こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の相樂です。
去年の秋、住宅ローン減税が改悪される前、友達に10年前に買ってもらった豊洲のマンションを売らせてもらいました。
保有中の賃料と売却益を考えると、かなりの経済的メリットがあり、とても喜んでもらえました。
ただ、その際、売出価格をどうするか、かなり話し合いました。
参考:東京カンテイ発表の資料を基に作成
参考:東京カンテイ発表の資料を基に作成
上のグラフを見ると分かりますが、賃料は微増ですが、価格は4年で20%以上上がっています。
ただ、個人的には、実際にはもっと上がっている可能性があるのではと思います。
そのため、豊洲のマンションであれば、再開発が進み、ブーム化していることもあり、高値で売り出しても東京なら誰か買うのでは?と言う感じで話した。
ただ、慎重な友人は猛烈な営業に耐えつつも3社の査定を取り、査定価格で売り出したいと言っていました。
つまり、査定価格=売出価格が彼の頭にはあったようです。
>>念のため、一括査定と猛烈営業、電話営業の関係や対策はこちらのページにまとめておきました。
ネットで検索すると、「査定価格=売出価格というわけではありませんが、通常であれば、査定価格を売出価格として決定します」・・・堂々と書かれていました。
売出価格>査定価格で、当初は高値で買ってくれる可能性を模索するのが売主の為だと思っていたので、ちょっとどうかなと思いました。
不動産を売らせたい記事なので仕方ないと思いますが、実際に売出価格=査定価格がデフォルトと言われてて、驚きました。
と言うのも、査定価格=売出価格にする不動産会社は売主の為より、買主又は自分たちのため、両手仲介を狙っている可能性があるのでは?と考えました。
1.実際、レインズで売出価格と成約価格の推移を見てみる
こちらの記事で説明していますが、首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)を基に見てみると、過去20年間で売買事例の多い、マンションですら、毎年5~10%ぐらいの乖離がありました。
一方、個別性が強く、事例が少ない、戸建ては毎年20%前後も乖離があります・・・。
これだけ、乖離があると査定価格を参考にする必要があるとは言えない。
査定価格=売出価格で始めると、売主に怒られる可能性すらありますよね。
まとめると、売買事例が多く、個別性が少ないマンションであれば、査定価格を参考にしつつ、10%ぐらい高く、売出価格を決めても良いのではないでしょうか?
この辺り、データを集めているので、次回、首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)を基にした分析でキチンとまとめます。
2.大手3社の取引件数と平均売買金額、仲介手数料の推移を見てみる
上記のデータを踏まえ、仲介手数料について、細かく見てみます。
不動産流通大手と言えば、三井のリハウス、東急リバブル、そして、住友不動産販売。
ここでは、住友不動産販売に関して、深堀していきます。
2-1.取引件数の推移について
*住友不動産販売公表の決算資料より作成
コロナウイルスの影響で多少減っているかもしれないですが、各年30,000件中後半と非常に多くの取引を行っています。
2-2.平均取引価格の推移について
*住友不動産販売公表の決算資料より作成
平均取引価格は大体3,000万円中旬と意外に安い価格の取引もやっていると思います。
東京を中心に首都圏以外は住宅の価格が安いので、大手であっても個人を相手にしていると案外そんなもんなのかもしれません。
2-3.仲介手数料率の推移について
*住友不動産販売公表の決算資料より作成
次に、以前から言われている両手仲介の実態を開示資料を基に分析しました。
過去5年間の毎年、平均5%を超えていました・・・。
やっぱり、両手仲介が多いのか?
それとも、親会社が作った、又は持っている不動産を売っているから高いのか?
ちなみに、もし、取引件数から両手取引の割合を計算すると、72.6%と、3件に2件以上が両手と言う結果でした。
ただ、ここから先は今回の開示情報では分かりませんでした。
3.仲介手数料の推移から見る囲い込みの現状まとめ
3-1.査定価格は戸建ては役に立たない?
今回、データをまとめ、個別性の強い、戸建て住宅を売ろうとするときは、査定価格=売出価格でも、それが成約価格になる事は少なく、大体20%減したものが成約価格になる事が分かりました。
そのため、査定価格が高過ぎるのか?売主が損をしているのかは分かりませんでしたが、成約価格から見ると、査定価格は参考にならないことだけは分かりました。
一先ず、『もし、あなたが戸建てを売るなら、担当者が仕事を取るため、査定価格を高い値段で出している可能性がある事を理解した方が良い』と思います。
3-2.仲介手数料は?
仲介手数料については、細かい部分まではよく分かりませんでした。
ただ、流通大手以外にも私鉄系不動産会社は正規手数料率3%から比較すると、非常に効率的な商売をしていることが分かりました。
地域によっては今も囲い込みが行われ、自宅を不要に安い価格で売却しているかもしれません。
>>念のため、一括査定と猛烈営業、電話営業の関係や対策はこちらのページにまとめておきました。
『後悔は知らなかったとダマされた』が主な原因です。
でも、人生で経験することが少ない自宅の売却、知らなかったでは済まされないですよね?
もし、どうしたら良いか、悩んでいる場合、お気軽にお問い合わせください。
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念のため、私たちの口コミはこちらのページにまとめています。
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