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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。
先日、性格の不一致を理由に離婚を考えている男性から相談を受けました。
離婚後、3年前に買ったばかりのマンションが要らなくなるので、上手に売りたいと話されていました。
>>念のため、離婚成立前に自宅を売るか?成立後に売った方が良いか?実務経験を基にこちらのページにまとめています。ご確認ください。
離婚が理由での不動産売却は一般的な売却を比較して、交渉事が多く、不動産会社によっては面倒だからと、受けてくれない事があります。
そこで、離婚と共に、今のお住まいを売却しようと考えている方向けに、離婚時の自宅売却の難しさや注意してほしい点を今回はまとめました。
以下、この記事のハイライトです。
- 離婚が理由の不動産売却は、タイミングや話し合いを進める難しさに注意
- のちのちのトラブルを避けるために、離婚協議書を作成して決定事項を記載しておく
- 離婚が理由での不動産売却に強い不動産会社へ相談することがおすすめ
離婚がきっかけで不動産売却をおこなう際、ほかの理由による売却とは異なる、気を付けるべき点があります。
今回は、離婚時の不動産売却とはどのようなものか、一般的な不動産売却との違いを解説します。
もし、東京や埼玉、神奈川など関東圏でご自宅をどうしようか悩まれてる方、LINE公式やメールでお気軽にご連絡下さい。
無料相談では、これまでの経験を踏まえ、離婚時とお金にまつわるトラブルを含め、売却に向けたポイントをかいつまんでご説明いたします。
1.離婚時の不動産売却の違い~一般的な売却との違い~
それではまず、不動産売却が一般的にどのようなものかを見ていきます。
1-1.不動産売却の一般的な理由とは?
個人が所有する土地を売却する件数は、2019年で全体の約63%あり、法人の取引よりも多いのが現状です。
このデータから、個人が不動産売却をするケースは意外と多いことが感じられます。
その動機となっている事柄は、大きく分けて下記の4つに分類できるといえます。
- 家族の希望や生活スタイルの変化に伴う不動産売却(急がずじっくり売却)
- 相続した物件や不要な物件の売却(協議は急ぐが、売却は急がない)
- 転勤や転職での生活圏の変化に伴う不動産売却(売却を急ぐかはケースによる)
- 離婚や経済困窮など、生活の立て直しを理由とする不動産売却(急いで売却したい)
不動産を売却する際に、この「どの程度急ぐか?」というのは、売却活動のあり方に大きな違いを生みます。
急いでいると買主に対して、弱い立場になる事から、金額やもし住み続ける場合には家賃などにも関係してきます。
1-2.離婚時の不動産売却とは?
離婚の際の不動産売却は、「できるだけ早くさまざまなことを整理をして、新しい生活に集中したい」という心理が売却を急がせます。
私たちは男性と面談することが多いですが、この考え方が本当に強いです。仕事もあるし、次の生活があるので、当たり前だと思いますが・・・。
また、後述の財産分与の問題もあり、所有している不動産は売却して現金化し、財産を分けやすい状態にしたいと考える方も多くいます。
現代は3組に1組が離婚をする時代といわれ、上記のような事情で不動産売却を検討する人は本当に珍しくありません。
都内だと、あまり大きな問題にはなりませんが、離婚に伴い、不要になった自宅の売却で住宅ローンが絡んでくると面倒な事になります。
というのも、売却はローンによる抵当権を外せないと出来ないからです。
自宅の価格>住宅ローンの残り(アンダーローン状態)なら問題ありません。
一方、自宅の価格<住宅ローンの残り(オーバーローン状態)だと、より専門的な知識や経験が必要になり、一般的な不動産会社さんでは取引、出来ません。
次に、もうちょっと、詳しく説明します。
1-3.住宅ローンの債務は?
結婚をして住居を購入する際、住宅ローンを組むケースが多くあります。殆どの方がそうだと思います。
ここで問題になるのは、住宅ローンが残った状態で住居を売却したい場合、どのように売却するのが賢いか?ということです。
『離婚する際に、最終的に残った債務をどちらが、どのように返済するのか』は、問題になりやすいポイントです。
もし、詳しく聞きたい、自分の場合、どうなのかを知りたい場合には私たちのLINE公式やメールからご連絡を頂ければ、24時間以内に回答させて頂きます。
2.離婚時の不動産売却の違い~一般的な売却との違いが生じる理由~
ここまで色々と書いてきましたが、離婚が理由での不動産売却と一般的な売却の違いは、その相違点がトラブルの基になりやすいことです。
それでは、離婚時の不動産売却でどういった点が問題になりやすいのか、くわしく見てみましょう。
2-1.自宅の名義の問題
不動産の名義やローン支払いの名義が共有名義である場合、離婚後の不動産の所有権やローンの支払いについて、夫と妻の双方が納得する結論を出すことが難しいケースがあります。
殆どの離婚問題に伴う相談がこの問題です。
いきなり片づけることが出来ないので、各所に交渉し、打開点を模索していく必要があります。
自宅の名義を夫婦のどちらか一方にしてどちらが住み続けるのか、名義は分けないまま売却して現金を分けるのかなど、話し合うべきポイントが多く、意見が割れて話し合いが長引くことも。
生活する場所を手放すかどうかという点においては、子どものいる夫婦だと、子どもの親権や養育費の話にもつながってきます。
そのため、名義に関しては単純に住居をどのように手放すか?ということだけに留まらない問題なのです。
2-2.タイミングの問題
離婚のときの不動産売却のタイミングを考えることが本当に重要です。
もし、離婚前に売却しようとすると、できるだけ早く売るために売却価格を低めに設定することになったり、そもそもローン残債が売却益で相殺しきれないため売却自体が難しくなったりすることがあります。
一方で、離婚後に売却を進めようとすると、コミュニケーションが不十分になりやすく、2人でおこなう必要のある意思決定や手続きが長引いて、かえってトラブルになるケースもあります。
>>念のため、離婚成立前に自宅を売るか?成立後に売った方が良いか?実務経験を基にこちらのページにまとめています。ご確認ください。
私たちは間に入って、売却に向けた取引を行う事が多いですが、LINEやメール、電話でそれぞれに状況報告を行うので、本当に神経がすり減る作業になります。
こういった場合、通常の売却という手段以外にも、ローンの残債が多い場合には売却益と自己資産を組み合わせてローンを返済できる「任意売却」など、ケースに応じたさまざまな選択肢を検討することも重要になってきます。
離婚の場合は、2人の関係性やさまざまな要因が絡み合うため、ケースに合わせた売却のタイミングや方法を、不動産会社の専門的なサポートを受けて検討することをおすすめします。
もちろん、私たちにご連絡を頂けると嬉しいですが、お近くの不動産会社に話してみるのもありだと思います。
専門的な知識がある所なら、離婚に伴う自宅の売却と住宅ローン編成に伴う任意売却をセットで対応してくれる可能性があります。
2-3.翌年の確定申告時に来る税金の問題
住居を売却して出た利益を「譲渡所得」といい、そこに「譲渡所得税」という税金が課税されます。
そのため、売却して利益が出た場合は、その翌年に確定申告をする必要があります。
また、譲渡所得税を含む所得税や住民税を節税するために特例を受ける際や売却して赤字になった場合、ローンが残っている場合も、確定申告が必要となります。
この辺りはサラリーマンの方は確定申告が簡単なので、自宅や不動産を売却した場合には積極的に申告しておいた方が良いと思います。
特例とは、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」や「3,000万円特別控除」、「譲渡損失の特例(損益通算)」などです。10年以上の長期保有時には「6,000万円までの軽減税率」等もあります。
なお、特例などの行政の制度は、期限があるものが多いため、活用する際は事前に調べておきましょう。
3.離婚時の不動産売却の違い~財産分与が必要~
ここまでご説明したことに加え、離婚時の不動産売却を特徴づける最大の問題は、財産分与です。
>>念のため、離婚時の財産分与で家を売らないでいい場合とは?を注意点と共にこちらのページにまとめています。確認して下さい。
3-1.財産分与とは?
婚姻中に夫婦が共同で取得した財産は、夫婦の共有財産として財産分与の対象になり、その割合を、原則として2分の1ずつで分けることとなります。
これは、不動産が共有名義であったとしても、その持分割合とは関係なく2分の1ずつということです。
なお、車や家具家電など住居以外の財産も半分にしていく必要があります。
もちろん、個々の財産についてお互いの合意があった場合はこの限りではありません。
しかし、どちらかに不平等感や不満があると、のちにトラブルの原因になりやすいので気を付けて下さい。
まとまったと思っても、次の日覆された事もありました。
3-2.どのように分けるか?
自宅に関しては、おもに「売却する」「1人が所有する」「当面2人で所有する」のいずれかになります。
1人が所有すると決めた場合、所有しないほうに不動産の価値の半分となる金額を支払うという方法があります。
また、売却してもローンを返済しきれないオーバーローンの状態の場合は、その債務は2人で分けてそれぞれ支払っていくのが一般的です。
ちなみに、この場合、財産分与はありません。
自己資金でローンをどのように返済していくかを金融機関へ相談する前に、売却見込み価格がいくらになるのか不動産会社へ査定を依頼し、任意売却を含めた方針を考えることもおすすめします。
と言うのも、相談に行っても結局、価格を聞かれたり、このまま残っていると、次に自宅を購入する時にローンが組めないことが一般的です。高給の方などは稀に組めることがあります。
一応、面倒ですが、不動産を単独所有とする場合も、売却する場合も、あとからトラブルにならないように、2人で決めた内容を離婚協議書として公正証書で作成しておきましょう。
3-3.共有名義や連帯保証の対応は?
不動産が共有名義であったり、連帯保証を組んでいたりする場合、離婚後にどちらか1人が不動産を所有し続ける際に、問題になることがあります。
去年あったケースだと、元夫の名義で元夫がローンを支払い、元妻が住居に住み続けるケースで、元夫がローンを支払えなくなったことがありました。
なお、この場合、連帯保証人になっていた元妻は銀行から返済を求められたり、退去しなければならなくなる可能性があります。
共有名義で組んだ住宅ローンは、返済能力の観点からそのまま単独名義に切り替えることは難しい場合が多く、その場合はローンの借り換えも難航します。
同様に、返済中に連帯保証を外すのは難しいため、支払っている側のローン返済が滞ると、連帯保証をしている側には返済の義務が生じてくるのを避けられません。
また、「当面2人で所有する」と決めた場合のリスクとして、2年が経過すると財産分与の請求の申し立てができなくなります。
そのため、お忙しいところ、面倒だと思いますが、重要なことは事前に決め、絶対に書面で残して下さい。
4.離婚時の不動産売却とは?一般的な不動産売却との違いまとめ
今回は、先日あった相談を基に、離婚時の不動産売却とはどのようなものか、一般的な不動産売却との違いや、重要なポイントとなる財産分与について解説しました。
自宅の売却を離婚前にするのか、離婚後にするのかは、状況によって異なるため、離婚問題に強い不動産会社に相談し、検討することが望ましいといえます。
諸条件の交渉を含め、離婚が理由で不動産売却を検討されている方は、私たち、アリネットまでご相談下さい。
私たち、アリネットでは離婚を切り出された男性の為、いかに手残りを増やすかに着目し、ご自宅周辺にある、30社以上の不動産会社にヒアリングを行い、ご自宅の無料査定を行っています。
これにより、ご自宅の査定結果と住宅ローンを比較し、どのように動くべきか判断することが出来ます。
もちろん、これまでの経験や相談を踏まえ、覚書や対策を提案する事も出来ます。
離婚のせいでご自宅の売却をご検討中の方、ご自宅を高く売り、人生の再出発を効率よく行う為、まずはお気軽にご連絡下さい。
もちろん、後々、怒られるのが嫌なので、私たちはしつこい営業は致しません。
5.離婚で悩む方へ、チェックリスト
念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
- 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
- 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い
2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。
その場合の無料の簡易対策診断などをLINE公式の方に作成しました。不安な方は試してみて下さい。
他にも、LINE公式に登録して頂ければ、弁護士監修の離婚問題解消に関する手引きと、実際に離婚問題で自宅を売却した7人の事例を無料でプレゼントしています。
なお、この記事で解説した手順を行なっても、自宅の売却がスムーズにできるか判断できない場合は、アリネットの無料相談をご利用ください。
アリネットでは、2012年以降、様々な離婚時の住宅ローンや自宅に関わるトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。ぜひ、お気軽にご相談ください。
6.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?
何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。
東急リバブルが出している資料でも3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。
6-1.査定価格はそんなに大切なのか?
まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。
マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。
査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。
6-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。
大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。
こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。
例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。
6-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?
2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。
と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。
実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。
自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。
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