引っ越し雑誌などのアンケートで「一度は住んでみたい場所」などと書かれることも多い港区六本木、麻布十番、白金高輪ですが、実際に長い間住み、住まいとしての港区のよさを具体的に語れる人はそう多くはありません。
今回インタビューさせていただいたのは、銀座、品川、吉祥寺など都内屈指のエリアから、埼玉県、千葉県、山口県など、関東隣県と地方まで居住経験をもつ、ママでもあり実業家でもある、まいさん、ちえさん姉妹です。
2人合わせて15回以上にもおよぶ引越し経験を経て出た結論は『港区が一番』、『住み続けられる限り、港区に住みたい』ということ。
その理由は何でしょうか? 姉のまいさんと妹のちえさん(ともに30代/女性)に馬場と相樂の2名でお話を伺いました。
ま)まいさん
ち)ちえさん
相)相楽
馬)馬場
1.【プロフィールとライフスタイル】職業・通勤時間・引越し歴
1-1.職業、通勤時間、引越し歴、出身
相)最初に職業や出身、お住まいの場所を教えてもらえますか? まいさんからお願いします。
ま)社団法人代表理事をしております、まいです。生まれは埼玉、中学生のときに千葉県柏市に引越しました。現在は白金高輪に住んでいます。
ち)妹のちえです。姉がお話しした社団法人のスタッフをしながら、株式会社法人の代表も務めております。出身は同じく埼玉県、住まいは田町です。
相)すごい実業家ですね。会社はどちらにあるのですか?
ま)白金台でテナントビルを借りてやっています。正直、(家賃など)なかなか大変です(笑)。
相)お二人とも、ここまで壮絶な人生と引越しストーリーがあるとお聴きました。
ま)そうですね(笑)。単純に引越し歴だけで、1.さいたま市、2.千葉県柏市の後、3.松戸市、4.埼玉県川口市、5.浦和市、6.東京の吉祥寺、7.巣鴨、8.再び松戸、9.板橋、10.浦和、11.銀座、12.山口県、13.品川の港南、14.白金高輪という感じです。これまで合計14カ所に住んでました。
相)すごい多いですね。山口県が際立っています。
ま)(2人目の)夫がそちらにいたので、山口県にも住みました。
相)ちえさんの引越し歴も教えてください。
ち)1.さいたま市、2.千葉県柏市、3.松戸市までは姉と同じで、そのあと結婚し、夫の転勤で4.東京の小岩へ。 その後、5.離婚して千葉の実家に一度戻りました。2回目の結婚で6.兵庫県西宮市に行ったあと、7.再び千葉の実家に戻り、それから、8.東京の芝浦です。合計8カ所に住んでました。
相)どちらも引越しの回数がすごいですね。
ち)最初に埼玉を出てから、1年以上住んだ家がありません。すぐ飽きるんですよね(笑)。不動産屋のいいお客さんになりそうです。
1-2.平日・休日の過ごし方
相)普段はどのようなタイムスケジュールで動かれていますか?
ま)平日は八重洲オフィスでミーティングが多いので、白金台の事務所にはあまり行きません。白金高輪の自宅から八重洲オフィスは近いので、通勤は時間がかからないことがありがたいです。
相)ちえさんの平日はどのようなスケジュールが多いですか?
ち)朝、保育園に子どもを預けてから協会の仕事をします。時間のあるときは港区スポーツセンターに行くこともありますね。
相)これまでお話を聞いた人の中でも、港区スポーツセンターに通っている方は多いです。
ち)港区民や港区で働いていれば、1回500円で使えて、施設や設備がすごくいいです。私はたまたま裏に住んでるので、通いやすいというのもあります。あとは今、親の体調がよくないので親の元に行くことも多いですね。
相)休日はどのように過ごしていますか?
ま)子どもと映画を見たり、カフェに行ったり。食べ、飲み、旅行が多いですね。品川から伊豆や湯河原が近いんですよ。
相)いい休日の過ごし方ですね。
ま)元々旅行会社にいたくらい、旅行や温泉が大好きなのです。板橋に住んでいたのも温泉が入れるから(笑)。温泉ソムリエもとりました。
相)筋金入りの温泉旅行好きですね。ちえさんの休日はどのような感じですか?
ち)私も子どもと出かけることが多いです。家にほとんどいなくて、近場の水族館や旅行に行きます。あと、これは港区のいいところの一つなのですが、おしゃれで子どもと一緒に行けるようなお店でも、ちょっとお酒が飲めるのが嬉しいです。
1-3.普段の買い物はネットやレンタルサービスを活用
相)買い物はどこでしていますか?
ち)洋服は銀座が多いです。普段のちょっとした買い物は、マンションの裏にある小さなスーパーや、田町駅前の大きなスーパーに行きます。ただ、朝はほとんど『ウーバーイーツ(Uber Eats)』です。
相)ウーバーイーツ!最先端ですね(笑)。
ち)朝から魚料理を持って来てくれるって素晴らしくないですか?(笑)アマゾンプライムもヘビーユーザーで、どんどん家から出ない生活になっています。ただ、洋服だけは絶対見に行って買います。
相)身につけるものはネットでは買わないんですね。まいさんはどこで買い物していますか?
ま)家事代行に任せで、自分では買い物に行ってません。料理も家事代行の方に作り置きをお願いしています。60代の方なのですが、健康に気を使った料理を作ってくれて、本当に助かっています。
他の方が得意なことはその方に任せる。私は自分にしかやれないことをやりたいというのが、私のスタンスです。得意分野を活かすことで、経済が活性化したり、みんなが豊かになるのが理想と考えています。
実際、私が家事代行をお願いすることで雇用が生まれています。みなさん、自分の苦手なことは手放しましょう!
相)さすが起業家ですね。私も現代の女性は色々抱え込み過ぎだと思います。お部屋探しも私たちプロに任せて、普段のお仕事やプライベートの充実に時間やリソースを注いでもらいたいという思いがあって、今この仕事をしています。だから、まいさんのお話はとても共感しました。
特に、このインタビューを続けていて、港区の人は時間が有限であることへの意識が物凄く高いですね。どこに行くにも10,20分で行けて、買い物も任せられて、自分は本当に大切なことや好きなことに没頭している人が多いです。
六本木に住んでいるフリーランスの方も仕事はアカデミーヒルズで、寝る場所は自宅みたいな感じで細かく分けていました。
ま)ありがとうございます。とはいえ、どうしても他の方に頼めないようなときは、妹にアマゾンプライムで注文するようにお願いしています(笑)。
相)なるほど。洋服などはどうしていますか?
ま)洋服もカバンもレンタルです。一枚も持ちたくなくて・・・現実的にも人に会う仕事だから、あまり同じものばかり着られないというのもあります。アルバムなども全部捨てました。とにかく、“今”に集中したいのです。最終的には、最小限の所有物にして、ホテルに住みたいと思っています。
相)少し前に流行ったミニマリストなどもそうですが、身軽に生きたい、今の自分に集中したいという女性が増えていますね。ちなみに、レンタルでオススメのサービスはありますか?
ま)私が使っているのは『Brista(ブリスタ)』です。月あたり、定額1万、2万、3万のプランから選べます。
私は3万円のプランを使っていますが、洗濯せずに返せるので本当に助かっていますね。1着3,000円〜1万円くらいなので、多ければ毎月10着くらい着られます。
相)自分の好みでないデザインの洋服が届いたりなどはしませんか?
ま)完全に任せてしまうと、好みでないのも届いてしまうので、ある程度は選びます。ただ私自身、流行など気にしないというか、分からないタイプなので(笑)、色などが被らないよう、バランスよく送ってもらうようにしています。
相)カバンもレンタルですか?
ま)カバンは月6,800円くらいの『Laxus(ラクサス)』を使っています。
相)すごいですね。その潔さはどこから来てるんですか?
ま)私たちは9人兄弟の長女と次女なのですが、とにかく貧乏、ないないものづくしの生活でした。本当に全国からの救援物資や支えで育てていただいたと思っています。そうした極貧体験からか、人より所有欲があって、ずっとお金持ちになりたいと思っていました。
そして、運よくある程度成功して、銀座に住んだり、タワマンに住んだり、外車に乗ったりして、満たされたというか、物質的な豊かさがいらなくなったのです。そこからは精神的な豊かさを求めるようになりました。
女性は元来所有欲もあるので、これほど潔くレンタルを使えるとは限りませんが、私はこのやり方があっています。
1-4.よく行く、またはオススメ飲食店
相)次に、よく行く飲食店を教えてください。
ま)元銀座で40年やっていて、高輪台駅近くに移転して来た、串揚げの『あんじゅ』が美味しいのでよく行きます。あとは、鉄板焼きの『円居(まどい)』、喫茶店の『セピア』とかですかね。
その他、子どもを連れて行ける品川駅の周辺のお店ですね。品川駅の高輪口の『GOOS(グース)』の2階は子どもが楽しめる遊ぶスペースやレストランがありますし、全体的に広くて使いやすいです。水族館が近いのもいいですよね。
1-5.よく読むファッション誌
相)ファッション誌などは見ますか?
ち)う〜ん・・・今は、インスタから情報を仕入れることが多いですね。インスタのオススメ検索ワードを見ていって、化粧品や育児用品などよさそうなものがあったら、そのままポチっとしてます。
相)ライフスタイルが基本的に最先端ですね。まいさんはいかがですか?
ま)私はテレビも見ないですね。子どもが見るから、部屋に置いてはいますが・・・。
相)ネットや雑誌は何を見ていますか?
ま)ニュースは、ヤフーやグーグルでサッとチェックするくらいです。雑誌は、『AERA』、『東洋経済』など経済誌ですね。
2.港区の魅力について
2-1.比べてわかる港区の魅力
馬)港区の魅力って何でしょうか?
ち)まず道が綺麗ですし、区役所のレベルが違います。
ま)若い頃住んでいた松戸も素晴らしかったのですが、港区は交通の便も含めて、全体的に整っていて素晴らしいですね。
ち)そして、綺麗な人も多いというか、みなさん意識が高いです。すっぴんで歩く人がいないので、私も“見られている”という意識をもつようになりました。港区はずっと綺麗でいたい、自分を磨き続けたい、という女性にはオススメの場所です。
馬)はじめから街の綺麗さや成長意欲を意識して、港区に住むことを決めたのですか?
ち)最初は、ある社長から港区はシングルマザーへの待遇がいいと聞いたのがきっかけです。『港区最強説』って言うんですけど、住んだらその通りでした。ただ、港区にはずっと憧れがありましたし、一度は住んでみたいと思うところですよね。5番目の妹も一度港区に住んだくらいです。
馬)港区の中でも、白金高輪を選んだのはなぜですか?私の場合はとにかく子ども優先だったので、落ち着いて子育てできるところを探しました。白金台から広げて探していった結果、高輪になったという感じです。
馬)実際、港区に住んでみて、どうですか?
ち)銀座へのアクセスも良いので、住めるうちはずっと港区に住みたい、と思います。
馬)まいさんは港区ではなく、品川に住んでいるのはなぜですか?
ま)私は仕事での移動が多く、旅行も好きなので、空港や新幹線へのアクセスを考えて、品川になりました。
もちろん、会社を持っているくらいですから、港区はいいところだと思います。次も絶対港区がいいですね。
2-2.港区と世田谷区の違い
馬)アッパー層の住まいといえば、世田谷もありますが、港区との違いはありますか?
ち)港区には弾けているというか、エネルギーが高い人が多い印象です。
ま)一生懸命やってないと、住み続けられない、生きてけない環境なので(笑)。その点、世田谷は文化系というか・・・。
世田谷区や中央区は生まれながら、そこに住んでいるという人が多いと思います。年を取って、落ち着いてから、世田谷や目黒あたりに住みたいなとは思っています。
ただ、今は港区でがんばるって、もっと成長したいというのが本音です。港区の持つ環境の力を借りて、自分も成長するっていう考え方があっていると思います。
3.女性の一人暮らしでの住まいやお部屋探しの条件
3-1.引越しからまた新しい人生が始まる
相)今後、もし引越しするとして、どういった視点からお部屋探しをしますか?
地)今は子育てを一番に考えます。通っている三田の保育園を変えたくないので、引越すとしたら、その保育園に通える範囲か、小学校に上がるタイミングで考えます。
相)引越し自体は前向きに考えていますか?
基本的に不動産を見るのが好きで、不動産情報のサイトをしょっちゅう見て、新着物件をチェックしています。そして、見ていると引越したくなるという・・・(笑)
引越すと新しい人生が始まる感覚になるのです。子どものころ、自分の空間がなかったので、引越しで新しい自分の空間をもてる感覚がやみつきになってしまいました。
三田、ゆりかもめ、田町駅徒歩7分だと、タクシーを使っちゃう。本当は徒歩5分圏内が良いと思っています(子連れだと、特に。)
3-2.日当たり、広さ、眺め
相)日当たりはチェックしますか?
地)日当たりは重要ですね。太陽が大好きな人間なので。
相)他に大事なことはありますか?
ち)もちろん室内は綺麗な方がいいですね。女性の場合、外見も内装も綺麗さも大事です。
ま)私は家具入りがいいです。
ち)私はない方がいいです(笑)。
ま)海外のお手伝いさんのように、ライフサポーターとかがつくのも理想です。一人で家事を抱え込んで病まないような仕組みがあればいいなって。
3-3.宅配ボックスは忙しい女性の味方
相)欲しい設備は何ですか?
ち)家にいないことが多いので、宅配ボックスは必須です。第一条件ではないですが、敷地内ゴミ捨て場やモニター付きインターフォンもあると助かります。
ま)あとは・・・鍵が顔認証になればなぁって思っています。鍵を忘れたり、カバンから探すのが大変なので。
3-4.キッチンはなくてOK
相)水回りへのこだわりはありますか?
ま)今は普通のシステムキッチンなのですが、2口コンロなので家事代行の方が作り置きを作るのに大変と言っています。ただ、個人的に最終目標はホテル暮らしなので、キッチンはなくていいです(笑)。
相)さすがいい意味で突き抜けていますね!トイレや洗面台の希望はありますか?
ま)バス・トイレ別は絶対ですね。後、独立洗面台も必要と思います。
>>実際に10カ所以上の場所に住んだ経験から港区とそれ以外の比較に関するコメント(後半)
最後に、港区各所に実際に3年以上住んでみた感想が分かるインタビューはこちらです。個人的に、港区に住む人はちょっとした割り切り感を感じました。自分を高め、成長させる習慣をつけるために、あえて港区に住む。この環境に慣れることで自分もいつの間にか成長しているような印象を強く受けました。
日本中、どこを探してもいい意味でエネルギー値が高く、常にプッシュアップされている街は中々ありません。
>>下町っぽさがちょうどいい麻布十番
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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