母が入院し、住宅ローンの滞納し、実家を売却後、リースバックで住み続けた事例

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。

2021年5月に70代の女性が持っている大分県の戸建ての債務整理について、息子さんから相談を受けました。

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お母様が2019年12月から入院し、住宅ローンの返済が出来ず、誰もいない実家の方に督促状が届いており、気づいた時にはローンの移管が行われ、競売の申し立てがされていたとのことでした。

それでもどうしていいか分からず、母親が退院した時に住むことが出来るよう、実家の売却とその後のリースバックについて、手続きを説明しました。

「どうして良いか、本当に分かりませんでした。」

母親の入院でみんなでどうしたら良いのか、話し合っていて、全く住宅ローンの返済に関して、気が回りませんでした。

入院中、誰も住んでいない実家にはものすごく沢山のチラシや手紙が入っていて、気づいたのは鑑定人の方から物件の調査で実家を見させてほしいという手紙をたまたま見つけたからです。

直ぐに、地元の不動産会社に相談し、どうにかしてほしいとお願いしましたが、「立地と建物の状況から、どうしようもない」と言われてしまいました・・・。

仕方なく、会社の上司に相談し、インターネットで検索し、いくつか連絡しました。

ただ、「競売の申し立てをされていると、任意売却を行うことが出来ない。受け入れることが出来ない」と言われ、相樂さんのところだけが、債権者への確認と時間がない中でリースバックを前提に投資家を探してくれました。

相樂さんだったから出来たんだと思います。いつ連絡してもすぐに返信をくれたので、たまにはしっかり休んで体を大切にしてください。

現在は、退院したお母様と息子さんが実家で一緒に暮らし、妹さんたちと共に残ったローンの返済をしているようです。

まだまだ大変だと言っていましたが、お母様が退院し、生活の方はかなり楽になり、現在は仕事も普通に出来る様になっているとのことで本当に良かったです。

今回、これまでの出来事や思ったことをLINEで詳しく教えてもらい、事例としてまとめました。

1.自宅の売却を考えた理由は?

室内の様子

気づいた時にはすでに競売になっていました。家族が暮らしていたら実家をどうしても守りたいと兄弟で考えました。

ただ、住宅ローンのあり、他に売るのが難しい事と自分たちで支払いを行うことも難しく、結局、任意売却を行い、リースバックを検討することにしました。

母親が退院した時に住むところがないとどうしようもないのと、家族みんなが集まれる場所が無くなってしまうのは寂しい等でどうしても残そうということになりました。

これまで母親が年金暮らしで、その中から住宅ローンを支払ってきましたが、入院費の方がかさみ、返済を続けることが出来なかったようです。

2022年2月に相楽さん達から提案された『このまま自宅を売却し、お母様が生活保護を受けながら、体調や生活を立て直し、再度やり直す』のが母親の体調を考えると、仕方ないのかなと思うようになりました。

ただ、住み続けたいという気持ちはずっと持っていました。

2.自宅の売却を進めるに当たっての希望は?

知り合いに聞いたり、調べた結果、実家を普通に売却できるような状態ではないことが分かっていました。
更に、競売が5月に実行されるので、それまでに何とかしないといけないことも分かりました。

ただ、単に売却し、母親と実家にある荷物を動かす事はどうしてもやりたくないと思っていました。
なぜなら、母親は実家に20年以上住み、周りに知り合いが多く、これから引っ越すのはしんどそうでしたし、みんなの荷物もたくさん置いてあったからです。

ただ、コロナウイルスの影響もあり、返済が全くできない状態だったので、住む所が無くなる不安が強かったです。

3.任意売却を検討していた時の不安や悩みは?

共用部分の様子

母親が入院していたため、どうしようもなかったので、家が売れるのか?
そして、競売を回避し、このまま使えるのかが本当に不安でした。

また、売却できても、どのくらいの返済が今後あるのかなど、本当に分かりっていませんでした。

相樂さんたちは1万円から3万円ぐらいで、今回は返済が進んでいること、そして、母親が高齢だから、1万円になるのではと言ってくれました。
ただ、金額次第では家賃の支払いもあり、厳しいな・・・と思っていました。

万が一、売却が上手く行かなかった場合、母親をどうするのか?荷物をどうするのか等も兄弟で考えていました。

4.どうやって、競売を回避し、住みながら任意売却を成功させたのか?

競売回避の任意売却

先ず、相談を受け、住みながら売却する事は出来ると伝えました。
ただ、売却後の家賃は広さや立地から7万円程度になると伝えました。

今回、金融機関の窓口になってくれた方は、競売ではあるもののスケジュールさえ、間に合えば、臨機応変に対応してくれそうな感じでした。

「競売の開札前日まで受け付けるので、購入者を見つけ次第、連絡して下さい。」

と言われました。

4-1.住み続けるために投資家探し

既述の通り、地元の不動産屋が話していた通り、当地は2019年の夏の大雨で氾濫があり、地元のの不動産会社や地主による買取は難しそうでした。

最寄りだけでなく、大分県全域の業者に客付けのお願いを計60社超行いましたが、いい返事が返ってきませんでした。

ただ、実際、今回のようなケースでは、色々な購入者が考えられます。
中でも、家賃収入を欲している投資家が良いのでは?と思い、東京や大阪など遠方のニュースを知らない個人投資家10,000人に利回り30%を超える投資物件として、当物件を紹介していきました。

また、楽待やアットホーム、レインズにも掲載し、ともかく、競売の実行を避ける為、スピード勝負で購入希望者を見つけようと思いました。

4-2.家賃や強制退去の回避条件を付与

幸い、東京、大阪、福岡に住んでいる20名を超える投資家から建物の状況や売却理由について、質疑を進めて行きました。
その中でも、「購入後も賃料をキチンと払えるのか?」と多くの方に聞かれました。

運悪く、入院という、アクシデントでローンの返済が出来ませんでしたが、年金で十分に暮らしていける状況で親族の方も一緒に住むことになっており、家賃の金額的には問題ない事。
そして、万が一の時に備え、家賃保証会社を入れる事にしました。

最後に、家賃の遅延等ないことを前提に更新できる定期借家契約を締結することを条件に買い付けを入れてもらいました。

このような条件に承認を貰い、物件の詳細や外観のみ現地で調査してもらいました。

4-3.隣地に倉庫を置き、使っていた・・・。

越境した倉庫

競売の入札日が迫ってきており、速やかに契約・決済を終えないと競売で全てを失ってしまう可能性が高いため、急いで契約書などを作成していきました。

しかし、現地に置いてある倉庫が隣地に置かれていることが分かり、所有者に確認しました。
すると、既に隣地人からその土地は購入しており、分筆や登記を行っていないだけと判明しました。

時間が無いため、買主と話す中でこの問題は自身で解決することが決まり、一気に契約、そして、決済を行いました。

今回は金額的に少額だったため、融資を使わず、購入して頂いたのが幸いでした。
そうでなければ、競売になっていた可能性もありました。

なお、最終的には今後も実家に住み続けてもらうため、建物や設備の不具合は入居者が負担する契約にし、一方で家賃の値上げや数年後の強制退去を回避する条件で買主はこの条件を承諾してくれ、実際に売買が成立しました。

大きな一歩を踏み出せたと思います。

5.担当のコメント

事務所での面談

競売が進んでいる中での実家の売却と家族が住み続けるためのリースバック契約を結んだ事例でした。

相談を受けた時には、競売の開札まで3カ月と本当に時間がない案件でした。
時間の許す限り、金額だけでなく、条件を承諾してくれる買主を模索することができ、結果的に高い値段で売れ、売却後の借金も100万円まで減らす事が出来ました。

月々の支払いは予定通り、高齢と言う事もあり、1万円になりました。

スピード勝負の決着になりましたが、相談者の息子や妹様から非常に感謝され、お手紙を頂いた事例です。

5-1.債権者が柔軟に対応してくれた

競売のプロセスが進んでいましたが、時間がない中で、稟議承認を含め、柔軟に対応してくれました。

5-2.月9万円の返済が1万円に

今後は残ったローン100万円の分割返済とご自宅の家賃を払っていくことになります。

しかし、売却前は毎月9万円だった支払いが毎月1万円の返済まで下がり、家賃7万円と、合計8万円になりました。

相談者さんとお母様の二人で暮らすため、今後は十分に支払っていけるとのことでした。

5-3.返済が苦しくなったら、早めの相談を

今回のように競売の申し立てが行われ、どうすれば良いか分からないと相談を受けるケースがあります。

滞納前後の早い段階で相談される方が債権者の対応や購入者を探す時間を取れる為、よりいい条件で売却することが出来ます。

正直、今回のような債権者の承認を都度取っていく任意売却では、競売のプロセスに入り、3カ月で買主を探し、契約・決済まで進めるのは一般的には難しいと思います。

もし、住宅ローンの返済に困ったら、先ずは窓口となった金融機関へ連絡したり、地元の不動産会社にも相談してみて下さい。
もちろん、今回のような特殊な場合には、私たちに直接連絡を頂いても構いません。

状況を踏まえ、どのような対応が取れるのか?私たちなりのやり方をご説明いたします。

2012年以降、北海道の釧路から熊本の水俣まで全国対応で住まいのお悩み相談を行ってきました。
もし、どうしたらいいか、悩んでいる場合には、『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。

私たちの場合、たらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。

>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。

また、同様に、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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