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【司法書士監修】事例を参考に、なぜ離婚時に家を売った方が良いか?判断方法3つ

 

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。

離婚をする際、結婚期間中に購入した自宅を売却した方が良いかで、悩む方は少なくありません。

単純に売ればいいのでは?と思う方が多いかもしれませんが、面談時に結構、どうしたら良いですか?と本当によく聞かれます。

自宅の売却を検討する理由は様々ですが、住宅ローンの残債が残っていることで「今後、1人で返済を続けられるのだろうか?」などの不安を抱く方が多いです。

では、離婚時に自宅を売却するのは正しいのでしょうか?

結論から言うと、私たちは離婚後、元パートナーとのトラブルに発展するリスクを無くすためにも、自宅を売却することをおすすめしています。

ただし、離婚時に自宅を売却する際は、権利関係から双方の同意の元で行う必要があるうえに、状況によって必ずしも家を売った方が最適だとは限らないため、まずは『自宅を売却した方が良いのかを合理的に判断する』ことが重要だと思います。

そのため、今回は実際にアリネットが解決に導いてきた様々なトラブルで分かった『離婚時の自宅の売却の要否の合理的な判断方法や確認ポイント』について、離婚をする際に自宅の売却を行わないことで生じるリスクを含め、詳しく解説していきます。

ぜひ最後まで読み、今後の参考にしてみてください。

1.離婚をする際、自宅を売却した方が良いか?

冒頭でも述べた通り、今後のトラブルを避けるため、離婚をする際、自宅を売却することを私たちはおすすめしています。

離婚成立前に自宅を売却を始めることは以下のようなメリットがあるからです。

  • 成立前はパートナーに連絡しやすい
  • 後々トラブルに発展するリスクを無くせる
  • 自宅に関わる財産分与もスムーズに行うことができる

例えば、ペアローン(夫婦がそれぞれ契約している住宅ローンのこと)の住宅ローンの残債が残っている状態で離婚をする場合、婚姻関係中にローン問題を解決することで、「将来的にどちらか一方が返済不能になってしまい、生活を脅かされるかもしれない」などの不安を解消して、双方新しい生活をスタートさせることが出来ます。

ただし、実際に離婚をする際に自宅を売却するかは、婚姻関係を解消する前に2人でしっかりと話合いを行ったうえで、家を売るのが的確なのか見極めなければなりません。

離婚をする際にどちらか一方が継続して自宅に住み続けたいと希望していたり、お子さん自身が学校の関係で引っ越しを望んでいない可能性も十分に考えられるため、慎重になるべきです。

このため、『婚姻解消後、お互いがどのような生活を送りたいと考えているのか』、仮に自宅を売却したくない場合、『どのようにローン問題を解決するか?』などについて、しっかりと2人で良く話し合いを行うようにしてください。

もし、必要であれば、個別面談などで過去の相談などを参考にお話しすることが出来ます。LINEからも無料の相談は出来ます。

1-1.離婚時に自宅を売却するか見極めなかったことで生じる3つのトラブル

上記で、離婚時に自宅をどうするのかについて、2人でしっかりと話し合いを行い、お互いの意思を尊重する必要があると説明しました。

しかし、ただ闇雲にお互いの意思を尊重して、自宅の売却について結論を決めるのは危険だと思います。

状況を見極めずに、お互いの意思だけを尊重して自宅の売却の要否を決めた場合、以下の3つのトラブルが生じる可能性があります。

  • 離婚後に自宅を追い出されてしまう可能性がある
  • 自宅を競売にかけられた上、給与なども差し押さえられてしまう可能性がある
  • 公平な財産分与を行えない可能性がある。査定価格があいまい。

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1-1.離婚後に自宅を追い出されてしまう可能性がある

離婚時に自宅を売却せず、夫婦のどちらか一方が継続して住み続けた場合、後々家を追い出されてしまう可能性があります。

例えば、自宅が夫名義のまま妻が住み続けた場合、元夫の気が変わってしまったり、「住宅ローンの返済が厳しくなった」などの理由により、自宅から出ていくように要求されるケースは珍しくありません。

>>以前、ギャンブル好きの旦那と離婚したものの、途中でローン返済を止められ、競売を申し立てられた方がいました。本案件の詳細やその後は、LINE登録をお願いします。

このため、離婚成立後にどちらか一方が現在の自宅で継続して住み続ける場合は、事前に2人で取り決めを行い、決めた内容を公正証書などに残すなどの対策を絶対に講じるようにしてください。

弁護士同士の離婚では絶対に公正証書に残しています。なれないことは賢者に学びましょう。

1-1-2.自宅を競売にかけられた上、給与などを差し押さえられてしまう可能性がある

離婚時にペアローンや連帯保証人の債務契約をした住宅ローンの返済が残っており、片一方が自宅に住み続ける場合、どちらか一方が返済不能になってしまうと、家を競売にかけられてしまったり、片一方の資産を差し押さえられてしまう可能性があります。

上記の債務契約を締結した住宅ローンは、婚姻関係が解消したからと言って、双方の返済義務がなくなる訳ではなく、離婚成立後も責任を負わなければならないためです。

このような事態に陥らないためにも、婚姻解消前に金融機関に相談し、『連帯保証人を解消』したり、『夫婦どちらかが単独名義で住宅ローンの乗り換え』を行うなどの対策を講じることをおすすめします。

1-1-3.公平な財産分与を行えない可能性がある。査定価格があいまい

離婚時に自宅を売却せずに財産分与を行なった場合、公平に財産分与を行えない可能性があります。

自宅を売却せず、財産分与を行う際は、妻に現金を渡す必要があります。しかし、お金を捻出できないなどの事情があり、きちんと財産分与を行えないケースも珍しくありません。

このため、離婚をする際は、『自宅を売却しなくても、公平に分与できるか?』に注視して、売却の要否を決めるようにしてください。

2.実際、離婚時に自宅を売却しなかったことで裁判に発展した事例

実際に離婚時に自宅を売却しなかったことで、裁判に発展した事例を2つご紹介していきます。こういった事態に陥らないよう、必ず確認するようにしてください。

2-1.離婚後に元配偶者に対して自宅の明け渡しや賃料相当損害金を請求した判例

実際に、離婚後に元配偶者に対して明け渡しや賃料相当被害金の請求を行なった判例をご紹介します。

この裁判は、元夫が元妻に対して、自身が名義人である自宅の明け渡し及び離婚が成立した日の翌日から明け渡しが完了するまでの賃料相当被害金の請求を行なった判例です。

上記の事例では、元夫が海外に単身赴任中に離婚が成立しており、海外勤務が終了したため帰国、「元妻は自宅から退去しているだろう」と思い自宅に帰宅をしました。

しかし、元妻は離婚成立後も元夫の同意を得ず、自宅で継続して生活を続けていたうえに、退去する姿勢を見せなかったため、やむなく同居を開始したそうです。

同居中、元妻は元夫に対して、日常的に侮辱する行為を行なっており、元夫は家に居られなくなってしまったため、実家に戻り自宅の明け渡しなどに関する裁判を起こしました。

結果的に、元妻が日常的に行なっていた嫌がらせや居住を困難な状況に陥れたことなどが考慮され、元妻に対して自宅の明け渡しや離婚が成立した日から明け渡し日まで1ヶ月7万円の賃料相当被害金を支払うように命じられたのです。(横浜家庭裁判所審判/平成29年(家)第3218号)

上記のケースは稀ですが、単独名義の家に名義人の同意なく住み続けてしまうと、後々明け渡しを要求される可能性があります。

このため、離婚後も自宅に住みづける場合は後々トラブルに発展しないよう、双方同意の元で取り決めなどを交わすことが重要です。

2-2.離婚後に財産分与契約の変更に基づき、自宅の明け渡しを命じられた判例

次に、離婚時補に財産分与契約の変更に基づき、自宅の明け渡しを命じられた判例をご紹介します。

この裁判は、元夫が離婚をする際に、元妻に対して養育費と養育費支払期間終了まで自分名義の建物の住宅ローンを返済し、親子が居住することを認めた公正証書に関して財産分与契約の変更を行い、不動産の明け渡しを要求した判例です。

元夫は離婚後しばらくして再婚をしており、新しい家族と住む新住居を取得したことで経済的に負担が増えてしまったため、財産分与契約の変更や元妻に対して不動産を明け渡すように要求しました。

結果的に、元夫の経済的な負担が増えたことが考慮され、財産分与契約の変更や元妻に対して不動産を明け渡すように命じられたのです。(横浜家庭裁判所審判/平成29年(家)第3218号)

上記のケースのように、事前に取り決めを行なっても、元パートナーが再婚をしたことなどで、当初取り決めた財産分与の契約内容が覆されてしまう可能性もあるため注意が必要です。

このような事態に陥らないためにも、自宅を売却した方が賢明だと言えます。

3.離婚時に自宅の売却が必要なのかを合理的に判断する方法

離婚時に自宅を売却する必要があるのかを合理的に判断する方法は、以下の3点です。

  • 財産分与の要否やその額で判断をする
  • どちらか一方が自宅で住み続ける意思があるのかで判断をする
  • アンダーローンかオーバーローンかで判断する

それぞれについて、解説していきます。

3-1.財産分与の要否やその額で判断をする

離婚時に財産分与を行う場合、『自宅の評価額や財産分与の要否を明確化すること』で自宅の売却が必要なのかを判断することが可能です。

婚姻関係中に得た財産は夫婦の共有財産であり、自宅も財産分与の対象になるためです。

なお、『自宅の評価額や財産分与の要否を明確化する』際、以下の2点に注意してください。

・財産分与を行うのか、また分与する場合は二等分にして分けるのか

・財産分与を行う場合、自宅に係る評価額を査定した上で双方にいくら分ける必要があるのか

中でも、自宅の評価額の財産分与を行う際に双方にいくら分ける必要があるのかを知ることは、『評価額分を貯蓄などで賄えるのか』や『売却金から分けた方が良いのか』を判断するために非常に重要です。

3-2.どちらか一方が自宅で住み続ける意思があるのかで判断をする

離婚後にどちらか一方が自宅で住み続けるのかを明確にしておくことで、売却が必要なのかを判断することが出来ます。

夫婦どちらか一方が継続して自宅に住みたいと考えている場合、当然ですが売却をしてしまうと退去せざるを得なくなってしまうためです。

このため、当人同士だけでなく家族の意思も確認したうえで、今後家族にとってどのようにするのがベストなのか、よく話し合って決めるようにしてください。

3-3.アンダーローンか、オーバーローンかで判断する

住宅ローンの返済中に離婚する場合、現在のローンの残債が『アンダーローン』なのか、『オーバーローン』なのかを確認することで、自宅を売却できるのかを判断することが可能です。

例えば、住宅ローンが『アンダーローン』の場合、すぐに売却手続きを行えば家を現金化することができるため、財産分与を行う際に夫婦で平等に資産を分け合うことが出来ます。

一方で、『オーバーローン』の場合は、自宅を売却しても借金が残ってしまう状態であるため、足りない分を返済するか別の手段を講じることが必要です。

このように、住宅ローンの残債状況を確認することは、売却自体を行えるのかを判断するための非常に重要な情報となるため、必ず確認を行うようにしてください。

3-3-1.アンダーローンとは?

アンダーローンとは、『不動産の売却価格よりも住宅ローンの残債が少ない状況』のことです。

不動産を売却すれば住宅ローンを完済できる状態であるため、残った売却金を問題なく財産分与あてることが出来ます。

>>詳細はこちらのページにまとめておきました。

3-3-2.オーバーローンとは?

オーバーローンとは、『不動産の売却価格よりも住宅ローンの残債が多い状況』のことです。

>>詳細はこちらのページにまとめておきました。

自宅の不動産評価額が住宅ローンの残債よりも低く、売却金で完済を行えない状態であり、そもそも金融機関が抵当権(銀行が不動産を担保にする権利のこと)を外してくれないため、通常の売却方法では売ることが出来ません。

このため、足りない分を預金などで返済するか、どちらか一方が返済を継続するなどの対策を講じる必要があります。

ちなみに、オーバーローンの場合は、当然ながら資産としては勘定されません。したがって、妻に財産分与の必要もないことを覚えておいてください。

4.自宅の売却を検討する際に確認する2つのポイント

自宅の売却を検討する際は、以下の2つのポイントを確認してから判断することをおすすめします。

・住宅ローンの契約形態や残債

・両親からの援助など特有財産が含まれていないか

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1.住宅ローンの契約形態や残債を確認する

離婚時に自宅の売却を検討する際は、『住宅ローンの契約形態や残債』を確認することが必要不可欠になります。

事前に住宅ローンの契約形態や残債を確認しておくことで、後々トラブルになるリスクを回避できるうえに、本当に1人で完済できるのかを見極めることができるためです。

離婚時に上記の情報を確認せずに自宅の売却の要否を決めた場合、元夫婦間で裁判に発展する危険性もあるため、必ず確認をするようにしてください。

4-2.両親からの援助など、特有財産が含まれていないか確認する

自宅を購入する際に、どちらかの両親などから援助を受けた場合、その受け取った金額を差し引いて財産分与の金額を算出する必要があります。

両親などから受け取った援助金は、『特有財産』といい、『夫婦の協力とは無関係に取得した財産』になっており、財産分与の対象外になるためです。

その為、自宅の財産分与を行う際は、両親などから援助を受けた『特有財産』が含まれていないかを確認するようにしてください。

5.離婚時に自宅を売却する際の売却方法

離婚時に自宅を売却する際、アンダーローンか、オーバーローンかで売却方法が異なります。

それぞれの売却方法について解説していきますので、当てはまる方を参考にしてください。

5-1.住宅ローンがアンダーローンの場合の売却方法

住宅ローンがアンダーローンの場合は、基本的に通常売買で問題なく売却できます。信頼できる不動産会社を探し、依頼するようにしてください。住みながら、売却する事が可能かどうか確認してください。

ただし、アンダーローンの場合は自宅が財産分与の対象となるため、売却価格からローン残債を差し引いた分を双方で二等分する必要があるのを忘れてはいけません。

とはいえ、現金化して双方で分け合うことで、後腐れなく分与を完了することが可能なのは、大きなメリットです。

5-2.住宅ローンがオーバーローンの場合の売却方法

住宅ローンがオーバーローンの場合は、住宅ローンの残債から売却金額を差し引いた金額を返済しないかぎり、自宅を売却することができません。

上記でも解説した通り、残債がある状態では、基本的に金融機関が自宅にかけている抵当権を解除してくれないためです。

このため、預金などで支払って売却するか、そのままローンを支払っていくかのどちらを選択する必要があります。

しかし、ペアローンや夫婦のどちらかが連帯保証人になっている場合、離婚後もお互いに返済義務を負わなければならないため、何も対処せずに離婚を成立させるのは、後々トラブルになるため、おすすめ出来ません。

離婚成立後に、万が一でも名義人が返済不能になってしまったことで、給与が差し押さえられてしまうなど、最悪の事態も考えられます。

したがって、ペアローンや夫婦どちらかが連帯保証人で契約している住宅ローンがオーバーローンだった場合、『単独名義のローンに乗り換える』ことを検討してみてください。

単独名義の住宅ローンに乗り換えを行うことで、片一方の返済義務を無くすことができるため、新生活開始後に相手方に迷惑をかけずに済みます。

6.離婚時に自宅を売却する際の注意点

離婚時に自宅を売却する際は、以下の2点に注意する必要があります。

・離婚成立前に自宅の売却を完了させる

・住宅ローンの連帯保証人がいる場合、解除出来る方法を探す

自宅を売却する際に重要な内容になっているため、それぞれ詳しく解説していきます。

6-1.離婚成立前に自宅の売却を完了させる

離婚をする際に自宅を売却する場合、『離婚成立前に自宅の売却を完了させる』のをおすすめしています。

離婚成立前に自宅の売却を完了させることで、双方同意の元で処分することができ、後々に揉める心配がないためです

このため、余程の理由がない限りは、離婚成立前にお2人で協力して自宅の売却を完了させるようにしてください。

6-2.住宅ローンの連帯保証人がいる場合、解除出来る方法を探す

夫婦どちらか一方が住宅ローンの連帯保証人になっている場合、保証人立場を解除することは容易ではありません。

金融機関側は、夫婦それぞれの経済力や信用力を考慮して住宅ローンの融資を行なっており、解除してしまうと残債を回収できないリスクを抱えることになるためです。

実際、ほとんどの金融機関では、保証人を外すことに対して消極的な姿勢を取っています。

このため、仮に離婚時に夫(妻)の連帯保証人としての立場を解除したいのであれば、金融機関側が納得するような提案や交渉を行わなければなりません。

例えば、十分に支払い能力のある保証人を別に立てるなどです。

連帯保証人を解除しても問題ないと納得してもらえるような提案を行うことで、要求に応じて貰える可能性が高くなります。

6-3.嫁からお父様に連帯保証人を変更できたケース

既述の通り、今後、30年近く返済を続けていく中で何も問題が起きずに終わる人は限られています。ここでは、離婚をきっかけに、妻の連帯保証人を外し、お父様に変更したケースについて、説明します。

まず、連帯保証人を変える為、お父様本人の資産を確認しました。その後、現金を金融機関に貯金してもらいました。なお、金額の大小はその時々で変わるようです。貯金後、お父様を連帯保証人として、契約をし直しました。

このケースではたまたま、お父様になりましたが、一般的に連帯保証人を変える場合は、不足分の担保を貯金できる方が保証人になるケースが多いようです。

ただ、地方銀行や信金・信組などの場合、遠方過ぎると資産があっても連帯保証人にすることは出来ないようです。全国に支店のあるメガバンクやフラット35のような公的機関じゃないと難しいかもしれません。

7.離婚時に自宅を売却した方が良いかまとめ

今回、離婚時に自宅を売却した方が良いかについて、これまでに相談を受けて分かった有効的な判断方法や注意点などを交えて詳しく解説しました。

下記は、この記事で解説した『離婚時に自宅を売却した方が良いのかについて』のまとめです。

  • 離婚をする際は、2人で自宅の売却が必要なのか、状況を鑑みながら話し合う必要がある
  • 自宅の売却が必要なのか検討する際、事前に離婚後に生じるリスクを把握しておく
  • 自宅の売却を検討する際、不動産評価額や住宅ローンの契約形態などを確認しておく必要がある
  • 離婚時にアンダーローンの場合、住宅ローンの乗り換えを行うのがおすすめ
  • 離婚時に自宅の売却や住宅ローンの乗り換えを行う際、事前に2つの注意点を把握しておく必要がある

離婚時に自宅を売却が必要なのかを決める際は、住宅ローンの残債や契約形態、不動産の評価額などを明確にしたうえで、夫婦同意の元で決めることが重要です。

現在の自宅に関わる情報を明確にして、離婚時に自宅を売却しなくてもお互いに迷惑がかかることがないのかを把握しておくことで、不安を抱かずに新生活を開始することが出来ます。

とはいえ、離婚時に自宅を売却せず、婚姻関係を解消してしまうと、後々「財産分与を公正に行われていない」と主張されるなどの事態に陥る可能性があるため、おすすめしません。
場合によっては、継続して自宅に住むことで合意しても、後々どちらか一方が再婚したことで、取り決めが覆されてしまう可能性すらあります。

このため、この記事では離婚時に自宅を売却することをおすすめしました。離婚時に自宅を売却することで、将来的に起こり得るトラブルを回避できるうえに、平等に財産分与を行えるため、お互いに後腐れなく新しい生活を開始出来ます。

8.離婚で悩む方へ、チェックリスト

念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。

  • 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
  • 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
  • ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
  • 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
  • ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
  • 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
  • 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
  • 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い

2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。

その場合の無料の簡易対策診断などをLINE公式の方に作成しました。不安な方は試してみて下さい。他にも、LINE公式に登録して頂ければ、弁護士監修の離婚問題解消に関する手引きと、実際に離婚問題で自宅を売却した7人の事例を無料でプレゼントしています。

なお、この記事で解説した手順を行なっても、自宅の売却がスムーズにできるか判断できない場合は、アリネットの無料相談をご利用ください。

アリネットでは、2012年以降、様々な離婚時の住宅ローンや自宅に関わるトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。ぜひ、お気軽にご相談ください。

9.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?

何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。

東急リバブルが出している資料でも3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。

9-1.査定価格はそんなに大切なのか?

まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。

マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。

査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。

9-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格

戸建の売出価格と成約価格の乖離

*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照

多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。

大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。

こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。

例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。

9-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?

2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。

と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。

実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。

自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。

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大和田 豊

この記事を書いた人

大和田 豊

事例を参考に失敗の少ない不動産取引を目指し、2012年以降90件以上の不動産取引を経験。現在はコロナウイルスの影響を受け、ローン返済に悩んでいる方向けに、生活の早期の改善に向け、債務整理に注力。宅地建物取引士、任意売却取扱主任者、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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