六本木にある一言多い不動産屋、㈱リビングインの賃貸マンションの紹介を中心に担当している宅地建物取引士の大和田です。
今回は、お部屋を決め、申し込みを行った後に、他の不動産屋さんにどういうメールを送っておけば、後でトラブルにならないか。メールのテンプレートを理由と共にまとめておきました。
個人的には、申し込みの後、審査に通って、ある程度確度が高くなったところでメールを送るのが良いタイミングだと思います。
1.失礼のないメールの書き方やテンプレート、例文を教えてください。
目次
部屋が決まりそうなので、相談していた他の2社にこちらの気持ちが伝わるような失礼のないメールの書き方や例文を教えてください。急に連絡がつかなくなるお客様もいらっしゃる中、質問者様のようなお気遣いをくださる方には個人的に大変ありがたく思います。なぜなら、他のお客様に同じ部屋を紹介し、営業活動を続けていく事が出来るからです。
念のため、部屋の申し込み直後からはじめる煩雑な・・・引っ越しの手続きについて、モレが無い様にチェックリストにしました。遠方引っ越しの方などで移動してから漏れがあると、時間的にも金銭的にもややこしくなるので、ぜひ、チェックして下さい。
2.メールの書き方・例文サンプル
さて、メールの書き方・例文ということですが、お断りをいただくこと自体は不動産会社として辛い事ですが、慣れています。その為、必要以上に形式や内容を気にする必要はありません。しかし、お互いより気持ち良く、質問者様のお気持ちが伝わると考えられるメールの文面、テンプレートを参考に記載しておきます。
======ここから======
◯◯不動産 御中
(担当者名がわかる場合、◯◯不動産 [担当者名]様)
お世話になっております。
先日、◯◯◯◯マンションの下見をさせていただきました[あなたのお名前]と申します。
その節は、ありがとうございました。
とても素敵なお部屋だったのですが、◯◯◯◯の理由から、今回は見送ろうと思います。
またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。
[あなたのお名前]
======ここまで======
このように特別なテクニックが必要ということではありません。断る時は早く、理由は正直に感謝を伝えることを意識してください。よく、不動産営業のテクニックで、内見した違う不動産業者から入れ知恵で「やっぱり引っ越し自体するのを辞めました」、「考えてもうちょっと時期を延ばそうかなと思います」と言ってくださいとお願いされるケースもあります。
この理由は単純で、他の不動産業者で決めましたと言ってしまうと業者間の関係が悪化する可能性があること、引き留められてまた最初の不動産屋さんに営業を掛けられることを阻止するためです。
嘘が嫌いな方はどこの不動産会社さんで決めたとは言わず、別の不動産業者さんで決めましたと正直に伝えて下さい。営業マンは嘘に敏感ですので、気持ちを察して言わない場合がありますが、同じ人間です。断られることは慣れていますが、正直に伝えることが一番です。
ですので、悪い例として連絡を無視して音信不通にするということは絶対に辞めておいてください。連絡が繋がらない状態を先延ばしにしても、営業マンの顧客リストにはおそらく残ったままになっていることが大いに考えられます。そのため、何か月後かにふと電話がかかってきたときに出て、「実は・・・」ということになりかねません。
個人的には今後の事を考え、お互いのためにも断る時ははっきりと断る勇気を持つ方が良いと思います。稀に、空気の読めない担当もいるので。
また、後日断る場合には電話よりもメールの方が適しています。その理由として、担当の営業マンは案内や物件の写真撮影、オーナー訪問などの業務で外出している可能性が高いということです。例えば電話したタイミングで担当者が不在で、折り返してもらって入れ違いになってもお互い大変ということもありますので、メールで感謝の気持ちを伝えるとともに断るようにしてみてください。
もし、上記のテンプレをご利用いただかない場合でも、「〇〇さんには色々と物件を見せていただいて本当にありがとうございました。今回は他の不動産屋さんでお申し込みをすることになりました。また機会があれば宜しくお願いします。本当にありがとうございました!」
この程度で大丈夫です。変にこだわって敬語を使う必要もないですし、こういった方が変な営業掛けられないからいいよというフレーズもありますが、シンプルで結構です。
3.本音としては、契約されるのかどうか分からないという状態が一番動きを取りづらい
不動産会社としても、契約されるのかどうか分からないという状態が一番動きを取りづらいです。無理な営業メールや電話をするのはこちらもやりたくないため。その為、このようにシンプルにメールでご連絡をいただくだけで本当に助かります。
可能であれば、オーナーへの説明の手前、ダメな理由もサラッと書いてあると、担当者が報告しやすくなるので、やり取りが少なく、助かります。なお、予約中の内見・内覧を断る場合なども同じような文面で構いません。いずれの場合もなるべく早く連絡を入れると先方に非常に喜ばれると思います。
4.しつこく、迷惑な営業がいたら
ちょっと前に事件になり、ニュースにもなりましたが、稀にこういう担当者もいます。ノルマや成果報酬型の仕事だと、若い人など、勘違いや気違いが多いみたいです。
もし、ここまで説明した通り、メールの対応でしつこい営業担当者がいたら、物件名や場所、条件などは個人情報なので教えたくない又は以下の消費生活センターに連絡する旨をやんわり伝えれば、その後、連絡は来なくなると思います。しつこい営業担当をバシッと叩くなら、全国の消費生活センター等、国民生活センターに連絡してみて下さい。上司から担当に一言あり、終わると思います。
5.いつまでだったらキャンセルできるのか
もう少し踏み込んでお話をしてみます。内見が終わって申し込みをしていたらどうなるのでしょうか?申し込みをした時点でキャンセルができないのか?これは可能です。原則、契約を締結する前にキャンセルをする場合、違約金を請求されることはありません。
一般的な賃貸借契約の流れは、申込書の記入 ⇒ 保証会社審査 ⇒ オーナー審査 ⇒ 重要事項説明 ⇒ 契約 ⇒鍵渡しと進んでいきます。
内見から引っ越しまでの流れはこちらのページにまとめておきました。引っ越し未経験の方などは日程が分からないと思いますので、参考にしてみてください。
いくら契約締結をしてないからと言っても、予定していた契約日に近くなってからのキャンセルですと、カギの交換や消毒施工などが入っている可能性もあります。やむを得ないキャンセルですと仕方がないこともありますが、“分かったら早めに連絡をする”を徹底してトラブル防止に努めてください。
この申し込み後のキャンセルによる違約金の発生についてはとても難しい問題です。民法上、口頭で契約の意思を伝えた時点で契約が成立したとみなされるため、不動産会社によって以下のように判断が別れるケースがあります。
・申込みもしくは重要事項説明を受けた時点で契約となり、それ以降のキャンセルは違約金が発生する。
・書面による契約の締結がなされていない状態では契約未成立なので違約金は発生しない。
不安な場合は『申込み前に手続きのどの時点からキャンセルに対して違約金が発生するのか事前に確認しておくのが良い』と個人的には思います。
宅地建物取引業法によって、“申込金の返金義務”が定められていますので、一般的には手付として払っている申込金の預かり証が証拠となり、難なく返金されます。もし返金しないなどと不動産会社が難色を示した場合には、消費者センターや宅建協会に相談してください。
ただし、前述の通り、契約締結後に契約解除は、重要事項説明を受け、契約書の中身に問題ないと判断して署名・押印をしていますので、違約金が発生する場合があります。
一般的に、この状態では物件の引き渡しまでは行っていませんが、仲介業者は案内から契約書の作成、契約まで取付けをしていますので、仲介手数料の返金に応じてくれない場合が高いです。『もし、既に支払っている初期費用があるのであれば、まず全額返ってくると考えない方がいいか』と思います。
他にも、鍵交換や消毒施工など、入居前に実際に業者が動いたものに関しては当然、お支払いの必要がありますので、やむを得ない状況でない限りキャンセルは避けたいものです。
6.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
恵比寿や広尾、麻布十番など東京都心のデザイナーズマンションの内見予約や住まいの無料相談はこちらのページから物件や希望の日時を送って下さい。その他、退去時に管理会社と揉め、原状回復費用をムダにしないため、契約者さま限定の入居確認時の保存フォームを作りました。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。年末に引っ越し前後のの手続きも含め、オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートをリニューアルしました。
部屋探しや引っ越しで不安な場合には、こちらのシートを担当者に送り、お部屋や手続きに問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。
あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。