、正確に理解するようにしてください。
1―1.税金の仕組み
(売り上げ)−(各種控除)―(経費)=(課税所得)
(課税所得)✖️(税率)=(税金)
税金は、上記のような仕組みになっています。仕組みの中の経費部分を使うことにより、課税所得を減らす事が可能です。課税所得が減ると、税金の支払いが減るので、とても節税にはなりますが、注意点もあります。
2.個人事業主の所得が赤字だと賃貸契約の審査が通りにくい理由
2―1.赤字だと通らない?
赤字とか聞くと、イメージから何か悪い事を想像すると思います。個人事業主が賃貸契約の入居審査に通りにくい理由は、毎月給与をもらえる会社員や公務員のイメージとは違い、大家さんの多くは「個人事業主の収入が安定していない」と思っているからです。そのため、賃貸契約の入居審査を通すためには、安定した収入を証明する必要があります。
しかし、経費を使いすぎて赤字になってしまっていると税金を収めていないため、安定した利益の証明ができなくなってしまいます。安定した利益が証明できないと個人事業の場合、賃貸契約の入居審査に通りにくくなるというロジックです。
2―2.審査のポイントは?
一番見られるポイントとして、所得額と安定性です。節税のためにあえて経費を多めに申告して所得を低くしている場合には、所得額にひっかかり審査では不利になります。
また、審査を受ける際に過去2〜3年分の確定申告の提出を求められる場合があります。この時、前年度がいくら収入が良かったとしても、2年前の状況と大きく変わって収入が増えている場合は安定性に欠けているとして、審査が通らない可能性があります。
3.個人事業主の所得が赤字でも賃貸契約の審査を通りやすくする対策
ここまでは、個人事業主は賃貸契約をするために経費を使うのを抑えた方がいいという内容を書いてきました。しかし、「賃貸契約のことを考えると、経費を使いすぎない方がいいのは理解したけど、そのために税金を多く払うのは抵抗がある」という人も多いと思います。ここからはそんなあなたに、所得が赤字でも賃貸契約の審査を通りやすくなる方法をご紹介したいと思います。この方法を使えば、必ず賃貸契約の入居審査に通るわけではありませんが、通りやすくなるのは間違いありません。
3−1. 連帯保証人を用意する
安定した収入を持つ連帯保証人を用意することで、賃貸契約の入居審査に通りやすくする方法があります。大家さんは、家賃滞納に対する不安を持っている人が多いため、連帯保証人をつけることで安心してもらう事ができるのです。この方法はフリーランスの方だけでなく、学生の方等未成年の方も良く利用されています。
実際に、「契約者さんは無職でしたが、連帯保証人に教師をされているご両親がなってくれたため、賃貸契約ができた」という例もあります。しかし、2020年の民法改正で家賃保証会社を多く使う事が増えるため、連帯保証人の重要性は下がってくると予測されているので、注意が必要です。
3−2. 家賃保証会社を利用する
2020年の民法改正で連帯保証人の代わりに注目されているのが家賃保証会社です。家賃保証会社とは、大家さんに対して賃料を保証する会社の事です。大家さんからすると、家賃滞納の心配は必要なくなるので、家賃保証会社の審査がそのまま入居審査になっている物件も多く見られます。
ちなみに、個人事業主に1番おすすめの家賃保証会社は株式会社フォーシーズです。
株式会社フォーシーズは経営も安定しているので、大家さんも安心しやすいですし、何よりも審査承認率が98%という驚きの数字です。どうしても、賃貸契約が出来ないというあなたは、フォーシーズが使える物件を探すことに注力してみることをおすすめします。その他、保証委託契約料50%と比較的安い株式会社CASAなども上場会社の割に審査が早く、緩めなのでおすすめです。
これから引っ越しを検討しているフリーランスや個人事業主の方向けに保証会社の審査についてはこちらにまとめました。もし、審査等に不安があると場合、事前に確認してみて下さい。
3−3. 経験豊富な地域の不動産屋に相談する
実は、経験豊富な地域の不動産屋に相談する方法はかなり有力だったりします。なぜなのか?それは、経験豊富な地域の不動産屋は仲介だけでなく、賃貸物件の管理もしている事が多いからです。
経験豊富な地域の不動産屋は賃貸物件の管理をしていく上で、大家さんとの人間関係を築いています。人間関係が築かれている不動産屋から「この人は大丈夫です!所得は赤字になっていますが、節税目的でしているだけです」と説明して貰えば、当然、入居審査の結果も変わってきますよね。このように、不動産屋を味方につけるのも、賃貸契約の入居審査に通す方法だということを覚えておいてください。
4.まとめ:個人事業主は経費を使いすぎに気をつけよう
所得が赤字でも賃貸契約をする方法は確かにあります。しかし、あなたが気に入った物件で賃貸契約の入居審査を絶対に通したいなら、経費の使い過ぎに気をつけた方がいいと思います。なぜなら、安定した収入を証明できた方が圧倒的に審査上で有利になるからです。特に、大手不動産会社の系列は審査が厳しく感じます。
ちなみに、ここで触れている経費とは前年の経費のことを指すので気をつけて下さい。例えば、更新がくる2021年4月以降に賃貸契約をする場合だと、2020年中の課税所得で税金計算された税額の納税証明書などで所得証明をすることになります。その為、2020年の経費を使いすぎずに利益をある程度残しておく事をおすすめします。
それでも、入居審査に通らない場合は先に挙げた対処法で再度審査に通してみて下さい。これまで連帯保証人を使っていた方向けに弁護士さんと話念のため。これまでのアンケートの回答を踏まえ、入居審査が不安な方向けに、保証会社の基準や提出資料の性質について、こちらのページにまとめました。
>>【元弁護士と考える】今春の民法改正で、連帯保証人をお願いできなくなる?(その1)
>>【元弁護士と考える】今春の民法改正で、連帯保証人をお願いできなくなる?(その2)
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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