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こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
2018年、50代の男性から静岡県清水市にある自宅のマンションの任意売却の依頼を受けました。
2017年、当初から売却の相談を受けていたわけではなく、転職に失敗し、収入が減ってしまい、住宅ローンの返済が厳しく、どうしたら良いかの相談を受けていました。
私たちは当初、2つの方法を提案していました。
・自宅を売らず、個人再生などを行い、住宅ローン以外の返済を減らすこと
・自宅に住みながら、自宅を売却し、リースバックという方法で住み続けること
奥様と一旦話してみるとのことだったので、相談後に連絡を頂けると思い、特にその後何かすることもありませんでした。
ただ、2017年の終わりに再度連絡があり、相談後も滞納が続き、競売を申し立てられ、家族との生活をどうにか残すため、私たちに相談を頂きました。
相樂さんたちに連絡する前、3年近くずっと一人で住宅ローンの返済について、悩んできました。
転職して、収入を増やそうと思ったり、たくさんの時間働くことで何とかなるのではと思って、続けてきました。
しかし、返済を続けていく事が難しく、競売の通知が来て、自己破産なども考え、相樂さんや大和田さんに再度相談しました。
はじめの面談で
「どうなりたいか?」
と、相楽さんに聞かれたときは正直、辛かったです。
というのも、自分もどうしたら良いか分からなかったので、一旦、妻と話すことでどうにかなるかもと思いました。ただ、妻も心配するだけで良い回答が出て来ませんでした。
彼女も、近くのクリーニング店で働いてくれ、本当に色々とやってくれました。自宅の売却以外も今の車のローンなどを減らし、個人再生も考えました。
それでも、根本的には変わらなさそうだったので、競売の通知が自宅に届いたとき、いよいよ諦め、相樂さんたちに再度連絡しました。
後から考えると、一番親身になって相談に乗ってくれたのが相樂さんたちでした。
あの時は知り合いや友人にも恥ずかしくて、連絡することが出来ませんでした。
今回、終わった時にお手紙までもらっていたので、これまでの出来事や思ったことをご自宅の売却後1年経ち、何か困っていることはないかと思い、当時の事を詳しく教えてもらい、事例としてまとめました。
今回のご相談は、ここ数年、相談で増えている残業代やボーナスカットによる収入減で、ローンの返済が厳しく悩んでいる方でした。
一緒に住んでいた奥様とも話し、キチンと準備し、ローンの整理を行った事例です。ご家族と仲のいい方ほどよく読んでほしい事例です。
【当時の借入状況】
住宅金融支援機構:約1,300万円
ノンバンク残債額:約300万円
都市計画税や固定資産税等滞納額:約20万円
1.自宅の売却を考えた理由は?
自宅の売却を考えたのは本当に最後の方です。
というのも、これまで20年近く、ずっと住宅ローンを払ってきたので、途中で売却してしまうのはもったいないと真剣に思っていました。
ただ転職して、もっと長い時間働いても上手く行かなかったので、住宅ローンの返済が出来ませんでした。
相樂さんから教えてもらった個人再生でどうにかしたいとも思いましたが、根本的には解決しないと思いました。
ちなみに、この物件は2003年に結婚した時に30年ローンで購入したんです。
購入金額は2,000万円を超え、毎月8万円近い返済と管理費や修繕積立金が3万円ぐらいで、月に11万円ぐらい支払っていました。
この家は結婚したタイミングで購入したものだったので、もっと頑張っていかないと妻と話していました。
2016年ごろからボーナスが無くなり、妻にもアルバイトしてもらい、何とかこれまでやってきたんですが、働いても収入が増えない環境が続いていました。
2017年から返済の滞納が続き、銀行から連絡が来たり、書類が家に届くようになりました。
それでも、収入が少なく、返済のめどが立たないので、自己破産するか、一人でずっと考えていました。
さらに、2017年の冬に競売申し立ての書類が届き、急いで相樂さんと大和田さんに自宅の売却をどうするか相談しました。
2.自宅の売却を進めるに当たっての希望は?
自宅を売却するにしても収入がなく、二人で引っ越すことが出来なかったので、住みながら自宅を売却したいと相樂さんに伝えました。
また、妻と二人暮らしでしたが、20年近く住み、ご近所付き合い等もあったので、売却後も住み続ける事が出来たらと思っていました。
あと、やっぱり周りの人に自宅のマンションを売却していることを知られたくなかったです。
競売で夫婦で追い出され、住む場所もなくなってしまう状況には絶対になりたくないと思っていました。
毎月の支払いを減らし、生活を再建したいと本当に考えていました。
3.任意売却を検討していた時の不安や悩みは?
素人の私が銀行や買主と正しく向上できるわけがないと思っていたので、相樂さんたちが窓口になってくれたのは本当に助かりました。
相談前の3月ぐらいに鑑定人が来て、家中を見ていきました。どうしていいか、本当に分からない時期だったので、言われるがままで不安だらけでした。
3-1.そもそもこの家はいくらで売れるか?
周りの環境から自宅の価値が落ちているのを実感していました。このまま、返済を続けていく意味があるのか?相場なども知りたいと思っていました。
ただ、借金が他にもあったので、この家がいくらで売れるのか?どのくらい借金が残るのかを意識していました。
売却を始めてから、大和田さんから「困っていることがあったら、連絡下さい」と言われていたので、自宅に届いた書類は逐次LINEで伝えていきました。
3-2.自宅の売却後、生活はどうなる?
妻と売却後もこのまま自宅に住み続けたいと思っていました。
インターネットで調べたら、『自己破産や競売の場合、家から強制的に追い出される事がある』と書いてあったので、本当に大丈夫か心配でした。
売却後、生活保護を受けることになるとも思っていたので、そのあたりの申請方法や自宅の賃貸など相樂さんたちに教えてもらい、とても助かりました。
あの時、「本当に人生が変わるかもしれない・・・」と本気で思いました。
4.実際の売却、どうやって、競売前に住みながら任意売却が出来たのか?
相談で自宅を売却することに決めてもらった後、直ぐに金融機関に任意売却の申し立てを行いました。
「すでに競売になっているため、これを止めることは出来ない」
「任意売却をするなら、期間は2ヶ月後の開札前日までに、買主やローンの調整をしてほしい」
と他の案件と同じように、開札までに買い付けを提出し、承認を得ることが条件でした。
相談者さまからのご依頼通り、周りに知られない様、住みながら自宅を売却したいとの事でしたので、資料を基に私たちの投資家リストにご自宅の紹介を始めました。
その際、プライバシーの観点から、以下のようなご自宅のフルCGイメージを作り、資料を作成していきました。
ただ、債権者からの指示通り、インターネットにも掲載しました。任意売却の特質上、ご自宅を特定できないレベルの資料にしていました。
私たちの投資家リストから4名の方が興味を持ってくれ、室内を見てもらい、希望金額を出してもらうことにしました。不動産業者にも紹介しましたが、支払える賃料から金額的に合いませんでした。
5.売り始めから1ヶ月で、個人の方から買い付けを取得
内見後、2名の方から1,200万円での買付を出してもらいました。共に同じような金額だったので、売却後の賃料などの条件を詰めていきました。
特に、売却後の自宅に瑕疵があっても売主は対応できないこと。
そして、今後も住み続けていくため、賃料を変えないでほしいことをお願いしました。
一方、買主からは家賃の支払いが遅れることが怖いため、家賃保証サービスを使うことなどが条件として、言われました。
また、エアコンや給湯器などの設備が壊れたら、自身で改修し、漏水など建物の構造部分の故障の場合は買い主が対応することになりました。
開札まで一ヶ月だったので本当にこの時点で決まり、良かったです。
競売になり、ご自宅から追い出されることを避けるため、買主を逃し、競売になってしまう事はどうしても避けたかったので銀行からの承認後、直ぐに契約を結びました。
決済までが取引ですが、一先ず、契約できたことでひと段落着きました。
6.担当のコメント
金融機関から競売の申し立てがあり、時間がない中、直ぐに買い手が見つかり、本当に幸運でした。
2回の相談を受け、どうしても状況を変えることが出来ないため、自宅を売却し、そのまま住み続ける形で住宅ローン整理を行いました。
既に鑑定人もご自宅に来た後だったので、いつもの通り、間に合うか、本当に焦っていました。
6-1.競売中でも債権者が柔軟に対応してくれた
債権者によって、全く競売を受け付けてくれない場合もあります。例えば、JA関係や日本労働者信用基金協会など、とても厳しいイメージがあります。
今回の住宅債権管理回収機構は、その中では柔軟に対応してくれる方で開札ギリギリまで買付を受け付けてくれました。
一般的に、住みながら・住み続けたいというのはなかなか高い価格が出るような条件ではないですが、今回は建物というより、静岡県清水市でも立地が良かったため、普段より高い価格で買ってくれた感じがします。
6-2.月11万円の返済が1万円に
売却後、残った住宅ローンが100万円の返済とご自宅の家賃を払っていくことになります。
しかし、当初マンションの管理費込みで毎月11万円以上の返済だったのが、毎月1万円の返済まで下がり、家賃5万円で合計6万円で以前より5万円も安くなりました。
6-3.返済が苦しくなったら、早めの相談を
今回のように、長い間ローンの返済をお一人で悩んでいる方は結構います。競売開始の通知が来ても、現地調査や査定を踏まえ、6ヶ月くらいあります。
時間が許す限り、高い買主を見つける為、大変だと思いますが、早めに専門家に相談されることをお勧めします。
中でもすでに滞納をしている場合、なるべく早めに相談した方が良いと思います。自宅を売却するだけでなく、個人再生で住宅ローン以外の返済を減らすこともできます。
当たり前ですが、滞納が進むほど、時間が無くなり、取れる方法が減ってしまいます。
特に、競売を申し立てられると、期限が出来、対策が限られてしまいます。買主を見つける事、そして、債権者との条件の交渉も難しくなり、生活の立て直しが難しくなります。
そのため、もし、今、返済に困っている場合には先ず、窓口となった金融機関へ連絡したり、地元の不動産会社に相談してみて下さい。もちろん、今回のような特殊な場合には、私たちに直接連絡を頂いても構いません。
あなたの状況や希望を踏まえ、どのような対応が取れるのか、私たちなりのやり方をご説明いたします。
これまで北海道の釧路から熊本の水俣まで全国対応で住まいのお悩み相談を行って来たので、もし、今、どうするか、悩んでいる場合には、『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
私たちの場合、たらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。
>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。
また、同様に、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。
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