C.解決事例(お客様の声)

判例を参考に住まいのトラブルで調停を起こす際、無料の相談先や注意点2つ

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の設備やそれらの改修を担当している、賃貸不動産経営管理士兼管理業務主任者の相樂です。

今回は、司法書士の西門と共に、住まいのトラブルで調停や訴訟に持ち込む際の相談先や注意点について、判例を交えて詳しく解説していきます。

2020年以降、強制的に自宅で過ごす時間が増え、同時に住まいのトラブルも増えています。外に出れないストレスだけでなく、これまで気にならなかった隣人・騒音に関するもめ事が増えています。

住まいのトラブルでは当事者間で解決できずに事態が深刻化するケースも珍しくありません。どちらにも言い分があり話し合いでの解決が望めない場合、調停や訴訟に発展するケースも多いです。

特に、2020年以降、同年に発生した新型コロナウィルス感染拡大を受け、多くの方が自宅で過ごす時間が増え、隣人に限らず大家さんや管理会社などと揉める事例も数多く報告されています。

実際にアリネットの元に寄せられる「大家さんとのトラブルが一向に解決しなくて困っている。訴訟や調停に持ち込んだ方が良いのだろうか?」といった相談を4月に入って、2件受けました。

一人で悩むことなく、色々と見聞きし、トラブルが小さい内に処分していって下さい。

1.毎年、住まいのトラブルによる紛争処理が数多く依頼されている

参考:住宅リフォーム・紛争処理支援センター

前述した通り、住まいのトラブルは当事者間で解決することが難しく、数多くの方が紛争処理を実施している機関に仲裁を依頼しています。

そのことは、グラフからも見受けることが可能です。こちらは、『住宅リフォーム・紛争処理支援センター』が発表した『住宅相談統計年報2019』内に記載されている『申請受付件数の推移』をグラフにまとめたものになります。

上記のグラフを見ると2014年以降、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに紛争処理を依頼した件数は横ばいを推移しています。過去10年のデータを見ても大幅な減少は見られず、毎年100件以上の仲裁や調停などの依頼が寄せられており、当事者間で解決できずに苦しんでいる方が数多くいることは明確です。

また、同機関で実施している『専門家相談を希望した理由』の内訳を見ると、『弁護士と建築士が同席して相談を聞いてくれるから。』と言った理由が最も多く寄せられています。

このことからも住まいのトラブルは複雑な法令や規則が絡むことが多いため、自分自身で判断することが出来ず、不動産関連の法律のプロに判断を委ねたいと思う方が増加していることが推測可能です。

2.住まいでよくあるトラブルと実際にあった4つの判例

日々の暮らしの中には、隣人トラブルをはじめ設備故障やリフォーム工事の施工方法など、不動産を巡るさまざまなトラブルは後を断ちません。トラブルのほとんどは、当事者間の話し合いで解決が可能ですが、調停や訴訟沙汰になるケースも多いです。

そこで、ここでは実際に起こった事例と原因について解説していきます。

2-1.設備故障や雨漏りなどに関するトラブル

設備の故障や雨漏り、水漏れなどにより、大家さんや管理会社と揉めるケースがあります。

賃貸では物件の瑕疵(建物や設備に何らかの欠陥や不具合、傷があること)がある場合、修繕義務を負うのは大家さんです。ただし、入居者であるあなたが破損や汚損させた場合は、入居者の過失であるため、あなた自身が修繕を行わなければなりません。

このように、物件の瑕疵の責任は明確に法律で定められています。しかし、中には瑕疵の原因が分からずに、どちらが責任を負うのかで揉めてしまうケースも少なくありません。

原因が分からないと、どちらも納得することが出来ず、話し合いでの解決が難しくなるためです。このため、今後どうしたら良いのか分からない方は、後ほど紹介する機関に相談してみて下さい。適切な対処方法を教えてくれるはずです。

2-1-1.集中方式による給湯がされない不備について、水道代の8割相当額を賃借人の損害と認めた判例

ここでは、設備の不具合が原因で給湯がされないことで、水道代の8割相当額を賃借人の損害と認めた判例を紹介します。

この事例は建物全体に給湯を行う集中方式のボイラーで給湯を行っているアパートで起こりました。このアパートを借りた住民はたびたび給湯されない不備が起こっていたため、賃貸人に対して改善するように要求していましたが応じてもらえなかったのです。

このため、引越しを余儀なくされたとして、給湯不備による損害や引越し費用、敷金の返還を求めたました。結果的に、今回の事例と引越しの因果関係は認められませんでしたが、賃貸人に対して、水道代や給湯代の8割相当額などの支払いを命じたのです(東京地方裁判所/平成29年9月22日判決)

上記のように、建物に備え付けられて設備に不具合が生じた際、大家さんに修繕要求や損害賠償を請求することが出来ます。ただし、設備不良を理由とした引越し代金の請求は棄却される場合があるため、自己負担になる可能性があることを覚えておいて下さい。

2-2.騒音や異臭などによる隣人トラブル

アリネットへの住まいのトラブル相談の中で特に多いのが隣人とのトラブルです。具体的には、異臭や騒音、共有スペースの使用に関するマナーなどで揉めるケースがあります。

その中でも、特にトラブルになりやすいのが、子供の笑い声や走る音などによる騒音です。小さい子供は親も制御することが難しく、時間帯を問わずに騒音を発生させる場合があります。

そのような環境では落ち着いて生活を送ることが出来ないため、トラブルに発展してしまうのです。

こういった騒音トラブルに巻き込まれてしまった場合、大家さんや管理会社に相談してみて下さい。仮に、どちらも動いてくれないのであれば、然るべき機関に相談することで、何らかの対処方法を助言してくれるはずです。

2-2-1.隣人から騒音行為や攻撃行為を受けたとして損害賠償請求が一部容認された判例

ここでは、隣人かから騒音行為や攻撃行為を受けたとして、損害賠償請求が一部容認された判例をご紹介します。

この事例は分譲マンションを購入した夫婦が、階下の住民から度重なる粗暴な攻撃行為や迷惑行為を受けたとして損害賠償を請求しました。

この夫婦は連日階下の住民から玄関のドアを蹴られたり、深夜に大音量の音楽を流されるなどの迷惑行為に悩まされていたのです。隣人の迷惑行為は留まるところを知らず、夫婦宅の子供に対し「お前の家うるせぇから誰か変な奴がいるかもしれない」と不安を煽り、一人でエレベーターに乗れなくなるほどの恐怖心を与えたこともありました。

結果的に、隣人の故意と過失が認められたため、慰謝料や媒介期間中に夫婦が負担した住宅ローンや管理費の一部の支払いを命じました(東京地方裁判所/平成28(ワ)第21267号)

上記のように、隣人トラブルに悩まされる方は少なくありません。中には、家族に危害を加える方もいるため、早急に何らかの対策を講じることが重要です。

2-3.配水管や設備が故障したことで発生した漏水によるトラブル

マンションやアパートなどの集合住宅では、洗濯機や配水管、設備故障などによる水漏れが起きた際にトラブルになりやすいです。階上で水漏れが発生してしまうと、下の階に住んでいる住民も被害を被る可能性があります。

しかし、必ずしも階上の住民に責任がある訳ではありません。漏れや漏水によるトラブルは、賃貸や分譲、発生箇所によって誰に責任が生じるのかが異なるためです。

例えば、賃貸物件の場合、備え付けの設備が整備不良により水漏れが発生した際は、原則大家さんに責任が生じます。一方で、分譲物件の専有部分から水漏れが発生した場合、その住居の所有者の責任です。

このため、しっかりと原因を追求し、写真を含め、記録を残しおくことが重要になります。原因が明確に分かれば、トラブルは解決できるはずです。

2-3-1.実際にマンションで階下宅への漏水により、修繕工事費や損害賠償請求が認められた判例

ここでは、実際にマンションの階下宅への漏水により、修繕工事費や損害賠償請求が認められた判例を紹介します。

この事例は分譲マンションで階上の住民がバルコニーに庭園を築造しましたが、適切な管理を行わなかったことで、階下の住民宅に計6回の雨漏りを生じさせました。

このため、階下の住民が階上の住民に対して、損害賠償と慰謝料を請求したのです。結果的に、階上の住民の過失が認められ、修繕工事費や損害賠償金、慰謝料を合わせて約85万円の支払いを命じられました(東京地方裁判所/平成13年(ワ)第24407号)

このように、明らかに階上住民の過失である場合は、損害賠償金や修繕工事費用を請求することが可能です。雨漏りや漏水の被害に遭った際は、明確に原因を追求するようにして下さい。

2-4.リフォーム工事に関するトラブル

分譲マンションなどでは、リフォームを行う際にリフォーム会社とトラブルになるケースが数多く報告されています。例えば、報酬や施工に関するトラブルなどです。特に施工不良に関するトラブルは、建物自体の資産や安全性に直結するため、注意する必要があります。

リフォーム会社の施工方法に不審な点が遭った際は、すぐに依頼した企業に確認を行うようにして下さい。確認を行うことで、すぐに修繕に応じてくれるのが一般的です。

ただし、リフォーム会社が応じない場合もあるため、そういった時は行政などの機関に相談してみて下さい。中には、紛争処理を行っている機関もあるため、適切な対応をしてくれます。

2-4-1.リフォーム工事に関する設計や施工に瑕疵があるとして損害賠償請求が認められた判例

ここでは、賃貸物件のリフォームを依頼した際に、設計や施工に瑕疵があるとして損害賠償請求が認められた判例を紹介します。

この事例では、家賃収入を得ているマンションの4室のうち1室のリフォーム依頼した際に、リフォーム会社の施工に瑕疵が見つかったことで、企業に対して損害賠償を請求しました。

水回りに適していない資材や塗装を使用されていたり、コンセントやコンロの位置が正しく適切な場所に設置されていなかったのです。結果的にリフォーム会社の設計や施工に問題があるとして、約235万円の支払いが命じられました(東京地方裁判所/平成30年(ワ)第31054号)

上記のケースのように、設計の段階から問題があるケースもあります。このため、あなたが依頼したリフォームに瑕疵が見つかった場合は、設計に問題がないのかも含めて見極めるようにして下さい。

3.住まいのトラブルで調停や訴訟を起こすには?

住まいに関するトラブルに遭った際に、当事者間で解決に至らないケースは珍しくありません。例えば、原因が分からない漏水によるトラブルです。明確な原因が分からなければ、どちらも納得することが出来ず話し合いでは解決に至りません。このため、どちらに責任があるのかを明確化するために、調停や訴訟に持ち込むケースが多いです。

しかし、調停や訴訟を起こす際に「弁護士しか手続きできないの?」、「そもそも調停や訴訟は何が違うの?」と疑問を持つ方は少なくありません。そのため、ここでは、調停と訴訟の違いやどこに申告するのかについて、解説していきます。

3-1.民事の調停とは

調停とは、調停委員会を間に入れて当事者同士が話し合いで解決を図る場です。裁判所の『調停委員会』が双方の言い分を聞いて歩み寄りを促してくれるため、お互いが納得のいく解決を図ることが出来ます。

ちなみに、調停に持ち込む際、『調停などを行っている紛争処理機関に相談』をするか、『簡易裁判所で手続き』を行うことで調停を開始することが可能です。

3-2.訴訟とは

訴訟とは、裁判官の判決によって解決を図る制度です。調停とは異なり、裁判官がどちらに非があるのかを見極めて、法律に則った判決を下してくれます。訴訟を起こす際は、『訴える相手方の住所地を管轄とする裁判所』で手続きが可能です。

ちなみに、訴訟は弁護士に依頼をしないと出来ないイメージがありますが、あなた自身で手続きや裁判を進めることが出来ます。ただし、仮にあなたが法律や不動産に関する知識がない場合は、的確な判断が出来ないため、弁護士に依頼した方が安心です。

4.住まいのトラブルで調停や訴訟を起こす際の相談先

住まいのトラブルで調停や訴訟を起こす際は、下記の3つの機関に相談をしてみて下さい。

  • 弁護士
  • 日本不動産仲裁機関
  • 住宅リフォーム・紛争処理支援センター

それぞれのメリットやデメリットを含めて解説していきます。

4-1.弁護士に相談する

一般的に、訴訟や調停を検討する際は、弁護士に相談する方が多いです。弁護士は法律のプロであり、民事や刑事事件を問わずにあなたの味方になってくれます。

仮に、弁護士に相談するのであれば、初回無料で相談を行っている法律事務所がおすすめです。法律事務所によっては、相談1時間で2万円を請求する事務所もあるため、コストを抑えて相談することが出来ます。

弁護士事務所とのトラブルを避けるため、問い合わせたい内容とその際の費用をキチンと聞いてから相談をした方が良いと思います。ここの詰めが緩いと、結局ずるずると進み、高額な費用を請求されてしまうことがあります。

4-1-1.弁護士に相談するメリット

弁護士に相談することで、「どのような法に触れるのか」、「どのくらい損害賠償を請求できる見込みなのか」を適切に見極めてくれます。さらに、調停や訴訟に持ち込む際は、あなたの味方になってくれるため、満足のいく解決へ導いてくれる可能性が高いです。

4-1-2.弁護士に相談するデメリット

最も大きなデメリットは、多額の依頼料が必要なことです。そのため、請求できる金額によっては赤字になってしまうことがあります。

さらに、弁護士は分野によって得意・不得意が存在するため、必ずしも依頼した弁護士が住まいに関するトラブルに強いわけではありません。例えば、婚姻関係のトラブルは強いが、不動産関係のトラブルは一切請け負ったことが無いケースもあります。

住まいに関するトラブルは、不動産に関する知識や経験が必要となるため、このような弁護士では満足のいく結果を期待できません。

このため、弁護士に依頼する際は、不動産関係を専門としている弁護士に依頼をするようにして下さい。

4-2.日本不動産仲裁機構

あまり知られていませんが、日本不動産仲裁機構は住宅に起因するトラブルの公平かつ簡易的な解決を目的として設立された社団法人です。

法務大臣から認証を受けており、裁判外の紛争解決手続きを行う制度や不動産に関するトラブルの相談窓口を設けています。

ちなみに、相談は原則『面談方式』のみです。同機関の会議室や指定された場所で、直接相談員と対面して相談する流れとなっています。

4-2-1.日本不動産仲裁機構に相談するメリット

日本不動産仲裁機構に相談することで、内容に応じて適切な助言や指導を行ってくれます。例えば、物件の施工方法に問題があった際に、今後あなたがどのように動けばいいのかを的確に教えてもらうことが可能です。

さらに、トラブルの内容によっては弁護士や建築士も同席してくれるため、違法行為や規則違反がないかを的確に見極めることも期待できます。

4-2-2.日本不動産仲裁機構に相談するデメリット

日本不動産仲裁機構に相談する場合、相談料が発生するのが大きなデメリットです。相談員1人あたり1時間5,000円が必要なことに加えて、これを超過した場合は30分毎に2,000円上乗せされます。

私たちの経験上、住まいに関するトラブルの相談は1時間では終わることはほぼありません。なぜなら、状況を精査したうえで、的確な解決策を導くためには、相応の時間が必要なためです。このため、コストを抑え、効果的な助言が欲しい方は、聞きたい内容を整理して、面談に臨む。又は、別の機関に相談する事をおすすめしています。

4-3.住宅リフォーム・紛争処理支援センター

住宅リフォーム・紛争処理支援センターとは、国土交通省が管轄する住宅の取得やリフォームを検討している方に、住まいに関する様々な情報提供を行っている公益法人です。同機関では、住まいに関する相談を受け付けている窓口や紛争処理を支援する制度を設けています。

ちなみに、相談は電話のみです。携帯と一般電話ではかける番号が異なるため、ホームページを確認したうえで問い合わせるようにして下さい。

4-3-1.住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談するメリット

住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談することで、住まいに関するトラブルの適切な対処方法を教えてくれます。仮に、トラブルの内容に違法行為が見つかった場合は、同機関の紛争処理の斡旋や仲介役も担ってくれるため、紛争処理を任せることも可能です。

また、同機関では弁護士や建築士と対面相談ができる『専門家相談』も設けているため、法律のプロの見解を聞くことも出来ます。

4-3-2.住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談するデメリット

住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、調停委員会の役割を担う機関であるため、あなたの味方をしてくれる訳ではありません。あくまでも仲介役として、双方の意見を尊重しながら解決に導くのが役割です。

このため、トラブルの内容によっては「あなたもここは譲渡するべき」と言われてしまい、満足のいく解決に至らない可能性があります。したがって、あなた自身が納得のできる解決先を見つけたい場合は、他の機関への相談を検討して下さい。

5.住まいのトラブルによる調停や訴訟を起こすか悩んでいる際の注意点

住まいのトラブルによる調停や訴訟を起こすか悩んでいる場合は、以下の2点に注意して下さい。

・必ず損害賠償や慰謝料を請求できる訳ではない

・調停を行うと時間や労力がかかる

重要な内容となるため、それぞれ詳しく解説していきます。

5-1.必ず損害賠償や慰謝料を請求できる訳ではない

トラブルの内容によっては、法に触れる行為ではないと判断されるケースもあるため、必ずしも損害賠償や慰謝料を請求できる訳ではありません。実際の判例の中には、相手側に過失が認められなかったために、弁護士費用を損した方もいます。

このため、訴訟を起こす際は弁護士などの住まいに関するトラブルに強い方に相談したうえで、どのような法に触れているのかをしっかりと見極めることが重要です。

5-2.調停を行うと時間や労力がかかる

基本的に調停や訴訟に発展すると、判決が下るまでに1年以上かかるケースが多いです。特に調停では何回にも渡って話し合いの場を設けられるうえに、双方が納得するまで口論する必要があるため、精神的負担も少なくありません。

このため、確実に勝てる見込みのあるトラブル以外は、別の解決策を探した方が賢明だと言えます。

6.地元の信用できる不動産会社に相談したほうが早く解決できる

住まいに関するトラブルでは、お互いの意見が食い違うことで、双方が納得できず調停や訴訟に発展するケースもあります。しかし、調停や訴訟は判決が下るまでに1年以上かかるうえに、確実にあなたの満足のいく結果が出るとは限らないため、最終手段として利用するのが賢明です。場合によっては、あなた自身が損をする可能性すらあり得ます。

このため、住まいに関する相談や対応を依頼するのであれば、信頼できる不動産会社に相談をしてみて下さい。不動産会社によっては、様々な住まいに関する知識や経験を保有しているため、実体験を活かした効果的な解決策を教えてくれます。

6-1.信用できる不動産会社を見つけるポイント

上記で不動産会社に相談することをおすすめしましたが、中にはあなたの悩みにつけ込んで自社の利益になるように助言する不動産屋もいるため、しっかりと見極めることが重要となります。

具体的には、『地元の信用できる不動産会社』やGoogleマイビジネスやSUUMOなどを見て『口コミの良い不動産会社』に相談するのが最もおすすめです。

『地元の信用できる不動産会社』は、長年その土地で営業している実績や人脈があるため、地域の物件の内情や特徴を詳細に把握しています。このため、それぞれの特徴を踏まえた、効果的な解決策を見つけ出してくれる可能性が高いです。

一方で、『口コミの良い不動産会社』は、実際にその不動産屋の利用者の本音が寄せられているため、その不動産業者のありのままの姿を知ることが出来ます。しかし、口コミが良いだけで決めてはいけません。不動産屋の中には、自社の都合の悪い口コミを反映させていない不動産会社もあるためです。

このため、ネット上に記載されている『免許番号の()内の数字』を併せて確認することが重要となります。具体的には、(2)や(3)の数字が記載されている不動産屋は信用できます。

なぜなら、()の数字が大きい会社は不動産屋年数が長く、違法行為を行わない可能性が高いためです。不動産会社は違法行為を行うことで免許を剥奪される場合があり、再登録をしても(1)からまた出直す必要があります。このため、()内の数字が大きい企業を選ぶことで、違法行為を行わない信頼できる不動産会社を見つけることができるはずです。

と言うのも、2000年前半、そして、アベノミクスで流行ったのが、詐欺ギリギリ?で事業を行い、ダメになったら、潰して、他の会社を作る不動産会社が一時期沢山ありました。ダメなら、撤退・解散でも仕方ないと言うよりは、代表がコロコロ変わったり、この事業では長くやれないのをはじめから理解しつつ、行う等かなり悪質な会社も中にはあります。

6-2.地元の信用できる不動産会社に相談するメリット

不動産会社は、住まいを巡るさまざまなトラブルの知識や経験を多彩に保有しているため、あなたの満足のいく解決策を見つけ出してくれることが期待できます。

また、都内で信頼できる不動産屋を探す際には、不動産業者のみが利用できる『東京都宅建協会相談所』という機関に登録しているかどうかを目安にしてみてください。

『東京都宅建協会相談所』には、一般に公開されていないトラブルに関する相談内容が登録されているため、あなたの状況に適した事例を基に効果的な解決策を導き出してくれます。

6-3.地元の信用できる不動会社に相談するデメリット

『東京都宅建協会相談所』に登録しているからと言って、必ずしもその不動産屋がトラブルに強いとは限りません。あなたの状況に似た事例をベースに、知識や経験を生かして最善策を見つけ出す必要があるため、不動産屋の経験や力量が問われます。

このため、不動産会社に相談するのであれば『住まいに関するトラブルに強い不動産屋』かどうかを確認することが重要です。『住まいに関するトラブルに強い不動産屋』であれば、豊富な知識や実体験を活かしてあなたの手助けをしてくれます。

7.住まいのトラブルで調停や訴訟を検討する際のまとめ

今回は、住まいのトラブルで調停や訴訟を検討する際の相談先や注意点について、判例を交えて詳しく解説しました。以下、この記事のおさらいです。

  • 騒音やリフォームなど様々な住まいのトラブルがある
  • 調停と訴訟を行う際は、それぞれ決められた裁判所に申し出る
  • 調停や訴訟を検討する際は、弁護士や各機関の窓口で相談や斡旋、仲介を依頼できる
  • 調停や訴訟を起こす際は必ずしも満足のいく結果を得られるとは限らない
  • 住まいのトラブルは信用できる不動産会社に相談することで、早く解決できる可能性がある

住まいを巡るトラブルは当事者間で解決することが難しいため、調停や訴訟に発展するケースが非常に多いです。しかし、大半の方が不動産に関する知識を保有していないため、法令や規則に詳しい方に判断を委ねることになります。

このため、この記事では住まいに関するトラブルに遭った際に相談できる機関を紹介しました。中には、紛争処理を行っている機関もあるため、あなたの状況に適した助言や対応を行ってくれるはずです。

しかし、調停や訴訟は時間や労力を有するうえに、必ず勝てるという保証がないため、全てのケースに適している訳ではありません。場合によっては、あなたが損をする恐れもあります。

このため、効果的な解決を望むのであれば、『トラブルに強い不動産会社』や『長年営業している口コミの良い不動産会社』にまず相談してみて下さい。長年の実体験や豊富な知識を活かして、あなたの力になってくれるはずです。

仮に、どの不動産会社に相談すれば良いのかわからない方は、アリネットの無料相談までご連絡ください。2012年からこれまで300件近いの住まいの問題を解決してきた知識と経験を活かして、あなたの満足のいく解決方法へ導きます。無料相談をご利用の際は、トラブルの関する証拠や状況が分かるものをご用意下さい。証拠などがない場合、的確な判断を下すことが難しくなってしまうため、事前にご準備をお願い致します。

他にも、ここに記載出来ない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。信頼できる先がすぐに見つからない場合、無料相談を含め、お気軽にご連絡ください。

特に、アリネットでは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計4,600人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。

私たちは、2012年より地域に根付いた不動産屋として、住まいのトラブルに特化し、住宅ローンの返済問題だけでなく、マンションの騒音や隣人、契約条件のトラブル等、300件近く、相談を受けてきました。これまで多くの住まいの問題を解決した経験や知識を活かし、あなたの力になれると思います。

現在、無料相談を実施しており、相談者の方には住まいの問題解決事例をまとめた冊子も無料で差し上げております。問題を早期に解決し、一秒でも早く、明るい毎日を取り戻して下さい。ともかく、ぜひ一人で悩まず、時間を無駄にしない様、早めにご相談ください。

最後に、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。不動産トラブル専門の弁護士による、契約直後の事故物件発覚時の告知義務違反等の対応についてはこちらのページにまとめました。

>>賃貸マンションの騒音問題を避けたい方向け、内見前の構造や間取り確認と引っ越し後の対策まとめ

>>マンションの内見後に入居申込をしたが、罰金無しでキャンセルはできますか?

>>管理会社が動いてくれない場合のマンショントラブルの対処方法や注意点

>>警察が動いてくれないマンション内の駐車場トラブルの対処方法や注意点

ーーー

あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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