C.解決事例(お客様の声)

マンションの空き部屋を放置しててもかかる費用やトラブル、判例とその対策まとめ

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼管理業務主任者の相樂です。

今回は同じく、不動産鑑定士兼マンション管理士の平野さんと一緒にマンションの空き部屋をそのままにしているとどうなるか、判例やトラブルと対策について、考えをまとめました。

緊急事態宣言下でしたが、西東京市にあるマンションについて、税理士先生からご紹介を受けました。マンションの一室を相続で譲り受けたものの、今は目黒区に住んでおり、使うことが無い。室内も当時のまま、親が残した荷物など残っており、どうしたら良いかの相談でした。

現在、分譲マンションの一室で管理費と修繕積立金が毎月3万円程度掛かっており、改修にもまとまったお金が掛かるので、売却するか悩んでいました。

先日、空き家トラブルに困っているオーナーさんや賃借人の方を踏まえ、現状や対策についてインタビューを行いました。空き家に困っている方向けですが、困りそうな方も是非見てみて下さい。

0.はじめに

参照:総務省統計局『住宅・土地統計調査』を基に野村総研が作成した資料

総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」によると、このような空き家(空き部屋)は増え続けており、最新のデータ(2018年)では8,489,000戸もの空き家があるそうです。正直、東京都はあまり関係のない話と思うかもしれません。

しかし、実は東京都の空き家率も10.6%もあります。今回のご相談がまさにそうだと思います。社会人になり、実家を離れ、お住いを持っている人が多く、相続で実家を譲り受けてもまとまったお金が必要になるケースが多く、その後の対応に困っている方が増えています。

人口が減り続け、出生率も過去最低を記録し、感染症の影響で海外からの移住や流入も見込めない中、対策しなければ、空き家は行き場を失い、増えるばかりです。

もう一つ興味深いデータがあります。

同じく、総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」からですが、今住んでいる住宅以外を所有している世帯は5,110,000万世帯。このうち、誰も住んでいない住宅(空き家)は1,382,000世帯です。

住んでいる住宅以外に空き家を所有している世帯の割合は年齢と比例して増え、ピークの「65〜69才」では4.7%もの世帯が空き家を抱えています。年齢に対する空き家所有の割合を下記に抜粋しました。

・55〜59才:3.6%

・60〜64才:4.6%

・65〜69才:4.7%

・70〜74才:4.3%

・75〜60才:3.6%

「自分が住んでいる家以外に空き家を所有」、「65〜69才前後の世代で空き家所有率が高い」という2点から、今回のケース同様、主に相続で所有し、活用できずに空き家状態になっているケースも多いと考えられます。

昭和前半生まれの世代でこのような状況ですから、出生率が下がり続けているこれからの世代ではもっと増える可能性が高いです。早めに手を打たないと、マンションを処分しようにも費用がかかるばかりになるので、お金はもちろん余計なトラブルに巻き込まれる前に対策をしてほしいと思います。

1.マンションの空き部屋放置で起こるお金の問題

空き部屋の大変ところは誰も住んでいなくてもお金だけが出ていくということです。放っておいたら、本当に湯水のようにどんどん出ていきます。。。そこで、空き部屋の放置で起こりがちなお金や税金の問題をまとめました。

1-1.一戸建てにはない、管理費・修繕積立金

一戸建てにはない、マンション特有のコストが管理費と修繕積立金です。

1-1-1.管理費:共有部分の管理に使う費用

マンションでは、住環境を維持するため、具体的には以下のような費用が毎月掛かってきます。

・管理人の人件費

・管理組合の運営費用

・共有部分の保険料

・蛍光灯交換費用

・日常清掃費用

・共有の上下水道や浄化槽、消防設備等の維持、点検費用、修理費用

1-1-2.修繕積立金:マンションの大規模修繕のために積み立てるお金

・数年〜数十年に一度行う大規模修繕用の費用。

・リフォームや耐震工事等にも利用されることがある。

「平成30年度マンション総合調査結果(国土交通省)」によると、分譲マンションの管理費の平均は『217円/平米』となっています。つまり、家族4人がゆったり暮らせる広さである80平米のマンションを相続したとすると、平均して毎月1万7,360円の管理費がかかると言えます。

管理費はお部屋の資産価値とは関係がありません。最上階よりも一般的に資産価値が低い低層階のお部屋であっても管理費は同じです。

管理費は専有面積によって変わります。「1階の部屋でエレベーターを使うことがない」と言っても、部屋の面積が同じなら管理費は上階の部屋の所有者と同額です。ただし、管理費はマンションの総戸数には影響を受けます。同じく「平成30年度マンション総合調査結果(国土交通省)」のデータを見ると、管理費の平均額は以下のようになります。

・総戸数20戸以下254円/平米

・総戸数50戸以下214円/平米

共有部分にかかる費用をより多くの世帯で分担するため、戸数が多いほど管理費は下げられるということです。一方で、タワーマンションだけは管理費が跳ね上がり、『306円/平米』となっています。管理人の人件費、ジムやプールなど豪華な設備が嵩みがちになるからです。

80平米の部屋を所有するとなると、毎月の管理費は下記のように7千円も変わってきます。年間にすると8万以上の差なので、タワマン節税で多くの方が買っていると思うので、もし相続することになりそうなら、早めに対策しておいた方が良いと思います。

・平均的なマンション:1万7,360円

・タワマン:2万4,480円

最後に、管理費や修繕積立金の注意点として、将来値上がりの可能性があることも覚えておいてください。建物自体が老朽化していくため、管理や修繕にかかるお金もかかるためです。特に、修繕積立金は購入時の負担を軽減するため、「段階増額積立方式」にしているマンションもあります。数年ごと、段階的に修繕積立金が上がっていくので、空き家だからと放置しているとどんどん出ていくお金だけが増えていきます・・・。

1-2.空き部屋でも建物に掛かる固定資産税

固定資産税は土地や建物を所有している人が負担する税金です。毎年1回国土交通省が決める「固定資産税評価額」に標準税率を掛けた金額になります。目安として、固定資産税評価額が「地価公示価格」の70%、標準税率は1.4%で計算されることが多いです。

マンションの固定資産税で注意しておきたいのが建物の構造です。

マンションに多い鉄筋コンクリート(RC)造は、木造よりも耐用年数が長いので、評価額が高くなる傾向があります。地価公示価格が同じであっても、木造の一戸建てより、RC造のマンションの一室を相続した方が固定資産税が高くなるということです。

ただし、固定資産税は経年劣化によって建物の価値が減るという考え方が適用されるため、築年数が上がると税額は下がっていきます。都内の一般的なマンション(80平米)の固定資産税の目安を出してみると以下のようになります。

・新築:14万円(新築による軽減税率を加味した額)

・築15年:約16万円

・築25年:約13万円

古いマンションを相続した方が一般的に固定資産税は安いです。しかし、立地や古さによっては賃貸需要が少なかったり、家賃を安くせざるを得ないなどといった問題が出てくるので、固定資産税だけで語るのは難しい面があります。

固定資産税の減免措置が無くなり、6倍になる空き家特別措置法に関して、こちらのページにまとめています。使わなくなった家は適宜管理や売却を考えて行かなくてはいけません。

1-3.近隣への賠償問題

頻度は少ないものの、マンションの空き部屋を相続して損害が一番大きくなりがちなのが、賠償問題に発展した時です。例えば、下記のようなことが起こり得えます。

・水漏れして階下の部屋に損害を発生させた。

・小動物や害虫が住み着いていて周囲の部屋の壁や柱を傷めたり、悪臭を発生させた。

・部屋の構造物が壊れて人に当たってケガをさせてしまった。

・不審者が住み着き、火事を起こした。

空き部屋の怖いところは、異常が発生しても気づくまでに長い時間がかかってしまうことです。例に挙げた問題も初期に気づけば大きなトラブルにならないうちに修理や対応できる可能性があります。しかし、空き部屋で気づいた時にはすでに問題も大きく、対応するにもお金がかかりすぎるということも少なくありません。

1ー3-1.火災の賠償について

もし空き部屋で火災が発生し、周辺の部屋に損害を与えた場合はどうなるのでしょうか?実は明治32年に定められた「失火ノ責任ニ関スル法律(失火責任法)」が現代でも有効です。「失火責任法」では過失によって、発生させた火災は原則、民法上の損害賠償責任を追わなくて良いとされています。

これは昔から日本では木造建築が多く、江戸の町が何度も大火に襲われたことが背景にあります。火災のたびに損害賠償が発生していては、人々の生活が立ち行かなくなるため、よほど重大な過失がない限り、賠償しなくて良いのです。

ちなみに、「よほど重大な過失」とは、放火に近いようなレベルなので、空き部屋での火災で極端に管理状態が悪いなどでなければ、損害賠償を請求される確率は低いと思われます。

1ー3-2.類焼損害や見舞金はあった方が良い

火災を発生させたことにより、民法上の賠償責任は負わなくて良いとは言え、周囲の部屋や建物に損害を与えて知らん顔は(心情的な面を含め)難しいこともあると思います。

そのような場合に備え、「類焼損害」、「失火見舞」などの補償がついた保険に加入しておくのも可能です。特に以前から顔見知りだったり、将来的にその部屋を貸したり、自分たちが住むなど、お付き合いが続く可能性がある場合はしておいた方が何かと面倒なことになりにくいと思います。

1ー3-3.賃貸の場合、失火責任法が適用されない

少し話は逸れますが、失火責任法は自分が所有している建物や部屋に対して適用されます。したがって、借りている部屋で火災を起こしたら、大家さんに対して賠償しなければなりません。借主は貸主に対して、善管注意義務を負っており、退去時にお部屋を返す時には、部屋を元の状態に戻す「原状回復義務」を負います。

ただ、失火責任法は原状回復義務の適用外のため、借りている部屋で火災を起こしたら、所有者が賠償責任を負います。もし、ご相続したお部屋を賃貸に出すことになった場合、重要なことなので絶対に覚えておいてください。

1ー3-4.火災保険や地震保険の適用範囲

火災保険は火災や水害、水漏れに対する補償、地震保険は地震による建物の損害や火災を補償してくれる保険です。その為、所有者の管理不足や不備で損害が発生した場合は補償してくれません。

長期間空き家にしていて、管理もキチンとしなかったことが原因のトラブルに対しては補償されないので、注意してください。

1ー3-5.施設賠償責任保険

一方で、所有者の管理不足などによる損害を賠償してくれるのが「施設賠償責任保険」です。例えば、以下のようなものに対して補償されます。

・裁判費用

・トラブル発生時の応急処置にかかった費用

・損害賠償費用

故意に発生させた問題は対象外です。また、所有者自身や同居家族が被った損害に対しても補償されないので気をつけてください。ただし、施設賠償責任保険は基本的に一棟丸ごと所有するオーナーが加入できる保険なので、マンションの一部屋だけを相続したという場合には使えません。

2.空き部屋放置で起こるトラブル「犯罪やトラブルに巻き込まれる」

空き部屋を放置すると思わぬ犯罪やトラブルに巻き込まれることがあります。裁判沙汰に発展することもあるので、甘く見ない方が良いです。

判例や事件の事例は次章で紹介しますが、実際にマンションの空き部屋に不法侵入し、放火されたという時間は起こっています。

ベランダやいつの間にか部屋が開けられたり、窓ガラスが割られるなどして、部屋に浮浪者が住み着いていたという事例もあります。

また外からゴミが投げ込まれたり、カラスや動物が巣を作って糞尿で汚染されるということもあります。昨今は一層衛生面への意識が高まっているので、ご近所トラブルを招く原因にもなりやすいです。

3.空き部屋放置で起こる苦情の例「近隣住民からの苦情」

空き部屋を放置していると防犯やセキュリティー面で管理組合や近隣住民からの苦情が来ることがあります。「不審者がウロウロしている」、「部屋を間違えてドアを開けられそうになった」、単に「管理者や所有者がわからないから不安」といった声もあります。

マンションではなく空き物件であるものの、過去には不良の溜まり場となっていて近隣住民からの通報で明らかになったことがありました。所有している部屋で事件や事故、犯罪や青少年の問題行動等が起こると、事故物件になるだけでなく、社会的な信用も落とすので気をつけたいです。

4.空き部屋関連の事件・判例

空き部屋関連の事件・判例をまとめました。

4ー1.不法侵入で懲役1年2カ月

平成27年12月22日、東京都中野区にあるマンションの部屋で起こった事件です。

部屋は賃貸募集を行っていたので、不動産会社がいつでも内覧しやすいよう、4桁の番号で部屋の鍵が開けられるにしていました。

それが何者かにバレたようで、(おそらく不正に決済された)商品の配送先として、当該空き部屋が指定されていたのです。商品を受け取るために雇われたアルバイトの被告人が、指示通りに部屋の前で荷物を受け取ろうとしました。しかし、部屋のドアを開けようとしないなどの態度を不審に思った配達員により、不正がバレました。

最終的に不法侵入の罪で被告人には懲役1年2カ月の判決が下りました。空き部屋自体や所有者に直接的な損害はなかったものの、犯罪の現場となってしまったこと。また捜査や裁判の過程で、所有者には様々な情報開示や手続き等の作業が発生したものと思われます。怖いです。。。

4ー2.住居侵入・放火等で懲役12年

平成30年7月に起こった、消防団員の被告が消化活動をするために、空き家に不法侵入し放火した事件です。

空き家だけでなく、周辺の人が住んでいる家にまで燃え移るなど合計5棟が焼損した大事件となりました。さらに別日にも消化活動による手当の取得を目的として、放火を起こすなどの犯罪を重ね、懲役12年となっています。

この事件も空き家の所有者に非はないものの、空き家ということで狙われており、かつ周辺の住宅にまで燃え移ったことで、精神的にも大きな負担がかかったものと推測されます。

4ー3.空き部屋で一月に3度のボヤ騒ぎ

令和3年2月には、北海道札幌市にあるアパートの空き部屋で不審火がありました。この部屋での3度目のボヤ騒ぎとのことです。

さらに、窓ガラスが割られ、火のついた紙が投げ込まれていたということで、意図的な匂いがします。

5.マンションの空き部屋対策9つ

マンションを相続した場合、活用の仕方次第で、大家さんとして副収入を得られるメリットもあります。トラブルのリスクを減らすためにも空き部屋対策をし、できれば金のなる木に変えたいものです。いずれもマンションの管理規約に準拠していることが必要ですので、その点にご注意ください。

5ー1.リフォームして賃貸経営

もっともオーソドックスな空き部屋対策が、賃貸経営です。築年数や部屋の状態によりますが、立地さえよければ、簡単なリフォームやリノベーションによって借り手がつく可能性もあります。デメリットはリフォーム費用として初期投資が必要なこと、賃貸経営の知識やノウハウが必要なことですが、検討する価値はあると思います。

ただ、もっともらしいことを言って近づいてくる業者もいるので注意してほしいです。いきなりリフォームを始めたり、契約する前に、ネット検索や本などで基礎的な勉強はした方がいいです。また賃貸需要はエリアによって格差が大きいので、所有物件のあるエリアに詳しい信頼できる業者を探すのが良いと思います。

5ー2.リフォームしてシェアハウス・シェアオフィス経営

家賃を下げないと賃貸がつきにくい場合は、シェアハウスやシェアオフィスとしてリフォームする手もあります。シェアするので1契約あたりの家賃が下がるというわけです。契約数によっては1人(団体)に貸し出すよりも、手取り収入が増える可能性もあります。ただし、こちらも経営の知識が必要なこと、契約者・関係者の数が増える分、管理等の手間が増えることは考慮が必要です。

5ー3.リフォームして民泊経営

民泊ブームは過ぎ去りましたが、まだ需要があるにはあります。また移動が自由にできるような時代に戻れば、一気に復活する可能性も否定できません。収入は不安定なものの、ずっと貸し続けるわけではないので、時々自分や家族、友人が部屋を使いたいなどのケースには良いと思います。

5ー4.レンタル倉庫、トランクルーム経営

最近は東京都心でもマンションの一部屋を改装するなどして、レンタル倉庫やトランクルームとして貸し出しているケースが増えてます。

日本経済新聞によると、1畳分の広さで1万円程度の賃料になるとのことで、状況によっては普通の賃貸として貸し出すよりも収入が大きくなる可能性も秘めています。ただ、この場合、注意点としては以下のようなものがあります。

・改装費用がかかる

・建築確認等、法的な対策が必要なケースがある

・複数の人が出入りするのでセキュリティや管理コストがかかる可能性がある

5ー5.リフォームして貸事務所・貸店舗

狭くて良いから、格安でオフィスを借りたい、住宅地の中に事務所や店舗がほしいといったニーズがあれば、貸事務所や貸店舗に改装するのも手です。

エステサロンやパーソナルトレーニング、料理教室等を開催している個人事業主にも需要があります。副業ブームでこうした需要は、今後増えるかもしれません。改装費用も低く済むので、エリアによっては一考の価値ありです。

5ー6.リフォームして託児所・保育所

政府は待機児童解消に力を入れており、託児所や保育所の設置基準が以前よりも緩和されています。エリアや条件が限定されるものの、託児所や保育所であれば、ある程度キチンとした事業者が適切に使ってくれるため安心です。

5ー7.リースバック

「リースバック」とは、マンションの部屋を売却したお金で、売却先に賃貸料を払って住むサービスです。部屋の価値が下がる前に売って、まとまったお金が手に入るのがメリットですが、お子様の一人暮らしなど誰かが住む前提になります。

5ー8.住宅セーフティネット制度

「住宅セーフティネット制度」とは、空き部屋情報を行政に登録し、住む場所を必要としている人に提供する公的制度です。家賃は相場より低く設定される傾向にあるものの、制度の利用によって所有者は補助金を受けられる可能性があります。貸し手を選べないデメリットはあるものの、賃貸需要の少ないエリアでは空き家対策の一つとして有効です。

5ー9.民間の管理サービス

賃貸需要が見込めない、将来的に住む予定なので持っておきたい、このようなケースでは一旦、民間の管理サービスを使うのが良いと思います。空き部屋が近隣にあり、時間的余裕もあって少なくとも1カ月に1回以上、掃除や管理に行ける状況でなければ適切な管理は難しいです。

マンション一室であれば月に5千円程度で管理してくれるサービスもあるので、一度所有物件のあるエリアで調べてみてください。こちらの記事にもいくつかサービスをまとめているので、ぜひ読んでください。

>>戸建ての空き家の隣人が不審者で困った時に読む記事へリンク

6.放置しているマンションの空き部屋対策まとめ

最も伝えたいことは空き部屋対策を先延ばしにして良いことは殆どありません。

特に、戸建てと異なり、マンションの場合、固定資産税の他に管理費や修繕積立金など、住んでいなくてもお金が毎月かかります。さらに、判例の部分に既述した通り、犯罪に使われたりと、大変なトラブルに巻き込まれるリスクもあります。

早めに対策する方が結果的に、無駄なコストもかからず、精神的な負担も抑えられます。空き部屋対策に困ったら、まずは下記2つのいずれかなのか、から決めてください。

6-1.将来的にほぼ確実に住む(利用する)予定がある

>>多少のお金がかかることを理解した上で民間の管理サービスを利用してください。空き部屋にしていると犯罪やご近所トラブルに巻き込まれ、一層余計なコストがかかる可能性があります。

また、部屋は人が住まないと空気が滞留し、設備を含め、どんどん劣化していきます。将来的な改修費がかさむため、住む場所としてはもちろん、資産価値も落ちるので将来の利用や売却を考えても室内の管理を依頼した方が良いと思います。

6-2.自分で使う予定がない、経営のノウハウがない、初期費用・管理コストをかけたくない

>>一刻も早く売却してください。固定資産税、管理費、修繕積立金などの費用のムダを少しでも抑えます。

人口が減り続ける日本ではほんの一部のエリアを除いて、住宅やマンションの資産価値が上がる可能性は低いので早く売った方が良いと思います。過去、住宅ローンの返済に困った方々のマンションや戸建てを見てきましたが元本の返済が進むよりも早く、住宅価格の下落が進んでいます。その為、未使用の空き部屋に関してはある程度思い切った決断が必要になります。

これまで、8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。空き部屋だけなく、記載していない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。

もちろん、弊社の無料相談も利用できます。信頼できる先がすぐに見つからない場合にはご連絡ください。これまで多くの住まいの問題を解決した経験や知識を活かし、あなたの力になれると思います。ぜひ気軽に無料相談までご連絡ください。

私たちは今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、専門家と協力し、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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大和田 豊

この記事を書いた人

大和田 豊

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