C.解決事例(お客様の声)

入居したらコンロが使えない。損害賠償請求は可能でしょうか?


こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼住宅診断士の相樂です。

例年、部屋探しの繁忙期が終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。

仕事があり、忙しく、難しいと思いますが、引っ越し後に後悔しないため、部屋探しの経験が少ない方ほど担当者に条件等の確認をきちんとして、契約・引っ越しを進めてください。

今回は、賃貸契約書に記載のあった設備が、実は使用できなかったという相談があったため、その対策をまとめてみました。

1.実際のトラブル内容について

コンロで損害賠償

*実際の写真ではありません

戸建ての賃貸物件に入居が決まり、契約も済ませ初期費用の支払いも完了しました。

契約書には室内の設備の中で、4口あるコンロのうち1口は使用不可と記載があり、それに同意して契約しました。

入居費全額支払い完了後、突然、「残り2口もチャッカマンを使用しないと点火不良」と通告されました。その後、ガス会社に診断してもらい、チャッカマンでも点火しないことが発覚。

管理会社の対応は酷く、長いこと対応して貰えず最近になってようやくコンロを交換して貰いました。この契約違反があった場合、誰に相談したら良いのですか?

入居後、毎日家で料理が作れずにずっと外食でした。先方とは損害賠償と言う話になっていますが、根拠も示されずにかなり低い金額を提示されています。

3か月分の家賃から10%だけ支払うとのことです。賃貸借に関わる相談対応研究会が作成した資料には目を通しています。そこには、10%の賃料減額で免責は3日程度と記載がありました。

コンロだけでは無く、杜撰な管理で何を管理していたか疑いたくなるくらい、色々壊れていて入居後に業者が何回も入りました。

玄関の鍵は回らない(業者に直して貰う)、全館空調も機能しておらず、換気扇も壊れていて使用不可(今対応して貰ってます)、室内は埃や虫の死骸だらけで掃除もされておらず。

これを適切な場所へ通報するのは何処にしたら良いですか。

2.本件に関し、対処法を都庁と賃貸協会に確認しました。

社内での打ち合わせ

頂いた質問をほぼ変更することなく、載せてみました。

内容を見る限り、かなりずさんな管理体制のように思います。

2-1.修繕義務について

今回のケースは、民法第606条の修繕義務に違反するため、貸主は速やかに修繕しなくてはいけません。

第606条
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

2-2.損害賠償請求について

ガイドライン上に記載のある、『ガスが使えない』という部分は、お風呂のガスも使えなかったりする場合、つまり室内全てのガスが使えない場合に、最高で10%の賃料減額を算出するものとのことでした。

また、ガイドラインに記載のある項目は、『使用できないと居住生活に多大な影響を及ぼすもの』です。

そのため、それ以外の事に関しては、『使用できないと居住できない』レベルでないと基本的に賃料減額の対象になりません。

以上のことから、今回の、コンロのガスが使えないために10%の賃料減額を請求するのは非常に厳しいです(電子レンジや、IH等を購入するなど、毎日外食にならないような代替え案があるため)。

また、換気扇が使用できなかった点についても、上記の理由により(居住に多大な影響を及ぼさない)賃料減額をすることは難しいです。

そのため、管理会社が主張する家賃10%分の返金は非常に良心的だと思います。
相手の気持ちが変わる前に頂いておいた方が良いと思います。

3.このようなトラブルに遭わないために

任意売却なら専任媒介契約

今回と同様のトラブルに遭わないために、内見時には各設備の確認も必ず行ってください。入居前に指摘することで、入居後に修繕作業が入るようなストレスを避けることが出来ます。

また、万が一同様のトラブルに遭ってしまった場合は、2-1で説明した修繕義務に違反していることを伝え貸主に修繕の依頼をしてください。

そのうえで、『使用できないと居住生活に多大な影響を及ぼす』箇所があった場合には、賃料減額のガイドラインをご確認いただき、賃料減額請求を行ってみてください。

頂いたご相談は社内で共有し、48時間以内に回答いたします。必要な場合には、弁護士や建築士などの専門家と相談し、連絡いたします。

なお、相談は無料です。費用が発生する場合には、事前に必ずご連絡いたします。

過去に頂いたトラブル相談や質問は参考の為、こちらのページにまとめています。

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相樂 喜一郎

株式会社リビングイン 代表取締役
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創り、個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行い、現在に至る。特に、2015年以降「失敗を活かし、再現性の高い部屋探し」をモットーに活動し、8年間で300室以上のお引っ越しをサポート。これまで、180件近い住まいのトラブルにも対応。

プライベートでは、1997年からこれまで、8回の引っ越しと17回の自宅や投資用不動産の売買を経験し、部屋探しや住まいの問題の難しさを痛感。2011年の東日本大地震を経験し、家族ともっと一緒に居られる時間を作るため、不動産投資を開始。現在は株式投資で作った資金を生かし、東京23区内の再開発にある不動産のみに投資し、資産を6億円、年間総収入6,000万円まで拡大し、不況期でも現金化できる状態を保ち、運用中。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。

保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他

有名私立大学卒業後、部品商社を経て、2011年より西東京、立川や吉祥寺エリアを中心に建物の工事・改修を行う。2013年より、相樂と共に不動産の売買、管理・賃貸仲介を始め、現在に至る。

ファイナンシャルプランナーとして、お客様の現状と将来の目標を基に毎月の収支をエクセルで整理し、部屋選びに関して、具体的にどのような数字やアクションをしていった方がいいか、提案しています。

2019年は茨城県の戸建てや板橋区の共同住宅などを仲介。同時に、東京渋谷区の民泊や麻布十番のシェアオフィス向けリノベーションやコンバージョン工事を行う。最近は、台風15号や19号に伴う火災保険の申請サポートやその後の改修工事を積極的に行う。

保有資格:宅地建物取引士、FP二級、防犯設備士、住宅ローンアドバイザー

馬場 紘司
株式会社リビングイン 共同代表

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初めての一人暮らしを中心に、2,000件超の失敗を基に、引っ越しを賢く学びます。

最新の引っ越し事例とその考察。下見に行ったおすすめのマンションなども参考に。

 

 

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相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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