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こんにちは、不安をゼロを目指す(株)リビングインで、どうしても一言多くなってしまう宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーの馬場です。
これまでの経験から家賃10万円を越えてると床材の質が上がり、ふかふかするクッションフロアからフローリングを使った部屋が増えてきます。最近はリノベーション時にワックス加工されていない床材を使うケースもありますが、一般的な部屋ではワックス済みのフローリングが大半です。
ここでは、退去時にフローリングに傷、へこみ、汚れ、変色、カビ、腐食等で補修費を請求された事例と補修費の請求を抑えるための対策をご紹介していきます。
1.フローリングに傷などがあると、補修費は必ず請求されるのか?
先ほど書いた通り、高額なマンションでは床にフローリングが使われています。居室がカーペットなどであっても、キッチンやトイレ、廊下などがフローリングであるケースは多いです。いざ退去するとなったとき、このフローリングに傷、へこみ、汚れ、変色、カビ、腐食などがあると、補修費用は請求されるのでしょうか?
原状回復費用はもめるケースが多く、多くの方が気にすることだと思います。この問題についてはケースバイケースで、請求されるものもあれば、請求されないものもあります。通常、賃貸マンションを退去するときは原状回復といって、お部屋を借りたときの状態に戻す必要があります。原則として、以下のような負担区分になっています。
貸主負担:経年劣化や通常使用の範囲で生じた汚れ・傷などの補修費用
借主負担:借主の故意・過失によって生じた汚れ・傷などの補修費用
フローリングについても例外ではなく、故意・過失によって生じた傷、へこみ、汚れ、変色、カビ、腐食などがあれば、その補修費用を請求されることになります。タバコの跡や雨が降り込んで床材がめくれている場合も借主の不注意の為、負担になります。
2.貸主負担となると借主負担となるそれぞれの具体例
ここからは過去の管理経験から貸主負担となるケースと借主負担となるケース、具体的にどのようなものがあるか、見ていきます。
2-1.貸主負担となるケース
・タンスや冷蔵庫など家具の設置によりできたへこみ
・太陽光による変色
・通常歩行による色落ち
・地震や噴火など自然災害によりできた傷や汚れ
2-2.借主負担となるケース
・引越し作業でできた傷
・大きい物、重い物を落としてできたへこみ
・こぼした飲み物を放置してできたカビ・腐食
・落書き
・タバコの焦げ跡
・ペットがつけた引っ掻き傷
・雨の降り込み
なお、貸主負担と借主負担の線引きは曖昧なところもあり、原状回復工事関連のトラブルが少なくなく、私たちも費用単価やそれの項目があっているかを確認してほしいと相談がかなりあります。個人的にはその多さから社会問題レベルだと思っています。分からないまま、支払っているケースも相当数あると思います。
参照:国土交通省
もし、疑問や不安などがある場合、国土交通省が裁判所の判例を基に作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にしてみて下さい。原状回復工事の特殊事例や個別の相談はもちろん、私たちも受け付けています。
3.本来支払う必要のない補修費を請求されないための対策
下記のようなことから、入居する前から、フローリングに傷などがあるケースもあります。
・本当は前入居者さんがつけた傷だけど、退去の際、貸主さんがそれに気づかなかった
・お部屋のリフォーム中に、業者さんが傷をつけてしまった
・自分が契約をする以前に、お部屋の下見をした方が傷をつけてしまった
当然ながら、この分の補修費用は借主が負担する必要はありません。入居する前から、フローリングに傷などがあれば、証拠となるよう、内見時又は引っ越す前にスマホやデジカメなどで写真を撮影し、不動産会社にメールで送って下さい。契約に当たって、特約に追記してくれる会社もあります。
また、小さな傷であっても、生活しているうちにだんだんと大きくなっていくことも考えられます。貸主さんにその旨を伝えて、引越しをする前までに補修しておいてもらえないか、かけあってみても良いと思います。
4.床になるべく傷や汚れなどをつけないための対策
引越しが終わった後、下記のように傷や汚れなどの防止対策をしておくと良いと思います。
・キャスター付きのイスを使うスペースに、カーペットを敷く
・ペットの居住スペースに、専用のマットを敷く
・重い家具は、床に直接置くのではなく、緩衝材を挟んで置く
そもそも傷や汚れなどがなければ、補修費用について悩む必要もないですし、トラブルに発展することもありません。傷や汚れなどを防止するグッズは東急ハンズ他色々なホームセンターや100円ショップなどに置かれています。今は便利で安価なグッズがたくさんありますので、ぜひ活用してみてください。引っ越すだけでもお金が掛かるのでムダに工事代を負担しないためにこまめな対策が大切です。
5.退去時にフローリングの補修費は請求されないために
今回はトラブルの相談が多い、退去時の床材の補修費用について、賢い対策方法について、説明しました。引っ越す際に部屋探し、引っ越し業者の調整他色々な作業や手続きがあるので、細かいところまで見てられません。そのため、入居時にキチンとどのような現状で入居したのか、そして入居期間中に傷をつけないための対応は本当に大切です。以下、今回のポイントをまとめたものです。
- ”家具の設置によりできたへこみ”、”太陽光による変色”、”通常歩行による色落ち”など、経年劣化や通常使用の範囲で生じた分の原状回復費用は貸主負担
- ”物を落としてできたへこみ”、”こぼした飲み物を放置してできたカビ・腐食”、”タバコの焦げ跡”など、借主の故意・過失によって生じた分の原状回復費用は借主負担
- 本来支払う必要のない補修費を請求されないよう”証拠写真”をとっておく
- そもそも補修自体が発生しないよう、引越し後、傷や汚れなどの防止対策をしておく
6.無料で今すぐダウンロードできる引っ越しの手順チェックリスト
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。年末に引っ越し前後のの手続きを他社のチェックシートを含め、オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートをリニューアルしました。
部屋探しや引っ越しで不安な場合には、こちらのシートを担当者に送り、お部屋や手続きに問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
その他、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法を建築士さんにレクチャーしてもらいました。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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