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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。
先日の続きで、性格の不一致を理由に離婚を考えている男性の相談を基に、自宅の売却に関して、深堀していきます。
ご存知の通り、離婚の際には、あらためて資産の状況を確認することになります。
しかし、「負動産」という言葉をご存じでしょうか?
後述しますが、「負動産」の扱いは面倒なものですが、これまで問題を見てきた実感としては、離婚を機に問題を片づけるのが最善の方法だと思います。
と言うのも、離婚成立後は本当に奥様と連絡を取ったり、書類の作成を進めるのが大変です。
離婚と自宅の売却の順序について、こちらのページでまとめています。
もし、迷っている場合には、確認してみて下さい。
今回は、「負動産」に関する説明から離婚時の不動産売却で「負動産」に対応する方法と、相続放棄や処分について解説します。
メンバーにも離婚経験者がおり、男性の離婚時の自宅の売却については、大変なことが分かっている為、なるべく多くの方を救い、いち早く、日常を取り戻し、再出発を切ってほしいと思っています。
現在、離婚に伴う不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
1.離婚時の不動産売却の際の「負動産」問題とは?
まず、不動産売却の際の負動産とは、どのようなものなのでしょうか?
1-1.負動産とは何のこと?
そもそも、負動産とは、資産性のない不動産、負の財産となる不動産のことです。
自分に利用価値がなく、売るのも難しく、賃貸もできず、固定資産税などの維持費だけが発生する土地や建物を表す造語です。
並行して、離婚へ向けて進行している場合、財産分与の問題から資産の状況も確認の必要があります。
まず以下の流れで、自宅が負動産に該当するかを確認して下さい。
- 書類の準備(登記簿謄本・物件の図面ほか)
- 不動産会社への物件価額の査定依頼
- 不動産会社への物件使途の相談
私たち、アリネットでは事前にご相談いただければ、解決に向け、書類の準備を整えるところからサポートもしています。
まず、物件を売るにはどの程度の価値があるのかということが基本となります。
そのため、無料の査定によって物件の価値を確認します。
また同時に、負動産の物件に使い道や価値が見いだせないかどうかのご相談にも応じています。
1-2.負動産の所有権と維持費
1-2-1.不要な負動産の所有権は、放棄することはできるのでしょうか?
民法で「所有者のない不動産は国庫に帰属する(第239条)」としていますが、実際には、不要な不動産の所有権を国が引き受けることはありません。
法律的に土地の放棄について規定したものはなく、所有権放棄による不動産の所有権末梢登記の手続きはできないので、権利を抹消できません。
したがって、法的には不動産所有権の放棄はできず、不要な不動産は第三者に所有権を移転するほかないのが現状です。
1-2-2.「空き家対策特別措置法」とは?
続いて費用の問題ですが、日本中で増加し続ける空き家対策のために、2015年から「空き家対策特別措置法」が施行されました。
この法律により、空き家を長期間にわたり放置すると、以下の措置を受けるようになりました。
- 固定資産税の実質的な増税
- 20万円以下の過料(罰金の一種)
- 強制的な撤去や解体(費用負担は所有者)
各自治体は、周囲に危害を及ぼす恐れがある、衛生・景観・治安面で不適切などの状態にある空き家を「特定空き家」と位置付け、行政指導や行政処分をおこないます。
そして、指導に従わない空き家に対し、土地の固定資産税は軽減税率が適用されなく、過料や強制撤去を受けるのです。
固定資産税のほか、マンションなどの場合は、毎月の管理費や修繕積立金がかかります。
そのほかに、元々は収益源だった賃貸物件も、老朽化から維持費の上昇、賃料の低下、空室率の増加で負動産化する場合があります。
また、別荘やリゾート物件も、居住用物件よりも高額な固定資産税ほかの経費がかかる場合があり、維持費について確認が絶対に必要です。
1-3.負動産の管理問題
最近、この手の相談が増えていますが、負動産は放置することによって老朽化や荒廃が進む点も問題です。
離婚を機に処分を進める判断をおこない、費用面だけでなく、手間の問題がこれ以上大きくなるのを防いで下さい。
土地は毎年定期的に伐採や剪定などの管理をしなければ、雑草や庭木が収拾のつかない状況になります。
また、ゴミの不法投棄、放火、不法侵入も起こります。
これらを避けるためには、自分で管理作業をおこなうか、業者に依頼することとなり、かなりの手間や費用がかかります。
さらに、放置した物件の管理不足でけが人が出たり、放火などで近隣に被害が及んだ場合、損害賠償責任を負うリスクがあります。
このように管理の問題も、放置期間が長くなるほどに深刻になります。
私たち、アリネットに相談された場合、対策を提案し、各地域の不動産会社と提携し、問題の解決に当たっています。
と言うのも、空き家の管理や改善、将来の活用に関する知識や経験がない会社が多く、相談しても「古いから、壊すしかない」と言われたと私たちに相談されることが多いからです。
2.離婚時の不動産売却時で「負動産」の相続放棄をする方法
中年離婚が増え、親から引き継いだ「負動産」の相続放棄の方法について、ご説明します。
2-1.相続放棄をする理由
もし、あなたが負動産をこれから相続をするという状況であれば、相続放棄をするという手段もあります。
離婚との前後関係からすると、これから相続する物件は財産分与の対象にはなりません。
しかし、お互いの間で資産の権利関係を明らかにするのはトラブル防止上、意味があります。
相続は、遺言書がなくとも祖父母やおじ、おばの資産にまでかかわる可能性がありますので、自分には関係ないと思っていた負動産について、突然相続の話が出ることもあり得ます。
その際、どのようにしたら良いかを専門家に相談し、事前に把握しておきましょう。
例えば、兄弟の荷物が置いてあり、売却できない。地元の不動産屋では扱ってくれない等の相談も増えています。
2-2.相続放棄の方法
相続放棄は、家庭裁判所に申述書と戸籍謄本などの書類を提出します。
一般的に、相続放棄申立の約10日後に照会書が届き、回答を記入して家庭裁判所へ再送します。
再送してから10日ほどで、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付され、相続放棄が正式に認められます。
2-3.相続放棄の注意点
相続放棄が可能なのは、相続の開始を知った時から3か月以内で、これ以降の負動産の放棄は遺産分割協議によって決めることになります。
遺産分割協議の場合は、相続人の誰かが負債動産を受け継ぐことになるため、合意に至る話し合いが必要です。
また、相続放棄をすると相続人でなかったものとされて、すべての財産を相続できなくなるため、不要な不動産だけを相続放棄することはできません。
そして、相続放棄した場合でも、有料で相続財産管理人を立てない限り、土地、建物の管理義務は残ります。
3.離婚時の不動産売却で「負動産」を処分する方法
離婚の際、保有している「負動産」を売却によって、処分する方法についてご説明します。
3-1.「負動産」の処分の際の注意点
前述のように、相続した財産は基本的には財産分与の対象外ですが、離婚時には負動産の内容も共有をおすすめします。
不動産は放置してもお金の持ち出しばかりが続き、相続放棄しても管理責任が残留するので、売ることができれば、最も安心ということになります。
一般的に、売るのが難しい負動産を売る方法はあるのでしょうか?ここからこれまでの経験を踏まえ、説明していきます。
3-2.仲介による負動産処分
不動産会社の仲介で売却活動をしていくうえで、売りやすくなる2つの要素は、価格を下げることと、売却期間を長くとることです。
また、不動産売買が活発な時期を選ぶなど売り出すタイミングによって、売れやすくなる場合があります。
他にも、物件にもよるのですが、建物のリフォームや、限度を超えて古くなっている場合は解体をして売却する手段もあります。
ただし、市街化調整区域の物件の中には、今あるものを壊すと再建築できなくなる場合があるので、事前に確認をしてください。
個人的には、地域によりますが、地方の物件などは自治体の空き家バンクに登録し、仲介をおこなっている不動産会社を対応窓口として宣伝をするのも効果的だと思います。
一般的に、地方の物件は地元の人が価値を一番分かっており、それにくわえて最近ではU、Iターン目的の人が助成金の情報といっしょに空き家バンクの物件をチェックするためです。
『不動産を最も高く買ってくれるのは、東京からの移住者』です。
誤解があるようですが、地元の人ではありません。
東京に限らず、大阪や名古屋、仙台、福岡からの移住で地方の物件を購入する場合、相場が分からなかったり、都心の感覚で物件を選ぶことが多く、高値で買ってくれることが多いです。
この辺りも、ネットワークが限られる地元の不動産会社では分からない部分だと思います。
そのほかには、自治体、個人、法人への寄付という形も取ることができますが、情報の仲立ちをする手段がないことと、なかなかニーズが一致しない点が難しいと思います。
3-3.買取による負動産処分
周りにばれたくない、今すぐ現金化したい場合だけでなく、物件に借り入れがなく、高く売る必要もない場合、買取が有効な手段となります。
不動産会社とさえ合意に至れば、売却活動で買主を探すことも、残置物の撤去も、仲介手数料も、管理責任の継続も、すべて不要です。
売却に至るまでの期間も最短で済ますことができます。
>>離婚時の不動産会社による自宅等の不動産の買い取りとその注意点については、こちらのページにまとめておきました。
ただ、私たち、アリネットは売主様のために動くことが多いため、現在、手残りが減ってしまう買取は行っていません。
そのため、ご説明の通り、近所にはバレたくない、早く売り、現金を手に入れたい方もいる為、簡単なオークションを取り纏め、高価格での買取を行っています。
具体的には、買取業者を競わせるという意味で、3~5社にご自宅を内見してもらい、買取希望価格を出してもらい、最も良い条件を出した先に売却しています。
実際、茨城県日立市や群馬県前橋市、埼玉県和光市でこのやり方でご自宅の売却を行っています。
もし、買取を使った、早く高くを目指した売却に関して、ご興味のある方はLINE公式やメールでご連絡下さい。スケジュールや費用をご説明いたします。
念のため、私たち、アリネットの口コミはこちらのページにまとめてあります。
4.離婚時の不動産売却で「負動産」への賢い対応方法まとめ
今回は、ここ3、4年で相談も増えている離婚時の不動産売却で「負動産」に対応する方法、相続放棄や処分について解説しました。
離婚時の不動産売却は、専門的なサポートのもとで下す状況判断の有無で、所要時間や金額などの結果が大きく変わってきます。
私たち、アリネットでは離婚を切り出された男性の為、いかに手残りを増やすかに着目し、30社以上の不動産会社にヒアリングを行うご自宅の無料査定も行っています。
これにより、ご自宅の査定結果と住宅ローンを比較し、どのように動くべきか判断することが出来ます。
もちろん、これまでの経験や相談を踏まえ、覚書や対策を提案する事も出来ます。
離婚のせいでご自宅の売却をご検討中の方、ご自宅を高く売り、人生の再出発を効率よく行う為、まずはお気軽にご連絡下さい。
>>離婚で悩む方向けに離婚時の不動産対応のチェックリストはこちらのページにまとめておきました。
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