引っ越しの失敗や不安、その原因を聞き、スマートな部屋探しを考える、今回の失敗例分析インタビューは現在、障碍者福祉就労継続支援事業所で働いている女性にお話を伺いました。
2013年3月、役員をしていた30代の時に、二回目の引っ越しで3LDK(家族)のお部屋に引っ越した時のお話です。

【今回のポイント】
30代女性の方が二度目の引っ越しについて話してくれました。生活音や周辺の騒音のストレスを軽減するため『木造よりも鉄筋コンクリートの方がいい』と考え、RC(鉄筋コンクリート)造に絞って物件をお探しする方も多いようです。
しかし、騒音対策が故に密閉度が高い鉄筋コンクリート造のマンションに引っ越し、体調不良になってしまったとのことです。
その後どのように解決されたのでしょうか?
>>実際に騒音トラブルに遭い、管理会社や警察に相談した方にヒアリングを行い、こちらにページにまとめました。
1.引っ越しを決めた理由や理想のライフスタイルは何でしたか?
職場に通いやすく、買い物する出来るお店が近くにある場所に引っ越したかったからです。
賃貸ですが、古い風呂場やキッチンをお金の掛けず、使いやすいものにリフォームしたいと思っていました。
2.引っ越し前の不安について

2-1.不安はありましたか?
住みたいと思った物件が鉄筋コンクリート製で、善し・悪しの知識を持っていないことに不安がありました。
2-2.その不安は引っ越しまでに解消しましたか?
鉄筋コンクリート製の建物のメリット・デメリットを友人と一緒に不動産会社の方に聞いて確認しました。
3.引っ越し時の失敗について
3-1.失敗や後悔はありましたか?
不動産屋から悪い話は聞かなかったので引っ越してから知ったのですが、私の前に暮らしていた人がこの建物を出て行った大きな理由が「住み始めてから体調不良になったことやこの地域に災害が多くあった」ことでした。
3-2.失敗を防ぐための対策はしましたか?
過去に暮らしていた人の移り変わりの理由やこの地域のハザードマップを徹底的に調べることが大切だったと思います。
「前はどんな人が住んでましたか?」という確認が大切だと思いました。
3-3.今は、その失敗は解消しましたか?
私も引っ越しの後に体調不良になってしまったのですが、医師から建物の化学物質が原因のシックハウス症候群と診断されました。
不動産に知らせ、化学物質を無料で取り除いてもらいました。
4.引っ越し後にトラブルなどありましたか?

化学物質で体調を崩したことです。鉄筋コンクリート製の古い建物は化学物質が多く、体調不良に繋がることもありますし、後からリフォームが必要になることも多いようです。
5.引っ越しする人へアドバイスや良かったことを教えて下さい
建築士の資格、知識を持っているわけではないので、不動産屋の話を聞くときには横に専門家を置くことが大切です。
良かった事は、ここを決めた時は運がよく、前回住んでいた人が見つかり、自分の経験を教えてくれたことです。
6.引っ越しインタビュー後の考察

確かに、鉄筋コンクリート造は耐熱性、耐震性、遮音性などに優れており、他の構造の建物より全てが優れているように思えてしまいがちです。しかし、今回は体調不良になってしまったというお声が上がっておりますが、これは”シックハウス症候群”であると思われます。
以下の転用にもありますが、1992年に国が<省エネルギー強化>を行ったことにより、洋風の建具の増加、機密性の増加、それに伴い”ホルムアルデヒド”といった人体に有害な物質が室内に入りやすくなり、さらに建物や部屋自体の機密性がいいことから、呼吸することで化学物質を吸い込んでしまうという悪循環のサイクルが生まれてしまったのだと思われます。
ただ、不動産屋にご連絡して、化学物質を無料で取り除いてもらったとのことで安心しました。 個人的に、お部屋を決める前に「前入居者が”なぜ退去したのか?”」について仲介業者、もしくは管理会社に確認する事をお勧めしています。 退去される方が全員本当の理由を教えてくれるわけではないので、全てわかることはできませんが、契約前に一つの判断材料になることは間違いありません。
木造には木造の、鉄骨造には鉄骨造の、鉄筋コンクリートには鉄筋コンクリートの良さがそれぞれにあります。
お部屋を決める前に大切な事を確認してみて下さい。 今回の失敗を糧に次回のお部屋探しは成功してもらいたいと思います。
厚生労働省の科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)によると、日本では1990年代の後半に、省エネルギー化に向けた換気量の削減により、新築(あるいは改築)工事に伴って、建材や接着剤・塗料などから放散されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の濃度が高い住宅において、一時的に健康障害を起こし、「シックハウス症候群」が全国的に大きな社会問題となりました。
しかし、その後、関係省庁により、室内空気に対する化学物質濃度のガイドラインや建築関係の法制度が整備され、最近は環境中の化学物質の濃度は全国的に下がってきています。
また、シックハウス症候群に関する相談件数も徐々に減少してきています。しかし、未だ症状を訴える方が引き続きいらっしゃるのも事実です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。これまでの引っ越しの失敗インタビューを生かし、事件・事故に遭わない部屋探しの手順をまとめました。特に、引っ越しで後悔しやすい部屋探しの経験が3回以下の方や、転職で東京へ上京等、遠方への引っ越しで急いでいる方向けに1人・2人の成功体験だけでなく、失敗例とこれまでの実務経験から作ったマニュアルになっています。4,600件の引っ越しデータを分析し、時間やお金をムダにしないため、家から出ずにスマホで地雷部屋を簡単に除去できます。