質問:このまま家賃の値上げに、素直に従わなければならないのでしょうか?
4年前から今のマンションに住んでおり、3ヵ月後に契約更新日を迎えます。契約更新に伴い、先日大家から更新後は家賃を値上げするとの通告がありました。確かに、都心の駅近物件で周辺の再開発も進んでいるエリアなのですが、毎月の家賃がいきなり1万円も値上がりするのは厳しいです。
回答:大家の都合だけで一方的に家賃を値上げすることはできません。
日本の多くの地域では土地や物件価格が下がる中、都心の一部人気エリアでは地価の上昇が続いているので質問者様と同じ状況の人は少なくないと思います。しかし、いきなり毎月1万円の負担増は大変ですよね。
結論から言うと、大家の都合だけで一方的に家賃を値上げすることはできません。家賃を値上げするには『借地借家法第32条1項』に示される、以下のいずれかの条件と比較して、当該物件の賃料が見合わなくなっていることが必須です。例えば、以下のような根拠が必要です。
1)地価や物件価格の納税額が上昇している
2)経済情勢が変化している
3)周辺の類似物件の賃料が上昇している
1)については『固定資産税評価額』、2)は住んでいるエリアの賃料の変動などについて調査・公表されたデータ、3)はスーモやホームズなどで周辺物件の家賃を調べることで大体の数字を出すことができます。
資料を揃えて、不動産会社さんに値上げに納得できない旨とその根拠に話をしてみて下さい。資料があれば、間に不動産会社に入ってもらう時も不利になりにくいですが、大家さん側につく不動産会社も多いのでその場合はこちらの言い分は通りにくいかもしれません。ただし、不動産会社の対応があまりにも悪い場合は都道府県の監督機関に相談してください。東京都であれば、都庁になります。
それでも話し合いがうまくいかないときは内容証明を送る、地方裁判所に調停を求める、法務局で供託の手続きといった方法を取ることはできますが、負担が大きいのと仮にそのままの家賃で住み続けられることになっても遺恨となると思います。その時は残念ですが、引越しも検討した方が良いでしょう。
ただ、普通契約で定期借家契約でない場合には、資料がきちんと整い、値上げが不当であると説明できる場合には、たとえ、請求があっても退けられると思います。
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今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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