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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼管理業務主任者の相樂です。
私たち、アリネットは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計4,600人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。
今回は、先日、引っ越した男性から受けた質問、『ロフトのある部屋はありか、なしか?』について、引っ越しの失敗談を参考に考えていきます。特に、これから一人暮らしを始める方に本当に人気のロフトについて、そのメリット・デメリットを考えていきます。
なお、居室部分が4畳、5畳などで狭いからロフトが付いている部屋は個人的にはお勧めしません。本当に使いずらく、後悔すると思います。ちなみに、50代の男性がロフトのある部屋を選んでしまった時の失敗談はこちらです。
1.ロフト付きの部屋のイメージ
部屋探しの際に「ロフト付きとなっています」と不動産屋が紹介すると「いいですね」と返す人が多いように、一般的にロフトは良いイメージを持たれています。
しかし、中には「高所恐怖症だからロフトはいらない」という人や「活用方法がいまいち分からない」という人もいるようです。ここでは、引っ越しの失敗談を参考に20代、一人暮らしの社会人から相談の多いロフト付きの部屋のイメージについてまとめてみましたので、共通するかどうか見てみてください。
1-1.便利
ロフトは「便利」というイメージが強いです。就寝スペースとしても使えるし、収納スペースとしても使えるし、住む人によって様々な活用方法で利用できます。
ワンルーム物件は収納スペースが少ない傾向にあるため、ロフトが付いているとウォークインクローゼットのような広い収納が無くても物や服をしまっておけると考える人も多いです。
1-2.お得感がある
通常のワンルームだと、ただ「一部屋」しか無いところ、ロフトがついていると小さな部屋のようなスペースがプラスアルファでついてくるようなイメージになります。そのため、ロフトには「お得さ」を感じる人が少なくないです。
1-3.上り・下りが大変
一方で、ロフトというと「ハシゴの上り・下り」がセットでついてくるため、これを大変、面倒、危険と捉える人もいます。高所恐怖症の人や足腰が悪い人、面倒くさがりな人はロフトに対してポジティブなイメージを持っていない傾向にあります。
1-4.天井が低く圧迫感がある
ロフト部分から天井までの高さが低く、圧迫感を覚える人もいます。起き上がった時に頭をぶつける心配をする人や、収納したものを探すのに身動きが取りづらく不便なのではと考える人もいます。
2.そもそもロフトって何?
「ロフト」と聞くと、誰もが部屋の上部にある小さなスペースを想像します。そのぐらい言葉としては浸透していますが、そもそもロフトとは何なのでしょうか?建築基準法上、定義はあるのか、部屋なのか収納スペースなのか、そのあたりについて解説します。
2-1.ロフトって何なの?
ロフト(loft)とは、英語で「納屋や馬小屋の二階部分」や「屋根裏の物置スペース」や「中二階の小さなスペース」といった意味の言葉です。
元々は、馬小屋の屋根裏部分に物置スペースを作り、そこに農具や馬具を収納するという習慣があり、このスペースのことを「loft」と呼んでいたのが起源となっています。
つまり、ロフトは「物置」であり、部屋ではないということです。
2-2.ロフトの定義
日本の住宅では、ロフトの定義は「天井高が1.4m以下で、床面積が直下の階の2分の1未満に収めたスペース」とされています。これは建築基準法でも明確に定められており、この定義から外れると「ロフト」という名称ではなく、「階」と見なされます。他にも、細かく見ていくと以下のような決まりがあります。
- 電話、テレビ、インターネットのジャックが無いこと
- ロフト内部に収納が無いこと
- 床部分を畳や絨毯、タイルカーペットにしないこと
- 固定のハシゴや階段をつけないこと(可動式や折り畳み式ならOK)
ロフトは本来「収納スペース」としての用途で設けられたものであり、「居住スペース」ではないというのが定義となっています。ただ、だからといって居住スペースとして利用してはならないという決まりは無く、ロフトで寝起きすることや、勉強や作業場所として利用することが禁じられているわけではありません。
2-3.ロフトは延床面積に含まれる?
結論から言うと、ロフトは延床面積には含まれません。
物件情報には「延床面積○㎡+ロフト」と一般的に表記されます。ロフトの広さや高さについて、細かく記載されているものもあれば、記載が無いものもあるので、見学前に問い合わせておくのがおすすめです。
2-4.ロフトの活用方法
前述の通り、ロフトは元来「物置・収納スペース」として活用された空間ですが、現代の日本のロフトは収納だけではなく様々な活用の仕方ができます。ここでは、4つの活用方法について紹介します。
2-4-1.就寝スペース
ロフトの利用方法としてポピュラーなのが就寝スペースです。
布団を敷けば大人一人がちょうど横になれるぐらいのスペースが確保できるため、ロフトで寝起きする人もいます。
下の部屋部分にベッドを置くとスペースが狭くなりますし、布団を敷くといちいち畳むのが面倒ですし、万年床にしてしまうとだらしない印象になります。
ロフトならばベッドを入れずに布団を敷いたままにしておいても気にならないため、ここを寝床として活用すると部屋全体がスッキリした印象になりますし広く感じられます。
2-4-2.収納スペース
就寝スペースと同じくらいポピュラーな利用方法が収納スペースです。寝床にするのではなく、本来の用途である「物置」として使うということになります。
特に、ワンルームはウォークインクローゼットがついていない物件や、十分な収納スペースが確保されていない物件が多い傾向にあるため、ロフトのスペースは重宝します。
夏は冬物の衣類、冬は夏物の衣類など、シーズンで使わないものをしまっておいたり、普段使わないものをしまっておくのに便利です。
2-4-3.作業スペース
狭い空間にいると集中できるというタイプの人がいます。そんな人はロフトを作業スペースや勉強スペースとして活用できます。自分が以前ロフト付きの部屋に住んでいる時は、生活する空間と集中する空間を分けることによって集中力を上げ、メリハリをつけていました。
その為、単に荷物置きとして使うのか?それとも、工夫するかでロフトは色々な使い方が出来ると思います。
2-4-4.趣味スペース
ロフトは趣味スペースとして活用することもできます。コレクターならば、集めたグッズやフィギュアなどを飾るスペースにできますし、パズルが好きならばパズルを楽しむ場所として活用できます。
他にも、作業スペースに近いですが、絵画やハンドメイド、あるいはゲームなど、様々な趣味の空間にすることができます。
3.不動産屋が言いたくないロフト付きの部屋のメリット・デメリット
ロフトの良いイメージは「便利」や「お得感」で、悪いイメージは「上り下りが大変」や「圧迫感」と冒頭で書きました。しかし、実際に住んでみるとイメージとは異なるメリットやデメリットに気付きます。
多数の物件を扱い、多数の引っ越しやその失敗を見てきた不動産屋だからこそお伝えできるロフトの本当のメリットとデメリットをここから解説します。
3-1.ロフト付きの部屋のメリット
ロフト付きの部屋のメリットは大体イメージの通りです。便利であることと、お得感があること、この2つにまとめることができますが、もう少し詳しく分析してみます。
3-1-1.様々な利用方法があり便利
ロフト最大のメリットは、イメージの通り「便利」な点です。住む人によって、自分の好きなように利用できて、様々な用途に合わせて使えるのが魅力です。先ほど挙げた。
- 就寝スペース
- 収納スペース
- 作業スペース
- 趣味スペース
などが代表的な活用方法です。しかし、他にも瞑想やリラックスをするスペースにしたり、読書専用のスペースにしたり、来客時の一時的な荷物置き場にしたり、十人十色の使い方が可能です。
3-1-2.ワンルームでも2部屋あるようなお得感
ロフトは元来は居住スペースとして使われる空間ではないのですが、寝起きしたり趣味や作業のスペースとして使ったりすることができるため、もうひとつ部屋があるような気分になれます。そのため、ワンルームであっても、2部屋あるような気分で「お得」だと感じられます。
ただ、家賃に関してはロフトがつく分若干高くなる傾向にあるため、本当にお得かどうかはきちんとジャッジしなければなりません。それでも2部屋の物件よりも断然安いため、お得であることは間違いないと言えます。
3-1-3.就寝スペースとして使うなら万年床でもOK
ベッドを入れずに布団を敷きたいタイプの人で面倒くさがりだと、いわゆる「万年床」という布団が敷きっぱなしの状態となります。ワンルームにずっと敷きっぱなしの布団があると、どうしてもズボラでだらしがなく見えてしまいます。
しかし、ロフトを就寝スペースとして使う場合は、布団を敷きっぱなしにしていても下の部屋からは見えません。万年床というよりは、ベッドに近い感覚で使えるので、だらしない印象を与えずに快適に過ごせます。いちいち畳んだり広げたりする手間が省けて、下の部屋部分はいつもスッキリした状態を保てます。
3-1-4.部屋そのものの天井が高く開放感がある
ロフト付きの部屋は、その部屋そのものの天井が高い傾向にあります。ロフト部分の天井は狭く圧迫感を覚えるかもしれません。しかし、下の部屋の部分は非常に開放感があり、広々した印象となります。
天井が高いだけで部屋が広く大きく感じられるので、狭いところが苦手な人にはおすすめできるポイントです。
3-1-5.下の階の物を減らしおしゃれな部屋作りができる
ワンルームで暮らすことになると、どうしても1つの部屋に全ての「もの」を入れ込まなければなりません。ミニマリストならば部屋をスッキリさせることもできますが、大抵の人がそうはいきません。
ものが溢れてゴチャゴチャになり、来客がある度に慌てて片付けて狭い押し入れにギュウギュウに押し込んで……という状態になります。
その点、ロフト付きの部屋はロフトを物置として使えるので下の階の物を減らして、スッキリとしたおしゃれな部屋を作ることができます。ロフト部分を就寝スペースにしてしまうと、また話が変わってきます。しかし、収納スペースにする場合、普段の生活で使わないものはまとめてロフト部分にしまっておくことで、下の階を生活感の漂わないおしゃれな部屋にデザインできます。
3-2.ロフト付きの部屋のデメリット
ロフト付きの部屋のメリットは、イメージ通り「便利」で「お得」という点が目立ちました。が、デメリットは実際に住んでみて初めて実感するものが多くあります。このデメリットをきちんと知っておかないと、部屋探しで失敗するリスクが上がるのでここからはしっかりと読んでください。
3-2-1.上り下りが面倒
まずはイメージ通りの「上り下りが面倒」というデメリットです。ロフトは固定の階段ではなくハシゴ(あるいは可動式の階段)を用いて上り下りするため、気楽にひょいと上ったり下りたりできないのが特徴です。
身のこなしが軽い人なら良いですが、特に身体能力がずば抜けて高いわけではない人にとっては普通の階段の上り下りよりも大変です。以前、50代の男性がロフト付きの部屋を選び、上るのがしんどく、疲れるので、結局、使わなくなったという方はいました。その為、ロフトは50代以上の方には個人的にはお勧めできません。
後ほど失敗談(トラブル事例)でもご紹介しますが、「疲れている時にロフトに上るのがしんどい」という意見や「寝起きにロフトから下りるのが大変」という意見が、弊社のアンケートでも多数上がっています。
他にも、物置として利用している人の場合、物を持って上り下りしなければならないのもネックとなります。
3-2-2.ハシゴや階段の出し入れが面倒
ロフトのハシゴや可動式の階段は固定ではないため、上り下りする際にいちいち出し入れしなければなりません。ハシゴをかけっぱなしにしている、可動式階段を出しっぱなしにしているという面倒くさがりな人もいます。しかし、これをやると下の階で過ごす時にハシゴや階段が邪魔になります。
ハシゴや階段を出しっぱなしにして、下の階で邪魔になることを受け入れるか、面倒くささを受け入れて毎回出し入れするか、そんな究極の選択に迫られることになります。
3-2-3.頭をぶつける危険
ロフトの天井高は1.4m以下と定められています。大人の多くは身長が1.4m以上ですので立つことはできない高さです。
座った際に天井と頭の間に幾分か余裕があれば良いのです。が、スレスレだったり、少し背を丸めないと頭が当たったりするような高さの場合、寝起きや物の出し入れの時に天井に頭をぶつけるリスクが上がります。
特に就寝スペースとして利用する際には、寝ぼけた状態で勢いよく身体を起こして頭をぶつけることがしょっちゅうあると危ないので注意しなければなりません。
3-2-4.上り・下りで転落して怪我をする危険
ロフトのハシゴや可動式階段は固定の階段と比べて安定性が弱く、作りも簡易的なものが多いです。そのため、ロフトへの上り下りで足を滑らせて転落し怪我をする危険があります。
特に、先のどの例にあった通り、50代以上で少し体力が落ちたり、足腰が弱ってきたりしている人は要注意です。もちろん、30代以下であっても運動神経に自信が無い人にはロフトはあまりおすすめできません。
3-2-5.冷房が効きづらく、夏は暑くなりがち
実際ロフト付きの部屋に住んでみて「住むまで分からなかった」というデメリットで最も多いのが「暑さ」です。ロフトは部屋の上部に位置しています。冷気は下に溜まるため、ロフトがある上部にはクーラーの涼しい風が届かないのです。夏はクーラーが効かずに暑くて眠れないという意見が多く上がりました。
逆に冬の暖房は、暖気が上昇するため温かいのですが、とにかく夏は大変だったという声が多数アンケートに寄せられているので、ここは要注意ポイントとなります。
3-2-6.就寝スペースにする場合、布団の上げ下げが大変
1つめのデメリットで、ロフトの上り下りが大変と述べた際に、物置として利用する際にはものを持って上り下りするのも大変と言及しました。
就寝スペースとして利用するから、別にものを持って上り下りはしない、という人も、まさか布団を敷きっぱなしで一度も洗ったり干したりしないとは言えないと思います。
布団は大きく重いため、就寝スペースとしてロフトに布団を敷く場合、定期的に洗ったり干したりするために抱えて上り下りをしなければなりません。
下りるのは最悪ロフトから下の階に投げ落とすという方法があります。が、上る時は抱えて持ち上げなければなりません。
3-2-7.収納スペースにする場合は放置されがちに
収納スペースとしてロフトを活用する際には、ものを持って上り下りするのが大変で面倒なため、置いたものを放置しがちになります。
夏は非常に暑くなるため、置いたものが傷んでしまうリスクがありますし、いるのかいらないのか分からないようなものを詰め込んで結局ゴタゴタにしてしまうというリスクもあります。
3-2-8.部屋の照明の交換が大変
最後に、これも住んでみないとなかなか実感できないデメリットですが、ロフト付きの部屋は天井が高いため、照明を交換するのが大変です。テーブルに乗っても届かず、ハシゴを借りて交換したとか、業者に来てもらったとか、そんな体験談がアンケートにも寄せられています。ロフトの意外な盲点として頭にしっかり入れておいてください。
4.ロフト付きの部屋に引っ越した3人のトラブル
アットリビングでは、お客様にアンケートを実施して、部屋探しの失敗やトラブルなどにまつわる体験談をヒアリングしてきました。そのアンケートから3名のトラブル(失敗)事例を紹介しますので、ロフト付きの部屋を検討している方は参考にしてみてください。
4-1.事例1:上り下りがしんどい
1つめの事例は、ロフトの上り下りがしんどかったというエピソードです。実際に選んだ物件がロフト付きだったんですが、ロフト以外の場所が狭くて、ロフトで寝るしかありませんでした。疲れた時などにロフトを登るのはしんどいので、これ以降はロフトではなくベッドにしたいです。
(弊社アンケートより引用)
>>ロフト付きの部屋は開放感があり広いイメージですが、この方のようにロフト以外の場所が狭くロフトで寝るしかなかったというケースもあります。疲れている時にロフトに上らなければならないのは確かにしんどいですので、就寝スペースとして考えている方はよく考えることをおすすめします。
4-2.事例2:夏場は暑くなる+階段で怪我
2つめの事例は夏の暑さと、階段での怪我です。ロフトの1Kの部屋にあこがれてロフト付きにしましたがとにかくロフトが暑い。夏場は特に大変でした。
あと、ロフトについている階段もあるので朝起きた時に階段から降りるのがとにかく大変で、寝ぼけながら降りた事もあって怪我した事もありました。ロフトは大失敗だったので、やめた方が良いと思いました。
(弊社アンケートより引用)
>>「ロフトは大失敗だった」と断言したこの方は、夏の暑さと階段での怪我を体験されました。ロフトというとなんとなく「おしゃれ」や「スタイリッシュ」、「かっこいい」といったイメージがあり、憧れる人が多いようですが、この方のように実際住んでみると暑さに参ってしまったり、危険な目にあったりすることもあります。
事前に知っていれば回避できる失敗談なので、暑さ対策がきちんと取れるのか、階段やハシゴに危険な要素は無いか、確認してから決めた方が良いと思います。
4-3.事例3:水漏れトラブル
3つめの事例は水漏れに気付かなかったというトラブルです。ロフト部分に上の部屋からの水漏れがあったのですが、ロフト部分は物置きとして使用していたので発見がかなり遅れてしまいました。
(弊社アンケートより引用)
>>滅多に起こらないトラブルなのでデメリットとしては上げませんでした。ところが、このようなトラブルが起こる可能性もあります。他にも、知らないうちに虫が湧いていた、ネズミが駆け下りてきて悲鳴を上げた、など、普段目につかない場所だからこそ起こるトラブルに見舞われるケースがあります。
5.ロフト付きの部屋を選ぶときの注意点
ロフト付きの部屋のメリット・デメリットを知ったところで、デメリットを解消してメリットを享受できるようなロフト付き物件の探し方について教えます。下記の4つのポイントを押さえて注意深く部屋探しをすれば、ある程度の失敗リスクは避けられます。
5-1.ハシゴの出し入れや上り下りのしやすさをチェック
ロフト付きの部屋の最大のデメリットである「上り下り」については、しっかりとその利便性や安全性をチェックすべきです。今はオンラインなど、ウェブカメラだけで疑似内覧ができるサービスもありますが、必ず実際の物件を訪れて、実際にハシゴや階段の出し入れと上り下りを自分で体感することが大切です。
その際に考えるべきことは「これを毎日最低3回やる」ということです。1回上り下りしただけでは、それほど大変とかキツイとか、そんな風に思わないかもしれません。しかし、これを毎日3回以上やる、と考えて「それはしんどいな……」と思ったら、そこはやめた方が良いです。
実際、何回上り下りするかは人によってまちまちですが、目安として「3回以上」としておくのがおすすめです。
5-2.ロフト部分の天井高が低すぎないかチェック
ロフトの天井高は1.4m以下ですので、これよりも低いロフトは沢山あります。天井が低すぎると、起き上がった時に頭をぶつけるリスクが生じ、身動きが取りにくいという難点もあり、さらに狭小感を不快に思う可能性もあります。
内覧の際にはちゃんとロフトに上って、座ったり寝転んだり、中腰になったり身動きをとってみたりして、自分にとって快適な空間となっているか否かチェックしてください。
就寝スペースとしての利用を考えている場合は、マットレスと敷布団を敷くことも想定して高さの感覚を掴むのが良いです。
5-3.エアコンの効き具合をチェック
エアコンが備え付けの部屋の場合は、実際に冷房を稼働させて聞き具合をチェックします。冬場であっても、冷房で実験してみてください。
エアコンが無い物件の場合、エアコンを取り付ける場所を確認して、風が届くかどうか予想するしかありません。
また、ロフト自体の風通しが良いかどうかもあわせてチェックしておくと良いです。ロフトスペースが風の通り道になっていれば、冷房も効きやすく、窓を開けた時に涼しい風が入ってきます。ロフトのある部屋は天井が他よりも高くなりがちなので、空気の巡回を考慮し、ファン付きの照明を使うのもありだと思います。
5-4.自分が何に利用するか具体的に考える
ロフト付きの部屋を希望する場合は、自分がロフトスペースを何に利用するのか具体的に考えておくのがおすすめです。
ただ漠然と「なんとなくおしゃれだから」や「なんかカッコイイから」という理由でロフト付きの部屋を選ぶと、デメリットばかりが気になって失敗したと後悔する可能性が高まります。
就寝スペースとして利用するならば、寝ることを想定して部屋探しができますし、収納スペースとして利用するならば、何をどのように収納するか考えながら部屋を検討できます。
最初からハッキリと利用目的が決まっていないと、結局上手に活用できずに「ロフトなんかいらなかったな」と思うことになります。
6.ロフト付きの部屋で起きた判例は?
ロフト付きの物件で何か裁判が起こったかどうか調査してみましたが、特に判例は見当たりませんでした。ロフト付きだからといって裁判沙汰になるような大きなトラブルや犯罪が起きたという事例は無いようです。
7.どんなロフト付きの部屋ならいいのか?
ロフト付きの部屋のメリットもデメリットも知った上で、それでもロフト付き物件に住みたいという場合、どのような部屋を選ぶべきか、そのポイントを教えます。
7-1.安全性が確保されている
これまでのクレームや失敗を見ていき、最も重視したいポイントは安全性です。ハシゴや階段がしっかりしているか、足をかけて上る際にぐらつきや不安定さは無いか、しっかりチェックして安心して上り下りできるロフトを探してください。
また、ハシゴや階段だけでなくロフトそのものの安全性にも注目したいです。就寝スペースとして利用する場合、寝返りを打ったらロフトから転落してしまったといった事故リスクはなんとしても回避しなければなりません。
ロフトについている柵は十分なものか、もしくは壁のようにしっかりと守られているか、安心してゴロゴロできる空間になっているかどうかよく見て決めるようにしてください。
7-2.風通しが良い
良いロフトの条件のひとつに、風通しの良さが上げられます。夏場に熱がこもりやすく暑くなりがちなロフトですが、冷房の効き具合だけでなく風通しが良いと体感温度が大きく変わります。
また、風通しが悪いと湿気が溜まりやすくなり、カビの原因にもなります。収納スペースとして使うから、別に夏場に暑くなっても構わないという場合でも、風通しが悪いロフトはジメジメして収納している大切な私物にカビが生える原因を作ります。
就寝スペースとしても、収納スペースとしても、風通しが良いロフトがおすすめです。
7-3.エアコンとの位置関係が良い
夏場に暑くなりやすいロフトは、エアコンの冷風がしっかりと届くような位置関係にあるのが理想的です。直接冷風が当たるのは身体にとって良くないですが、エアコンの風が全く届かないと暑くて寝苦しい夜を過ごすことになります。
エアコンが備え付けの場合、性能を確認して様々な角度で冷風を送れるかどうか、ロフトまで風が届くかどうか、しっかりチェックすべきです。備え付け出ない場合は、エアコン選びも重要になるので、部屋の構造をよく理解した上でエアコンを選ぶようにしてください。
7-4.ロフト部分の天井高はなるべく高い方が良い
ロフトの天井が低いと、頭をぶつけたり、身体を傷めたり、狭小感でストレスを感じたり、良いことがありません。ロフトの天井高は1.4m以下なので、できればこの上限ギリギリの高さを確保しているロフトが良いです。
収納スペースとして使うから天井が低くても良いという方もいるかもしれませんが、置いておいた物を取り出したり、新しく物を置いたりする際に、天井が低いと身動きが取りづらくなるため、収納スペースとして利用する場合でも天井は高い方が良いです。
8.ロフト付きの部屋のまとめ
ここまで、ロフト付きの部屋のメリットとデメリットをはじめ、失敗(トラブル)事例や注意点などについても解説してきました。
最後に、ロフト付きの部屋を勧めたい人の特徴について、そしてもう一度「どんなロフト付きの部屋なら住んでいいのか?」という点についてまとめます。
8-1.分析を踏まえた上でロフト付きの部屋をおすすめしたい人
ロフト付きの部屋は誰にでも勧められるわけではありません。魅力的なメリットに惹かれがちですが、意外と多くのデメリットがあるからです。
デメリットも考えた上で、ロフト付きの部屋をおすすめできる人の特徴は次の4つになります。
8-1-1.30代以下が良い
ロフトにはハシゴや階段の出し入れや上り・下りがつきものです。これができないとロフトを上手に活用できません。ロフトのハシゴや階段は通常の階段とは異なり安定感が低いため、40代以上の方や足腰に自信の無い人にはおすすめできません。
年齢で言えば、30代までがロフトを快適に活用できる目安となります。
8-1-2.ロフトスペースの利用目的がハッキリしている人
注意点でも述べましたが、ロフト付きの部屋を希望するならば、そのスペースの利用目的がハッキリとしていなければ失敗リスクが上がります。
ぼんやりとイメージだけでロフトを希望するのではなく、こんな風にロフトを使いたい!という目的をしっかり持っている人にはおすすめできます。
その目的に適ったロフト付きの部屋を探してください。
8-1-3.リビングは物を少なくしたい人
リビングスペースには極力物を置きたくないという人にも、ロフト付きの部屋はおすすめです。ロフトは完全に収納スペースとして使っても良いですし、少し大き目なロフトを活用して就寝+収納スペースとして利用しても良いですし、工夫次第でいくらでもその恩恵を受けられます。
ワンルームは特に収納できる場所が限られるため、スッキリしたリビングを作りたい人にはロフトの活用をおすすめします。
8-1-4.面倒くさがりではない人・・・
ロフト付きの部屋に住むならば、面倒くさがりではないことが、ロフトを上手に活用できるか否かの重要なポイントとなります。面倒くさがりな人はハシゴや階段の出し入れや、上り下りそのものがおっくうになってしまい、ロフトを活用できずにゴタゴタとした中途半端な物置にしてしまいます。
また、長いことロフトに上がらず放置しているとホコリなどのハウスダストが増えますし、カビが発生したり虫が湧いたりする可能性もあります。その為、ロフト自体を就寝スペースとして活用するにしても、収納スペースとして活用するにしても、マメに上がって掃除や手入れができる人におすすめしたいです。
8-2.どんなロフト付きの部屋なら住んでいいか?
最後のまとめとして、ロフト付きの部屋を希望して探すのであれば、次の3点を意識してください。
- 安全性(ハシゴや階段、ロフトスペースの柵など)
- 利便性(広さや高さなど)
- 快適性(暑さや湿気、風通しなど)
この3つが満たされていれば良いロフトスペースと言えます。必ず自分の足で内覧に出向き、自分の足でハシゴや階段を上り下りし、自分の身体でロフトの快適性を体感して、検討するようにしてください。
ロフト付きの部屋を真剣に検討する際には、本記事で解説した注意点やトラブル事例を思い出して、失敗の無い部屋探しを実現してください。
これまで、8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。
ここに記載していない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。信頼できる先がすぐに見つからない場合、弊社の無料相談にご連絡ください。これまで多くの住まいの問題を解決した経験や知識を活かし、あなたの力になれると思います。ぜひ気軽に無料相談までご連絡ください。
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今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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