IHクッキングヒーターとは、「電磁誘導」という方式により調理器具自体を発熱させるタイプの加熱調理器のことをいいます。
IHは、「電磁誘導加熱」を意味する「induction Heating」の略称です。
IHクッキングヒーターは、『電磁調理器』と呼ばれることもあります。
従来、加熱調理機は、『ガスコンロ』が一般的に使用されていましたが、近年では、IHクッキングヒーターも使用されるようになってきました。
ガスコンロのように、システムキッチンに設置するIHクッキングヒーターのほか、ホットプレートのように卓上で使えるIHクッキングヒーターも販売されています。
また、『ラジエントヒーター』(ヒーター自体が発熱して調理器具を加熱するタイプの加熱調理器)と組み合わせたIHクッキングヒーターも販売されています。
IHクッキングヒーターには、下記のようなメリットがあります。
1.熱のコントロールがしやすい
ガスコンロでは、
・点火時に必要以上に大きな火が出てしまう
・弱火にするといつの間にか立ち消えてしまう
・火加減の微調整が難しい
といったことがあるのですが、IHクッキングヒーターでは、ボタン操作でトロ火から強火まで、安定したコントロールができます。
2.熱効率がよい
IHクッキングヒーターは、調理器具のみを加熱するため、必要最小限のエネルギーで調理をすることができます。 ガスコンロの熱効率が50%から60%であるのに対し、IHクッキングヒーターの熱効率は80%から90%です。
3.火を使わないため安全
IHクッキングヒーターは、火を使わないため、火災のリスクが低いです。 また、IHクッキングヒーターから調理器具を外すと、加熱がストップする仕組みとなっているため、消し忘れの心配もありません。
4.掃除が簡単
IHクッキングヒーターは、フラットな形状をしているため、掃除がとても簡単で、清潔な状態を保ちやすいです。 油はねや吹きこぼれなどで汚れても、布巾でさっと拭くだけで掃除が終わります。
一方で、IHクッキングヒーターには、下記のようなデメリットがあります。
1.使えない調理器具がある
IHクッキングヒーターは、電気を使うため、土鍋や耐熱ガラス鍋など電気を通しにくい調理器具を使用できません。 また、仕組み上、調理器具がプレートに接していないと発熱しないので、中華鍋など底が平らでない調理器具も使用できません。
2.一部の調理方法ができなくなる
IHクッキングヒーターでは火を使用しないため、
・食材を炙る
・フランベ(アルコール度数の高いお酒をふりかけて大きな炎を出す調理法)など、火そのものを使用する調理法はできません。
3.停電時に使用できない
IHクッキングヒーターは、電気を使用するため、停電時に使用することができません。 数分程度で復旧すれば大した問題はありませんが、災害時など、長時間にわたって復旧が見込めない場合は、不便を感じることもあるかもしれません。
お部屋探しの際、ガスコンロにするか、IHクッキングヒーターにするかで迷った場合、この記事に書いた情報をぜひ参考にしてください。
加熱調理機は、安価なものではなく、工事に手間もかかるため、入居後に簡単に変えられるものではありません。 お料理をされる方はよく考えてから決めるようにした方がよいでしょう。
なお、ガスコンロを使っていた方が、IHクッキングヒーターのお部屋にお引越しをする場合、それまで普通に使えていた調理器具が使えなくなる場合がありますので、注意をしてください。
担当 相楽
関連用語:電磁調理器、ガスコンロ、ラジエントヒーター
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