麻布十番・賃貸マンションの㈱リビングインの防犯設備士、相楽です。
これまで書いてきたように、麻布十番エリアは、
・大使館が多く警備体制がかたい
・高級住宅街でセキュリティへの意識が高い
などの理由から、治安がよいと言われています。 しかし、それは本当でしょうか? 今回の記事では、麻布エリアの泥棒や侵入について、犯罪データや文献とともに検証してみます。
1.麻布エリアの泥棒事件の数
警視庁のデータによると、2017年に麻布警察署管轄内で起きた『侵入窃盗犯』の認知件数、いわゆる泥棒事件の数は、31件でした。
参考: http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/toukei/azabu/01_Hanzai01.html
・・・この31件という数は、多いのでしょうか? 少ないのでしょうか?
まず、麻布警察署の管轄エリアは以下の通りです。
・元麻布一 – 三丁目
・西麻布一 – 四丁目
・六本木一丁目(10番の一部を除く)、同二 – 七丁目(一丁目10番の一部は赤坂警察署の管轄)
・麻布台一 – 三丁目
・麻布狸穴町
・麻布永坂町
・東麻布一 – 三丁目
・麻布十番一 – 四丁目
・南麻布一 – 五丁目
参考: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E5%B8%83%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E7%BD%B2
以上の地域の、 2017年12月1日現在の人口を合計すると、『60,060人』です。これは同時期の東京都全域の人口、13,756,063人の『約0.47%』を占めます。同じ2017年の警視庁管轄下侵入窃盗認知件数は『5,237件』です。
参考: http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/akisu/ppiking.html
麻布警察署管轄での泥棒事件認知数の31件は、東京都全域の5,237件のうち約0.59%です。ちなみに、東京都における麻布エリアの人口と泥棒事件の割合は、
・人口:0.47%
・泥棒事件:0.59%
となり、人口の割合よりも、少し泥棒事件の数が多いと言えます。
2.なぜ泥棒事件が多いのか?
わずかとは言え、麻布エリアで泥棒事件が多い理由は何でしょうか?基本的には、麻布エリアは治安のよい地域です。それにもかかわらず、人口割合に対して泥棒事件が多い理由。それはやはり、「高級住宅街ゆえ、泥棒に狙われやすい」というのが大きいと思います。
ご存知の問通り、港区は東京23区内でも最も平均所得が高い街です。お金持ちが多い分、どうしても泥棒に目をつけられやすくなります。 とは言え、約6万人も住み、広い麻布エリアで年間31件ですから、驚くほど多いという訳ではありません。
3.コンビニの多さは事件のバロメーター
麻布エリアに関しては、日本屈指の高級住宅街なので、空き巣も狙いやすい場所ですが、もう一つ空き巣が泥棒を狙うポイントがあります。
それが、「コンビニの多さ」です。
今や生活に欠かせず、便利さの指標でもあるコンビニですが、『All About(オールアバウト)』でも知られ、住まいのカリスマアドバイザーとして活動する中川寛子氏の著書「『この街』に住んではいけない!」によると、「コンビニ、集合住宅の多い街」は空き巣に狙われやすいとされています。
コンビニのメインターゲットは忙しい人だからです。 「コンビニが多い=忙しい人が多い」と空き巣には見られます。 さらに、単身向け集合住宅では、近所づきあいなどが少ないので、より空き巣に狙われやすいそうです。
この点で見ると、たしかに麻布エリアは当てはまります。 たとえば、私たちが拠点にしている麻布十番にしぼっても、駅から徒歩10分以内に10店舗以上ものコンビニがあり、周囲には単身者向けを含めた集合住宅が立ち並んでいるのです。
4.あなたが泥棒犯罪に遭わないために
とはいえ、麻布エリアが危険な地域かというとそうではありません。すでに述べたように、広い麻布エリアで年間の侵入窃盗事件数が31件というのは特別多くありませんし、総事件数も年々減る傾向にあります。
参考: http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/toukei/azabu/01_Hanzai01.html
大切なのは、犯罪から身を守るためにできる準備をし、人ごとではない、という意識を持っておくことです。
お部屋であれば、
・オートロックのマンションを選ぶ
・ほどよく人の目が届くマンションを選ぶ
・2階以上のお部屋を選ぶ
・ディンプルキーやカードキーなどピッキングに強い鍵を選ぶ
・きちんと戸締りする
などをすることで、泥棒犯罪を防ぐ確率は高くなります。
5.コンビニと事件事故数の関係まとめ
泥棒犯罪と言うと、「盗まれるものなんて持ってない」などと考えがちですが、今であればスマホやパソコン、身分証明書などちょっとしたものでも盗まれると後々大きな被害に繋がることがあります。
また、泥棒と鉢合せをすれば、暴行など恐ろしい犯罪にさらされる危険もあるので本当に未然に防ぐことが大切です。ネガティブなことには目を背けがちですが、大切な自分自身を守るためにも予防できることはしておきたいですね。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。