こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼賃貸不動産経営管理士の相樂です。
私たち、アリネットは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計4,600人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。
早速ですが、引っ越しの失敗談を分析していく中で仕事やプライベートをより充実させるためにも、週末はお部屋でゆっくり過ごしたいですって方すごく多いです。当たり前ですよね?

それなのに失敗談を見てみると、隣人や周辺からの音が気になる人がとっても多いんです。引越し後、新生活を始めて「こんなはずではなかったのに…」となりがちなことの一つが騒音トラブルです。
今回は、みんなの失敗談から分かった、休日はゆっくり休みたいあなたの理想の暮らしを実現するためにも欠かせない、騒音トラブルを防ぐお部屋選びの方法をお伝えします。
1.マンションの騒音トラブルとは?

“騒音トラブル”の明確な定義はありません。しかし、私たち、不動産会社として寄せられる相談には、以下のものが多いです。
・隣人や上下階住人の足音、扉を閉める音、トイレを流す音など生活音がうるさい
・隣人や上下階住人の音楽、趣味や作業の音などがうるさい
・隣人や上下階隣人の故意、意図的な物音、嫌がらせがうるさい、怖い
・繁華街やライブハウスが近くにあるなど、マンションの近隣環境により騒音がする
入居後の隣人トラブルなどにより、故意な騒音を起こされるようなケースを除けば、お部屋選びの段階である程度防ぐことができます。
>>実際に騒音トラブルに遭い、管理会社や警察に相談した方にヒアリングを行い、こちらにページにまとめました。
2.家賃を気にする人が間違いやすい立地選びを慎重に

騒音トラブルに限らず、引越し後どうにもならないのが“立地”です。静かな環境を望んでいるのであれば、繁華街を避けるのが望ましいでしょう。この時よくありがちなのが・・・、
「内覧に行った昼間は静かだったのに、住んでみたら夜はうるさかった…」
というパターンです。他にも目の前の高速道路が深夜暴走族やトラックの音が酷いってこともあります。引越し後の生活を考えると、本当は昼間と夜間の2回内覧に行くことをオススメします。忙しい方などは内覧代行やお部屋の重点的な調査をしてくれる不動産屋を選ぶのがすごくいいと思います。他にも、小さなお店やライブハウスなどなど、入口が小さかったり、裏手にあったりして、閉店時の昼間には気づかないこともあります。

周辺環境は20~22時頃の間をチェックできるとベストでしょう。飲食店の多い地域でも、オフィス街や古くからの商店街だと、22時頃には閉店して案外静か、ということもあります。夜間のチェックが難しい場合は、仲介の不動産会社に内覧の代行を相談してみましょう。
念のため、家にいることが多く、騒音に悩まされたくない方は幹線道路や線路以外にも、建物の用途地域にも気をつけてください。多くの方が実感している通り、ECの利用が一般化し、都市郊外に倉庫が増えています。世田谷区の方で実際にあった倉庫建築時の騒音に関する相談を参考に、準工業地域は工場や倉庫が近くにありつつ、マンションや戸建ても建つエリアで騒音問題が起こりやすいです。
また、準工業地域は倉庫や工場へ荷物を運ぶトラック等の大型車が行き来するため、お子様がいるご家庭には準工業地域にあるマンションはあまりお勧めできません。一人暮らしの方はあまり関係ないかもしれませんが、この辺りは仲介時の説明事項にも入っていないので、内見時に周辺環境などをご自身で確認する必要があります。
3.次に、建物の構造を確認する
立地に問題がなければ、建物の構造を確認します。マンションやアパートに多い構造のうち、一般的に音が響きにくいのが『鉄筋』です。次が『鉄骨』、もっとも音が気になりやすいのが『木造』になります。家賃も響きにくい順に高くなる傾向にあります。しかし、日々、快適に暮らすということを考えると妥当な金額です。
例えば、マンションの場合は音楽を演奏する人向けのミュージションなどのように防音設備に特化した構造のものもあるので、音に対するこだわりが強い方はそうしたマンションがないかも不動産会社に聞いてみるとよいでしょう。
4.階数や部屋の場所を選ぶ

同じ立地、構造のマンションでも、何階にあるか、どこにあるかで騒音の程度も変わります。たとえば、
・マンションの最上階であれば、少なくとも階上の足音や生活音がきになることはありません。
・角部屋であれば、単純に隣人から聞こえる音も半分になります。最近では、全ての部屋が角部屋になるように設計されたマンションもあるので、そうしたマンションを選ぶのも手です。
・エレベーターとの位置や階段が外にあるのか?それとも中にあるのかで騒音だけでなく、防犯性も変わってきます。
また、コロナウイルスの影響を踏まえ、置き配が増えてきたので、この辺りも今後の選択肢の一つになってくると思います。例えば、オートロックとかがなく、だれでも入れる共同住宅なら、宅配ボックスはマストだったりします。さすがに誰でも入れる建物で置き配はしないと思うので。
損保ジャパンが家財保険に入っているテナント限定で置き配の盗難もカバーするように言っていますが、その他多くの保険会社はそのような手配はまだまだなので、部屋探しの際に宅配ボックスとオートロック、内階段・外階段の別などと自身の生活をキチンと考えてみて下さい。
5.間取りで騒音防止
実は、間取りでも騒音を防ぐことはできます。それが『隣室と鏡対象となったお部屋』です。鏡対象のお部屋とは、たとえばあなたのお部屋のキッチンと壁を挟んだところに隣室のキッチン、お風呂の壁の向こうがお風呂、というような作りのことを言います。お互い“音が出やすいスペース”と“静かに過ごすスペース”が壁を挟んで隣同士になるため、音が気になりにくいのです。隣人の方と生活ペースが全く逆であれば、効果は半減するかもしれません。
・・・が、「寝室の壁を挟んだ隣がキッチン」といった造りよりもはるかに静かに過ごせます。同じマンション内でどのお部屋にするか迷っている場合などは、こうした間取りも不動産会社に確認してみるといいと思います。
6.失敗事例から見る騒音トラブル対策まとめ

一度気になりだすと、気になって仕方のないのが“音”です。事前にできる対策はしておいて、快適な新生活を始めたいですよね。失敗相談によく出てくるネタなので、ぜひお部屋選びの参考にしてみてください。
あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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