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離婚で築20年以上の戸建ての売却を考えている方へ、先日、神奈川県西部にある南足柄の戸建ての売買を行いました。
その際に、シロアリや建物の傾きが問題になりました。
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
ご自宅の売却後、このような問題で売主と買主双方が思わぬ損をしない為、不動産取引の際に建物に対しておこなうホームインスペクションという制度があります。
一緒にやっている相樂は住宅診断士の資格を取っており、売主に売却後の思わぬ損失を出さない様、築20年を超える戸建ての取引の場合、念入りに調べています。
実は、この制度をうまく利用すると、離婚の際の売却にも金額的に有利に作用することがあります。
そこで今回は、離婚による不動産売却時にホームインスペクションは有効か?そのメリット、デメリットや費用について解説します。
1.離婚による不動産売却のホームインスペクションの項目とは?
ホームインスペクションとはどのような制度で、どのように売却に関わるのでしょうか?
1-1.売却時のホームインスペクションとは?
ホームインスペクションとは、『住宅の専門家が住宅の劣化状況や瑕疵(かし)の有無などを調査・診断する』ことです。
ちなみに、瑕疵とは、『住宅が本来果たすべき性能を満たせない要素』のことです。
1-1-1.築20年を超える戸建は特に?
ホームインスペクションは、おもに中古住宅を売買する際に利用します。
今は不動産会社は売主に対し、ホームインスペクションを行うかを必ず確認することとなっています。
また、不動産会社はホームインスペクションが実施された場合、買主に結果を説明することが義務付けられています。
1-1-2.売主が負担し、絶対にやるもの?
その実施は売主に対して義務付けられていません。
買主側から自身の費用負担で実施を依頼することもできます。
もちろん、売主はその依頼を断ることもできます。
ただ、その場合、買主に「この家には何かあるのではないか?」と思われ、取引上不利になってしまう可能性があります。
離婚にともなう売却の場合は、早く、トラブルなくスムーズに取引を終えたいと思います。
しかし、『ホームインスペクションの実施や結果がその手助けとなる』と考えれば良いと思います。
1-2.ホームインスペクションの対象箇所
ホームインスペクションは、おもに以下のような箇所を対象にしておこないます。
- 耐久性に関わる部位(基礎・柱・壁・梁・床・床下など)
- 雨漏りや水漏れの可能性が高い部位(屋根・外壁・外側のサッシ・天井・内壁など)
- 配管設備(給水管・給湯管・排水管・換気ダクトなど)
- その他(ベランダ・雨どい・フェンス・門など)
これらの項目について、おもに目に見えない、専門的な診断が必要な個所を点検するのが、ホームインスペクションの目的です。
1-3.不動産売却の契約不適合責任とは?
住宅の経年変化に関する問題は、以下に分類されます。
- キズや汚れ、傷み
- 分かっている不具合
- 隠れた瑕疵
キズや汚れ、傷みは、印象をよくして、早く売却をおこないたい場合、住みながら目立つ箇所だけでも補修することが可能ですし、そのままでも大丈夫です。
分かっている不具合、たとえばエアコンの不調や、床の柔らかくなった箇所など、その事実を「物件状況等報告書」に記載して告知をする義務があります。
問題になるのは隠れた瑕疵で、不動産会社でない一般の方が売主の場合、この隠れた瑕疵が後日見つかった場合、売主の負担軽減のために、対応しないことができるのです。
これが買主にとっては不安要素となり、中古の戸建てを売却する上での不利となるのです。
この不利を解消できるようになったのが、ホームインスペクションです。
2.離婚による不動産売却のホームインスペクションのメリット
ホームインスペクションの実施はメリットとデメリットがあります。
以下の理由から、今後は実施するのが普通になる可能性があります。
特に、20年を超える戸建ては何かしら、故障が起きていることが多く、要注意です。
2-1.不動産売却のホームインスペクションのメリット
- インスペクション済み物件は、早く売却しやすい
- インスペクション済み物件は、高く売却できる可能性がある
- 買主に税制メリットがある
- 物件引き渡し後の買主とのトラブルを避けられる
- 住宅瑕疵保険に加入できる
まず、インスペクションをおこなった物件が早く、より高額で売却しやすくなることは買主の安心感や資産価値を考えればあきらかです。
通常、買主は築20年超の木造戸建てや築25年超の鉄筋コンクリート造マンションでは、住宅ローン減税や登録免許税の軽減を受けられません。
しかし、ホームインスペクション済みの物件なら、それらの節税メリットを受けられるので、売却に有利な要素となります。
買主の立場から最も安心を得られるのは、住宅瑕疵保険への加入でしょう。
ホームインスペクションの検査結果は、標準的な調査の範囲では、絶対ではありません。
ただ、ホームインスペクションを受けることで、検査業者に保険(既存住宅個人間売買瑕疵保険)に加入してもらい、瑕疵が見つかった際に補修を対応してもらえるようになります。
5万、10万円のお金で売却価格が100万、200万円上がる。
そして、早く売れるなら、積極的にホームインスペクションをやった方が良いと思います。
2-2.不動産売却のホームインスペクションのデメリット
- インスペクションや、補修に費用が掛かる
- 売却のための期間が延びる
- 大きな問題が見つかる場合がある
デメリットとは言うものの、後述しますが調査費用は高額ではありません。
住みながら調査を受けることが可能です。
ただ、売却に支障が出るくらいの大きな問題が見つかった場合、どのみち売買契約自体が無効となるケースも多いので最初から分かった方が良いことになります。
売買価格を高めるためには建物の状況を理解しておいた方が良いのは当たり前だからです。
2-3.離婚の財産分与への影響
離婚による財産分与を目的とする場合、売却のほか、一方が住み続ける選択肢も出てきます。
その場合、ローンを借り換えたり夫婦間売買などで自宅の権利関係を整理したい場合もあると思います。
ホームインスペクションをおこなった場合、瑕疵の有無が明確になるため、金融機関との交渉の際にも現在の担保価値を正しく見積もってもらえ、交渉に有利になる場合もあります。
そのため、個人的には『自宅の築年数や状態、金融機関の方針によって効果は異なるのですが検討の価値はある』と思っています。
一点、離婚時に売却せず、ご自宅の財産分与を行う場合、売却のタイミングや金額によっては、贈与とみなされて課税されるケースがありますので注意が必要です。
これまでの経験では、離婚で混乱しているのに、自宅の売却や財産分与まで同時に考えるのは相当難しいと思います。
そのため、もし悩んでいる場合にはお近くの専門家などにポイントを確認し、進める方が良いと思います。
3.離婚による不動産売却のホームインスペクションの費用は?
ホームインスペクションを実施した場合の費用やオプションなどについてです。
3-1.ホームインスペクションの基本費用
マンションのホームインスペクションの費用相場は約50,000円前後で、一戸建てよりも調査範囲が狭いため、料金に開きが出にくいです。
また、マンションは調査対象の床面積によって価格差を設ける業者は少ないです。
一戸建ての場合も、約165㎡未満で45,000円前後、165㎡を超える家でも、250㎡まで50,000円前後です。
これらの金額は、宅地建物取引業法が規定している、国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者が、既存住宅状況調査方法基準に基づきおこなう調査の価格です。
既存住宅状況調査技術者は、インスペクターとも呼ばれます。
3-2.ホームインスペクションのオプションの費用
おもなオプションとしては、以下の項目があります。
*基本料金に含む場合もあります。
・床下の調査:15,000円~35,000円
・屋根裏(小屋裏)の調査:15,000円~35,000円
瑕疵担保責任保険は、保証期間や保険金額によって異なります。
雨漏りや設備漏水、欠陥工事などの原因を追究する調査は、ホームインスペクションの結果を受けた別調査となり、費用は程度や部位によってさまざまです。
また、オプションではありませんが、耐震診断を受けて結果に問題がない場合、買主には大きな安心要素でこれも売却に有利となります。
もちろん、住宅ローンも通りやすくなります。
4.離婚による不動産売却のホームインスペクションとは?メリットや費用まとめ
今回は先日戸建の売却で議論になったことを参考に、離婚による不動産売却時に、ホームインスペクションは有効か、メリット、デメリットや費用について解説しました。
4-1.築20年を超えたら、専門家を頼る
木造の建物は一般的に10年おきに屋根や外壁の改修が必要です。
他にも、給湯器や水回りなどの設備も故障しがちです。
この辺りは専門的な知識がないと改修の判断が難しいと思います。
そのため、『売却後のトラブルを防ぎ、良い条件でご自宅を売るためにもホームインスペクションも一考に値する』と思います。
もちろん、離婚にともなう不動産売却の扱いは、繊細な問題なうえ、専門的な知識を必要とするため、離婚問題に強い不動産会社を選ぶ方がスムーズに進みます。
4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ
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