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一人暮らしの初期費用を抑える失敗例別、スーモの賢い検索方法とは?

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理と数字周りを見ているファイナンシャルプランナー兼宅地建物取引士の馬場です。

引っ越しにお金も手間もかかることはこれまで説明してきました。しかし、4,600件以上の事例を分析して「予想外だった」という意見が多かったのが、賃貸マンションやアパートを借りるときの初期費用の高さです。初期費用がかかることはわかっていても、その想像をはるかに超え、貯金がなくなった、という失敗や後悔の声も少なくありません。

特に東京、特に都心では敷金・礼金等の初期費用が高く、一般的には家賃の5倍程度は見積もっておいた方が良いと思います。つまり、家賃を8万円程度と決めていても実際は初期費用として40万円程度が必要であり、さらにここに引っ越し業者に支払う費用がかかってくるわけです・・・。

となると当然、初期費用を少しでも減らせないのか?と考えると思います。そして、初期費用の中でわかりやすい「敷金礼金なし」物件や初期の数ヶ月間の家賃が無料になる「フリーレント」物件から賃貸を探そうとするかもしれません。もちろん、仲介手数料無料物件なども。

結論から言うと、この探し方はやめた方がいいです。

一見、初期費用を抑え、効率的な方法に見えても、イメージできないコストがかかって来るからです。そのため、別の方法で探した時より、コストがかかるケースが圧倒的に多くあります。

最終的に、総コストが抑えられる方法とは「設備等の条件から絞っていく」ことでした。そこで、この記事では沢山の引っ越し事例から総コストを抑え、賢い東京23区でのお部屋探しの方法を紹介します。

事例やデータを交えながら解説しているので、担当がコロコロ変わり、不安になり、東京でのお部屋探しを失敗したくなければ、ぜひ最後まで読んでみてください。

1.初期費用、2階以上、風呂トイレ別など条件を絞ると物件数はどれくらい減るのか?

1-1.賃貸総募集物件数と条件を絞った時の件数の比較

まず、条件の付け方によって選択肢の数がどのくらいになるのか知るため、大手ポータルサイトsuumoで、引っ越しの繁忙期が始まった12月初旬の東京23区の賃貸募集条件について調べました(2020/12/5時点)。

選択肢の数を知るのは、最初の段階で選択肢の数を絞りすぎると、住環境が悪いお部屋しか紹介してもらえないからです。結果的に毎日のストレスで再度の引っ越しや暴飲暴食、爆買いなどに走ってムダな出費となるので、選択肢の絞り方を間違えることがどれだけデメリットになるのか知ってほしいと思います。

なお今回は、僕らが東京で9年以上賃貸物件の紹介をしてきて要望が多く、地方から東京に引っ越してくる方たちが希望することが多い、以下の人気条件にしました。

賃貸総募集件数約92万件に対して、初期費用を削る方法として一般的に思いつきがちな「礼金なし」を条件にすると一気に約33万件(36.1%)、「敷金なし」を入れると約29万件(31.0%)、「敷金・礼金なし」で約12万件(13.4%)に選択肢が激減します。

「フリーレント」物件にいたっては、約5万件と総件数に対して6%の選択肢しか残りません。5万件もあるじゃないかと思うかもしれませんが、まだエリアや家賃など何も絞っていない状態なので、あと1つ、2つ条件を掛け合わせると数えるくらいしか残りません・・・。

1-2.初期費用と人気条件どちらを優先させるべき?

一方で、東京で引っ越す人の中でも圧倒的な人気条件となっている「2階以上」、「風呂トイレ別」物件を指定してみます。結果、「2階以上」の物件数は約75万件(80.3%)、「風呂トイレ別」は約79万件(83.9%)と、条件を入れない状態からほぼ選択肢を減らすことなく、絞ることができました。

つまり、インターネット検索などお部屋探しの初期の段階では、初期費用で絞るより、人気条件(お部屋の設備)を絞っていった方が理想の住環境を維持しながら多くの選択肢が残るのです。

1-3.初期費用が無料や格安の裏に隠された賃貸物件のワナ

若干余談になりますが、初期費用が無料の場合や、格安の物件はそれなりに理由があります。初期費用を下げなくても、借り手がつくような物件をわざわざ値下げする必要ありませんから。

わかりやすいのは事故物件や訳あり物件、前入居者が隣人トラブルや騒音トラブルがあって退去したなどといった理由です。最近あったのは、隣が精神的に問題を抱えている生活保護の方で夜な夜な壁ドンが続くようです。何度か警察が来たりして今は落ち着いたそうですが特に家賃が低価格帯のマンションなどは気をつけてください

その他、パッと見の初期費用を抑えておいて毎月の家賃が相場と比較して割高に設定されていたり、保証料が高いとか、わけのわからない保険や付帯サービスに入らされるとか、何かしら初期費用を抑えた分が取り返されるような仕組みになっていたりします。

数年住んでみると、トータルで支払った費用は初期費用が普通の物件と変わらないか、かえって割高だったということもままあります。ですので、安易に初期費用の安さに飛びつかないで、実際にどんなライフスタイルを送りたいのか?何年住む予定なのか?といったことも踏まえ、お部屋探しをしてほしいと思います。

2.初期費用を絞りすぎて失敗・後悔した口コミと経験者のアドバイス

過去4,600件のデータから、初期費用や人気条件(設備)に関する失敗・後悔の経験談やアドバイスをまとめました。

2-1.初期費用に関するトラブルと助言

2-1-1.初期費用が安いと、出るときにお金がかかる

不動産の担当の方が、とても丁寧に説明して下さいました。初期費用が安いと、出るときにかかるお金が増えるとのことで、考えやすかったです。治安や住民の不安は、毎日通る場所で物件を探したため、満足のいく場所を見つけることができました。(女性/30代/会社員・保育士)

>>すごくラッキーな担当者に当たったと思います。

この担当者の言う通りで、初期費用が安いと退去時にクリーニング代や原状回復費用などと言って想像以上にお金がかかるケースがあります。また前項で説明したように家賃や保証料などに乗っているケースがあるので注意してください。

2-1-2.入居してみると、掃除がズサン

入居時にルームクリーニングの費用がかからなかったので、初期費用が安いなと思っていました。しかし、入居してみると掃除はずさんで水回りは詰まっているし、壁紙などすぐ剥がれてきてしまいました。(女性/20代/会社員・サービス業)

>>安いものには必ず理由があります。

せっかくの新生活が汚い部屋や修理から始まり、余計なお金、労力がかかる上に精神衛生上もよくありません。

2-1-3.周りの設備をしっかり確認しなかった

一人暮らしを始めて、後悔した事は、部屋の壁が薄く、防音がきちんとなってなくて後悔しました。最初に部屋を選んだ時に、初期費用を出来るだけ安くあげようとして、あまり周りの設備をしっかり認識しないまま契約した事です。(男性/20代/会社員・運輸業)

>>初期費用のことばかりに意識がいくと、他のチェックすべきことが抜け落ちたり、確認が甘くなったりします。

お金のためにお部屋探しをしているのではなく、新生活のためのお部屋探しです。本末転倒にならないようにしてください。

2-2.敷金・礼金に関するトラブルと助言

2-2-1.家賃が割高になった

初期費用を抑えるために、敷金礼金なしの物件を選びました。その分家賃が割高になったので長く住む予定では無かったのですが、結果的に長年住んだので初期費用を払って家賃を安くしておいた方が良かったと思いました。(女性/20代/その他・IT業界)

>>初期費用が安い物件のワナとして一番わかりやすいケースです。

お部屋を探すときは周辺の同じような条件のお部屋の家賃と比べて割高でないか確認してください。

2-2-2.不要な付帯サービスに入ってしまった

敷金・礼金なしという売り込みだったが、トイレ・シャワー、エアコンなどの取り付け機器の不具合が生じたときにすぐに駆け付けて解決してくれるサービスというのがあり、それを仲介不動産側から強く勧められ、料金を支払ったが、全くその必要はなかった。安易な契約を後悔した。更新の知らせが来たとき、断った。(男性/50代/パート・アルバイト/日本語教師)

>>貸主や不動産会社は敷金や礼金カットによる収入ダウンをどこかで補おうとします。

付帯サービスは、特に一人暮らしではいざという時役に立つこともあるので必ずしも悪いものではありません。ただ中には使いづらいサービス内容や割高なサービス料のケースがあるので気をつけてください。

2-2-3.退去費用が不安

敷金礼金がないところだったので出る時にいくらくらいかかるのだろうと不安でした。(男性/30代/パート・アルバイト・設備関係)

>>敷金はそもそも退去時にかかる原状回復費用の預かり金です。

よほど大きな損傷などがない限り預けておいた敷金の範囲前後で済むことが多いので、そういう意味では敷金があることは安心材料になったりします。その点、敷金がないと退去時の原状回復費用が読めず不安です(中には高額な費用を請求するところもあります…)。

2-3.フリーレントに関するトラブルと助言

2-3-1.フリーレントは将来的にリスク

フリーレントは魅力的だが、将来的な事を考えるとリスクは多いです。契約時に多少「うーん」と悩む点があれば即決はNGです。(女性/30代 /会社員・広告代理店で営業)

>>近年増えてきているフリーレント物件は初期費用が抑えられるわかりやすい条件なので若い人を中心に人気になっています。

しかし、その分家賃が割高などトータルで考えるとかえってお金がかかるケースも多いので注意してください。1年以内の解約の場合、結果的に短期解約のペナルティが発生することになり、自由度が落ちます。学生の方などで大学が有る内はここに住むと決めている場合等はフリーレント付きの物件を利用するのも有りかもしれません。

2-3-2.クリーニングされておらず汚かった

初期費用を無料にしていただき、フリーレントを2ヶ月していただいたが、その分部屋内のクリーニングはされておらず、汚いと思えるところも少なからずありました。(男性/20代/学生・大学3年生)

>>前入居者からの原状回復費用を新入居者の初期費用で賄おうとしている?

そもそも問題ですが、安いものには理由があることは心得ておく必要があります。内覧時に気を付ける以外、あまり追加で言えることは有りません。

2-4.仲介手数料に関するトラブルと助言

2-4-1.同じ物件で仲介業者によって手数料が違う

同じ物件で仲介業者によって手数料が異なったり、敷金交渉を行ってくれたりするので担当者のスキルによっても金額が異なってくる(男性/30代/会社員・IT関連)

>>若い方や引っ越し経験が1、2回の方に多いのが「同じ物件を別の不動産会社で契約できるとは知らなかった」ということです。

中には他ではできない物件もありますが、東京の賃貸マンションは複数の不動産会社が取り扱っているケースが多いです。交渉力も差があるので、人気条件や設備を指定して豊富な選択肢からお部屋を選び、敷金など初期費用は交渉すればいいと思います。

2-4-2.手数料に差があるとは知らなかった

数店舗不動産屋に行ったが手数料に差があるとは知らず、後になって節約できた事を知った。(女性/20代/会社員・出版)

>>手数料に差があるだけでなく、手数料は後から交渉できることもあります。

手数料の差より、お部屋の設備から絞っていく方が圧倒的に賢明だと思います。

2-4-3.若くて女性は残念ながらナメられる

状況にもよりますが、やはり仲介を挟むのは賢いと思います。手数料のことも考えると大家さんとの直接交渉は利点も多いですが、若くそして女性であれば残念ながらナメられる事もあります。そんな時は仲介業者さんに任せてしまうのは安心で確実だったなと思いました。(女性/20代 /学生)

>>仲介手数料を嫌って、直接大家さんと交渉して賃貸マンションを探そうとする方が時々います。

ただ、よほどお部屋探しに慣れているとか、交渉に自信があるとかでなければやめた方がいいと思います。結果、大家さんに嫌われたりナメられたりして嫌な思いをするので、仲介会社に代わりに交渉してもらった方がお互い気持ちよく、お金の面でも得する可能性があります。

2-5.2階以上のお部屋に関するトラブルと助言

2-5-1.1階は虫がたくさん出る

賃貸で暮らしていた際は1階が安いので1階を選びましたが、夏に虫がたくさん出るので次の引っ越しからは2階以上を選んでいました(男性/30代/会社員・理学療法士)

>>女性に比べて防犯面が気になりにくい男性は家賃の安さから1階を選ばれるケースも多いです。

しかし、虫に苦労したという声は本当によく聞きます。アンケート結果でも女性より男性の方が多かったくらいです。同じように、半地下の部屋もゴミや虫、日当たりを考慮し、結果的に損をしてしまうのでお勧めしません。

2-5-2.足音が結構響く

内見時にはまったく気にならなかったが、2階からの足音が結構響くことが分かり、上の階にすればよかったと後悔した。(女性/20代/会社員・医療)

>>建物の構造や上階の人のライフスタイルなどにもよりますが、音が気になるなら上の階に住んだ方が良いです。

ただ、東京で注意してほしいのが首都高などの都市高速で、一般的な賃貸マンションだと3〜4階あたりが都市高速と同じ高さになって、深夜でも車の音がうるさいことがあります。

2-5-3.川沿いに住むなら最低でも3階以上に

女性の方は、まず2階が無難です。あと昨年の台風で感じたのは、川沿いに住まれる方は、最低でも3階位の高さがないと浸水恐れがあります。(荒川がそうでした)(男性/10代/会社員・資材メーカーの営業)

>>東京23区はほとんどが低地…というか台風や津波の浸水域が非常に多いです。

近年、異常気象で東京周辺でも甚大な被害が出ているのをテレビ等で見たかもしれません。川が多い地域なので水害のリスクを下げたいなら上階をお勧めします。

ハザードマップを見ればすぐに分かりますが、東京の東側、江戸川区、足立区などは浸水のリスクが高いです。一昨年、多摩川の氾濫で世田谷区でも発生しましたが今後も発生する前提で部屋探しをした方が良いと思います。海抜が30m、40mあるマンションを選ぶ方が良いと思います。

2-6.風呂トイレに関するトラブルと助言

2-6-1.バス・トイレは不便

住んでいた部屋がバス・トイレ一緒だったため不便を感じた。1Rだったため、友人を呼べなかった。(女性/40代/会社員・建設業界)

>>バス・トイレ一緒はトイレが濡れてしまうため、常にジメジメしていてカビが生えやすく、その上掃除がしにくいなど不便です。

人が遊びに来た時も使わせてあげづらいなどあるのでお勧めできません。どうしてもバス・トイレが同じ部屋を選ぶ場合は換気に注意してみて下さい。キチンと換気扇が動くのか?浴室乾燥機があるのかどうかなどを意識してみて下さい。

2-6-2.バス・トイレ一緒は狭い

お風呂とトイレが一緒なのはホテルでもあるから大丈夫かなと思いましたが、お風呂もトイレも実際はとても狭くて後悔しました。(男性/30代/会社員・IT業界)

>>ホテルは短期間なのと、特別な空間だからバス・トイレ一緒でもそれほど気になりません。

長期で住む部屋の居住空間の一つとなると本当に別ものです。

2-6-3.安さだけで選んでしまって後悔

お風呂とトイレが同じユニットバスは自分が平気かどうかわからず、安さだけで選んでしまって良いのかわからなかった。はじめは平気かなと思っていたのですが、時間が経つにつれてやっぱり無理だ…と思い後悔しました。(女性/20代/学生・学生からアパレル事務職へ就職)

>>バス・トイレ一緒の物件は家賃が安いので魅力的に移りますが、後悔するケースも多いです。

3.2階以上かつフリーレント・敷金礼金なしなどの条件をつけると?

人気条件「2階以上」からさらに条件を絞っていくと選択肢がどのように変化するか検証しました。

3-1.2階以上

まず「2階以上」という人気条件をつけても、選択肢は約75万件と十分な数が残っています。

3-2.2階以上とフリーレントと敷金礼金ゼロ

「2階以上」の条件に加えて、フリーレント、敷金礼金ゼロと、初期費用を極限まで抑えようとすると選択肢はわずか1万6千件。ここにエリアや家賃の条件を入れると、エリアによっては選択肢ゼロの可能性も出てくるので、この条件の付け方は現実的ではありません。

3-3.2階以上とフリーレント

「2階以上」とフリーレントであれば約5万件の選択肢が残りますが、まだエリア等を絞っていないことを考えるとギリギリの数です。

3-4.2階以上と手数料半額

手数料半額の条件を加えると約千件となり、この条件では選べないと言っても過言ではありません。よってこの条件の組み合わせはパスです。

3-5.2階以上と手数料無料

手数料無料でも約8千件。手数料半額よりも多いですが、家賃などの条件を加えるとほぼ選べないので、この条件の付け方もなしです。

3-6.2階以上と敷金礼金なし

敷金礼金なしの条件であれば案外多く、9万件以上選択肢があります。こちらは条件の絞り方としてはありと判断して良いです。

3-7.2階以上と礼金なし

近年、東京の大家さんは礼金をもらわないケースが増えているので、礼金なしを条件に加えても結構な選択肢が残ります。よって礼金なしは条件に加えてもOKです。

3-8.2階以上と敷金なし

「2階以上」に加えて敷金なしは、約22万件と比較的豊富な選択肢があります。しかし過去の失敗談であったように、退去時の原状回復費用が高くなる可能性があるので気をつけてください。

4.風呂トイレ別かつフリーレント・敷金礼金なしなどの条件をつけると?

人気条件「風呂トイレ別」からさらに条件を絞っていくと選択肢がどのように変化するか検証しました。

4-1.風呂トイレ別

「風呂トイレ別」だけを条件に入れても78万件以上の選択肢が残るので、まず「風呂トイレ別」の条件は入れてしまってください。

4-2.風呂トイレ別でフリーレントと敷金礼金ゼロ

「風呂トイレ別」にフリーレント、敷金礼金なしのフルセットはさすがに1万7千件。調べてみてもいいけど、現実的ではないというのが本音です。

4-3.風呂トイレ別でフリーレント

「風呂トイレ別」にフリーレントの条件を付け加えると約5万件。ここからエリアや家賃を絞っていくことを考えるとギリギリの数です。

4-4.風呂トイレ別で手数料半額

手数料半額という条件はそもそも該当物件が少なく選択肢が極端になくなるので、お勧めしません。

4-5.風呂トイレ別で手数料無料

手数料無料も条件に加えるだけで選択肢が激減するので入れない方が良いです。物件を探してくれる仲介会社の収入源に直結するので嫌がられます。

4-6.風呂トイレ別で゙敷金礼金ゼロ

敷金礼金なしは意外と選択肢が多く残りますが、敷金がない場合は退去時の原状回復費用が割高になりがちなので注意してください。

4-7.風呂トイレ別で礼金ゼロ

東京では礼金なし物件は結構充実しており、さらに原状回復費用にも影響しにくいので、初期費用を抑える条件として入れるのはありです。

4-8.風呂トイレ別で敷金ゼロ

敷金なし物件も選択肢の数としては十分ですが、退去時の費用が読めない点に注意が必要です。

5.2階以上+風呂トイレ別かつフリーレントや敷金礼金なしの条件をつけると?

「2階以上+風呂トイレ別」からさらに条件を絞っていくと選択肢がどのように変化するか検証しました。

5-1.2階以上で゙風呂トイレ別

すでに当たり前の条件として定着しつつある「2階以上で゙風呂トイレ別」は、約64万件と選択肢も豊富です。まずはこれらの条件は指定してしまってOKです。

5-2.2階以上で゙風呂トイレ別でフリーレントと敷金礼金ゼロ

人気条件「2階以上で゙風呂トイレ別」に、初期費用ゼロのフルコールは約1万4千件とさすがに選択肢がありません。これで事故物件でも訳あり物件でもないお部屋があれば、ラッキーくらいの認識でいてください。

5-3.2階以上で゙風呂トイレ別でフリーレント

「2階以上で゙風呂トイレ別」にフリーレントを加えただけでも5万を切るなど激減します。初期費用削減はフリーレント以外の部分での削減を考えるのが無難です。

5-4.2階以上で゙風呂トイレ別で手数料半額

手数料の削減も仲介会社に嫌がられるポイントなので、条件に含めない方が良いです。

5-5.2階以上で風呂トイレ別で手数料無料

手数料無料も仲介会社のモチベーションを下げて、結果良いお部屋を一所懸命探してくれなくなる可能性があるので、やめた方がいいです。

5-6.2階以上で゙風呂トイレ別で敷金礼金なし

敷金礼金なしは条件に加えても7万件以上選択肢が残るので、入れてもOKです。

5-7.2階以上で風呂トイレ別で礼金なし

礼金は大家さんへの契約のお礼に支払う意味合いのもので、東京では近年、不要のケースも増えています。他の費用に上乗せされにくい部分なので、礼金なしは条件に加えても良いと思います。

5-8.2階以上で風呂トイレ別で敷金なし

敷金なしだけだと19万件近く残りました。選択肢としては十分ですが、退去費用がわからない点は気をつけてください。

6.2階以上、風呂トイレ別で初期費用を抑える東京の賃貸物件まとめ

3月は単身者、中でも就学や就職で初めて引っ越しをするケースも多いと思います。お金のことが気になるのは当然ですし、むしろ気になるのが正しいことだとは思いますが、その矛先が「初期費用の削減」に向かいすぎると失敗します。

はじめからフリーレント、敷金・礼金ゼロ、仲介手数料なしの物件を検索すると選択肢が激減してしまい、住環境が良くないお部屋から選ばざるを得なくなります。結果、せっかくの新生活が我慢、不快から始まってしまい、ストレスや再度の引っ越しで余計なお金がかかる事例があとを絶ちません。

この記事でお伝えしたように、住環境を維持するのに必要な条件から選び、そこから初期費用を抑えるという手順でお部屋を探してみてください。今回の内容をまとめると以下の通りです。

  • 初期費用が少ない、もしくはゼロ物件は、その分家賃や保証料、付帯サービスなどに上乗せされている可能性がある。
  • 「フリーレント」、「敷金・礼金ゼロ」、「仲介手数料なし」など初期費用削減を条件の初期設定にすると選択肢が激減するので避ける。
  • 「2階以上」、「風呂トイレ別」は人気条件であり、東京では完備している賃貸マンションが多いので、物件の選択肢が多いまま条件を絞っていくことができる。
  • 条件を絞る際はまず「2階以上」、「風呂トイレ別」など住環境をよくする設備から設定し、次に「礼金なし」、さらにその他の初期費用を削る方向で調整していくと良い。
  • 「敷金なし」はそれなりに選択肢が多いが、退去時の原状回復費用が割高になる点、読めない点に注意する。
  • 「仲介手数料無料」「仲介手数料半額」は不動産会社がやる気をなくし、「フリーレント」は選択肢が少ないのでお勧めしない。

最後に、初期費用を抑えて住環境の悪いところに住むと精神衛生上の問題やストレス解消や早期の引っ越しのためにお金がかかります。実際、過去の失敗談として寄せられた声でも「体調を崩し、住めなくなった」レベルの問題も起こっています。アレルギーがある方は特に注意して、お部屋を選んだ方が良いと思います。

体調を崩して仕事はできない、病院代はかかる、引っ越ししなければならないで、あっという間に引っ越し貧乏になります。最初の段階でキチンと考えれば、落ち着いて新生活がスタートでき、心の余裕を持って、貯金や積み立てなど現実的な自己防衛策も取れます。

引っ越しに慣れていないうちはわかりやすい初期費用に意識が行きがちです。しかし、慣れないからこそ住環境の充実、特に二階以上や風呂トイレ別のお部屋などしっかりした設備を選ぶことを考えてください。東京での引っ越しは地方よりお金がかかります。ムダな引っ越しをしなくて済むように、お部屋探しをしていただけたらと思います。

どうしても初期費用を抑えたい、敷金礼金ゼロじゃないと引っ越せない方はコチラのページを見てみて下さい。スーモでお部屋を検索時に初期費用を抑えることでどれほど選択肢が減っているのか、わかると思います。最後に、自宅に居る時間が増え、マンション内でのトラブルが増えています。特に、ゴミ問題は相談が増えており、相楽と司法書士の西門の二人で、マンション内で起こったゴミ問題に関して、判例を踏まえ、賢い対策をこちらのページにまとめました。ブームになった半地下の部屋について、判例や失敗談を基に注意点やメリット・デメリットをこちらのページにまとめました。部屋探しが2回以下の方や一人暮らしをはじめる方は特に。

今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法を建築士さんにレクチャーしてもらいました。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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