こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
2022年7月に神奈川県南足柄にお住いの男性から相談があり、
住宅ローンが払えないので自宅を売却し、離婚も視野に入れて、動いている。
ただ、離婚後は自身は引っ越し、妻と子供が自宅に住み続けたい場合、贈与税や税金対策は出来るのか、
もっと詳しく教えてほしい
と面談時に言われました。
一般的に、離婚するときの財産分与は元夫婦間で財産のやり取りをする形になります。
この時、自宅等の代金の発生しないやりとりのため、贈与税はどのように扱われるのでしょうか?
今回は、相談時に税理士さんに確認した内容を踏まえ、離婚にともない不動産売却をおこなった場合、贈与税がかかるケースや売却時のその他の税金についても解説します。
念のため、税金の制度内容や税額の計算は記事公開時のものです。
詳細や不明点はLINE等より、個別にご連絡ください。
1.離婚時に不動産売却するなら知っておきたい贈与税とは?
では、離婚の場合、贈与税がどのように扱われるかを見ていきましょう。
1-1.贈与税とはどのようなもの?
贈与税とは、現金や不動産をもらったときに掛かる税金です。
法的には、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、贈与という扱いが生ずると定義されています。
贈与税の計算方法は以下です。
贈与税額 = (1年間の贈与額-基礎控除110万円) × 税率 -控除額
最後の税率と控除額は、贈与の額で変動し、たとえば、2,000万円をもらったときは税率45%、控除額265万円となり、計算すると納税額は585万5千円となります。
かなりの金額ですが、ご安心ください。
離婚の場合は、このようにはなりません。
1-2.離婚の際の贈与税はどう課税される?
離婚の財産分与では上記のような計算は適用されず、通常贈与税がかかることはありません。
その理由は、相手方からの贈与を受けたのではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づいて、給付を受けたものと考えるからです。
原則として、財産分与の贈与には、贈与税は課税されないということです。
ただ、財産分与には、慰謝料や養育費を含んだ形をとる場合もあります。
しかし、慰謝料や養育費が単独で発生しても、基本的には贈与税は発生しません。
離婚の場合でもこの原則に当てはまらず、贈与税が課税される場合があります。
2.離婚時の不動産売却で贈与税がかかるケース
原則に外れ、贈与税がかかるのは、どのようなケースか?
2-1.贈与の金額が大きすぎる
贈与税の観点では、受け取った慰謝料や財産分与が高額すぎる場合、慰謝料に対して贈与税がかかるケースがあります。
この高額かどうかというのは、物件を時価で換算した場合との比較という定義になっています。
たとえば、車なども譲受した車の時価が110万円を超えて、慰謝料の相場よりも高い場合には、110万円を超える部分について贈与税がかかる可能性があります。
車の時価は、中古車販売会社やディーラーで査定してもらって確認しましょう。
2-2.偽装離婚による課税逃れの疑い
高額すぎる財産分与や慰謝料は、脱税や資産隠しを疑われる場合もあります。
高額な贈与を、偽装離婚による財産分与に紛れておこなうことを防ぐためです。
たとえば、離婚して慰謝料の支払いをおこなったのに実質的な内縁状態を継続させているような状況では、偽装離婚を疑われてしまう可能性があります。
2-3.譲受のタイミングとの関係
離婚成立前に不動産を慰謝料として譲受した場合、不動産の評価額が110万円以上で、慰謝料の相場よりも高い金額の場合には贈与税がかかる可能性があります。
ただし、以下の条件に当てはまれば、配偶者控除の特例の適用で2,000万円までの控除と、贈与税の控除額110万円合わせて、最大で2,110万円までは贈与税はかかりません。
- 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与がおこなわれたこと
- 贈与された財産が居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭であること
- 贈与を受けた不動産に現実に住んでおり、その後も住む見込みであること
つまり、婚姻期間が20年未満の場合は対象外となります。
そのため、自宅の時価が110万円以上と査定された場合、『慰謝料を不動産で受け取るのは離婚後が良い』ということになります。
そのほか、慰謝料を親族などに立て替えてもらいそのままにしていると、贈与税が課税される可能性があります。
この事態を防ぐために立て替えた旨を書面化し、必ず返済することをおすすめします。
2-4.離婚の贈与税のセオリー
ここまで、贈与税が掛かるケースについて、書いてきましたが、離婚で確実に贈与税非課税となる例は以下です。
- 慰謝料の受け取りは現金にする
- 離婚前に不動産を譲受しない(例外あり)
- 車などを譲受する際は時価を確認する
- 慰謝料や財産分与の内容は必ず公正証書で書面化する
贈与税に関しては『不動産は売却して現金化することと、離婚が確定してから財産分与に着手する』方が望ましいと言えます。
3.離婚時の不動産売却で贈与税以外にかかる譲渡所得税とは?
離婚の際の不動産売却には、贈与税のほかに以下の税金やその手続きが関係してきます。
3-1.離婚時の譲渡所得税
譲渡所得税は、売却した不動産の価額から経費や住宅ローンの残債を差し引いて出た利益に課税されるものです。
離婚時に財産分与としておこなわれた不動産の譲渡益については、一般的には譲渡所得税は課税されないケースが多くなります。
財産分与は夫婦が婚姻期間中共有していた財産を分けて清算するものなので、利益が出ても、財産分与の持つ意味合いから課税の対象外とみなされるためです。
不動産を売却せず、建物のままで財産分与した場合は、物件を時価で換算した譲渡所得税が課税されますので、注意しましょう。
ただし、建物のままの財産分与は、譲り受ける側は不動産取得税はかかりません。
また、前述のように金額が大きすぎる場合や税金を免れるためと判断された場合には、残念ですが、贈与税として課税がされる可能性があります。
3-2.譲渡所得税の確定申告が必要な場合
原則としては、売却によって出た利益に対して課税をされるので、利益が生じない場合は、確定申告は不要となります。
しかし、確定申告が必要になるケースは確認をしておきましょう。
確定申告が必要なケース
- 税務上の特例を受けたい場合
- 損益通算をおこないたい場合
税務上の特例とは、「3,000万円特別控除」のほか、「マイホームの軽減税率の特例」「買換え特例」などの特例を受けたい場合です。
損益通算は、不動産の譲渡で出たマイナスをほかの所得の所得税に通算して控除できることで、普段から確定申告をされている方にはおなじみの制度ですね。
なお、不動産売却だけでなく、確定申告は税理士さんに依頼するか、ご自分で書類作成して提出も可能です。
3-3.手続きに関係する税金
このほかに、不動産売却の手続きに掛かる税金として、印紙税、登録免許税、固定資産税、消費税が関係します。
印紙税は、売れた物件の代金に応じて売買契約書に貼付する形で納め、1,000万円から5,000万円で1万円、5,000万円以上で3万円の収入印紙を貼ります。
この印紙の代金は、売主と買主が折半して負担するのが原則ですが、契約書の特約でどちらかの負担と定めることもできます。
登録免許税は、住宅ローンが残っていた際、一括返済して抵当権を抹消する登記で支払い、土地1筆・建物1棟あたり1,000円を納めます。
固定資産税は、物件を譲渡した年に関して、旧所有者と新所有者で日割りの形で分割して負担をします。
たとえば、4月1日が物件の決済日だとすると、売主の負担は約3分の1になるということです。
4.不動産売却時の贈与税まとめ
今回、相談のあった離婚と住宅ローン離婚にともない不動産売却をおこなう場合、贈与税がかかるケースや売却時、どのような税金がかかり、どうすれば、払わなくていいのか?税理士さんと話した内容をまとめました。
ただ、離婚時の不動産売却は、専門的なサポートのもとで下す状況判断の有無で、満足のいく結果になるかが変わってきます。
そのため、もし、離婚に伴い、自宅の売却などで悩んでいる場合にはお近くの専門家に相談してみて下さい。
もちろん、私たち、アリネットにもご連絡いただければ、税理士や司法書士と協力して、対応させて頂きます。
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- 学費など毎月の生活費が高く、貯金が出来ない
- 借り入れの他、自宅の権利も夫婦で共有
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