離婚に伴う自宅の任意売却_202208

離婚によって自宅の任意売却を行い、毎月の返済が月24.5万円から2万円に

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。

30代、3年の別居生活を経て離婚。協議が長引いたものの、2012年に自宅の任意売却により、住宅ローン返済を大きく減らす事が出来た事例です。

相樂個別面談

Kさんは2003年、20代で結婚を機に東京都文京区、本駒込駅最寄りに住宅ローンを組んで区分マンションを購入されました。

実は、相談者のKさんは私の大学時代の友人で本案件の経験がアリネットが住まいのトラブルや住宅ローンの返済に困った方の相談を専門的に行うきっかけとなりました。

今回、Kさんに許可を頂いて非常にリアルな実体験をベースに記事としてまとめることになりました。この記事が一人でも多くの方の役に立つと幸いです。

ポイントは、「売却だけでなく、どうしたら良いか分からない。条件面での話し合いもフォローしてほしい。」と言われたことでしょうか?

1.原因:3年近い別居の末、離婚協議も難儀

キッチンの様子

Kさんは2003年、東京都文京区に6,200万円の住宅ローンを組み、区分マンションを購入しました。

親からの援助もあり、頭金を1,000万円入れるなど、今時かなり良い条件で購入したと思います。金利は3.20%でした。

2003年当時は住宅金融支援機構の前身、住宅金融公庫の基準金利が史上最低の2.0%に引き下げられたことが話題になった年です。

金利が最も高かった9月、11月の基準金利が2.7%となっていました。

都市銀行6行では、10年固定ローンが3.3%〜3.75%くらい、15年固定ローンが4.15%前後、20年固定ローンが4.5%前後で推移していた時代です。

つまり、Kさんはごく平均的な、というより都市銀行での借り入れでは非常に好条件で、住宅ローンを組んでいたことになります。

さて、そんなKさんでしたが、結婚後お子様ができてから仕事が忙しく、価値観の違いにより、奥様と上手くいかなくなり、3年近くも別居をしていました。

人生をやり直すためにも、これ以上、埒が明かないということで、「離婚をするから自宅の売却を含め、手伝ってほしい」と私に相談がありました。

Kさんがマンションを購入してから9年後、2012年のことです。

しかし、それでも話し合いがなかなか進まず、私からは「ひとまず全部売って、精算する」ことを勧めていました。

Kさんからは「話し合いから、離婚の条件、各調整まで全て任せる」と言われたため、馬場と二人で、奥様への話の持っていき方から、離婚に関する一般的な条件、落とし所を決めていきました。

後から分かったことですが、離婚時の財産分与などで自宅を売却する場合、離婚成立前に自宅を売った方が手続きの連絡をする上で疎遠にならず、おすすめです。
離婚が成立したら、赤の他人です。連絡が面倒だったり、返信が遅れるのが一般的です。

>>司法書士さんに『離婚時、自宅はいつ売ればいいのか?』を聞いて、まとめたページはこちらです。

2.希望:引っ越し費の支払いや養育費をキチンと書面にて離婚し、実家に引っ越したい

自宅を売ってもローンが残ってしまう

Kさんの奥様とは会ったことがあり、面識があったので、一旦、希望を含め、お話を聞きに行くことにしました。

奥様の希望は下記の通りでした。

  • 引っ越し費の支払いや養育費をキチンと書面にして、離婚する。
  • 書面には連帯保証人として、Kさんの父親も連名で捺印する。
  • 離婚のハンコを押すところまできたら、実家に引っ越しをする。

マンションの売却額云々より、とにかく目下の引っ越し費用とお子様が成人するまでの養育費を明確にして離婚することが重要、ということがわかりました。

そのため、司法書士にも確認しつつ、協議書を作成し、Kさんと奥さんと二人でお話ししてもらう事にしました。

Kさんは奥様に対して、かなり不満を感じていました。

しかし、お子様のためにこれ以上別居や不安定な家庭状態を続けられないと、協議をしてくれました。

3.不安や心配:離婚とローンの返済、どこから進めれば良いか分からない

離婚時の自宅の売却で悩む男性

この時、Kさんが抱えていた不安や心配は下記の通りです。

  • 離婚だけでなく、ローンの返済もあり、どこから進めれば良いか分からない。
  • 自宅を売るにしてもKさんは既に引っ越しており、奥様とお子さんが自宅に住んでいる状態であり、家の状況が分からない。
  • 別居は3年に及んでいるものの、連絡は数回取ったのみで、奥様の引っ越しを含め、具体的な協議は全く進んでない。
  • マンションの購入で援助を受けているため、これ以上、親に迷惑はかけたくない。

奥様とも話ができておらず、現状も分からず、Kさんはどこから手をつけたら良いかと途方に暮れていました。

そのため、前項のようにまずは私たちが奥様との間に入り、希望を聞き、協議書を作成して話し合いを進めてもらうことにしたのです。

4.解決法:アリネットが持つ購入希望者のリスト3,000件に紹介して自宅マンションを任意売却

Kさんと奥様との協議と並行して、住宅ローンに対する最善策を考えていました。

自宅マンションは購入してからまだ6年でしたが、当時は東日本大震災の後で、マンション価格は低迷している時期でした。

今の様に東京都内のマンション価格の高騰もなく、「住宅ローン>売却価格」というオーバーローン状態で、簡単に売却できる状況ではありませんでした。

そこで、Kさんには下記の様にアドバイスしました。

  • やり直せる年齢であることを踏まえ、自宅マンションを任意売却するのが最善策であること。
  • 任意売却をする過程でブラックリストに載るものの、30代前半なので40才になるころには消されること。

これらを2時間近くかけ、事務所で説明しました。

5.期間:銀行との交渉を経て、9カ月かけ任意売却

リビングのCGイメージ

売却するにあたって、どう作りこんでいったかをまとめます。

5-1.引っ越しや宅内の荷物整理

Kさんに納得してもらったので任意売却を行い、不要になる自宅を処分するべく動き始めました。

まず、任意売却に持っていくため、住宅ローンの滞納を始めてもらいました。

また、当時は少しでも高い値段で売り、残債を減らすためには空き家で売りに出した方が良かったので、交渉の末、引っ越し費用を負担し、奥様とお子様にお引っ越しをしていただきました。

今の様にマンション相場が良く、人気物件なら住みながら高い値段で売却することは出来ますが、当時は東日本大地震直後でそういった状況ではなかったからです。

さらに、購入時に、大掛かりなリノベーションを行っていた結果、住宅ローンとリフォームローンが多く残っていました。

5-2.個人客だけでなく、法人も含め、売出に伴う開示先をどうするか?

お二人に引っ越ししてもらってから、レインズとSUUMO、アットホーム以外に、それまでの仕事で3,000件近くに上っていた購入希望者リストに毎週メールを送って、Kさんの自宅マンションを紹介していきました。

また、奥様の要求で室内などプライベートを人に見せずに売却したいとのことで、個人の購入検討者だけでなく、売却後の責任を無くす、瑕疵担保免責の業者による買取も行いました。

大震災後の厳しい状況でしたが、東京であったこと、ファミリー用マンションという一定の買い手ニーズがある物件であったため、ファミリー層に5,400万円で売却することができました。

協議が長引いたこともあり、最終的に全てが片付いたのは2012年の相談から契約、引き渡しまで、9カ月近く掛かった仕事でした。

なお、Kさんの引っ越し先やその費用は債権者からもらった仲介手数料で負担させていただきました・・・。
小さな不動産会社が生き残るために、この辺りの費用負担はしかたないことですね。

6.返済金額:毎月の支払いが27.6万円から2万円に

残念ながら、300万円の残債が残ってしまったものの、毎月の住宅ローン等の返済額は諸費用等込みで、24.5万円から2万円まで一気に減りました。

決済後、債権者に生活状況、離婚直後で生活が厳しい事を伝え、交渉しました。その結果、それまで毎月24.5万円の住宅ローンの返済でしたが、残債のローンは月2万円まで下がりました。

さらに、管理費や修繕積立金、税金、車の維持費としてかかっていた月3万円もなくなり、結果的に月27.6万円が月2万まで下がったため、「生活が一気に楽になった」とKさんは話していました。

7.任意売却後の生活:毎月2万円の返済を続けながら生活を立て直し

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Kさんは無事、離婚と住宅ローンという二つの大きな問題を乗り越え、毎月2万円の返済を続けながら人生を再出発されました。

マンションの決済後に、「不動産屋だと、相樂ぐらいしか知り合いがいないから、信用して、本当に良かった」と、感謝され、うれしくなったのを覚えています。

>>そもそも、すべての離婚で自宅を売却する必要はないと思います。そのあたりの自宅の売却判断基準をこちらのページにまとめてみました。

このことをきっかけに、『不動産で困っている人をもっと助け、友人の様に以前の日常を効率的に取り戻してほしい』という思いから、今のアリネットの仕事が生まれました。

2012年以降、これまで北海道の釧路から熊本の水俣まで、ほぼ全国対応で300件近い、住まいのお悩み相談を行って来ました。

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>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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