B.豆知識(相場、法律)

一人暮らしでも内見すべき?失敗談を基にメリット・デメリットを解説(その1)

今回は、はじめて一人暮らしする方向けに、4,000件を超える部屋探しの失敗を見てきたエラアが考える満足度の高い部屋をいかに効率よく探すかとその注意点に特化して、内覧の要否やメリット・デメリットについて説明します。特に、引っ越し経験の少ない男性の遠方への引っ越しは後悔する可能性が特に高いので、面倒な内見の必要性を理解してから、部屋探しを始めた方が失敗は圧倒的に減ると思います。

2020年9月にスマートメディア株式会社が発表した男女966名に行った脱都心・地方移住に関するWEBアンケートによると、『将来不安と居住の快適性を求め、引っ越し先を慎重に探す人が増えている』とのことでした。

具体的には、コロナウイルスによる景気の落ち込みで、収入不安から引っ越しを慎重に考える人が圧倒的に増えています。また、自宅で過ごす時間が増え、これまでの都心への利便性だけでなく、住まいの快適さを求め、勢いだけの引っ越しから慎重な引っ越しが行われえるようになった実感があります。

これからはじめて一人暮らしをする方にとって、部屋探し、特に内見がその後の暮らしを大きく左右します。ただ、内見の仕方やどこをチェックすればいいのか分かりづらく、見落としてしまうポイントも実際は多い様です。内見が最後の関門でこれを無事に越えられる部屋だけが住める部屋で通過できない部屋はダメだと思ってください。

特に、コロナウイルスの影響で不要不急の外出が控えられるようになったこと。また、東京など、遠方への引っ越しの場合、現地を見に行く時間や移動費がもったいないからとオンラインで内見を済ます方も増えており、はじめてで慣れていない内見を更にオンラインで行うことが増え、日増しにトラブルや後悔が増えています。

例えば、部屋内は見たけど、共用廊下やエントランス、ポスト、ゴミ捨て場などを確認せず、引っ越してみたら、荒れてた等分かりやすい物から、隣人のベランダがごみ溜めで腐乱臭が匂っていたり、深夜も生活音で悩まされている人が多くいます。近くに、コンビニすらなかい、住宅街で困った等も実際の失敗談にはありました。

この記事では、実際に実務を行っている馬場と相樂が事例だけでなく、実務経験を基に効率的に失敗を避け、不動産屋の営業トークに騙されずに、自分にあった理想的な部屋を見つける内見方法、手順と注意点を解説します。特に、遠方から初めて東京へ引っ越す方は土地勘もなく、都会の不動産会社のカモになりやすいので十分注意してください。引っ越し当日にガッカリなんてこともあるようです。

さらに、男性は家賃の多寡で選ぶ傾向が強く、その地域の状況やお部屋の内覧(内見)も細かいところまで確認せずにサクサク進めて、後から「失敗だった」、実際に自分で見ないと・・・というケースも多くあります。これを読み、次回の引っ越しではカモにならない、引っ越しで後悔しないように確認をしてもらえたらと思います。

多くの方が考えてる通り、先が読みにくい時代でスマホだけで部屋を決め、しっくりこず、短期間でムダな引っ越しを繰り返し、時間も貯蓄が全くできない生活をするのではなく、じっくりと部屋を決め、3年、5年と更新を一回でも、二回でも行い、長く住める部屋を探す方が結果的にコスパがよく、圧倒的に増えてくると実感しています。例えば、弊社の場合、部屋探しをする前に実際の引っ越しの先例を生かすため、失敗診断を希望する人が増えています。特に、土地勘のない街への引っ越しやはじめての部屋探しで悩んでいる方、『失敗にハズレなし』の信念で正しいお部屋の選び方や自分にあった優先順位を考え直してみませんか?

1.お部屋をなぜ内覧すべき?失敗事例と口コミから学ぶ

お部屋の内見はなんとなく面倒、特に遠方からの引っ越しだと交通費や時間的コストの問題もあり、できれば避けたい、サクッと済ませたいと思うかもしれません。実際、アットホームやSUUMOが行った調査でも1、2軒の不動産屋に行く人が6割。そして、2部屋を内見し、決めている人が過半を占めています。ただ、これらの数値は年々減っています。つまり、部屋を見ずに決めている人が増えています。しかし、引っ越しで損をしたくない、ストレスを抱えたくないなら、結論から言うと、内覧はもっとした方が良いです。しかも「正しい方法で」です。

なぜ、内覧をした方が良いのか、特にどんな人は内覧しないと大変なことになるのかなどを今回は内覧にまつわる失敗事例や口コミから学びましょう。実際、アットホームによると、9割以上の不動産屋は内見をすべきと思っているみたいです・・・。

1-1.内覧・内見の失敗事例と口コミ集

私たちがこれまで実際にお客様から相談を受けた事例やアンケート結果など、4,000件を超える部屋探しからの内覧・内見の失敗事例と口コミをまとめました。過去の事例と同じ轍を踏まないように内見前に頭に叩き込んで置いてください。ちなみに、失敗しやすいポイントは概ね以下の5つに分けられます。

  • 騒音、音漏れ(それらによるご近所・隣人トラブル含む)を内覧時にチェックしなかった。
  • 遠方からの引っ越しで、費用と時間的コストがかかり、十分に内覧ができなかった。
  • 契約前に日当たりや粉塵、結露など住環境が悪くなる原因に気づかなかった。
  • 昼間と夜間の住環境、ネットで見た画像のイメージと実際のお部屋が違った。
  • 内覧を人任せ、又は不動産会社の担当者の言葉を鵜呑みにして失敗した。

1-1-1.遠方からの引っ越しで費用がかかった

実際に内覧に行くには交通費がかかり、たくさんの物件を内覧しようとすると現地で宿を取らなければならないなど、とにかく費用が近隣の部屋探しより余分にかかると思います。
(女性/10代/大学生)

お部屋探しのための交通費や宿泊費が気になり、じっくり不動産会社を選んだり内覧したりできなかった結果、引っ越し後にトラブルに見舞われるケースが本当に多いです。まず、インターネットを使ってしっかりと情報収集し、メールやLINE、電話を使って不動産会社とやり取りするなどしておきましょう。現地では限られた時間を最大限有効活用できるよう、地元での準備が重要です。

また、沢山の部屋を案内してもらうのは気が引けるという方もいましたが、不動産屋は案内するのも仕事なので、気にする必要はありません。イライラしている不動産屋が居たら、一旦帰って、メールで断るのがストレスが少なく、手っ取り早いと思います。

1-1-2.高速道路や幹線道路があり騒音や粉じんがひどかった

遠方からの転居であったため、新しい住まいの候補地に訪れる日も1、2回しかなく、仲介業者や住む地域の選定などを十分な時間をかけて調べられなかった。新しい住居の周囲を事前に十分見ることができなかったため、住んでみたら、目の前に高速道路や幹線道路が通っていて深夜でも騒音や粉じんがひどかく、窓を開け、換気が出来ない。

自身の引っ越し検討時期は、現在のようなネット環境が十分でなく、個人で調べるには限度があったが、最近ではネット検索で情報が得られるので、転職などで遠方に転居する場合や転職を検討する際に引っ越しを伴うのであれば、同時に引っ越し先を調査をしておいた方がよいです。
(男性/30代/会社員・製造業)

お部屋そのものはしっかりチェックしても、周辺環境までできなくて失敗したというパターンもよくあります。例えば、大きな通りを渡る必要があり、予想外に時間が掛かる。駅近くに自転車置き場がない、ドラッグストアが自宅付近に無く、職場近くで色々と買って帰るなど。内覧時ももちろんですが、今はGoogleマップやストリートビューなどを使って、自宅でも周辺の環境がある程度調べられます。その際は、右下に掛かれている撮影日が最近かを確認してください。たまに、お店自体が閉めている場合があります。

1-1-3.両隣から音漏れ。住人がいる時に内覧するべきだった

両隣がある中間の部屋で両隣からの音漏れが結構気になり、住人がいる時に内覧するべきだったと後悔しました。共同住宅なら、なるべく住人がいる時に見に行くべきでした。あと、昼間の晴れた日に見に行き、日当たりなど確認するべきでした。
(女性/30代/会社員・食品メーカー事務)

内覧は仕事の都合などで週末のお昼が多いため、近隣住民が不在で静かな環境だと思ってしまいがちです。仕事が忙しい時や遠方からの引っ越しで、内覧の時間が限られた場合に起こりがちな失敗です。理想は平日の昼間と夜間、休日と内覧の時間帯を3回くらいに分けることですが、なかなか難しいかもしれません。特に、自分が家にいる時間を意識して、見に行った方がいいです。例えば、平日の19時や20時など。勿論、深夜等もありますが、幹線道路や飲食店による騒音は外からでもわかると思います。

とはいえ、音漏れは日々の生活の中で結構なストレスになるので、不動産会社の担当者に代わりに内覧に行ってもらえないか頼んでみてください。最近は、内覧代行など代わりにプロが見に行ってくれるサービスもあります。騒音が原因で体の不調をきたしたり、隣人トラブルで短期間で再度引っ越すリスクを考えたら、第三者の目を利用する価値があると思います。

1-1-4.担当者に薦められるままに契約して後悔

とにかく次の仕事が始まるまでに住む場所を確保しなければならず、ネットで見つけた不動産会社に行き、複数の物件を比較するこも出来ず、担当者に薦められるままに契約。

会社までの交通の便が良いことを最優先させて物件を選んだために、失敗と後悔は数知らずでした。まず、繁華街に近かったこともあり、特に深夜の酔っぱらいの騒音に悩まされました。複数の不動産会社で複数の物件を内見し、騒音は大丈夫か、付帯の設備に不具合はないかなど、不安な部分を細かく質問すべきです。自分の部屋を安易に決めてしまうと、絶対に後悔します。
(男性/40代/会社員・広告代理店)

転職、転勤、入学・進学など期限が決まっていて、焦ってお部屋探しをしていると担当者に足元を見られ、(仲介手数料が高い、契約の手間が少ないなど)報酬が多く、家賃などの条件が悪い都合のいい??お部屋を紹介されてしまうかもしれません。

急な転勤などで時間の制約がある場合でも、自分の空間を見つけるためと集中して、時間を作り、インターネットを使うなどして情報武装し、担当者にナメられないようにしましょう。少なくとも人として信頼できる担当者と思えるまでは、面談を含め、焦っている印象を与えないよう注意してください。

1-1-5.部屋の位置・日当たりなどを確認すれば良かった

インテリア雑誌に掲載されていた部屋を気に入って内見もせずに、決めてしまったのが良くなかった。理想と現実は大きく違いました。予想以上に窓が大きくて、仕事に使うパソコンのモニターの色などが見えにくく、常にカーテンをしていた感じです。冬場は結露対策、夏場は温度対策でずっとエアコンを付け、電気代と換気が出来ず、苦労した。部屋の位置や立地、日当たりなどを確認すれば良かった。気に入った部屋が見つかったら、昼間と夕方の2回見に行った方が良いと感じ、次からは必ず2回内見と下見にいくようになりました。
(男性/30代/役員・自営業・フリーランス/デザイン関係(紙媒体))

雑誌やポータルサイトに掲載されているお部屋の写真はプロが撮り、時には編集が入っている”イメージ画像”と心得ることが大切です。また、正直な写真が掲載されていても、日当たりや風通し、騒音などはお部屋に行ってみないとわかりません。ストレスや後悔して短期間での再度引っ越しをすることにならないよう、面倒でも時間を掛けて、内覧はした方が良いと思います。

>>多くの人が引っ越し先を選ぶときに条件に上げる日当たりに関して、『一級建築士に聞いた賃貸マンションの内見時に確認したい、日当たりの有無やその大切さ』についてはこちらを見てみて下さい。主なポイントとしては、以下の通りです。

・3種類の日当たりとは?

・ライフスタイルを考え、日当たりを選ぶ

・直射日光のメリットやデメリット

1-1-6.お風呂と洗濯機を置く場所が離れていて不便

家を決める時にまだ前の住居者がいた状態で家の中を見ないで部屋を決めた。実際の部屋の広さや間取りが分からず、思っていたより部屋が狭かったり使い辛かったらどうしようかと不安でした。

なぜか、お風呂と洗濯機を置く場所が離れていたのでお風呂のお湯で洗濯することができず水回りをよく確認すればよかったと後悔しました。ベランダが思っていたより狭くベランダの外すぐに横のマンションの壁があることに引っ越してから気づき失敗したと思いました。

部屋を決める前に絶対に部屋の中を見てキッチン、お風呂などの水回りが傷んでいないか、ベランダに出てからの見晴らし、周りの建物などは確認するべきだと思います。玄関ドアの結露がひどく、冬は毎日朝、玄関ドアを拭かないと玄関が濡れてしまい困りました。下駄箱の靴にカビが生えるので、たまに陰干しも必要です。
(女性/30代/主婦・在宅勤務)

前の入居者が引っ越し前だと内覧が難しいケースが多いでしょう(時々、前入居者のご厚意で内覧させてくれるときもあるので、担当者に聞いてみるのはありです)。お部屋は内覧してから決めるのがベストですが、引っ越し日程の関係や人気物件だとそうも言ってられないと思います。そのような場合は間取りが同じか近い別の空き部屋や中の写真をたくさん見せてもらってください。

特に確認したいのは、上の失敗談でもあるように水回りと生活動線。日々の生活の中でムダな動きがあると、結構なストレスになります。

水回りは引渡し前にきちんと清掃してもらい、万が一入居直後に水漏れ、詰まり、カビなどが見つかった場合はどう対応してもらえるのか確認し、約束事を契約書に書いてもらってください。

以前、大きく改修中で申込や審査を済ませ、完成時の部屋を見て、梁や部屋の形が悪く、お客様にやめて頂いたこともあります。ついでに言うと、お風呂が大きく、居室が狭くなっていました。申込や審査が済んでいても、ダメな部屋だったら、止めることはできるので、担当にその旨をキチンと伝えて、進めるといいと思います。

このようなケースの場合、見れないけど、立地や家賃的にどうしてもここに決めたい場合には、こちらの記事を読んでみて下さい。最低限、3つのポイントを押さえてから申し込むといいと思います。

>>入居者が居るから・・・と内見を断られた時にチェックすべき3つの確認事項

1-1-7.エレベーターや通路の状況まで確認せずに毎日不快な気分に

エレベーター内でたばこを吸う人がいるらしく、毎日利用するときにいやな気分になりました。内覧したときは部屋はチェックしたのですがあまりエレベーターのことまでは気にしてなかったのでそれが少し残念です。物件を見に行く際は、部屋だけではなく自分が利用する通路やエレベーターが不快ではないかどうかも確認しておくと良いと思います。
(男性/30代/会社員・システムエンジニア(IT業界))

お部屋の中はチェックしたのに、お部屋に至るまでのエントランスから通路、エレベーター、階段などの確認を忘れて嫌な思いをする人も多いです。これらの場所や駐輪場、ポスト、ゴミ捨て場などはゴミが落ちてないか、掲示物が整理されているかを確認してください。まれに、禁煙のマンションであってもベランダや敷地外の部分で吸っている人が居ます。その為、部屋選びの際はなるべく自分と同じような人が住んで居そうなマンションを選ぶ方がいいと思います。ネットの口コミだけでなく、担当者に過去のトラブルなども調べてもらえると後々ストレスを抱えることが無いと思います。

可能であれば、廊下やエレベーター、階段は踊り場も含めて幅や高さも測っておく方がいいと思います。ベッドやソファー、冷蔵庫、洗濯機などの大型家具家電が、お部屋の中には置けても搬入できなくて買い直しということがあります。特に、エレベーターがない又は小さいマンションの場合には、大切になってきます。

1-1-8.普通に生活しているのに、階下の住人からクレームの電話

引っ越し後に気づいた失敗は、賃貸マンションでは意外と物音が響いて気になることがわかったことです。業者の方に物件のことを聞いてもいいことしか言わないと思うので、ネットなどでその物件の口コミをチェックするのがいいかと思います。

普通に生活しているだけなのに、歩き方が悪いのか階下の住人がうるさく感じるらしく再三クレームの電話がかかってきたことです。歩き方の講座でも開いてくださいとしか私も言えないことでした。
(男性/30代/会社員・物流現場作業員)

音や臭いなどへの感度は個人差が大きいので判断が難しいですが、隣人トラブルでもっとも多いので注意が必要です。内覧時にお部屋の真ん中で手を叩いて音の響きを確認したり、壁を叩いて確認するという手があります。もし、気になるようでしたら、引っ越し時に絨毯を敷いたり、家具を布が多用された物を選ぶなどして音を吸収させたりといったことも対処法の一つです。

それでも音が気になる人は、分譲マンションで賃貸に出されているお部屋を選んでください。分譲マンションを購入を前提に作ってあるので、賃貸用マンションに比べて構造や内装のクオリティが高いので、騒音問題も軽減されます。

以前、サイトへのコメントで分譲マンションの賃貸で引っ越した部屋の下階の人が音に敏感な人で、以前の入居者がトラブルを受け、裁判にまでなったことを告知されていないため、どうしたら良いかという相談がありました。上下階の隣人との騒音トラブルの詳細はこちらをご覧下さい。

1-1-9.担当者の説明と違いゴミ捨て場がマンションの敷地外だった

ゴミ捨て場がマンションの敷地内にある所が良かった。内覧する前から伝えていたけど、行ってみないと分からないと。実際に行ってみると男性担当者が「おそらくここに捨てることになるんでしょうね。」と。私も深く突っ込まずに信じてしまった。

しかし、実際はマンション内にゴミ捨て場はなく、道路の反対側の人通りの多い道の脇。契約後に不動産会社に相談し、話がちがうから家賃または敷金を下げてほしいと言ったが取り合ってもらえなかった。

担当者の話を鵜呑みにするのではなく、もっとしっかり確認すればよかった。こちらの質問に対して断言しなかったことに関しては、後日、必ず確認するのが重要だと思った。もし、その部屋が気に入ってその日のうちに決めたいのであれば、言っていることと違った時にはどうするか、(仕方がないから目をつぶるのか、不動産会社に何かしらの保証をしてもらうのか、契約自体をその日は見送る、など)約束しておくべき。
(女性/20代/会社員・保育士)

都会での一人暮らしでは、マンション敷地内に24時間いつでも捨てられるゴミ捨て場がある物件がお勧めです。単純に楽で便利という理由もありますが、ゴミを漁られたり、ゴミを捨てている姿を他の人に見られるといった防犯、安全上のリスクも少なくなります。

また、上の口コミにもある通り、不動産会社の担当者によっては面倒くさがって適当に答えたり、その答えに責任を持たない人もいます。プロとして憤りを感じますが、一定数そういう担当者はいるので自分の身は自分で守るしかありません。

曖昧な回答は最後まで確認する、回答に間違いがあった場合にはどう対処してもらうのかを契約書に明記してもらうなどしてください。個人的には、ちょっとした質問も含め、メールやLINEなどで後でキチンと分かるようにした方がいいと思います。勿論、初期費用の内訳などもキチンとメールでやり取りして下さい。今回のケースの場合も含め、結局我慢するのは入居者ですから。電話で片づけようとする人がたまにいますが、止めておいた方がいいと思います。

1-1-10.人任せの内覧でウォークインクローゼットや網戸がないお部屋に

地方から東京まで部屋探しのためだけに上京するのはお金がかかりすぎるので、就職先の会社のほうで探してもらうことになりました。大きなクローゼットがあると聞いて喜んで開けてみると、真ん中に板の仕切りがありました。押入れの扉だけをウォークインクローゼット風にしただけのもので、ワンピースやコートなどをかけることができず悲しかったです。窓に網戸の取り付けができなかったのも風通しが悪くて残念でした。

部屋探しを人任せにして、内装を自分で細かくチェックしていなかったのがよくなかったと思います。自分で内覧に行けない場合は色々な箇所を写真で撮ってきてもらうと良いと思います。コンセント数やインターネット回線口の配置確認も重要です。インターネットでビデオ内覧できるサービスがあったら助かると思います。リアルタイムで動画を連携できるサービスもあるので、そういったものを活用できないでしょうか。
(女性/20代/学生)

地方からの上京や急な転勤などでやむを得ず内覧を人にお願いすることもあるかと思います。その場合は、自分が確認したい箇所を具体的に指示して写真の撮影をお願いしましょう。単に「洗面所を撮ってきて」と言うのではなく、「身支度をするのに十分なスペースがあるから確認したいので。」と理由まで伝えるとより良いです。

また口コミにもあるように、今は不動産会社の方で内覧代行サービスやインターネットを使ったリアルタイムのビデオ内覧をしているところもあるのでそうしたサービスを活用するのも手です。

有料サービスでも上京のための交通費や引っ越し後の生活の快適性を考えたら、第三者の目を利用する価値はあると思います。さらに、内覧をお願いした不動産会社で契約すれば、無料になったりするのでぜひ確認してみてください。

1-2.なぜ、分かりづらい部屋の内覧すべきなのか?

内覧すべき理由は、上記で説明した数々の失敗談、後悔を見れば一目瞭然だと思います。ほとんどの失敗が「正しく内覧を行なっていれば」防げたものだと思います。お部屋探しをするときは新生活に心が踊って、おしゃれさや見た目の好みにしか関心がいかないことがあります。

もちろん、帰宅時にゆったりしたエントランスを見て、気分が上がるためそうした点も大切だと思いますが、住まいは毎日何時間も何年も過ごす場所です。ちょっとした気に入らないところが日々積み重なれば相当なストレスになります。お部屋の内覧は生活する場としての機能性も十分に確認してください。とはいえ、遠方からの引っ越しや仕事の関係などで十分な内覧が難しい場合があります。そうした場合には以下のポイントを押さえてください。

  • インターネットで口コミ(物件名、住所、町丁目別)事前に施設だけでなく、事件等もよく情報を集めること。
  • インターネット上の情報(物件情報、写真撮影日など)が新しいか確認すること。
  • いくつかお部屋を絞ったら不動産会社と何度かやり取りして信頼できる会社、担当か見極めること。
  • 信頼に足る会社、担当であれば内覧代行やオンラインでのビデオ内覧などを依頼すること。
  • 内覧で特に確認すべき箇所とその理由を明確にしておくこと。
  • 条件交渉や賃料の発生日など言いにくい事を面と向かってお願いできる。

1-3.失敗を防ぐため、特に内覧した方が良い人

基本的に内覧は引っ越しを予定している全ての人にお勧めしますが、特に以下の方は失敗や後悔しやすいので、自分で内覧をした方が良いです。過去の体験談を分析すると、以下のような人は失敗してしまう可能性が高いようです。

  • 引っ越しが初めて、不慣れな人。
  • 知らないエリア(土地勘がない)に引っ越す人。
  • 家族など複数人での生活(実家)から一人暮らし。
  • 一人暮らしから複数人での生活(シェアハウス、同棲・結婚、同居)など同居人数が変わる人。

不慣れな人や経験が少ない人が実際に部屋を見に行くのは次回以降の引っ越しにも役に立つと思います。学校で習うことが無い割にお金が掛かる事なので、早い段階でキチンと経験をしておいた方がいいと思います。先にも書きましたが、直接会うことで本気度が分かるので、条件交渉などがしやすくなります。

1-4.内覧のメリット・デメリット

何度も言うように自身でお部屋の内覧は絶対した方が良いです。ただ訳あって、内覧を迷っている人向けに、メリット・デメリットを紹介します。

1-4-1.内覧のメリット

  • インターネットやチラシには載っていない情報が手に入る。
  • お部屋だけでなく、物件全体や周辺環境がわかる。
  • 日当たりや風通し、湿気、部屋か見える景色など肌で感じる情報を得られる。
  • お部屋の中を計測して家具家電の配置や実際の生活のイメージが湧く。
  • 実際に歩いてみるなどして、生活動線が確認できる。
  • 面と向かうことで言いにくい事もお願いでき、反応を見ることが出来る。
  • 担当や不動産会社がしっかりしているか、判別できる。

いくらインターネットなどで口コミを含め、情報収集ができると言っても限界があります。自分の感覚で確認できるのが、内覧の本当にいいところです。

※無理をしない範囲で隣人のベランダ状況もしっかり確認しておくと、どんな人が住んで居るのかイメージでき、部屋選びの参考になると思います。以前、契約後にお部屋に行って見たら、ゴミの山と言う方がいました。虫、ニオイ以外に何かトラブルが発生しそうな予感です。

1-4-2.内覧のデメリット

  • 交通費がかかる(遠方からの場合は宿泊費も)
  • 時間を作らなければならない(1日で廻れる内覧数は同エリア内で最高5件程度)
  • 移動したり、お部屋のチェックや計測、担当者とのやり取りで疲れる
  • 代行やビデオ内覧サービスを利用した場合はお金がかかることもある

ただし、上記のデメリットを加味しても、個人的に、お部屋選びの失敗のリスクを考えたら、内覧する価値は十分にあると思います。遠方の方でも一泊して、2万円掛かったとしても引っ越しで中途半端な部屋を選び、ストレスとムダな家賃を払い続け、再度引っ越す事になったら、30万、40万円と言うお金でお財布から無くなっていきますから・・・。

今なら、2021年のGW辺りまではGOTOトラベルで移動費や宿泊代が安くなるので、キチンと内覧をして、将来の大きな無駄を潰しておくのは良策だと思います。また、過去の失敗談、体験談をたくさん知っておくといざ似たような場面に出くわした時に回避できるので、一度読んでおいてください。本記事が、あなたの部屋探しのお役に立てたら幸いです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。あなたの部屋探しがもっと効率的になるように参考にしてもらえると嬉しいです。ただ、自分で色々と確認するのが面倒な場合には、担当者に色々な確認をお願いする方が簡単に効率的になると思います。もし、動いてくれない、連絡くれない又は遅い担当なら、他の不動産屋に行った方がいいと思います。星の数ほど、不動産屋はありますから・・・。

どうしても内見が出来ない方向けに、内見をしないで部屋を決めるとどうなるか?そして、内見キャンセルの方法や内見時に持っていった方が良いものについてはこちらのページでまとめています。

もし、それでもなんか、ダメな感じがする場合にはメール✉で連絡をもらえれば、何かアドバイスできると思います。特に、これまでの引っ越しの失敗インタビューを生かし、事件・事故に遭わない部屋探しの手順を基に回答や対応していきたいと思っています。

最後に、他にも同じような部屋探しの診断をやってもらった人のインタビューがあります。もし、変なところで失敗したくない方は読んでみて下さい。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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馬場 紘司

この記事を書いた人

馬場 紘司

事例を基に後悔のない取引を目指し、2013年以降40件以上の不動産取引を経験。現在は投資や居住用の不動産を中心に売却価格を上げるリノベーションなど建物の改修に注力。宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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