就職・転勤などをきっかけとして港区など都心エリアで一人暮らしを始める目的で、相談に来られる方はほとんど、新生活への期待と楽しみを抱いて来ます。
でも、自分のライフスタイルをしっかりと考察した上でそのライフスタイルに適した物件(賃貸物件)を選んでおかないと、住まい始めてから徐々に住環境に対する不満が蓄積。生活が乱れて行ってしまい、自宅に入り浸りになったり、短期間でまた引っ越しを行うこともなくはないです。
以前、実家を出て一人暮らしを始めた女性が引っ越しして、半年後に再度引っ越ししたいと連絡があった時もあり、理由を聞いてみたら、「外に出る度に意識してしまい、イメージしていた生活が全然出来なかった」と言っていました。
そこで、今回は建築士さんに聞いた都会での一人暮らしを長続きさせる上で参考となる「賃貸物件ポイント」をご紹介いたします。
1.最低限意識しておくべきライフスタイルの3要素
住まい慣れた地域を離れ、新たな地域で生活を始めるときには、誰しもが大なり小なり不安を感じるものです。失敗事例の不安にも進学や就職などで新天地やさっぱり分からない土地へ引っ越すので不安だったとかなりの方が書いていました。そして、その土地が自分にあっているのかよく分からないまま、お引っ越をしています。
そんな一人暮らしのための新居探しをする上でまず重視しておきたいのが、「自分のライフスタイル・チェック」です。中でも、最低限意識しておきたいライフスタイル3要素が下記となります。
1-1.働いている「時間帯」
生活パターンの肝となるのが「働いている時間帯」です。日中仕事をしているのか、それとも、夜間の仕事なのか?引っ越し後に「家を出る時間」、「帰宅時間(平均)」をしっかり認識することがポイントとなります。
逆に言えば、「家で過ごせる時間帯」を自覚すること。「平日」、「土日」それぞれにて睡眠時間帯を除いた家で過ごせる時間帯を知っておくこと(意識しておくこと)がライフスタイルの要となります。
1-2.「洗濯」に関する考え方(方法・時間帯など)
次に、「洗濯」に関するあなたの考え方(価値観・優先順位)を明確にしておきましょう。
・天日干しを重視する
・乾燥機利用を優先とする(浴室乾燥機等)
・室内干しを優先
・週末の日中にまとめて洗濯したい
・平日の夜間にこまめに洗濯したい
など・・・。洗濯の方法・時間帯の優先順位を決めておくことによって「部屋の日当たりの有無」、「建物構造(防音機能)」、「洗濯機置き場の位置(隣戸壁と接しているかどうか)」などの優先順位が決まります。例えば、週末の日中にまとめて洗濯される方は昼間に日が当たるように南向きを選んだ方が、洗濯物がよく乾きます。
一方で、夜間にこまめに洗濯したい方は帰ってきてから、洗濯機を回す必要があるため、室内洗濯機置き場の位置を意識する必要があります。ベランダに洗濯機を苦タイプの部屋は止めた方が良いと思います。
1-3.「食事」に関する考え方(家で調理をする頻度など)
朝食・夕食に関して、自炊するのかしないのかをしっかりイメージしておきましょう。
・自炊の頻度
・調理の時間帯
など
をイメージしておくことで、「キッチン配置」、「キッチン間取り」、「キッチン仕様」などの条件が決まってきます。ついでに、料理の臭いが洋服やベッドに付かないよう、ワンルームや1Kだったら、扉の位置も意識する必要があります。
2.心地よく過ごせる一人暮らしに適した住環境(間取りなど)とは
一人暮らしにおいて、何よりも重要視しておきたいのが「心地よく過ごせる住環境となっている」ことです。そんな“寛げる住空間”となるための「5つの要素(条件)」をご紹介しておきたいと思います。
2-1.「浴室」、「トイレ」(風呂・トイレ別)が個別に配置されている間取りを選択
一人暮らしであれば、浴室とトイレが一体型の空間(トイレ一体型ユニットバス)でも、あまり気にならないと思うかもしれません。
しかし、心身の疲れをとるために“入浴時間”はとても大切な要素のひとつ。入浴時の五感(視覚・聴覚・触覚・臭覚)への刺激を癒しに繋がる状態に整えておきたいものです。
そういう意味で「浴室」と「トイレ」は個別に配置された間取りを選ぶことがポイントとなります。浴槽につかりながら、便器が見える環境では中々落ち着けるものではありません。
2-2.風水(方位学)の視点から避けておきたい「水回り(キッチン・浴室・トイレ)」の配置地
“心地よい居室空間”とするための風水要素として、ひとつ取り上げておきたいのが「水回りの配置(方位)」です。
現代のマンション住戸では、風水要素を全て網羅することは難しいものです。そこで、これだけは避けておきたい要素と言えるのが下記2要素です。
・住戸の中心付近に、水回り(浴室・トイレ・キッチン)がある間取り
・住戸の中心から見て、「北東方位」に「キッチン」がある間取り
2-3.避けておきたい「リビングが正形でない間取り」
お部屋の形(間取り形状)にて、避けておきたいのが、「リビングが正形ではない間取り」です。そこには、下記2つの理由があります。
2-3-1.家具や寝具を配置するのが難しくなる
一人暮らしの場合「ワンルーム」、「1K」、「1DK」、「1LDK」といった間取りプランが対象となりますが、いずれにしてもリビングの床面積は小さめとなっています。特に、「ワンルーム」、「1K」の場合は、居間と寝室を同じ部屋で兼ねることに。
そんな状況下にて、リビングが不正形(壁が斜めなど)な場合、必要な家具や寝具を上手く配置することができなかったりします(家具などの形・数に大幅な制限が加わることに)
2-3-2.平衡感覚を通じた心身への影響
感覚(平衡感覚など)が敏感な人の場合、リビングの壁などが不正形(斜めなど)だと、住み続けているうちに、平衡感覚などを通じて、心身に影響を生じてくるケースがあります。
視覚を通じて「目の疲れ」や「肩こり・頭痛」など身体的な症状に繋がることも。
仕事を頑張り、自宅では寛ぎ重視のお部屋を求めるのであれば、「リビングが正形の間取り」を選ぶようにしていただければと思います。
2-4.「夜間の物件周辺状況」をしっかり確認しておきましょう
都心部エリアでは日中と夜間にて、大きく印象が様変わりする地域環境が存在しています。特に、帰宅が遅くなりがちな女性の場合は要注意です。
・日中は人のにぎわいがあるものの、夜間になると人の気配がなくなる
・日中は閑静な環境ながらも夜間になると人の賑わいが増える
など、様々なケースがあります。
マンションの立地にもよりますが、入り組んだエリアなど、昼間は静かでいい住宅地が夜になると街灯がなく、結構暗い。困ったというのは良くあります。そこで、「帰宅時の安全性」、「夜間の騒音の有無」などお引っ越し前にキチンと見極める上で夜の物件周辺状況をキチンと把握するのは大切な要素となります。
2-5.「平日」と「土日」での物件周辺状況の違いを確認
前項同様に、「平日」と「土日」で生活環境が大きく変化する地域が存在しています。オフィス街の近く、三田や田町など、土日祝日は人が結構減り、レストランなどもやっていないところが増えます。
逆に、物件から少し離れた場所であっても、土日に多くの人が集まる集客施設などがあると、その施設から発せられる音が気になり、家で寛げないといったこともあります。
内見回数が増えてしまいますが、「家で寛ぎたい曜日・時間帯」の現況はぜひ確認しておくとこをおすすめいたします。個人的なおすすめは引っ越し先は何回か自分でも遊びに行ったことがあるとかだと、安心してお引っ越しを行うことが出来ると思います。
3.【建築士と考える】都会で上手に一人暮らしまとめ
失敗事例を分析したケースでも、就職や転職による勤務先近くへのお引っ越しだからと、簡単に部屋を決め、一人暮らしを始めずに、お部屋の条件はなによりも「寛げる住居であること」を優先した方が後々後悔することがぐっと減ります。
そのためには、「家にいる曜日・時間帯」を念頭に、ライフスタイルやお部屋を選び、将来の時間や費用負担を回避するために、面倒でも内見を複数回行うことが望まれます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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