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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのお悩み相談・提案を担当している不動産鑑定士補兼住宅ローンアドバイザーの相樂です。
これまで300件近い方の住宅ローンの返済相談を受けてきて、「頭金なしで自宅を買ったのがダメだったのでしょうか?」と聞かれることがあります。
インターネットや雑誌を読み、『頭金なし』が悪者の様に扱われている事があります。
しかし、僕はそう思いません。
というのも、貯金を含め、手元に現金を持っておくことは万が一の時に役に立ちます。
特に、長期に渡る自粛を余儀なくされた2020年、2021年は手元資金が本当に大切で、これが無かったために生活が苦しくなり、住宅ローンの返済を滞納している方が多くいました。
そのため、大切なことは、『頭金なしでも毎月キチンと生活でき、返済を続ける事が出来るかどうか』です。
ただ、債務や資産の整理を行っていく中で、今は戸建てより、マンションの方が人気があり、売却がうまく行きやすいのは事実です。
つまり、万が一、売却する事になってもマンションの方が価値が落ちていない事が多いです。
1.まず、マンションが戸建てより、値持ちがいい理由を説明します。
1-1.戸建てはマンションより個別性が強く、査定が当てにならない
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
以前、査定価格は信用できないのページでも説明しましたが、上のグラフのオレンジの棒を見てもらうと分かる通り、乖離率が20%あります。
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
上の2つのグラフを見てもらうと分かりますが、マンションより戸建ての方が成約価格と査定価格の乖離が大きくなっています。
マンションはその個別性の少なさから、成約価格と査定価格の乖離率は2012年以降、査定の精度が上がり、5~10%程度になっています。
そのため、戸建ては売却まで時間が掛かったり、売出価格も何度か調整する必要が出てきます。
ただ、現金化を急いでいない場合には、なるべく高い値段から売出し、段階的に値段を下げ、成約させる方が手残りの最大化を図れると思います。
1-2.資産価値は戸建てよりマンションの方が落ちにくい
都市計画で用途や建築物が決められている関係上、近くや敷地内に買い物ができる施設があるマンションは生活利便性が良く、その希少性から戸建てと比べ、資産価値が下がりにくいです。
最近は駅直結のマンションも出来てますし、その希少性は資産価値に大きく影響します。
そのため、もし、ご自宅を売却することになってもマンションは購入価格から下落が少なく、うまく行くことが多いです。
一方、戸建てで駅直結はなく、希少性を担保するのは本当に難しいです。
例えば、有名な建築士が設計した等のインパクトが必要になってくるため、購入価格が上がってしまいます。
そういった意味では、同じ規格の建売住宅などは希少性が少なく、相場が上がらない限り、一般的には下落基調です。
1-3.マンションの方が管理が楽で高齢者に人気
戸建ての方が人気のある時期もありましたが、最近はマンションも人気があります。
なぜなら、高齢化にともない植栽や除雪を自身でやらなくていいマンションは人気が出てきたからです。
今後、さらに高齢者が増え、クリーニングや料理など生活に必要な代行サービスが増えるため、マンションの優位性は揺るがないと思います。
残念ながら、高齢者の方がお金を持っている為、高齢者が好むマンションは他の高齢者の購入検討に入るため、自然と価値が落ちません。
1-4.都市計画の影響で駅や役所など施設に近い
記述の都市計画による制限のため、マンションの方が商業地域に建てられる傾向が強いです。結果的に、商店街など繁華街にも、マンションの方が戸建てより近いのが一般的です。
一方、戸建ては商業地域から離れた住宅専用地域に作られることが多く、一般的に駅や役所から離れることが多く、その違いが今後さらに価格の違いが顕著になってくると思います。
それでも、戸建てをスムーズに売却する為に出来る事としては、以下の事が考えられます。
2.戸建てをどうやって高く売るか、対策を考えます。
耐用年数が22年の木造と47年の鉄筋コンクリート造の建物では木造の方が価値が落ちやすく、マンションと比較して、再販時の価格が落ちやすい戸建てをいかに高く売るか、これまでの経験を踏まえ、説明していきます。
2-1.購入希望者の内見では、生活感を極力出さない
*住みながら売却を希望しているお客様向けに作っているフルCGのリビングです
引っ越し後に売却活動を行う又は住みながら売る場合でも、室内を少し整理するだけでも購入者の印象が大きく変わり、価格に反映されます。
ちなみに、慣れてしまって、あまり気にならない方が多いですが、臭い等も大きく印象を変える為、お部屋の内見時にはスリッパやメジャーだけでなく、芳香剤などもさりげなく持って行く、玄関に置くようにしています。
*住みながら売却を希望しているお客様向けに作っているフルCGのリビングです
他にも、弊社ではオンラインでの反響数を増やすため、ご自宅のフルCGを作成し、インターネットなどに掲載し、購入検討者からの問い合わせを増やしてきました。
2-2.不動産業者に買い取ってもらう
施設に入る又はどうしても急いで引っ越す場合には、業者の買取価格は相場より2~3割安くなってしまいます。
しかし、建物の不具合の有無に関係なく、周囲にバレず、時間や手間を省けるため、有効だと思います。
ただ、残念ながら、私たちは売主の経済的な損失の為、現在、買取はしていません。
他の不動産業者に物件を紹介し、高い値段を出した数社にオークション形式で買取をしてもらっています。
実際、茨城県日立市や群馬県前橋市、埼玉県和光市でこのやり方で相談のあったご自宅の売却を行っています。
もし、買取を使った、早く・高くを目指した不動産売却に関し、ご興味のある方はLINE公式やメールでご連絡下さい。
先ず、スケジュールや費用をご説明いたします。
ちなみに、戸建ての場合、土地が周辺の建物と比較し、広かったりすると、意外と高い値段が出る場合があります。もちろん、立地によりますが・・・。
2-3.更地にして、売りに出す
東京や首都圏など需要があり、流動性が高い地域では更地化の費用を掛けた分、メリットがある事が多いです。
しかし、郊外や地方都市では、流動性が低く、売れるまで時間がかかる事が多く、雑草や虫がわき、トラブルになったり、税金も戸建てがある時と比べ、6倍になってしまいます。
そのため、個人的には費用を掛けず、建物があるまま売りに出し、更地にするかどうかは買主が決めるスタイルの方がいいのでは?と思います。
3.頭金なしが危険でもマンションより戸建てが良い方へ
ここまで資産価値の観点や売却時の対策などでマンションの方が戸建てと比べ、資産価値の圧倒的な下落を防げる理由を説明してきました。
そのため、売却時の資産価値を重視される方には、マンション>>戸建てとお勧めしています。
3-1.戸建ては隣人トラブルに強い?
ここまで、マンションのいいところを中心に説明してきましたが、子育て中の方やベランダ喫煙、隣人・騒音等の住まいのトラブルをどうしても避けたい場合には、戸建ての方がおすすめです。
でも、万が一、住宅ローンの返済が困難になり、自宅を売却しても返済が続く人生を絶対に避けるためには、戸建ても新築より、中古を購入する事で資産価値の大きな下落を防ぐことができます。
と言うのも、戸建てで築20年以上経っていると、建物の価値はほぼゼロですが、土地の価値はそこまで下がらないからです。
残念ながら、郊外や地方都市では既に地価の下落が起きていますが、10年、20年掛け、落ち着きつつあります。
3-2.『中古』になった戸建は狙い目
そのため、ここから価値が全く無くなる様な事は考えづらく、相場が形成されつつあります。建物や土地の価値に関するロジックを理解している方には、中古住宅をお勧めしています。
先ず、新築プレミアムが無くなるだけで価格は10~15%程度落ちます。みんな、新築が大好きです。
そのような戸建てを上手に買っていると、万が一、売却する事になってもそもそも住宅ローンが高くない為、損失が少なく、かつ残っている住宅ローンを完済できるような価格で売れるケースが多いのが実情です。
例えば、2,000万円の戸建てであれば300万円前後、3,000万円のこだてであれば、400万円前後違ってくると思います。
正直、結婚を機に自宅は新築にこだわる方がまだまだ多いですが、中古住宅を購入し、自身でリフォームすると言う方が、毎月の返済を押さえることができ、安心して生活できると思います。ちなみに、2011年に買った私の自宅も築20年の木造です。
頭金なしで自宅を購入するなら、マンションか、中古の戸建てだと思います。
4.ライフプランや住宅ローンの完済年齢を踏まえ、不動産を探したい方へ
私たち、アリネットは2012年のスタート以降、オンラインを含めた面談を行い、お客様の状況や希望にあった不動産を一つ一つ丁寧に紹介するオーダーメイドなスタイルを取ってきました。
特に、2018年以降4年間は誰でもなんとかなったアベノミクスが終わり、次の五年、十年は『購入にあたって、街のストーリーが大切になる』と信じ、活動しています。
ご自宅をただ紹介するだけでなく、あなたのライフプランにあったストーリーに沿った物件をご紹介しています。
単にタワマンブームに乗ったやり方だけでなく、東京の再開発や新駅・延伸、道路拡張の好影響を利用し、成果が出るまで10年、15年と時間が掛かります。
しかし、私たちに関わった方には、再現性の高い物件選択の方法をいち早く取り入れて頂き、着実な成長と返済の確実性が高い住宅を購入して頂きたいと思っています。
以前、40歳以上の方向けに住宅ローン返済に向けた計画の大切さをまとめました。こちらも併せて、ご確認下さい。
>>無料面談の予約やご質問はこちらのページより、ご連絡下さい。
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