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賃貸マンションの自宅で個人事業主が開業届を出す時の注意点とその理由とは?

青色申告による65万円の特別控除、最大3年間の損失の繰り越しによる節税効果や会社名での銀行口座の開設等メリットがある開業届。

メリットの多い開業届ですが、賃貸の自宅で開業届を出す時の注意点は?また、なぜ注意するべきなのか?などの疑問を持ったことがある個人事業主の方は多いはずです。

実際、注意点を知らず、「賃貸している自宅で開業届を出してトラブルになった」という事がありました。開業届を出し、ポストに法人名のシール、お部屋で登記申請を行い、管理会社やオーナーにバレてしまい、すべて解消することになっていました。

今回は、FP2級所持者の馬場と共に、以下の点を中心に考えていきます。

賃貸の自宅で、個人事業主が開業届を出す時の注意点」と「なぜ注意するべきなのか?

これを読むことで、あなたは注意点を知らずに「賃貸している自宅で開業届を出してトラブルになる」のを避けることができます。また、『個人事業主が自宅で開業届を出すことができる賃貸物件の探し方』も紹介しているのでお部屋を決める前に確認してください。

1.賃貸の自宅で、個人事業主が開業届を出す時の注意点

あなたが賃貸している自宅で開業届を出そうとしているのなら、1つだけ注意しておくべきことがあります。それは『賃貸の自宅が事務所での利用を許可している物件なのか、契約書で事前に確認すること』です。

なぜ契約書で確認する必要があるのかと言うと、賃貸物件の多くは事務所での利用を禁止しており、無理に開業届を出すとトラブルの元になりかねないからです。

2.賃貸の自宅で、個人事業主が開業届を出すことを大家さんが嫌がる理由

先ほど書いた通り、賃貸物件の多くは事務所での利用を禁止しています。では、なぜ賃貸物件には事務所利用が禁止されている物件が多いのでしょうか?

それは、大家さんに賃貸物件を事務所に使われたくない理由があるからです。大家さんが賃貸物件を事務所に使われたくない理由は以下の4点です。

 建築基準法の問題

 消防法の問題

 税金の問題

 不特定多数の出入りの問題

それぞれの理由を細かく説明していくので確認してみて下さい。

2−1.建築基準法の問題

まず、建築基準法に定められている用途地域の問題です。住居は工業地域以外どこでも建てることができるのですが、事務所には制限があります。

そのため、賃貸物件の建っている用途地域によっては、借主が開業届を出すことで建築基準法違反になってしまう可能性があるのです。

2−2.消防法の問題

消防法の観点からも問題点はあります。問題点とは、住居での使用用途と事務所での使用用途では消防局の完了検査時のチェックリストが違うことです。

ここでは、専門的な細かいことは除きますが、借主が開業届を出すことで使用用途が変わってしまい、消防法違反になってしまう可能性があります。しかも、建築基準法とは違って、こちらは罰則があるので、大家さんが神経を尖らせるのも無理はありません。

2−3.税金の問題

大家さんにとって1番重要な点は税金の問題です。住宅と事務所では「固定資産税」や「消費税」の面で大きく違い、通常事務所の方が住居より高くなります。そのため、借主が開業届を出すことで大家さんが大損をする可能性があるのです。

2−4.不特定多数の出入りの問題

最後に、最も重要なのがセキュリティ面です。大家さんは事務所が賃貸物件の中に出来てしまうと、不特定多数の来客があると思っています。そのため、セキュリティ面を気にして事務所の利用を禁止している大家さんも少なくありません。

3.個人事業主が自宅で開業届を出すことができる賃貸物件の探し方

上記のように、賃貸物件で開業届を出すのは多くの問題が発生します。しかし、自宅で開業届を出すことができる賃貸物件を探すことは不可能ではありません。

そこで、ここからは自宅で開業届を出すことができる賃貸物件の探し方をご紹介したいと思います。

3−1.事務所利用があらかじめ認められている物件を借りる

1番簡単なのは最初から事務所利用が認められている物件に引っ越しをすることです。この方法なら、大家さんも事務所での利用を想定しているため、トラブルになることはありません。

特に、あなたが不特定多数の来客がある業種をされているのなら、最初から事務所利用可能の物件を借りることをおすすめします。

3−2.経験豊富な不動産屋に交渉してもらう

最初から事務所利用が認められている物件は少なく、あなたが気に入る物件がない可能性もあります。その場合は気に入った物件の大家さんに交渉するのが一番です。

実は、先ほど書いた『賃貸物件で開業届を出した場合に起こる多くの問題』は自宅で1人で作業するような業種、例えば、プログラマーやデザイナーなどは問題にならないことがほとんどです。このケースは大家さんにとっての懸念材料も少なく、許可される可能性も高くなります。交渉してみる価値はあるので挑戦してみて下さい。

特に、地元で経験豊富な不動産屋に交渉してもらうのがおすすめです。地元の経験豊富な不動産屋だと、大家さんとの人間関係があることも多く、その辺りの交渉にも長けているので力になってくれると思います。

3−3.今、住んでいる場所で開業届を出したいなら大家さんと交渉する

あなたが既に住んでいる賃貸物件で開業届を出したい場合は、住んでいる賃貸物件の大家さんに直接交渉するのが良いと思います。ただし、すでに住んでいる賃貸物件の大家さんに交渉する場合は、自分で交渉する必要があるので頑張ってください。

4.まとめ:賃貸の自宅で、個人事業主が開業届を出す場合は大家さんの許可が必要

賃貸している自宅で個人事業主が開業届を勝手に出してしまうと、郵便物の受け取りなどでポストへの表記が必要になり、自宅の事務所使用が発覚し、後々トラブルになりかねません。どうしても、あなたが賃貸している自宅で開業届を出したいのなら、必ず大家さんの許可は取るようにしましょう。

もし、大家さんの許可を貰えなかった場合は、事務所として使用する許可を貰える物件に引っ越しを検討してみてください。その際は、経験豊富な不動産屋に相談するのがおすすめです。事務所として利用可能で、あなたの気に入る物件を必ず見つけてくれますよ。

5.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト

考え込んでいる女性

これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。

もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。

□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい

もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。

また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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【元弁護士と考える】シリーズ、告知義務の必要な事故物件を選ばないための賢い対策他

>>【元弁護士と考える】事故物件を契約する前の告知義務?その確認方法や注意点は?

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その他、事故物件に関する記事はこちらです。

>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その1)

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>>事故物件を紹介されたりしないかと不安で・・・

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相樂 喜一郎

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相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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