不動産の売却を検討されている方へ、
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの相楽です。
不動産を売ったり貸したりすると、税務上で減価償却費という科目が関わってきます。
減価償却費は、売却していくら納税が必要なのか、いくら売却益が出るのかを試算する際に必要な科目です。
そこで今回は、不動産売却時の減価償却とはどのようなものか、計算方法や注意点を解説します。
1.不動産売却の際の減価償却とは?
では、不動産売却の際の減価償却費とは、どのように用いるものなのでしょうか?
1-1.減価償却費とは?
建物は長年使用していくことによって、価値が減少していきます。
この価値が、現在いくらになっているかを算出するものが減価償却費で、法定の指数を使って売却時点の金額を算出します。
1-1-1.取得費の計算に必要
減価償却費は、その建物を取得した際の経費である『取得費』の計算に必要です。
最終的には取得費をもとに、売却の譲渡所得税発生の有無とその金額出しを行います。
1-1-2.シミュレーションが必要な理由
不動産が売れる前から、このような計算のシミュレーションが必要になる理由は、最終的な売却益の試算が、売却の方針や確定申告を行うかどうかに影響を及ぼすためです。
売却したらおよそいくらで売れるかは、不動産会社の査定が必要となりますが、それ以外の要素はご自身で試算していくことも可能です。
試算した譲渡所得税や、その他の経費をもとに、不動産会社と売却についての方針を相談し、進めることとなります。
1-2.取得費と譲渡費
取得費とは、その不動産の購入および購入のためにかかった費用で、譲渡費とは売却するためにかかった費用のことです。
取得費と譲渡費は売却価格から経費として差し引いた金額で、譲渡所得税額を計算することになります。
1-2-1.取得費に計上できる費用
取得費は購入代金のほか、造成や外構の費用、購入時の仲介手数料や税金、住宅ローンの利息、資産価値向上につながるようなリノベーション費用などが計上できます。
減価償却費はこの取得費のうち、建物購入代金に適用されます。
1-2-2.譲渡費に計上できる費用
譲渡費は、売却時の仲介手数料、印紙税、登記手続き費用などが計上可能となっています。
1-3.譲渡所得税の計算
まず、課税譲渡所得を求めます。
課税譲渡所得=(売却額)-(取得費-建物の減価償却費-売却時の譲渡費)
続いて、譲渡所得税の計算式です。
譲渡所得税= 課税譲渡所得 × 譲渡所得税率
減価償却費については、次項で詳しく触れますが、譲渡所得税率は以下の通りです。
短期譲渡:税率39.63%(5年以内の所有期間)
長期譲渡:税率20.32%(5年を超える所有期間や相続による取得)
譲渡所得税は所得税、住民税、復興特別所得税の3つを合わせて徴収した合計の税率となっています。
2.不動産売却の際の減価償却費の計算方法
続いて、減価償却費の計算方法を解説します。
2-1.減価償却費の計算方法は定額法
減価償却費の計算方法には、定額法と定率法の2種類がありますが、通常は定額法を用いて計算します。
毎年同じ割合で償却していき、年々償却額が減る定率法に対し、定額法は毎年一定額ずつ償却していく計算法です。
建物のほか、平成28年以降に取得した付属設備や看板なども、定額法で減価償却費を計算することとなっています。
2-2.減価償却費の計算
2-2-1.定額法による減価償却費の計算法
定額法による減価償却費の計算法は以下の通りです。
減価償却費=建物購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
0.9を掛けている理由は、残存価格10%を控除する決まりのためで、どのようなケースであっても同条件で適用されます。
経過年数は、築年数や耐用年数ではなく、建物を購入してから売却するまでの年数を指します。
経過年数は端数6か月未満は切り捨て、6か月を超えると1年とカウントします。
償却率は建物の構造によって設定が変わり、以下の通りになっています。
木造=償却率0.031:法定耐用年数33年
軽量鉄骨=償却率0.025:法定耐用年数40年
RC造・SRC造=償却率0.022:法定耐用年数47年
ここに挙げる数値は、賃貸経営の経費で定められているものとは異なるため、ご注意ください。
2-2-2.計算例
では、「RC造で購入価格が3,000万円、所得年数10年、譲渡価格が2,500万円」というケースの減価償却費を計算してみましょう。
まずは、残存耐用年数を「残存耐用年数 = 法定耐用年数ー(経過年数×0.8)」で算出します。
47年-(10年×0.8)=39年
国税庁が定めた定額法の償却率法で、耐用年数39年の償却率は「0.026」のため、減価償却費は以下のようになります。
3,000万円×0.9×0.026×10年=702万円
このように、取得費を算出する際には、建物の代金の手数料などを調べて購入価格を決め、減価償却費を引きます。
2-3.確定申告を行うかの判断
以上のように譲渡所得税の納付が必要となる場合は、売却した翌年の2月15日から3月15日の間に確定申告を行って税金を納めます。
計算の結果、譲渡所得が0やマイナスの場合は確定申告の義務がなくなります。
しかし、計算の結果や、住宅ローンの残りなどの影響でマイナスになる譲渡損失の状態の場合、損益通算が行われるため翌年の所得税や住民税が安くなります。
また、譲渡所得税には3,000万円の特別控除などの特例があり、それらの適用を受ける場合も確定申告が必要となります。
3.不動産売却の際の減価償却費の注意点
減価償却費の計算をする際に、注意するべき点を紹介します。
3-1.土地と建物の価格按分に注意
土地は年月が経っても価値は減らないため、減価償却の対象になるのは建物だけです。
ところが、購入時の価格は土地と建物を合わせた価格しか表示されないため、そこから建物の価格を計算する必要が生じます。
3-1-1.平成元年4月以降に取得した建物の場合
平成元年4月以降に取得した建物の場合、時期によって3%、5%、8%、10%の消費税が加算されているため、以下の計算で建物価格を計算することができます。
建物価格=消費税額÷取得当時の税率+消費税額
また、消費税を参照できない場合、国土交通省発表の建築年の標準建築単価(1㎡あたりの建築価格の平均値)に占有面積を掛けた金額を使用できることになっています。
3-1-2.固定資産税評価額から計算する場合
このほか、固定資産税評価額から計算する方法もありますが、計算が複雑なため、専門家に依頼することをおすすめします。
3-2.取得費はなるべく正確に
取得費は、物件購入時の価格や諸経費を出すため、昔の領収書を探して見つけるなど、正確な金額を求めるのは大変な作業です。
この取得費が分からない場合、売却額の5%相当額を取得費として計上することができます。
しかし、取得時期や物件価値によっては、非現実的な低い金額になってしまうためご注意ください。
この場合、当時仲介を行った不動産会社や、建築業者、造成を行った建設会社などに依頼してみましょう。
記録が残っていれば契約書のコピーや領収書の再発行をしてもらえる場合があります。
3-3.譲渡損失は還付や損益通算を受けられる
前述のように、売却益がマイナスになって譲渡損失が生じた場合、、サラリーマンの方は源泉徴収から所得税や住民税などの還付を受けられ、確定申告でも損益通算は適用できます。
譲渡損失は4年間にわたって損失を吸収することができるため、所得税が発生しなくても、確定申告をして節税しましょう。
4.今回まとめ
不動産売却の際の減価償却とはどのようなものか、計算方法や注意点を解説しました。
4-1.まずは専門家に相談を!
スムーズでご希望に近い不動産売却のためには、専門知識に基づいた検討の上、さまざまな手段の中から方針を決めて進めるのが良いです。
4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ
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