競売を避け、住みながら売却したい

60代で起業に失敗、競売の申し立て通知が届き、住みながら自宅を売却した事例

起業の失敗などで収入がなく、ローンの返済に悩んでいる方へ、

自宅に住みながら売却し、売却後の月々の支払いを1万円まで下げることが出来た事例をご紹介します。

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている任意売却取扱主任者兼宅地建物取引士の相樂です。

相樂面談

愛知県名古屋市にある築25年の戸建て区分マンションを、1,750万円で任意売却に成功した松山裕一さん(仮名・60代)の事例を紹介します。

松山さんは1994年、結婚を機に愛知県名古屋市に区分マンションを購入しました。

最寄りの名鉄「鳴海駅」は、名鉄「名古屋駅」まで15分と通勤や日々の買い物にとても便利な立地にあります。

松山さんご自身はもちろんのこと、奥様やお子様もその利便性の高さが気に入っており、松山さんとしては終の住処として住み続けたいと思っていたそうです。

ところが、マンション購入から25年後に起業に失敗し、住宅ローンを滞納を続けてしまい、どうして良いか分からず、自宅から出る気にならず、競売の申し立て通知が届く事態になってしまいました。

最終的には競売を回避し、任意売却には成功しました。

もっと早く、相談してくれれば、もっと高値で売ることができたのでは?とも思う部分があります。

その点も踏まえ、松山さん了承のもと、任意売却に至る経緯等を紹介いたします。

1.原因:起業で失敗。収入が無くなり、住宅ローンを滞納

売却対象に自宅マンション

松山さんは1994年、愛知県名古屋市に3,200万円の住宅ローンを組み、区分マンションを購入しました。

頭金は300万円、金利は5.0%。

1994年はすでにバブルが崩壊しており、急速に金利が下がっていた頃です。

ただ、それでも超低金利時代しか知らない世代からするとかなり高く感じます。

データを見ると、1994年の住宅ローン金利は変動金利が4.0%〜5.0%、固定金利が5.0%台後半から6.0%程度で推移していました。

ですので、松山さんが借り入れた住宅ローン金利の5.0%もごくごく平均的であり、決して無理な借り入れではなかったと思います。

実際、松山さんはマンション購入以来25年間、一度の延滞もなくコツコツと返済し続けられていました。

歯車が狂ったのは60歳で、長年勤めてきた会社を退職してしばらくしてからのことです。

松山さん曰く、

会社には65歳までいられたんですが断りました。

と言うのも、働いても役職がなくなり、給料は6割近く下がるからです。

やりがいのない仕事を続けてもと思い、お金より、生き方を選びました。

ローンは残っていましたが、会社に必死にしがみつきたくなかったので。

元々コーヒー好きだったこともあり、いつかは自家焙煎のこだわりの一杯を提供するカフェを持ちたいと考えていた松山さん。

少しずつ貯めてきた貯金と退職金を使って、商店街にカフェをオープンしました。

カフェは大繁盛!とはいきませんでしたが、お店の家賃や材料費はキチンと支払え、老後のちょっとした足しになるくらいの売り上げは上げられるように。

何より、常連さんもつき、自分の裁量で自分のやりたい仕事ができることにやりがいを感じていた松山さんにとってはとても幸せなことでした。

しかし、起業からしばらくして2017年、近くにイオンのショッピングモールができ、人が減り、商店街が閑散とし、最後はシャッター街に・・・

お店の家賃はもちろんのこと、自宅マンションの住宅ローンも支払えなくなり、滞納を重ねた結果、競売の申し立て通知が届いたのです。

2.希望:自宅から追い出されたくない。住みながら売却したいローン滞納でも家族でマンションに暮らす

競売の申し立て通知が届き、松山さんは慌てて駅前の不動産屋に駆け込んだそうです。

不動産屋への駆け込みから、アリネットにご依頼いただくまでの状況を教えてくれました。

相樂さん達に相談する前、駅前にある誰でも知っているような大手不動産会社に買取をお願いしました。

ただ、『住宅ローンが残っている為、価格的に売却は難しい』とハッキリ言われてしまいました。

仕方ないので、インターネットで検索し、いくつか連絡を入れました。

その中で、感じが良かった相樂さんの所に自宅の売却を頼みました。

実は、松山さんのように、家のローンがある状態で相談し、「近所の不動産屋に頼んだら、断られた」というケースは枚挙にいとまがありません。

体感にはなりますが、アリネットにご相談いただく方の3割くらいは同じような経験をされていると思います。

というのも、普通の不動産屋は任意売却のノウハウを持っていません。

同じ不動産の売却であっても、家を購入に向け、紹介するのがメインの不動産会社では、『任意売却の場合は債権者との交渉、競売回避のための手続き、それらをスムーズに行うための交渉術や売却金額の落とし所といったところの知見がない』からです。

なので、不動産屋に相談しても「無理」の一点張りで断られることがほとんどで、銀行を大切にする大手不動産会社はもっとです。

そのため、もし『住宅ローンを滞納してしまった、支払いが厳しい、すでに競売の申し立て通知が届いた』という状況であれば、任意売却の実績が豊富でノウハウをしっかり持っている不動産屋を探して欲しいと思います。

松山さんから連絡を頂いてからすぐに連絡をとって、希望を伺いました。

  • 競売で自宅から追い出されたくない。
  • 家賃の関係で住みながら売却したい。
  • 家族がいるので家の中を見られたくない。

とのことでしたので、過去にうまく行った方法を基に、競売を回避しつつ、任意売却できる方法を提案しました。

3.不安:本当に間に合うのか?近所にバレないのか?

隣人も男性で男性が多いマンション (2)

松山さんと何度か連絡を取り合ううちに、次のような不安を抱えていることが解りました。

  • 本当に競売に間に合うのか?
  • 近所に売却がバレないか?

結論から言うと、間に合うか、に関しては『間に合わせるため、無理して売り切った』案件になります。

と言うのも、競売の申し立て通知が届き、そこからいくつかの不動産屋を探したり断られたりした状況でしたので、私たちにご連絡を頂いた時には、最短3カ月程度で競売にかけられてしまう可能性がありました。

どのようなプロセスで売却したかなど、詳細は次項以降で詳しく解説します。

「近所にバレないのか?」ということに関しては、住宅ローンを滞納して競売にかけられたことは住みながら売却したこともあり、バレずに売却できたと思います。

4.解決法:投資家リストへの直接紹介&業者の競争入札による買い取り

買主の内見_2

松山さんの希望や不安を加味して、下記の内容を提案し、進めていくことになりました。

  1. 競売を回避し任意売却できるよう、債権者とすぐに交渉を始める。
  2. 住みながら売却しやすいよう、自宅のCGイメージを作成する。
  3. アリネット独自の6,000人の個人投資家リストに直接営業する。
  4. 3.と同時に、業者の競争入札による買い取りも行う。

4-1.まずは債権者と競売回避の交渉

購入検討者リスト_169

その交渉材料として、アリネットでは下記が可能なことを伝えました。

  • 独自に構築した6,000人の個人投資家リストがあり、直接営業できること。
  • 業者の競争入札で買い取りを募ること。

いずれの提案内容も『競売で物件を売却するよりも高額で売れる可能性が高い』です。

マンションの立地は非常に良かったこともあり、現実的に可能だと考えていました。

債権者としても少しでも高く松山さんのマンションを売って、債権=現金を回収したいわけなので、この辺りをうまく訴求して、任意売却の許可を得ました。

しかし、とにかく時間がなかったので全てがバタバタと進んだ感じではあります。

4-2.つぎにCGでキレイな家の中のイメージ資料を作成

室内のCGイメージ

CGで作ることにより

  • 検討者に家の中を見られない。
  • 住みながら速やかに売却できる。
  • 整頓された良いイメージを買主に伝えられる。

といったことが可能です。

そしてアリネット独自の6,000件の投資家リストに直接したり、業者競争入札を募ったりしました。

そしてより早く、より高く売却できそうだった業者に買い取ってもらうことになりました。

5.期間:4カ月掛け、区分マンションを1,750万円で売却

人の話をしっかり聞いてくれる担当

最終的に以下の条件で任意売却することができました。

  • 売却額:1,750万円
  • 残債:800万円

本音を言うと、競売回避のために急いで売り切った感じです。

もっと時間があれば、買主をもっと探せたかもしれません。

ちょっと残念です。

とはいえ、築25年の区分マンションを1,750万円で売却でき、150万円の残債で留められたのは良かったと思います。

と言うのも、会社を退職し、起業に失敗し、家を失って大きな借金を残せば、残酷な言い方ですが老後破産まっしぐらです。

任意売却を通して様々な売り主さんの状況を見てきた立場として、キレイ事なしにそういった現実があることもシビアに知っておいて欲しいと思います。

今回、松山さんのマンションがそれなりに高額で売れたのも、ショッピングモールができて、エリア一帯の価格が上がっていたからだと考えています。

結果的に、松山さんは起業時はショッピングモールの存在に苦しめられ、任意売却時はショッピングモールのおかげで借金を最小限にできたという皮肉な話になってしまいました。

6.返済金額:毎月の返済が18.7万円から1万円に

150万円の残債が残ってしまったものの、毎月の住宅ローン、起業時の借り入れ等の返済額18.7万円に加え、修繕費や管理費など諸費用込みの22万円から、1万円まで大きく減らすことができました。

売却後に引っ越したアパートの家賃8万円を含めても、毎月13万円ほどが浮いたことになります。

松山さんからは

まさか、定年後にここまでお金に苦労することになるとは思っていませんでした。

自分の見通しが甘かったと言えばそれまでですが、当時の自分としては一度きりの人生、やりたいことをやってみたということ自体は後悔していません。

家族には迷惑をかけてしまい、一時は一家離散するのではというくらい追い詰められてしまいましたが、今は再び落ち着きを取り戻すことができました。

唯一後悔しているのは、もっと早く相樂さんに相談しておけば・・・、ということです。

ただ、相樂さんはじめアリネットのみなさんにはずっと親切にしていただいたことに本当に感謝しています。

と言っていただきました。

7.任意売却後の生活:再就職し、毎月1万円の返済を続けつつ生活再建中

相楽面談

7-1.松山さんは任意売却後、引っ越ししてから再就職しました。

給料は会社に居続けたら得られたであろう金額よりも残念ながら下がってしまいました。

でも、仕事ができるありがたみを感じているそうです。

毎月1万円のコツコツ返済を続けつつ、頑張れるところまで頑張って働き続けたいとのことでした。

最初にアリネットに連絡してこられた際、松山さんの憔悴仕切った様子が電話口からも痛いほど伝わってきました。

目の前に迫る競売、膨らむ借金、険悪になっていく家族との関係に、焦りや悲しみを通り越して、半ば放心状態になっていたように感じたことを今でも覚えています。

確かに競売まで時間もなく、精神面のケアをどこまで丁寧にできたか私たちもわかりません。

しかし、少しでも松山さんが新たな人生をやり直せるようにと動き、なんとか当時できる最善の結果になって本当に良かったと思います。

今回は業者の競争入札により買い取りを使った事例ですが、松山さんのケース以外でも下記のような状況でも有効です。

  • 古い建物で設備などの責任を取りたくない。
  • 雑草が増えるので早く売りたい。
  • 近所付き合いもあり、人に知られたくない。

こうした物件をお持ちで、住宅ローンの返済のお悩みをお持ちでしたらすぐに連絡を下さい。

任意売却を成功させられるか、少しでも高値で売って借金を減らせるかは、時間にかかっています。

7-2.住宅ローンの返済で悩んでいる方へ、

メンバーオフィス作業

2012年以降、これまで北海道の釧路から熊本の水俣まで、ほぼ全国対応で600件近い、住まいのお悩み相談を行って来ました。

相談件数の推移

あなたの状況や希望により、これからできる対策が異なります。個別相談の前に、今直ぐに確認出来るセルフチェックをやってみませんか?

2015年以降、実際にあった200件超の住宅ローンの相談を受け、チェックリストを作成しました。

□毎月の返済が少し厳しく、貯金がなかなか出来ない
□銀行・裁判所から手紙が届き、対策を考えている
□ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
□転職や病気で、収入が減って、返済に悩んでいる
□借り入れや返済など、毎月の収支管理が出来ない
□養育費や学費など生活費が増え、やや苦しい
□ボーナス等一時金が減った又は無くなった
□離婚や出産で共働きが出来ず、返済が苦しい
□自宅の買い取りチラシがポストに頻繁に入っている
□年金だけでは、家賃や毎月の生活が厳しい

2つ以上当てはまる場合、直ぐにローン整理を得意とする専門家に相談するか、近くに相談できる先がない場合、私たちのLINE公式から住まいを守る無料の簡易診断も試して下さい。

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今回のように、無料のオンライン個別面談も行っているので、状況が悪化する前にご相談下さい。

LINE公式では、失敗事例を含め、ご自宅の任意売却に成功した15事例を無料でプレゼントしています。

ご存知の通り、滞納が続くと利子による負担が日々大きくなり、競売による強制的な追い出しなど、家族との生活を失いかねません。

そのため、自宅に関するトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。

あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。

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*私たちはたらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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