こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼住宅診断士の相樂です。
例年、部屋探しの繁忙期が終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。
仕事があり、忙しく、難しいと思いますが、引っ越し後に後悔しないため、部屋探しの経験が少ない方ほど担当者に条件等の確認をきちんとして、契約・引っ越しを進めてください。
今回は、ビルの家主様より、テナントに入っている飲食店とその隣人間のトラブルについて相談があったため、その対策をまとめてみました。
1.実際のトラブル内容について
とあるビルの家主です。20年前1階テナントに飲食店が入り現在も営業しています。
10年前、斜め裏に新たな住宅が建築され住民が生活しています。
先日その隣人宅住民から「1階テナント飲食店の排気ダクトが、自室の窓に向いているため窓が開けられない。外壁も油で汚れてきている。」との苦情がきました。
そこで相談があります。
・この隣人宅からの苦情はテナント飲食店、家主(相談者の私)のどちらが対応するのでしょうか?
・テナント飲食店、家主が行うべき具体的な対応とは?
因みにテナント飲食店の排気ダクトから隣人宅窓は1m程離れており、ダクトの向きは隣人宅窓側を向いています。
2.本件に関して対処法を宅建協会と賃貸協会に確認しました。
テナントと家主のどちらが対応すべきか、かなりあいまいなラインですが。。。
2-1.建築基準法での規定はありません
過去の事例を確認すると、建築基準法でキチンと規定しているものは無く、実質的には双方協議の上、改修していることがあります。
また、改修に関して、店舗側又はオーナーで負担している事例がありました。
2-2.テナントと家主のどちらが対応すべきか
契約書の中に、店舗をやる上でトラブルが起きた時に対処に関して、
どちらがどう負担するか規定していることがあるのでそちらを確認してみて下さい。
ただ、既にダクトがあった状態で家を建てている為、その辺り、交渉の余地があると思います。1階店舗が違法などではなく、法律に沿っていれば、『先にあった方が強いです』。
既にある事を知っていて、建物を建てている為、後から来た方がそれに対応するのが通例です。
設備に関しては契約書に記載があると思いますが、一義的には、店舗の責任になると思います。最終的な落としどころとしては、ダクトの風向などを双方負担で調整することだと思います。
3.アドバイス後に相談者様が行った対応
ご指摘の通り賃貸契約書を確認致しましたところ『賃貸契約後に生ずるテナント飲食店店舗修理費はテナント飲食店オーナーが負担する』との記載がありました。
従いまして、本件は『家主』が対応、対策するのではなく『テナント飲食店オーナー』と『隣人宅』が話し合う問題であると理解致しました。
4.テナントに入る飲食店と隣人のトラブル、まとめ
本件と同様のトラブルに遭った方は、まず賃貸契約書に「トラブルが起きた際の負担」に関する記載があるかご確認ください。
本件のご相談者様同様、契約書にキチンと明記されていることが多いため、基本的にはその内容に従うことになります。
ちょっと前に、相談があったマンションの隣人からの仕返しや嫌がらせに対する対処法を3つこちらのページにまとめておきました。
マンション内のトラブルで人間関係の破綻を恐れてなかなか対処に踏み切れないケ-スやトラブル主に精神疾患や独特の性格が見られるケ-スは、危険を伴うため、不動産のプロ等第三者に相談し、対処した方が良いと思います。正しい事をやって、嫌がらせや仕返しを受けるのも良くないので。
隣人を含めた騒音トラブルに関する告知義務違反についての解説はこちらをご覧ください。また、『マンション内でのタバコに関するトラブル』を司法書士の西門と一緒にまとめました。2020年以降急速に増えた問題なので、一人で悩んでいる場合には読んでみて下さい。全く別ですが、マンションの駐車場トラブルは本当によくあります。ちょっと前にも無断駐車の件で対策の相談があったので司法書士さんと一緒にこれまでの駐車場トラブルに関する対策や注意点はこちらのページにまとめました。
今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法を建築士さんにレクチャーしてもらいました。
頂いたご相談は社内で共有し、48時間以内に回答いたします。必要な場合には、弁護士や建築士などの専門家と相談し、連絡いたします。
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過去に頂いたトラブル相談や質問は参考の為、こちらのページにまとめています。
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相樂 喜一郎
株式会社リビングイン 代表取締役
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創り、個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行い、現在に至る。特に、2015年以降「失敗を活かし、再現性の高い部屋探し」をモットーに活動し、8年間で300室以上のお引っ越しをサポート。これまで、180件近い住まいのトラブルにも対応。
プライベートでは、1997年からこれまで、8回の引っ越しと17回の自宅や投資用不動産の売買を経験し、部屋探しや住まいの問題の難しさを痛感。2011年の東日本大地震を経験し、家族ともっと一緒に居られる時間を作るため、不動産投資を開始。現在は株式投資で作った資金を生かし、東京23区内の再開発にある不動産のみに投資し、資産を6億円、年間総収入6,000万円まで拡大し、不況期でも現金化できる状態を保ち、運用中。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。
保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他
有名私立大学卒業後、部品商社を経て、2011年より西東京、立川や吉祥寺エリアを中心に建物の工事・改修を行う。2013年より、相樂と共に不動産の売買、管理・賃貸仲介を始め、現在に至る。
ファイナンシャルプランナーとして、お客様の現状と将来の目標を基に毎月の収支をエクセルで整理し、部屋選びに関して、具体的にどのような数字やアクションをしていった方がいいか、提案しています。
2019年は茨城県の戸建てや板橋区の共同住宅などを仲介。同時に、東京渋谷区の民泊や麻布十番のシェアオフィス向けリノベーションやコンバージョン工事を行う。最近は、台風15号や19号に伴う火災保険の申請サポートやその後の改修工事を積極的に行う。
保有資格:宅地建物取引士、FP二級、防犯設備士、住宅ローンアドバイザー
馬場 紘司
株式会社リビングイン 共同代表
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