再建築不可、空き家になった実家をどう売るか?

相続で引き継いだ再建築不可の実家、隣地を購入し、5,300万円で売却した事例

せっかく、引き継いだ実家を子供のためにも高く売りたい方へ

相続でお母様からもらった港区白金にある実家の隣地を一部購入し、再建築及び住宅ローンの利用を可能にして、7組の内見と買付が3本も入り、融資条件のない不動産業者に売却できた事例です。

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。

相楽、お客さまとの面談

この話は、仲良くしていた宝石商の友人からの紹介で、相続後、どうしたら良いか困っている方のご実家について、相談を受けました。

『港区の駅徒歩6分の好立地なのに、再建築不可で高い値段で売れない不動産を直せる?』

と、面談を2時間近く行い、悩みと今後どうしたいかを整理していきました。

再建築不可の物件を区役所に問い合せ、再建築可能に出来たケースは板橋区と足立区で過去に2度やりました。

立ち退き同様、難しい話なので先ずは現地を確認させて頂き、対策を提案する事にしました。

この家は一昨年、親から引き継いだ実家です。

ただ、私自身は今はマンションに家族と住み、実家を空き家となっている為、港区だし、出来る限り高い値段で売り、子供たちの教育費にしたいと思っていました。

その方が放っておくよりも、母親も喜んでくれると思ったからです。

大学を出て、すぐに一人暮らしを始め、30年以上住んでいなかったため、隣人との関係も希薄で、親の資産を管理していた信託銀行の担当者さんとずっとどうするべきか相談していました。

実家が再建築が出来ず、高い値段で売れそうもない事をその時、知りました。

これまで当たり前に売れると思っていたので、ショックを受けました。

今回の改善は相手あっての事だったので、正直うまく行くか分からない事と、過去にうまく行った事例があった事を説明しました。

1ヶ月ぐらいして、状況の改善と売却を私たちに任せて貰いました。

以下、相談者様との話で出てきた内容をまとめました。

1.実家の売却を決めた理由は?

接道部分の改善で再建築可能になった戸建て

今は子供が学校に行っていて、動けるタイミングではないので、一昨年、引き継いでいましたが、空き家のままにしてました。

ただ、空き家の雑草や室内の換気などの管理も大変なので、売却するか、銀行の人と話していました。

あと、相楽さんから『相続してから3年以内に実家を売れば、節税になる』と教えてもらったからです。

相続税は支払いましたが、正直、税金とか、これまで全く意識していなかったので。

東京はオリンピックに向け、不動産の価格はどんどん値上がりするから、売却を考えるのはもっと先で良いと思っていました。

だから、話しを聞いてみて、良かったです。

2.実家の売却に当たっての希望は?

ローンの返済で悩む男性

実家を売却して出来たお金でローンの返済や子供の学費に使おうと思っていました。

そのため、なるべく高く売って、現金を手に入れたかったです。

だから、実家が再建築不可だったり、簿価が分からないみなし簿価のルールとかを教えてもらい、結構ショックでした。

相楽さんから『再建築でき、ローンが利用できる家にして、高く売る』提案はすごく良かったです。

失敗しても、売れるまで費用が掛からないと言うのもお願いした理由です。

インターネットから一括査定にも申し込み、家の近くの不動産会社にも相談したんです。

ただ、『再建築不可だと、結構厳しい』みたいなことを言われ、放っておきました。

3.家の売却を進める上での不安や悩みは?

隣地との境界が近い戸建て

先ず、2年近く、空き家にしていたので、大丈夫かなと思ってました。

すぐに、大和田さんや馬場さん達が見に行ってくれ、建物自体には特に問題がなかったようなので、良かったです。

後は、再建築の所でした。

『隣地人がいくらで接道部分を売ってくれるのか?』

相楽さん達も心配していました。

・・・が、本当にいい人で良かったです。

他に、初めての不動産売却だったので、何がいつ必要なのか等、本当に分からず、契約や決済まで不安でした。

4.現地を調べてから、査定し、隣地人と交渉へ

越境など現地調査がみんなで

以下、実際に隣地の一部を購入できた流れです。

4-1.所有者さんと現地を即調査

確かに、道路と接道している部分が2mなく、それ以外に、隣の家との間隔も結構狭く、越境・被越境となっている部分がありました。

接道部分が2mないと再建築不可物件となり、住宅ローンが付かず、売買価格が大幅に下げられてしまいます。

4-2.一級建築士や港区役所に対策を確認

先ず、友だちの建築士と港区の道路課・建築指導課にも現地を調査してもらい、このままでは再建築できないことを確認しました。

次に、銀行にも状況を説明し、融資の可否を確認しました。

ただ、「隣人からの通行掘削とその承継の覚書を貰っても、融資の実行は出来ない」と言われました。

4-3.周辺相場から隣地の購入とその効果を計算

結果的に、このままでは市場と比べ、2,000~3,000万円ぐらい低い値段じゃないと売れないと分かりました。

そこで、隣人の方にお手紙で連絡し、事情を説明し、接道部分の一部買取を交渉しに行きました。

今回、運が良かったのは相談者のお母様と隣人は非常に仲がよく、相談者様の事もよく知っていたことです。

そのため、接道部分の間口が2mを越えれば、一般住宅として、堂々と売れる事を説明し、必要最小限の敷地を売ってもらえる事になりました。

4-4.土地家屋調査士による測量

土地家屋調査士の先生にお願いし、境界ポイントを参考に間口2mを維持できる事、そして、その面積などを測量し、隣地の分筆などを行いました。

費用などの詳細は控えますが、話しがまとまってからは比較的スムーズで必要な土地の購入やその登記も無事に終わりました。

正直、再建築不可物件を可能にするのは難しいことが多いです。

今回の様に、トントン拍子で行く事は少なく、隣人との約束が出来ないことが多いです。

特に、個人、隣人と仲の悪い場合などは不可能なことが多かったり、費用も時間も掛かります。

今回の様にうまく行くのは本当に稀です。

4-5.買主をどうやって見つけたのか?

間口を確保し、再建築可能な物件になり、一気に購入者を増やすことが出来た本物件ですが、ここから高く売るための工夫をみんなで話し合いました。

以下、具体的にやったことです。

  • 接道条件は弱いものの、港区で駅徒歩圏の物件のため、実際に住むだけでなく、貸したり、民泊にも利用できそうな雰囲気だったので、私たちが持つ10,000人の投資家リストに物件を直接紹介していきました。
  • このまま実家を使うのか、建て替えするか分かりませんが、室内の雰囲気が良くなかったので、相談者様に話、荷物を一部処分し、検討者が中を見ることが出来るようにしました。
  • 物件の情報だけでなく、投資家向けに周辺の家賃相場からいくらで貸し、どのような利回りを得ることが出来るのかシミュレーションを公開しました。正直、民泊運営時の収支はよく分からなかったので実際に麻布十番のマンションで運営したデータを参考のために開示しました。
  • 結局、7組の検討者が本物件を見に来てくれました。その時に、過去上手く行っている煽りを投資家向けにしていきました。具体的には、内見の時間調整や内見時にいくらなら決めてくれると伝え、同じ情報を内見した方には伝えていることを話しました。

結果的に、満額の買付が3本入り、融資特約のない買付を出してきた不動産業者に物件を売ることが出来ました。

まさか、業者が個人と同じ価格で買い付けを出してくるとはとみんなで話しました。

5.担当のコメント

相楽面談

現地を調査し、専門家に話を聞いた時には、再建築不可物件はどのような結末を迎えるんだろうと、正直、期待値の低い仕事でした・・・。

しかし、隣地人に手紙を書き、面談。

そして、思い出話が加速して行った時にはこれは行けると確信し、ガッツポーズでした。

友人の紹介でたまたま相談を受け、売却完了まで8カ月近く掛かってしまいました。

しかし、相談から調査、隣人との面談など沢山の幸運が重なり、契約、決済まででき、本当に運が良かったです。

ちなみに、今回のような不動産でも、3,000万円特別控除が使える場合があります。

もし、故意にしている担当者が居たら、相談してみて下さい。

税金が圧倒的に安くなるので、キチンと理解して、売却を進めた方が良いと思います。

不動産売却時の3,000万円の特別控除って?申請方法・条件を詳しく解説

5-1.都内でも管理できない空き家は増えています

親族がいない独り身の方が増え、空き家が増えているように感じます。

今回のような再建築不可だけでなく、使わず、物置化してしまった実家の対処について、過去10年間で20件以上、ありました。

都内だけではありませんが、どうする事も出来ず、放っておかれているケースが大半です。

リフォームして、賃貸に出したり、古民家付きの土地として、売りに出したり、様々です。

ただ、空き家をそのままにして、近隣とトラブルになったり、固定資産税のメリットが取り消され、税金が高くなってしまう事は避けた方が良いと思います。

念のため、相続税には申告が必要で連帯責任です。

今回のケースでは当てはまりませんでしたが、兄弟姉妹がいる場合、みんなで資産を分け、みんなで相続税を収める必要があります。

つまり、誰かが納めていない場合、代わりに収める必要が出てくることもあります・・・。

この辺り、気を付けて下さい。

5-2.仲介手数料の値引き

今回、色々と大変でしたが、ご紹介をうけた案件で5,000万円を超えるお取引になったため、正規の手数料では200万円近い金額となってしまう為、手数料は売買価格の2%と消費税で対応させていただきました。

私たちのような中小企業の弱いところですが、ゼロか、100かで全く無くなってしまうよりは少しでも売り上げを立てるべく、手数料を調整してしまいました。

次の取引では、もっとご満足いただける様、頑張りたいと思います。

5-3.空き家になった実家を含め、累計1,200件を超える住まいの相談

地方だけでなく、東京においても高齢化や相続が増えており、今後も私たちの強みを生かせる案件を丁寧に実行していきたいと思います。

相談件数の推移

2012年以降、これまで北海道の釧路から熊本の水俣まで、ほぼ全国対応で1,200件近い、住まいのお悩み相談を行って来ました。

そのため、自宅に関するトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。

あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。

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私たちの場合、たらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。

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また、同様に、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。

以下、空き家になった実家を測量し、火災保険を申請し、改修後、売却した事例です。

父親の介護で一緒に暮らすようになり、空き家になった実家を売却した事例

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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