前回の記事でも書いたとおり、自営業者は賃貸物件の入居審査に通りにくいと言われています。その理由は、大家さんの多くが自営業者は収入が安定していないと思っているからです。
では、どのようにすれば自営業者が賃貸物件の入居審査に通りやすくなるのでしょうか?
その答えは、前回書いた記事【FP2級と考える】フリーランスでも賃貸マンションは借りられる?審査に落ちしない方法は?でご紹介しています。
今回は、前回書いた記事の記載の中でも重要な『賃貸保証会社を利用すること』にフォーカスを当てて、実際に使える家賃保証会社について、FPの馬場と共に考えていきましょう。
この記事を読むことで、賃貸保証会社の種類や特徴について詳しく知ることができます。自営業者におすすめの賃貸保証会社もご紹介しますので、チェックして下さい。
1.賃貸保証会社又は家賃保証会社とは?
賃貸保証会社とは、借主の代わりに貸主に対して、家賃を保証する会社の事です。借主が家賃滞納をしても、家賃が保証されるため、賃貸保証会社の審査が入居審査になっている物件も少なくありません。
特に、2020年の民法改正からは、連帯保証人の保証範囲が変わるので賃貸保証会社の重要性は上がってくると言われています。すなわち、家賃保証会社の利用が今よりも一般的になると思います。
2.賃貸保証会社には大きく分けて4つの種類がある
一言で、賃貸保証会社と言っても、審査が緩い会社から厳しい会社までピンキリです。あなたが確実に賃貸保証会社の審査に通過したいのであれば、賃貸保証会社の仕組みを知る必要があります。
賃貸保証会社は大きく4種類に分けられ、それぞれ異なった団体に所属しているため、審査方法が異なるのです。そこで、ここでは4種類の賃貸保証会社の特徴と審査方法について詳しく説明していきます。
2−1. 信販系保証会社
4種類の中で1番審査が厳しい保証会社のグループです。審査には販売信用取引の信用情報を使用しており、クレジットカードと同じような審査になります。そのため、信用情報に傷がある人だけでなく、フリーランスや自営業者も審査に通す事が難しいです。
確実に通したいのであれば、避けた方がいい保証会社と言えます。
「信販系保証会社の例」
・ 株式会社アプラス
・ 株式会社セディナ
・ 株式会社エポスカード
気に入った物件の保証会社が信販系保証会社の場合は、「他の保証会社に変えられないか」不動産屋に聞いてみることをおすすめします。
2−2. 全国賃貸保証業協会(L I C C)
全国賃貸保証業協会(以下L I C C)に加盟している賃貸保証会社の事です。2番目に厳しい賃貸保証会社と言われており、L I C Cで一度滞納してしまうと、今後は所属している別の会社でも審査に通ることは難しくなってしまいます。
「全国賃貸保証業協会(L I C C)の例」
・ 全保連
・ ジェイリース
・ オリコフォレントインシュア(旧リクルートフォレントインシュア)
信販系保証会社よりはいくぶん審査が緩くなるため、賃貸保証会社がL I C Cなら1度審査に出してみるのもいいでしょう。ただし、オリコフォレントインシュアについては保証料も高く、信販系よりも審査が厳しいこともあるため、注意が必要です。あまり高級物件の時に使われる機会があるかもしれませんが、基本的には出てこない保証会社です。
2−3. 賃貸保証機構(L G O)
基本的な仕組みはLICCと全く同じなのですが、LICCに比べ賃貸保証機構(以下LGO)の方が審査に緩いという特徴があります。LGOに加入している賃貸保証会社で滞納してしまった人が別の会社では審査に通る事があるほどです。
「賃貸保証機構(LGO)の例」
・ 日本セーフティ株式会社
・ フォーシーズ株式会社
・ 株式会社Casa
LGOの所属会社は審査がゆるいわりに、保証料は大して高くありません。審査の緩さと保証料の安さを考慮すると、自営業者やフリーランスの方にとって、1番おすすめ出来るのはLGO系の保証会社です。
2−4. 独立系保証会社
独立系保証会社はその名前の通りどこにも加盟しておらず、自社独自の審査基準を持っています。自社独自の審査基準のために、最も審査が緩い賃貸保証会社と言えるでしょう。ただ、審査が緩い代わりに、保証料は高い傾向にあるので、注意して下さい。
「独立系保証会社の例」
・ 株式会社ナップ
・ 日本賃貸保証株式会社
・ 株式会社オーロラ
審査に1番通りやすいが、保証料の高い独立系保証会社は「最後の切り札」として置いておくといいでしょう。最近では、100%審査を通す賃貸保証会社も出てきているので、チェックしておいて損はないですよ。
3.自営業者におすすめの保証会社3選!
先ほども書いたように、L G Oに所属している賃貸保証会社は、自営業者にとって1番コストパフォーマンスが良いです。ここでは、コストパフォーマンスの良いL G Oの中でもおすすめの3社をご紹介します。
3−1. フォーシーズ
フォーシーズは公式H Pで、審査承認率が98%を超える事を明記しているほど、審査に通りやすい賃貸保証会社です。資本金が3億円以上あるうえに、経常利益も年々増加しているため、大家さんからも信頼されています。そのため、大家さんから利用の承認をもらえる可能性が高いのも嬉しいところです。価格面でも、他の賃貸保証会社と比べて平均的な保証料で、とてもコストパフォーマンスがいいと言えます。
3−2. 株式会社Casa
2018年に東証一部上場を果たしており、大家さんからの信頼がとても厚いのが特徴です。L G O自体も株式会社Casaが主導で立ち上げた団体で、賃貸保証会社の中ではリーダーシップをとっている会社と言えます。審査承諾率は明記されていませんが、比較的通りやすいのは間違いありません。価格面も平均的で決して高くないので、おすすめの賃貸保証会社です。
3−3. 日本セーフティー株式会社
老舗の賃貸保証会社で、不動産業界では昔からよく使われています。審査スピードが早く、審査承認率も高いため、審査が不安な方にもおすすめです。価格面でも平均的で特別高いわけではありません。保証料や大家さんからの信頼度、審査の承認率どれをとっても間違いない1社と言えるでしょう。
4.まとめ:賃貸物件を借りられない自営業者は賃貸保証会社の利用を検討
自営業者でも、賃貸保証会社を利用する事で賃貸契約をする事ができます。特に、フォーシーズは審査承認率が98%を超えるので、ほとんど落ちる事がありません。しかし、大家さんによっては利用できる保証会社を限っている物件もあるので注意して下さい。
地域の経験豊富な不動産屋に相談すれば、審査承認率の高い賃貸保証会社を使用できる物件を紹介してくれたり、交渉してくれたりするので、相談してみることをおすすめします。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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