B.豆知識(相場、法律)

財産分与におけるトラブルとは?特殊なケースを事例で解説

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの相楽です。

作業中の相楽
えっ!?こんなの相続したって・・・(汗)

身内じゃないけれど、遺産がもらえる?!

そういう場合どうなるんだろう・・・?と思う方もいらっしゃると思います。

そんな例外をちょっと覗いてみましょう。

1.相続の対象の土地が・・・貝塚区域内

悩む男性

貝塚については、小学校の授業で学びましたよね。貝塚を掘ると、矢じりや土器の破片、貝殻など、さまざまなものが出てきます。

1−1.埋蔵文化財包蔵地とは?

私の貝塚のイメージはこんな感じですが、地域によっては埋蔵文化財包蔵地とされ、国に指定されている場合があるんです。

古墳の近くや昔お城があった場所など、さまざまなケースがありますが、いずれの場合も所有者は存在しています。

1−2.相続する事となった土地がもしも・・・文化遺産が埋葬されていたら?

発掘して歴史に残るようなものを発見し、そこに博物館を建てる…。それが簡単にできるなら、誰もがやっていますよね。

文化遺産が埋葬されている土地は基本、文化財保護法第93条で、埋蔵文化財の発掘調査を必ず行う事とされています。

その土地に住宅など建てようとしようとすると、先に埋蔵文化財の発掘調査をしてから建物の建築に取り掛かります。

地下鉄の工事や会社敷地での工事をよく目にしますが、本当に時間がかかりますね。

1−3.発掘調査の負担

発掘するとなると、当然ながら費用がかかります。その発掘費用はどこから出ると思いますか? 実は、土地の所有者が負担します。

自宅を建てる際、場合によってはその調査費用だけで約〇億円という莫大な費用がかかることもあります。本当に恐ろしい話です…。

もしそんな指定区域を相続することになったら、持っているだけで手をつけたくなくなるのは当然でしょう。

できればこんなのいらないというのが、素直な私の気持ちです。

しかし、相続放棄する理由もなく相続してしまったら、毎年固定資産税を支払うだけの状況になります。

1−4.埋蔵文化財包蔵地の評価額

では、埋蔵文化財包蔵地を相続する時の評価額はどのようになるのでしょう。

はっきり言って、埋蔵文化財包蔵地の評価が普通の土地と同じ基準で行われるのは、非常に不合理です。こうした土地には多くのマイナス要素が伴い、その評価には特別な配慮が必要です。

実際にこんな内容で裁判があったらしいです。

結果として、

一般的には土地の評価は宅地を前提としますが、埋蔵文化財包蔵地の場合は異なります。

たとえ宅地として指定された土地であっても、その特別な状況は価格(時価)に重大な影響を及ぼします。

このような土地は、固有の客観的な事情があると認められます。

固有の客観的な事情とは、土壌汚染地と同様に有害物の除去や拡散防止、その他の汚染除去も自己負担となると法令で定められているため、その状態と類似しているとみなされました。

そのため、評価額は一般的な土地よりも下がるとのことです。

今回の埋蔵文化財包蔵地の扱いは土壌汚染地と同じ状況と裁判所は判断しました。

1−5.埋蔵文化財包蔵地の評価額算出方法

よって、埋蔵文化財包蔵地の評価額の算出方法については、一般の宅地として評価した金額から、埋蔵文化財の発掘調査費用の見積額の80%を差し引いた金額を評価額とすることが妥当であると判断しました。(平成20年裁決)

つまり、結論として、法律で自己負担が発生するような土地は、その自己負担額の見積もりの80%を控除額として、その土地の評価を行うことになります。

2.資産家女性が『遺産をすべて家政婦に』と遺言

笑う女性

某番組で取り上げられた内容です。

資産家女性が遺言に遺産を全て家政婦にと書いたそうです。

この資産家の女性は身内はいなかったのかな?と思ったのですが、どうやらこの家政婦さん人として尊敬できる方だったみたいです。

2−1.10億円の遺産を巡る家族と家政婦の物語

資産家夫妻には実娘が2人おりました。

事の発端は、資産家のご主人が亡くなり、その配偶者である妻が推定10億円の遺産を相続したことに始まるようです。

推測はつくかと思いますが、そこから娘たちのお金の要求が始まりました。その要求金額も非常に大きかったようです。

最後に、娘たちは海外移住資金として3000万円を要求しました。母親と娘2人の間で、これが最後の援助であると確認し、娘たちも合意の上で念書を交わしたそうです。

一方家政婦さんはと言うと、中学を卒業と同時に上京し、資産家のおうちに住み込みで50年以上働いていたそうです。

ちゃんとお給料をもらって働いていましたが、資産家夫婦と非常に良い関係を築いており、大変お世話になったと感じていました。

そのため、資産家のご主人が亡くなってからも、無給でその家に残り働いていました。

それに加えて、実娘2人が母親の面倒を見ていなかったのです。

そんな中、家政婦さんは無給でも変わることなく、一生懸命に資産家の女性を一人で必死に面倒を見続けました。

資産家の女性は、そんな献身的な家政婦さんに**『すべての財産は家政婦の女性に遺贈する』**と言う決心をし、その旨を遺言書に記し亡くなりました。

ご主人から相続した推定10億円の遺産も、その頃には3000万しか残っていませんでした。

2−2.暴走する2人の実娘の結末

実娘2人は暴走しました。

実の母親が亡くなったその当日に、相続財産の3000万を勝手に2人で分けて自分の口座に移してしまったのです。

そう、遺言書が有ったのにもかかわらず!

家政婦の女性は住む場所を失い帰郷しました。

が・・・、家政婦さんは思い直して、遺産の返還を求めて実娘2人を提訴しました。

これに対し実娘2人は**『遺産が想像以上に少ない。家政婦が着服したのではないか?』**

と、あろうことか着服金6000万円を返金せよ!と訴え返してきたのです。

  1. 実娘2人は長年にわたり母親から多額の援助を受けてきたこと。
  2. 実娘2人が海外移住をするという理由で、3000万円を最後の援助とすることを母親と合意し、念書を書いていたこと。
  3. 移住したはずの実娘2人がすぐ帰国し同居を始めた後、資産家の女性は『財産を奪われるのが怖くて外出が出来ない。』と第三者に話していたこと。
  4. 家政婦の女性が資産家の女性の死去後に帰郷する際、5000円しか持っておらず、大金を持ち去ったにしては不自然なこと。

以上の点から、『家政婦による遺産の着服は認められない。遺言は適正であると判断』**とされ、家政婦側の全面勝訴となり、実娘2人には宝石類や現金約3000万円などの全財産の返還を裁判所は命じました。

家政婦さん、よかったね!と思うような事例でしたね。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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