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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。
離婚に伴う自宅の売却、無料相談を10年以上続けてきて、やっぱり聞かれるのは『一緒に自宅を売却した方が良いか?』です。
財産分与や名義変更、ローンの付け替えなどもあり、離婚の際に大きな問題となるのは、今まで暮らしてきたご自宅の扱いです。
本当に多くの方がこの問題に直面します。
実は、さまざまな角度から検討の結果、自宅は売却した方が良いとなるケースが多いです。
今回は離婚の際に自宅を売却した方が良い理由のほか、同時に関係してくる売却の判断基準や方法についても解説します。
まだ、そこまで具体的に考えてない方でも、離婚で受けるダメージを賢く減らし、早く日常を取り戻すために、参考にしてみて下さい。
なお、離婚に伴う、自宅の売却に関する個別相談はこちらより、無料で受け付けています。
1.離婚で自宅を売却した方が良い理由
では、離婚時は自宅を売却した方が良い理由とは、どのようなものなのでしょうか?
以前、事例を参考に『なぜ、離婚時に自宅を売った方が良いか?』をこちらにまとめました。
併せて、ご確認下さい。
1-1.不要となるため
離婚による不動産売却の理由のうち、不要となる要因はおもに以下のとおりです。
- 家族構成が変わり、広すぎる状態になった
- 引っ越し等で使わなくなる
- 気持ちを切り替えて、新しい環境に移りたい
弊社へ相談に来られたほとんどの方が、結果として自宅を売却されるのですが、最も多い理由は「使わなくなる」ことです。
このほかには、「離婚した家」ということで縁起を担がれる方もおられます。
通常、離婚にともなって生活環境は変わります。そのため、住み続ける理由はどちらかというと少ないです。
気持ちの面だけではなく、家族それぞれにベストな方法を想定のうえ、今の自宅のありかたを検討して下さい。
1-2.次の生活の為、住宅ローンを残したくない
住宅ローンの残債がない、あるいは残債を一括で返済できる場合は、離婚による売却は一般的な売却ととくに変わることはなく、仲介契約で買主を探すことになります。
しかし、すぐには返しきれない金額の住宅ローンが残っている売却の場合、使わない家のためにローンを払い続けることはしたくないと思います。
新居や、引っ越しにかかる予算もあるなかで、支払いは極力減らして新しい生活に備えたいものです。
また、離婚後も元夫婦の共同名義や連帯保証のある自宅を維持していると、住宅ローンを滞納した場合、元夫婦の双方で返済に対応することになります。
1-3.自宅の財産分与
夫婦であった時の財産は、基本的に50%づつ共有のものとみなされるため、財産も、半分づつ分けるのが原則です。
自宅の販売価格と住宅ローンの残債を比較し、ローンの残債の方が大きい場合、財産分与の対象にはしなくとも良い場合はあります。
そのかわり、夫婦の連帯保証債務などは、そのままのローンを継続する場合、外すのは本当に難しいです。
また、夫婦の収入で払っていたローンを、一人で支払いを継続する状況ですと、払っていけるかという点も問題になります。
このパターンは実際、希望されることが多いですが、金融機関が認めないことが多く、借り換えを行おうにも、収入の関係で実行できない事もあります。
財産分与は自宅以外の資産も対象になり、離婚の際のお金の問題は養育費や慰謝料、自宅売却のための経費や引っ越し代など多岐に及びます。
したがって、自宅の売却額や住宅ローンのことだけでなく、全体のバランスを見ながら公平な財産分与をおこなうことで、のちのトラブルを避けられます。
離婚時の財産分与は、夫婦で形成した財産を分けることを含め、以下の3つに分類される点も覚えておいて損はないと思います。
・清算的財産分与
・扶養的財産分与
・慰謝料的財産分与
清算的財産分与が財産分けに相当し、扶養的財産分与とは離婚をした場合に夫婦の一方が生活に困窮してしまう場合、その生計を補助する意味合いを持つものです。
そして、慰謝料は財産分与とは性質が異なり、本来別々に算定して請求するのが原則ですが、慰謝料と財産分与を明確に区別せず、慰謝料的財産分与とする場合があります。
たとえば、結婚前に取得して支払いを終えた自宅は特有財産とみなされ、法的には財産分与の対象外ですが、上記のように総合的に判断して分与の対象を決定する必要があります。
この辺りは慣れないことが多いため、まじめにやる方が多いですが、専門家を通す事で手残りを増やす事も出来ます。分かっている専門家の話をキチンと聞くようにしてください。
>>不動産会社に売却を依頼するのが一般的ですが、本当に急いでいる時は買取も相談できます。その辺り、こちらにまとめておきました。
ただ、私たちは価格が低くなってしまう為、買取には消極的です。
その為、上位3社の不動産会社による買取入札をご相談頂いた方には提案しています。
2.離婚で自宅を売却する判断基準
離婚で自宅を売却する際の判断基準は、ローン残債以外にどのようなものがあるでしょうか?
2-1.片方だけでローン返済の維持ができるか?
家族にとって不要となれば、売却ということになりますが、夫婦のうち一方がローンの残債を支払いながら住み続ける場合には、以下の判断基準に照らす必要があります。
・住み続ける側が、相手方に分与分に相当する金額を支払えるか?
・共有名義やペアローンを借り換え等で一本化できるか?
・連帯保証債務を外せるか?
共有名義・ペアローン・連帯保証債務などがある場合、元のローンの継続ではトラブルの原因となります。ただ、実際にはローンの残債が少ない場合のみ、一括返済などが選択肢となってきます。
2-2.住宅ローン残債の多寡
住宅ローンの残債額が少なければ、前述のように権利関係もすっきりしたうえで片方が住み続けることもしやすくなります。
実際は結婚して、5年以内の離婚が多いため、住宅ローンの残債の金額が多い場合、維持できない為、自宅の売却をおこなった方が良いということになります。
住宅ローンの滞納がある場合には、住宅ローンの債権者である金融機関の承認を得て売却をおこない、これを任意売却といいます。
任意売却や不動産会社による買取については後述しますが、住宅ローンの滞納が長期にわたる場合、金融機関から競売の申し立てが行われ、強制売却がおこなわれます。
ただ、競売でご自宅を安価に処分されない為、事前に任意売却というものがあります。
この場合、現在のご自宅に住み続ける事や将来の買い戻し、そして、検討時間や資料の開示状況から売却価格が競売より高い傾向にあります。
そのため、もし、ご自身の都合を踏まえ、ご自宅の売却を検討している場合には、個人的には競売よりも任意売却の方をお勧めしています。
もし、この辺り、詳細が知りたい場合には、LINE公式やメールでご連絡下さい。説明を送らせて頂きます。
2-3.財産分与の状況
自宅が不要で、かつ住宅ローンの残債よりも売却益の方が上回りそうな場合(アンダーローン)は、売却をおこなって残りのお金を分けるのが一般的な方法です。
特に、大きな問題はなく、どこの不動産会社に頼んでも淡々とこなしてくれると思います。
一方、売却してもローン残債が残るオーバーローンのケースでも、借り換えなどで新たにローンを組むことができます。
この場合、財産分与は自宅の件だけでなく、総合的に合意に至る必要があります。
他にも、財産分与や養育費、慰謝料など、お金の件で双方が合意に至らない場合にも、最後の手段として競売による売却がおこなわれるケースも、まれにあります・・・。
個人的には、双方のメリットは無いので、避けた方が良いと思います。
一点、住宅ローンが多く、一般売却で売ることが出来ない場合、専門的な知識を持っている不動産会社に頼むことになります。
その辺り、もう少し、細かく知りたい場合など、ご連絡下さい。状況や希望を踏まえ、どのようなことが出来るのか、ご提案させて頂きます。
>>念のため、離婚でご自宅の売却を考えた時、どのような会社にお願いするべきか?やっぱり、先ずは弁護士なのか?をまとめています。
3.離婚で自宅を売却する方法
それでは、離婚の際に自宅を売却する方法についてご紹介します。
3-1.自宅の売却時の注意点
まず、売却の際に事前に必要な注意点を以下でご確認ください。
- 自宅の住宅ローンが残っている場合はその金額を確認する
- 自宅が幾らで売れるのかの見積もりを確認する
- 売却の意思ほか、大事な点について合意をする
- 売却のタイミングを決めておく
住宅ローンの残債の金額と、いくらで売れるのかの見積額は、売却の指針の基本です。
経費を差し引いてから返済をおこなっていくらプラス(あるいはマイナス)となるかおおよその金額が売却の判断基準となります。
共有財産の処分に関しては、配偶者の同意は不可欠で、それ以外にもやりとりする点はありますので、早い段階で意思疎通をはかり、必要なことは決めて下さい。
例えば、売買金額が決まり、買主が見つかった場合でも奥様が売りたくないと言った場合、売却する事は出来ません。
以前、「妻に内緒で自宅を売れないか」と相談があったので、こちらのページにまとめておきました。
例えば、モラハラ等で全く連絡が取れない、返信がない場合等どうしても、内緒で売りたい場合、参考にしてみて下さい。
売却のタイミングについては、離婚前では早い売却が可能になる反面、財産分与で贈与税などがかかってしまわないように注意が必要です。
一方、離婚後の売却では、納得のいく価格で売りやすくなる反面、夫婦間の意思の疎通が難しくなったり、離婚後2年で財産分与できなくなり、権利関係があいまいになります。
3-2.任意売却による自宅売却
離婚の際に住宅ローンの返済が難しく、滞納状況にある場合、自宅を売却する方法は任意売却です。
任意売却とは、債権者である金融機関にローンの滞納と支払い残高が残ったまま抵当権や差し押さえを解除し、売却を認めてもらうことを言います。
任意売却に関する詳細な説明はこちらのページにまとめておきました。ご覧ください。
住宅ローン残高証明の取得と前述のように不動産会社への相談で売却までの期間と売却額のめやす、最終的に現在の住宅ローンが幾ら残るかを把握し、売却活動に入ります。
任意売却は、販売価格が相場よりいくぶん低めにはなります。
しかし、ローン残債の分割や引っ越し経費等の貸し出しなども相談でき、近年ではローン債務の整理に最も利用される売却方法です。
売却価格のイメージとしては、一般売却>任意売却>競売となっています。
3-3.買取による自宅売却
もうひとつ、自宅売却の方法としてよくある方法は、買取です。
買取は不動産会社がじかに買い取る方法なので、買主を探す時間や買主との条件交渉なども不要で売却までの速度が速く、周囲にも知られずに売却しやすいのが特徴です。
その反面、転売を目的とすることが多く、任意売却などよりも安い金額での売買となるため、金融機関や配偶者の同意を得られず、任意売却を求められる場合もあります。
私たち、アリネットは売主様サイドで動くことが多いため、現在、手残りが減る買取は行っていません。
ただ、中にはバレたくない、早く売り、現金を手に入れたい方もいる為、買取業者を競わせるという意味で、3~5社にご自宅の内見をしてもらい、買取希望価格を出してもらう事はやっています。
実際、茨城県日立市や群馬県前橋市、埼玉県和光市などでこのやり方を行い、ご自宅の売却を行っています。
もし、買取を使った、バレにくく、早く・高くを目指した売却に関して、ご興味のある方はLINE公式やメールでご連絡下さい。
スケジュールや費用をご説明いたします。
4.離婚の際に自宅を売却した方が良い理由まとめ
今回は個別相談でよく聞かれる、離婚の際に自宅を売却した方が良い理由のほか、売却の判断基準や方法について解説しました。
離婚時の不動産売却は、さまざまな要素を整理したうえで、状況に合ったベストな選択が必要となります。
離婚問題での売買に実績のある先に相談するのが最も賢いと思っています。
例えば、離婚に伴い、奥様から承諾が得られない場合、養育費や慰謝料をキチンと書面=公正証書にしてほしい場合、司法書士の先生にどう頼むか?公証人役場はどう使うか?等キチンと回答してくれる担当に頼んだ方が手残りは増え、後悔は減ると思います。
5.離婚で悩む方へ、チェックリスト
念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
- 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
- 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い
2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。
その場合の無料の簡易対策診断などをLINE公式の方に作成しました。不安な方は試してみて下さい。
他にも、LINE公式に登録して頂ければ、弁護士監修の離婚問題解消に関する手引きと、実際に離婚問題で自宅を売却した7人の事例を無料でプレゼントしています。
なお、この記事で解説した手順を行なっても、自宅の売却がスムーズにできるか判断できない場合は、アリネットの無料相談をご利用ください。
アリネットでは、2012年以降、様々な離婚時の住宅ローンや自宅に関わるトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。ぜひ、お気軽にご相談ください。
6.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?
何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。
東急リバブルが出している資料でも3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。
6-1.査定価格はそんなに大切なのか?
まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。
マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。
査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。
6-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。
大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。
こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。
例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。
6-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?
2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。
と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。
実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。
自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。
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