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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。
先日の続きで、性格の不一致を理由に離婚を考えている男性の相談を基に、自宅の売却に関して、深堀していきます。
不動産を売るなら、不動産会社へと思っている方が多いですが、昔からある一般的な不動産の売却手段のひとつに不動産会社による買取があります。
コロナ禍による金融緩和で不動産価格の高騰から、買取の広告など、目にするようになりましたが、一体、どのようなものなのでしょうか?
今回は、離婚時の不動産売却方法のひとつである、買取とはどのようなものか、その特徴やメリット・デメリットと買取がおすすめの人についても解説します。
私たちのメンバーにも、離婚で2年以上、苦労した者がおり、男性の離婚時の自宅の売却については、大変なことが分かっています。
離婚の手続きだけでなく、自宅の処分も含め、いち早く、日常を取り戻し、再出発を切ってほしいと思っています。
現在、離婚に伴う不動産売却をご検討中の方や忙しい方ほど、離婚時に焦って損をしない為、ぜひ参考にしてください。
>>念のため、離婚成立前に自宅を売るか?成立後に売った方が良いか?実務経験を基にこちらのページにまとめています。ご確認ください。
1.離婚による自宅売却で使う買取とは?
買取とは、不動産物件を不動産会社が直接買い取る方法のことで、後述しますが数々のメリットがある反面、いくつかの難点もあります。
1-1.自宅の買取の流れ
買取の流れは他の売却方法に比べ、大変シンプルです。
- 自宅の名義やローンの状況、現在の価格査定などの現状調査をおこなう
- 金融機関や配偶者などの権利関係者の同意を得る
- 不動産会社と買取価格の合意をする
- 売買契約
- 引っ越し
- 残金決済
買取に関する権利関係者の合意、買取価格の合意さえできれば、引っ越しと決済のタイミングは比較的自由に設定できる場合が多いです。
ただし、仲介による売却よりも話が早く進むため、それに伴って自宅の件を含む財産分与の話し合いや引っ越しの準備もテンポよく行うことになります。
1-2.一般売却と買取の違いは?
売却と買取の違いを分かりやすくするために、売却の際の流れをご説明します。
不動産会社と仲介の契約を結んで、売却の活動をおこなう場合は、売却の相手はほとんどの場合、一般の買い手の方となります。
買い手を見つけるためには、物件の情報を公開してからおおよそ3か月から4か月、長い場合は半年から1年かかる場合もあります。
1-2-1.住みながら売却は面倒が多い?
売却の活動期間には、一般的にまだ住んでいる間にも、買い手の候補の方があらわれるたびに、家を見に来られ、その対応が必要になります。
ただ、私たちは自宅の売却に限り、住みながら売却したい又は住んでいる場合、あまり見せたくないとご希望の場合、図面や写真からフルCGのイメージを作り、それを潜在的買主に見てもらい、ある程度条件を詰めていきます。
1-2-2.ローン承認が下りない事も
また、せっかく見てもらったのに一度買い手が決まってからも、買い手のローンが承認されない、物件めぐってトラブルになったなどの理由で契約が流れてしまう可能性もあるからです。
1-2-3.契約後のトラブル?
他にも、知識や経験のない一般の買い手の方は法律で保護されており、ローンの状況や物件の状態によって、契約しなくともよくなっています。
1-2-4.契約時の手数料は
不動産会社と仲介の契約を結ぶと、成約した場合には成功報酬として仲介手数料を支払います。
買取の場合、ここに挙げた多くのプロセスがないことが、売却との大きな違いです。
そのため、とにかく話が早いのが買取の特徴と言えます。
1-3.買取を選び、自宅を売却された方の声
ここでは、買取を選択された方の声をいくつか紹介します。
「元夫のローン支払いで住んでいたが、払えなくなって買取りを依頼した結果、ローンも完済して賃貸物件として住み続けることができた。」
「コロナの不景気でローンが払えず、離婚後に住んでいた自宅が競売にかかったが、競売が開始される前に買取が成立し、負債額を減らすことができた。」
「元妻と話が進まず、もうこれ以上もめたくないと思い、買取を依頼する点のみ合意して進めたら、ひと月で解決できた。」
「元夫名義の家を買い取ってもらい、数年後に子どもが買い戻しをできるように約束ができた。」
などの声が聞かれました。
このように買取は離婚と同時期に住宅ローンの未払いが進行している場合にも、有効な解決法になります。
2.離婚時の不動産売却の際の買取の特徴
あらためて、買取の場合のメリットとデメリットをご説明します。
2-1.買取のメリットは?
- 売却開始から現金化までの期間が早い
- 内見対応、残置物の撤去、リフォームなどの手間がない
- 契約不適合責任がない
- 仲介手数料が要らない
- 周囲に目立たずに売却が完了する
- まず、決済完了までの売却と買取とのスピード差は圧倒的に買取が早く、買取の場合は1週間から1か月で支払いまでが行われます。
これは、買主を探す期間が不要で、契約から決済までの期間も短いためです。
また、内見など売却の際に必要な買主候補への対応も不要で、周囲に目立たない形の販売がしやすくなります。
弊社では売却の場合でも、物件情報を広告公開しない販売も可能ですので、一度ご相談ください。
と言うのも、潜在的な購入希望者のリストが10,000人近くあり、過去の案件では、毎週500人程度物件の紹介を行い、相場を理解したり、反響・条件を精査し、売却してきました。なお、この辺りの細かな調整は相談の上、決めていきます。
2-1-1.不動産会社が買主の場合、リフォームや残置物の撤去、契約不適合責任、仲介手数料も不要なのはなぜでしょう?
土地建物を専門に扱う不動産会社は法的な責任を課されており、契約不適合責任(契約内容を満たせない問題が見つかった時の売主の責任)を問えません。
後述しますが、不動産会社は買い取った不動産に自分で手入れをするため、売主のリフォームは不要で、残置物も事前に合意すれば、そのままにできます。
そして、買取の場合、間に仲介を入れず、仲介の契約も結ばないので仲介手数料は不要です。
2-2.買取のデメリットは?
一方、離婚時に買取を依頼するデメリットは、以下の二つです。
- 通常の売却よりも3割から4割安い価格となる
- 権利関係者や金融機関の同意が得られない可能性がある
2-2-1.買取が通常の売却よりも安めの価格になる理由とは?
買取価格が安くなることで、買ったばかりの物件などは住宅ローンの残債が多くなり、買取ができない場合もあります。
他にも、不動産会社は一般の買主や投資家に販売する際に、現状のまま販売することは少ないです。
それは、修復やリフォームで商品の品質を担保し、付加価値もつけるという理由からで、その分の費用を当初から見込む必要があります。
これらが、通常の売却よりも安めの価格になる理由です。
では、権利関係者や金融機関の同意とは、どういうことなのでしょうか?
2-2-2.権利関係者や金融機関との合意とは?
権利関係者と言えば、金融機関もそのうちのひとつですが、ここで指すのは配偶者です。
共有名義、連帯保証、財産分与の当事者である配偶者の立場を代弁します。
「本当はもっと高く売れる可能性のある家を買取に出してしまうのは、あとで返済するお金を増やすことになるのでは?」や「本当にそれがベストの方法なの?」などがあります。
2-2-3.つぎに、債権者である金融機関の立場の代弁です。
「そのままの条件で完済まで返済いただくのが理想ですが、それが難しい場合は、ローンの残債を一括でお支払いいただきたいです。」や「買取では売価が安いので、残債を減らすうえで不利ですよね?」などです。
この二つの立場に対して説得、交渉をはかり、最も良い方法を模索する必要があるのです。
>>念のため、離婚でご自宅の売却を考えた時、どのような会社にお願いするべきか?やっぱり、先ずは弁護士なのか?をまとめています。
3.離婚時の不動産売却で買取りがおすすめの人は?
では、買取が適している、やりやすい方というのは、どのような方が該当するのでしょうか?
過去、実際にうまく行った事例を基に条件を洗い出しました
3-1.時間を大切にし、早く問題を解決したい方
買取は、なるべく早く売り、現金化して問題解決を図りたい方、早く次に向かいたい方におすすめできます。
販売の価格が安くなっても仲介手数料や売却の場合のさまざまな手間を考えると、買取の方が良いという判断もできます。
離婚の伴う売却の場合、相手との話し合いをなるべくシンプルにしたいというご希望もお聞きします。
また、こちらのページで説明していますが、自宅の売却後に離婚を成立させた方が圧倒的にその後のトラブルが少なく、おすすめです。
3-2.ローン残債が少なく、引っ越し先のあてもある方
とくに築10年以上で、ローンの返済が進んでいる方などは、金融機関の合意も得やすく、買取の依頼がしやすくなります。
引っ越し先が実家や子供の家など、購入や賃貸の必要がない場合、さらに有利となります。
残債額が一括返済できたり、残債がない場合は債権者の抵当もついていませんし、通常の売却をおすすめします。
3-3.周囲に知られず、住みながら売りたい方
特別な事情や子どもへの配慮などでなるべく周囲に知られず、住んだままの状態で売却を完了したい場合なども、買取がおすすめとなります。
と言うのも、買取の場合は売却活動のためにインターネットなどで物件の情報を公開する必要がないため、近所の人が売りに出ているのを見つけてしまうなどの心配がないからです。
ただ、私たち、アリネットは売主様のために動くことが多いため、現在、手残りが減る買取は行っていません。
そのため、ご説明の通り、近所にはバレたくない、早く売り、現金を手に入れたい方もいる為、簡単なオークションを取り纏め、高価格での買取を行っています。
具体的には、買取業者を競わせるという意味で、3~5社に内見してもらい、買取希望価格を出してもらい、最も良い条件を出した先に売却しています。
実際、このやり方で茨城県日立市や群馬県前橋市、埼玉県和光市でこのやり方でご自宅の売却を行っています。
4.離婚時、不動産会社による自宅の買取条件まとめ
今回、インターネットで検索が増えている離婚時の不動産売却の買取とはどのようなものか、特徴やおすすめの人について解説をしました。
離婚時の不動産売却は、専門的なサポートのもとで下す状況判断の有無で、満足のいく結果になるかが変わってきます。
私たち、アリネットでは離婚を切り出された男性の為、いかに手残りを増やすかに着目し、30社以上の不動産会社にヒアリングを行うご自宅の無料査定を行っています。
これにより、ご自宅の査定結果と住宅ローンを比較し、どのように動くべきか判断することが出来ます。
もちろん、これまでの経験や相談を踏まえ、覚書や対策を提案する事も出来ます。
離婚のせいでご自宅の売却をご検討中の方、ご自宅を高く売り、人生の再出発を効率よく行う為、まずはお気軽にご連絡下さい。
5.離婚で悩む方へ、チェックリスト
念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
- 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
- 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い
2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。
その場合の無料の簡易対策診断などをLINE公式の方に作成しました。不安な方は試してみて下さい。
他にも、LINE公式に登録して頂ければ、弁護士監修の離婚問題解消に関する手引きと、実際に離婚問題で自宅を売却した7人の事例を無料でプレゼントしています。
なお、この記事で解説した手順を行なっても、自宅の売却がスムーズにできるか判断できない場合は、アリネットの無料相談をご利用ください。
アリネットでは、2012年以降、様々な離婚時の住宅ローンや自宅に関わるトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。
あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。ぜひ、お気軽にご相談ください。
6.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?
何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。
ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。
東急リバブルが出している資料でも3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。
6-1.査定価格はそんなに大切なのか?
まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。
マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。
査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。
6-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。
大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。
こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。
例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。
いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。
6-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?
2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。
と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。
実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。
自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。
焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。
7.無料相談や取引実績の推移
ここまで書いてきましたが、何でも、売却だけが答えではありません。
2012年以降、北海道の釧路から熊本の水俣まで全国対応で1,200件を超える住まいのお悩み相談を行ってきました。
面談等のご連絡はこちらのページより、ご連絡下さい。
*現在、無料相談から取引のご依頼を受けた場合、手数料を1.5%とその消費税に減額しております。
一度面談をしたことで、その人となりが分かり、信頼関係からその人のために頑張りたいと思い、仕事がスムーズに進むことが多いためです。
また、2012年以降、250件超の不動産取引を担当し、どのような不動産を購入・売却すべきか、理解しつつあります。
例えば、地方だけでなく、東京においても高齢化による戸建てからマンションへの住み替え相談が増えています。
今後も私たちの強みを生かせる案件を丁寧に見つけ、不動産のご紹介していきたいと思っています。
他にも、住宅ローンの返済が不安な50代の方の住まいの購入や売却をどうするか、悩んでいる場合、『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
*私たちはたらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。
>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。
また、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。
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