B.豆知識(相場、法律)

失敗例を参考にお部屋の内見で統計的に測っておいた方がいいポイント5選

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当、防犯設備士兼宅地建物取引士の相樂です。

私たち、アリネットは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計6,700人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。

今回は、部屋探しの経験が少ない方向けに、宅地建物取引士の大和田と一緒にアンケートの回答を生かし、『室内の内見時に、どこを測っておくと後悔は少ないか?』について、説明していきます。

賃貸でも、分譲でもマンションのお部屋の内見は部屋探しで失敗しないため、絶対にやってほしいと思っています。

ただ、経験が少ないと何をやればいいか分からないと思います。特に、お部屋の採寸は内見のときに色々と測っておくと、再度行ったりする手間が省けるので、絶対におすすめです。そこで、今回はたくさんある中で「ここだけは!」というポイントを5つご紹介します。

同じく、騒音でトラブルにならない様、現地で確認してほしいポイントをこちらにまとめておきました。

1.キッチン横の冷蔵庫置き場は?

特に、一人暮らしの方など、冷蔵庫は圧倒的に大きな家電です。冷蔵庫の位置を基準として、他の家具・家電の位置が決まることもあります。その為、内見の際、冷蔵庫を置く場所について考えることをオススメしています。

そして、今の自宅にある冷蔵庫が問題なく置けるかどうかを確認するために、置きたい場所の幅、奥行、高さを測って下さい。もちろん、電気がなければ動きませんので、同時にコンセントの位置も確認して下さい。

他にも、冷蔵庫には「右開き」と「左開き」があります。スペースに問題がなくても、設置の場所と開く向きによっては、開きにくくなってしまうこともあるので注意して、見て下さい。

2.ドラム式洗濯機は高さも注意

室内に洗濯機置き場がある場合、一般的に、床に「防水パン」と呼ばれるものがあります。防水パンとは、防水性の高い素材で作られた受け皿のことです。通常、防水パンには、洗濯機の排水ホースを通す排水口があり、防水パンの近くには、蛇口やコンセントがあります。

大体、65cm四方だと思いますが、稀にもっと大きいものもあります。

念のため、自分の洗濯機が置けるか、確認した方が良いと思います。今の自宅にある洗濯機がおけるかどうかを確認するために防水パンの大きさ(幅と奥行)を測っておきましょう。他に、排水口の位置、蛇口位置、コンセントの位置もチェックです。写真を撮っておくとよいでしょう。

なお、最近主流となってきているドラム式洗濯機はボディが大きいですし、「右開き」と「左開き」があります。その為、しっかり収まるか、扉を干渉するものがないか、こちらも忘れずにチェックするようにしてください。

ちなみに、以前、新しく購入したドラム式洗濯機が入らなくて、知り合いに売って、別のものを購入した、という例もあります・・・。

3.特に女性の一人暮らしで一階に住むなら、カーテン

内見の際、測っておくポイントとして忘れがちなのがカーテンです。カーテンは引越しをした当日から必要となるものです。

サイズ違いのカーテンだと隙間ができてしまうこともあります。寝ている様子などを外部の人に見られて恥ずかしいですし、防犯面においても問題ありです。

色々な機能を持ったカーテンがありますが、先ずは忘れずにサイズを測っておいてください。ちなみに、カーテンは測り方を間違えやすいものですので担当に測り方を聞きながら、注意をして進めて下さい。

横幅は窓枠の横幅ではなく、カーテンレールの右端にある固定ランナーから左端にある固定ランナーまでの長さを測る必要があります。また、カーテンの丈はレールからではなく、レールランナーの下端から床までの長さを測る必要があります。

※レールランナーとは、カーテンのフックをかけるリングのこと。

4.収納、掃除が苦手な女性の場合は特に

収納スペースは衣服や書籍、仕事道具、趣味道具など、収納したい物が入りきる容量がどうかをチェックして下さい。

個人的にはサイズだけでなく、棚数や強度、手が届きやすさなどのチェックも忘れずに行ってほしいです。引越ししたはいいものの、物が収まりきらなかった、ということは避けたいですね。

なお、遠方からの引っ越しを予定されている方向けに内見の事前準備や持っていく物をリスト化しました。

5.階段の踊り場など、搬入経路

最後は室内の前に、そもそも玄関まで家具を持ってこれるのかです。エレベーターに入らない、階段を曲がれない、廊下を通らない等あります。特に、ベッドやソファー、冷蔵庫辺り、特に大きなものは気を付けて下さい。他にも、以下のような特殊な場合も・・・、

・読書が好きで、お部屋には大きな本棚を置きたい

・音楽の仕事をしていて、お部屋にピアノを置きたい

こういった例のように、大きい物をお部屋に置きたい場合、注意したいのが搬入経路です。

・エントランス

・エレベータ

・階段

・通路

・玄関

などにおいて、その物を搬入できるだけのスペースがあるかどうかを確認してください。と言うのも、お引越し時に、

・エレベーターを使えない

・ベランダからクレーンによる搬入

といったことになれば、追加料金が発生したり、想定以上に時間がかかってしまったりします。戸建てですが、大坂の方で購入したソファーとダイニングテーブルが入らず、クレーンを使って、直接窓からリビングに入れた事もありました。

他にも、資料と実際が違ったトラブルや隣人や騒音問題の実際にあった相談を基に、内見時に室内以外で見てほしいポイントを整理しました。契約を不履行に出来た事例のやり取りも付けました。部屋探しの経験が2回以下の方には特に読んでもらいたいです。

6.アンケートにあった内見と寸法に関する失敗談

これまで色々と書いてきましたが、後々面倒なことにならないよう、実際に遭った失敗例とそれらを生かした改善点を5つ書いていきます。

6-1.スペースには収まったが別の問題で置けなかった

内見の際、家具や家電などがちゃんと置けるかどうかを確認するために、幅や奥行、高さなどを測定します。この測定、ただ置きたいスペースに収まればよいというものではありません。収まればよいと思っていると、下記のような問題が発生してしまうこともあります。

  • 近くにある扉を開くときにぶつかってしまう
  • 照明のスイッチとかぶってしまう
  • 光が入りにくくなってしまう
  • 電気が必要なのに、近くにコンセントがない
  • 幅木があることで、壁ピッタリに置くことができず、想定していたよりも出っ張ってしまう

※幅木とは、壁と床が接する部分に張る横板のことです。掃除機などを使用する際の壁面に対する汚れや傷を防ぐため、施工時にできた隙間を隠すためなどを目的として設置されています。

部屋探しで失敗しないためには、実際に置くときのことや使用するときのことを具体的にイメージすることが大事です。

6-2.ギリギリすぎるのは考え物

既述の通り、冷蔵庫、食器棚、ソファといった大きい物を置きたい場合、搬入経路をチェックすると思います。

  • エレベータに乗るか
  • 階段を回り切れるか
  • 玄関を通り抜けられるか

など、いくつものハードルがあります。このとき、注意したいのがあまりにギリギリになってしまうケースです。

「よかった。測定したらギリギリ大丈夫みたい。」となっても、引越し時に問題が生じてしまうことが少なくありません。無理な体勢で運ぶことになり、

  • 腰を痛めてしまった
  • 落として家具や床を壊してしまった
  • 壁、クロスに傷をつけてしまった

という例があります。

また、慎重さを要求されることから、

  • 想定以上に時間がかかってしまった
  • 疲れ果てて、それ以降、いい加減な作業になってしまった

という例もあります。何事も余裕を持つことが大切だと思います。

6-3.写真撮影を怠って、後々困ってしまった

内見の際、測定と同時に行いたいのが写真撮影です。今は、デジカメやカメラ付きのケータイ・スマホなどがあるため、簡単に写真撮影ができます。写真があると、後々、契約するかどうかの判断や、引越しの計画などがしやすくなります。

しかし、測定をすることばかりに意識が向いてしまい、うっかり写真撮影を忘れてしまった、という例もあるようです。お部屋の写真がないと、

  • コンセントや電話線の位置
  • 洗濯機置き場の蛇口の位置
  • 扉の開き方
  • 収納スペースの構造

などが分からなくなり、後々、困ってしまうことになります。撮影は無料ですし、内見の際、写真撮影は、必ず行うようにしましょう。

6-4.持っていきたい家具・家電のサイズを控えておかなかった

測定するつもりで内見に来たけど、自宅にある家具・家電のサイズを控えておかなかった・・・、という失敗例があります。

・玄関からキッチンに入る扉が狭いが、自宅にある大きめの冷蔵庫は通るだろうか

・洗濯機置き場の蛇口の位置が少し低いような気がするが、自宅にある冷蔵庫は置けるだろうか

たとえば、こういった場面でサイズが分かるのと分からないのとでは、判断のしやすさが全然ちがいます。その為、内見をするにあたって、あらかじめ、紙やスマホのメモ帳などに自宅にある家具・家電のサイズを記しておきましょう。

個人的には、ベッドなどはある程度位置の調整で何とかなるケースが多いので、冷蔵庫と洗濯機が本当に置けるのか、これは見ておいた方が良いと思います。

6-5.動きにくい服装で行ってしまい大変だった

内見のとき、服装も大事です。 測定の際には、頻繁にしゃがんだり手を伸ばしたりしますし、季節によっては汗もかくものです。

アンケートの回答に「会社帰りに、スーツのまま内見をしたが、動きにくくて、よく測定ができなかった」という失敗例がありました。その為、内見をするにあたっては、なるべく、動きやすくて、上着や靴などが脱ぎやすい服装で行くことをオススメします。

6-6.アンケートの回答を基に内見での寸法を成功させる

ここでは、実際にあった回答を基に内見を成功させる方法を5つにまとめました。家賃や広さも大切ですが、そもそも部屋が自分に合っているのか?これを確認しないで契約をしてしまうと、損をしてしまう可能性がとても高いです。

  • 家具、家電を置ける置けないには、サイズ以外の問題もある
  • 搬入口がギリギリ過ぎると、リスクやロスが生まれやすい
  • 写真撮影を怠ると、後々、判断や計画などがしにくくなる
  • 自宅にある家具・家電のサイズを控えておかないと、内見時に困る
  • 動きにくい服装だと、測定作業がスムーズにいかない

ちなみに、内見時に持っていってほしい持ち物についてはこちらのページにまとめておきました。部屋探しの経験が少ない方、見てみて下さい。

7.お部屋の内見時に必ず測ってほしいポイント5つのまとめ

今回はアンケートに書かれていた失敗を基に内見時に寸法を調べておいてほしいポイントを説明しました。部屋探しの経験が少ない場合、本当に内見は難しいと思います。

後悔しないため、事前に担当者に不安な所は確認し、現地でもキチンと寸法だけは確認してください。以下、今回のまとめです。

  • 冷蔵庫を置きたいスペースの幅、高さ、奥行を測る コンセントの位置もチェック
  • 洗濯機を置く防水パンの幅、奥行を測る 排水口、蛇口、コンセントの位置もチェック
  • カーテンは引越し当日から使用するものなので、必ずサイズを測る
  • 収納スペースの容量や収納のしやすさをチェック
  • ピアノなど大きい物を運ぶ場合は、搬入経路をチェック

8.内見時の確認・チェックリスト

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。

実際に引っ越しを一回経験してみると分かりますが、持ち物や事前準備は当日、現場でぼーっとしないために本当に大切です。

特に、部屋探しの経験が2回以下の方から『内見時にどこを確認すれば良いか』、よく聞かれます。これまでのアンケートや失敗談を参考に無料で使えるチェックリストを作りました。ぜひ、内見時に使ってみて下さい。

4,600件の失敗談を基に作った内見時のチェックリストはこちらのページです。人気のある他社の内見チェックリストも同様にまとめています。他にも、今回同様、最近、お客様に聞かれた「内見の申し込み後のキャンセルって、罰金ありますか?」についてはこちらのページにまとめました。

私たちは、2012年より地域に根付いた不動産屋として、住まいのトラブルに特化し、住宅ローンの返済だけでなく、騒音や隣人、契約トラブル等のトラブルを解決してきました。

現在、無料相談を実施しており、相談者の方には住まいの問題解決事例をまとめた冊子も無料で差し上げております。問題を早期に解決し、一秒でも早く、明るい毎日を取り戻して下さい。ともかく、ぜひ一人で悩まず、時間を無駄にしない様、早めにご相談ください。

これまで、8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。

ここに記載出来ない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。信頼できる先がすぐに見つからない場合、弊社の無料相談にご連絡ください。

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私たちは今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、専門家と協力し、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。不動産トラブル専門の弁護士による、契約直後の事故物件発覚時の告知義務違反等の対応についてはこちらのページにまとめました。

>>賃貸マンションの騒音問題を避けたい方向け、内見前の構造や間取り確認と引っ越し後の対策まとめ

>>マンションの内見後に入居申込をしたが、罰金無しでキャンセルはできますか?

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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