目次
昨晩、南麻布にお住いの女性の方から電話相談を受けた時にご存じなかったので、その時に説明した内容を税理士さんにも確認し、まとめました。
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットの不動産鑑定士補兼住宅ローンアドバイザーの相樂です。
今回は、特にご自宅を10年超所有している場合に使える軽減税率の特例について、具体的な例などを踏まえ、説明していきます。
先ず、自宅を売却した場合、その所有期間や条件によって、譲渡所得に対して、掛かってくる税金が変わってきます。
一律に、利益の40%ではありません。
一先ず、税制的に利益の事を譲渡所得と呼んでいるので、ここでは譲渡所得と言う言葉を使い、説明していきます。
1.譲渡所得の計算方法は以下の通りです。
譲渡所得=売買代金-(購入金額+売却時の仲介手数料)
実際は細かい計算が必要ですが、大雑把にこんな感じで計算できます。詳細は税理士事務所又は無料相談時にご説明いたします。
2.税金計算の基になる課税譲渡所得とは?
譲渡所得-特別控除=課税譲渡所得
特別控除は、住宅の場合、3,000万円特別控除などです。
*参考:3,000万円特別控除についての詳細はこちら
ちなみに、国税庁のサイトを見ると、今回の10年超自宅を保有している方の場合、長期課税譲渡所得と呼んでいます。
3.税金の計算方法について
税金=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)
税金について、一般的に所得税は給与所得や不動産所得など各種所得金額を集計し、総所得金額を計算し、これを基に税金を決める総合課税です。
しかし、不動産の売買によって生じる譲渡所得は、他の所得と合計せず、個別に税金を計算する分離課税方式で決まります。
4.ご自宅の保有期間によって、税率が変わります
実際は細かいですが、ここではニュアンスを理解してもらう為、簡単に記載しています。
5.具体的な税金の計算例
これまでの説明を分かりやすい様、具体的な数字で説明します。
5-1.10年超所有した自宅を売却した場合
具体的には、2011年以前にご自宅を購入した人が今回の場合、当てはまります。
港区や千代田区もそうですが、渋谷や新宿だけでなく、目黒、文京区辺りでも同じような事が起きています。
売買金額:9,000万円
購入金額:5,000万円
経 費:500万円
先ず、譲渡所得を求めます。
9,000万円-(5,000万円+500万円)=3,500万円
譲渡所得が6,000万円以下なので、軽減税率の特例を適用し、税金を出します。
以下のようになります。
・10年以内の売却:3,500万円×20%=700万円
・10年超の長期で売却:3,500万円×14%=490万円
税金レベルで差額は、約210万円と、結構大きな額になります。
5-2.10年超所有し、3,000万円特別控除も同時に使う場合
現実的に、東京都心部、港区や千代田区でよくある事例です。
例えば、2008年、2009年等に自宅を買った人がその後、凄い値上がりを経験しているケースが多いと思います。
売買金額:13,000万円
購入金額:5,000万円
経 費:500万円
先ず、譲渡所得を求めます。
13,000万円-(5,000万円+500万円)=7,500万円
次に、3,000万円を控除します。
7,500万円-3,000万円=3,500万円
最後に、軽減税率を適用し、税金を計算します。
・10年以内の売却で3,000万円控除のみ:7,500万円×20%=1,500万円
・10年超の長期で売却:3,500万円×14%=490万円
差額は約1,000万円と結構大きな額になります。
結果的に、自宅で大きな譲渡所得(売却益)が出る場合には、10年超住んでから売却した方が良いと思います。
6.住み替え時に使える買換え特例は?
期限がある特例なので知らない方も多いかもしれませんが、10年超所有時の軽減税率同様に、『特定居住用財産の買換え特例』と言うものがあります。
これは、条件に合致すれば、税金を支払わず、繰り延べる事が出来ます。
(念のため、税金がゼロになる訳ではありません。)
ただ、自宅を売って譲渡所得がある場合、『譲渡価格より、買い替えた自宅の購入価格が多ければ、課税されません』
逆に、売った自宅より安い自宅を購入するとその分税金(約20%)が発生してします。
最後に、この特例を使い場合、既述の3,000万円特別控除や10年超所有時の軽減税率の特例を使う事が出来ないので、どちらを選ぶかは確定申告までに決めて下さい。
大雑把に言えば、次に買う自宅は今より高いと言うだけでなく、購入した自宅を長期間保有する・住むつもりなら、買換え特例を使ってもいいかもしれません。
一方、売った自宅が1億円を超える場合にはこの特例は使えないので、自動的に3,000万円特別控除や10年超所有時の軽減税率の特例を利用する事になります。
なお、いつものように詳細な部分は担当や税理士事務所に確認し、進めていかれた方が良いと思います。
もちろん、所有物件を売却した場合、翌年の確定申告も忘れずに。
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>>念のため、以前実際に行った東京で息子の子育てを手伝うため、住み替えしたご家族の売却事例はこちらのページにまとめておきました。
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