こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの相楽です。
財産放棄という言葉を聞くと、「もったいない」「必要あるのか」と感じる人も少なくありません。
一方で、『相続放棄』という言葉を耳にすることも多いと思います。
財産放棄と相続放棄は、同じ放棄という言葉を使っていますが、意味が全く異なります。
その違いを理解せずに取り扱うと、取り返しのつかない事態になることもあります。
そこで今回は、財産放棄と相続放棄の違いについて解説していきます。
1.財産放棄と相続放棄の違い
まずは、財産放棄と相続放棄の違いについて解説します。
1-1.財産放棄とは
財産放棄は『遺産放棄』とも呼ばれ、特定の財産について放棄することを指します。
これは受け継ぐ、これは放棄するといった形で選択が可能です。
つまり、特定のものに関しては放棄するが、基本的には相続人の立場は変わりません。
1-2.相続放棄とは
一方、相続放棄はすべての相続を放棄する意思表示を指し、最初から相続人でなかったことになります。
2.意味の取り違えで起こる問題とは
続いて、財産放棄と相続放棄の意味の取り違えで起こる問題について解説します。
2-1.問題の発生例
例えば、遺産分割協議書に基づき、「お前が全部承継して、自分はすべてを放棄する」と意思表示をした場合、その後に別の遺産が発生したり、新たな名義の財産が見つかった場合があります。
この場合、単純な財産放棄なら相続人の立場は変わりませんが、すべてを放棄すると宣言した場合、その遺産を受け継ぐことができなくなります。
2-2.贈与税の発生
結果として、すべてを承継するはずだった遺産が別の人を介して取得されることになりかねません。
その場合、贈与として扱われるため、贈与税が発生し、本来支払う必要のない贈与税を支払うことになります。
3.適切な理由で放棄をしていくことが大事
最後に、適切な理由で放棄をすることの重要性について解説します。
3-1.借金や債務に関する放棄
放棄の最も一般的な理由は、借金や債務に関するものです。
借金を受け継ぐことを避けるために放棄することが多いです。
この場合、すべてを放棄する意思表示をすることで済みます。
3-2.部分的な財産放棄の必要性
部分的に放棄したいものがある場合は、家族との話し合いで決定します。
なぜ放棄する必要があるのか、その理由が明確であることが、財産放棄をするべきかどうかを大きく左右します。
欲しいものは欲しいが、いらないものはいらないという態度は一見わがままに見えるかもしれません。
しかし、不要な借金を受け継いで苦しむことは非常に大変です。
財産放棄を行う場合には、ドライな視点も必要です。
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