2016年『オウチーノ総研』が東京在住の20代~60代の男女を対象に行ったアンケートよりによると、麻布十番商店街は第二位になったようです。
麻布十番・賃貸マンションのプロ集団『リビングイン』の防犯設備士、相楽です。
私たちは“麻布十番のマンションを誰よりも詳しく、分かりやすく”をモットーに、麻布十番の賃貸情報だけでなく、治安や防犯などについても独自の調査を行なっています。
大使館が多く警備レベルが高いため、比較的治安が良いとされる麻布十番とはいえ、100%安全とは言い切れません。それはどこの地域でも同じです。
私たちは住む場所としての麻布十番の魅力は、都心の中でも群を抜いていると思っています。しかし、防犯設備士として、敢えて麻布十番付近に潜む危険にメスを入れ、住む方がより安全・安心な毎日を過ごせるようにと願っています。
そこで、本記事では麻布十番屈指の人気スポット『麻布十番商店街』に注目したいと思います。
1.麻布十番商店街の魅力
麻布十番商店街は、江戸時代からあり、実は300年以上の歴史をもつ日本有数の商店街です。昔ながらの食料品店や衣料品店などのお店が並ぶ一方、イマドキのおしゃれなカフェや最新式の器具を取り揃えたフィットネスジムなども混在する、毎日行っても飽きない商店街となっています。
麻布十番界隈に住む人はもちろんのこと、わざわざ観光に訪れる人がいるほど、麻布十番の顔にもなっている商店街です。
2.商店街の防犯の穴
実は、麻布十番商店街に限ったことではありませんが、一般的に『商店街付近は泥棒に狙われやすい』と言われています。なぜなら、商店街は常に多くの人が行き交うため、犯罪者がごく自然に地域に溶け込めるからです。
“泥棒”と言うと、漫画に出てくるような“ヒゲ面で黒っぽい服を着たいかにもアヤシイ人”をイメージする人がいるかもしれませんが、そんな格好で犯罪を犯す人はいません。
たとえば、商店街周辺ならば、普通の服装にコンビニの袋を提げたり、営業中のサラリーマンのように普通のスーツに身を包んでいたり。そこにいても全く違和感のないような装いでいるのです。
また、商店街は一般的に駅に近いので、犯罪後すぐに遠くへ逃げやすいことも泥棒にとって狙いやすい理由です。麻布十番商店街も麻布十番駅がすぐ近くにあり、泥棒が狙いやすいセオリーに合致しています。
3.麻布十番商店街の防犯力
『商店街付近は泥棒に狙われやすい』とは言え、狙われる確率を防ぐ手立てはたくさんあります。地域コミュニティ(地域とのつながり)をしっかりつくるのもその一つですが、麻布十番商店街は、それがよくできている商店街です。
たとえば、麻布十番商店街には、港区と協力して作った『麻布十番商店街の十番ルール』があります。10個のルールの中でも注目したいのは、以下の5つです。
・第三条(一部抜粋)
多くの小売店は、午後8時、飲食店は午後11時で終了しています。「夜の街」にならないよう品のある麻布十番のブランドを保って下さい。
※六本木とは大違いです。
・第四条(一部抜粋)
風俗営業や客引きのない商店街づくりにご協力下さい。
・第七条(一部抜粋)
路上駐車や駐輪などの自粛にご協力ください。
・第八条(一部抜粋)
街路や店舗前の日常清掃にご協力下さい。
・第九条(一部抜粋)
子供や高齢者に声をかけるなど、親切で安心安全な商店街づくりにご協力下さい。
このように、麻布十番では商店街をあげて、夜の街、風俗の街にならないよう宣言しています。
特に、第七条の路上駐車の自粛は、『死角をなくす』という意味でも犯罪抑止効果が高いです。また、第八条の日常清掃についても、ゴミがあるところは地域のコミュニティ力が低いと犯罪者に認知されるため、とても有効な犯罪防止策になります。
こうしたことを商店街として掲げることで、地域住民同士の結束力が高くなり、犯罪者にとっては「イヤな」、「入りにくい」場所になるのです。麻布十番商店街に行かれる際は、是非そうした取り組みも意識して、ご覧になってみてください。
参考文献)梅本正行「泥棒はなぜ『公園に近い家』を狙うのか?」現代書林、2009年
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。