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六本木にある一言多い不動産屋、㈱リビングインでマンションやアパート等のトラブル解消も担当している宅地建物取引士と管理業務主任者の相樂です。
引っ越しの失敗や不安、その原因を聞き、賢い部屋探しを考える、今回の失敗インタビューは現在、観光業の営業として女性に話を伺いました。2010年12月、パート・アルバイトをしていた20代の時に、はじめての引っ越しで1K(一人暮らし)のお部屋に引っ越した時のお話です。
【今回のポイント】
はじめての一人暮らし、女性受けするおしゃれなデザイナーズマンション。今回はその半地下部分に引っ越された方でした。案の定、ドライエリアはあるものの湿気とカビに悩まされ・・・、ただ、初めてのお引っ越しはいろいろ夢が膨らむと思います。
経験が少ない内は他の方の失敗を参考にお部屋選びの際に気を付けると良いと思います。ご両親や友達、先輩等にともかく聞いてみる。その後、まず、条件が良い理想の物件を探し、それらの中からおしゃれなマンションやお部屋を選ぶ方が良い部屋を見つけやすいと思います。
念のため、リモートワークで自宅時間が増えた友人から「オフィスにも行くけど、デザイナーズマンションに住みたいんだけど、どう思う?」に対して、デザイナーズマンション選びの注意点やポイントをこちらのページにまとめました。
1.引っ越しを決めた理由や理想のライフスタイルは何でしたか?
実家から完全に自立し、自分の責任で生活するため引っ越しました。毎日自炊をして料理のレパートリーを増やしたり、休日には少し豪華な食事を作り、友人を招いたりしたいと思っていました。
2.引っ越し前の不安について
2-1.不安はありましたか?
生活に必要なものや隣人への挨拶など、調べても矛盾する回答があって戸惑いました。
2-2.その不安は引っ越しまでに解消しましたか?
とにかく1人だけで生活するのが初めてだったので、些細な事が気になって友人や不動産屋に聞きまくりました。
3.引っ越し時の失敗について
3-1.失敗や後悔はありましたか?
半地下の部屋だったので、梅雨から夏の湿気、カビがもの凄かったことです。
またそのせいか、マンションのエントランスから全体に特有の匂いがあり、衣類や書籍に染み付いて取れなくなってしまいました。おしゃれな見た目だけで部屋を選んではいけないとよく分かりました。
3-2.失敗を防ぐための対策はしましたか?
部屋決めの前に内覧を隅々までする事が本当に大事です。今思えば、内覧の段階で水の匂いはしていました。
3-3.今は、その失敗は解消しましたか?
今は別の部屋に引っ越しをする事で解消しましたが、しばらく所有物から匂いが消えず、結局捨てられる物は捨てました。
4.引っ越し後にトラブルなどありましたか?
カビの発生の常態化。排水溝の詰まり。エアコンの故障。
5.引っ越しする人へアドバイスや良かったことを教えて下さい
建物の構造や階数、梅雨時期の状況、マンションの住人の属性などは不動産屋さんに聞いたり、予めリサーチしておいた方が良いです。
よかったのは、決まった金額で月の生活を営めるようになったことです。そして、実家にいた頃はよく散財していましたがそれが無くなりました。
6.引っ越しインタビュー後の考察
6-1.半地下物件のメリット
なんでも知らずに入居をしてしまうものは怖いことですよね。メリットとデメリットをまとめてみましたので、それぞれ比較してみて、デメリットを妥協できるかを確認してください。
6-1-1.耐震性に優れている
高層階の物件と比べると揺れが少なく抑えられるということが一番大きいのですが、半地下を作るときにもその分たくさん掘って基礎の土台作りを行うことも耐震性に優れる理由の一つです。また、台風といった風災も半地下であることで直接風の影響を受けないため、優れた作りと言えます。
6-1-2.遮音性に優れている
地下という空間を考えると、通常のアパートやマンションと比較して遮音性が高いこともメリットで挙げられます。カラオケや映画鑑賞、楽器の演奏をされる方にもオススメできる物件で、いずれも入居前にオーナーの許可は必要ですが、地上と比べると比較的許可は取れやすいと思います。
6-1-3.家賃が相場よりも安い
耐震性、遮音性に優れているとは言っても、地上の物件と比較すると、家賃設定が低めのところが多いことがあります。それはなぜか、次項“半地下物件のデメリット”でご紹介しますので、是非ご覧ください。設備や立地は譲れないけど、家賃だけは安く抑えたいという方にはオススメの物件です。是非ご検討ください。
6-1-4.湿度が安定している
地上と比較して湿度が安定しやすいため、寝室に向いています。特に冬場の乾燥で喉を傷められる方、加湿器は必須という方にもオススメの物件です。中にはワインルームとして半地下を利用されている方もいらっしゃいます。
6-1-5.天井が高く、部屋が広い
半地下物件は部屋の半分が地下にあるため、天井を高く設計でき、開放感のある生活ができます。また、通常の物件よりも部屋を広く確保することができるため、荷物が多い方や趣味のグッズなどをたくさんお持ちの方にはスペースに余裕が生まれてゆったり生活ができると思います。
6-2.半地下物件のデメリット
先程多くのメリットをご紹介しましたが、デメリットは何があるのでしょうか?いくつか例を挙げてみます。
6-2-1.カビが発生しやすい
メリットの4で前述した“湿度が安定している”というところについてですが、逆に湿気が多いということもあって、適度な換気がなされないカビの発生が考えられます。水回りの扉やクローゼット、靴箱なども気が付いた時に湿気を溜めないように対策をしてください。
カビは厄介で、カビを放置しておくと“ハウスダスト”へと名前を変えて部屋中に蔓延してしまします。見落としがちなポイントですので注意してください。
6-2-2.光が室内に届きにくい
これはなんとなく想像がつく方もいらっしゃるかと思いますが、地下に潜るため、自然光が届きにくいということです。ただ、完全な地下室ではなく部屋の上側は露出しているため、半地下の設計次第では太陽光が差し込む部屋を作ることができます。賃貸物件で内覧に行くときには、晴れの日を選んでどの程度、陽が入ってくるかの確認をすることが大切です。
6-2-3.浸水の可能性がある
近年、九州を襲った豪雨や台風の影響で河川が氾濫したり、大雨で排水がうまくなされずに道路冠水したりというニュースが報道されています。そういった災害に見舞われた際には、室内に水が流れ込可能性もありますので、日ごろから防災への意識を持っておくようにしてください。
6-2-4.防犯面では劣る場合がある
半地下物件の特徴でもある、地中に埋まっているような構造になるため、場所によっては人目に付きづらい死角もできてしまうため、女性の一人暮らしで入居を検討している場合には、夜間の人通りや見えない死角はできていないかの確認を行うようにしてください。
6-3.デメリット解消法
6-3-1.最大のデメリット湿気に対して
は、定期的に換気をすることや、ホームセンターに売ってある湿気対策で除湿剤の設置をしてください。今では100円ショップも便利になり、色々な防湿対策グッズも売られるようになりました。
6-3-2.次に、浸水への対策
申込をする前に各自治体のホームページよりハザードマップを見て、住みたいエリアは浸水の可能性がないかどうかを確認するようにしてください。これは最近宅建業法でも、水防法という項目が追加され、重要事項説明時に説明をする義務がある項目が増えています。万一に備えて備蓄品の購入をしておくこと、定期的にバルコニーやベランダの排水溝の掃除をして水がたまらないようにしておくことも室内に水を入れない対策として有効です。
6-3-3.防犯や危険性について
女性の一人暮らしの場合には、防犯カメラやオートロックが付いている物件を選んだり、人感センサー、複層ガラス、セキュリティシールの貼り付けをしたりすると効果的です。
6-4.ぱっと見、複雑な形のマンションはNG
土地が高く、狭い部屋が一般的な東京都心ではいくらおしゃれでも、入り組んだ複雑な形のマンションは避けた方が無難です。これは実務の中でもそうですが、失敗例を見ていても半地下、複雑なデザイナーズなどのマンションでトラブルが発生する可能性が高かったです。
快適に住むという意味では、個人的におすすめ出来るのは、分かりやすいサイコロ型のマンションです。
6-5.半地下物件でもドライエリアはあるのもの?
傾斜地などに建っているマンションにありがちな半地下は換気のためにドライエリアと呼ばれる、掃き出し窓や中庭のような空間が申し訳ない程度にあります。これで上手に換気して、快適に暮らしてと設計士や施工会社は考えて作っています。
ただ、過去の失敗例を基に、日中は仕事で外出、実際は朝と夜しか換気できないドライエリアがあっても、小さい・風通しが悪いなどでそもそもの目的である換気が十分にできないため、一人暮らしの方には絶対にお勧めしません。
というのも、半地下物件には湿気・カビだけでなく、ドライエリアにはどこかからか虫やゴミが落ちて貯まるという悩みも相談されるケースがよくあるからです。以前、玄関にダンゴムシがなぜかよく集まると話していた美容師の方がいましたが、それもこの影響です。今では、室内干しは当たり前で、24時間エアコン着けっぱなしだそうです・・・。今回の引っ越しを糧に、次回、二度目の部屋探しは成功して欲しいです。
>>ブームになった半地下の部屋について、判例や失敗談を基に注意点やメリット・デメリットをこちらのページにまとめました。部屋探しが2回以下の方や一人暮らしをはじめる方は特に。
7.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。年末に引っ越し前後のの手続きも含め、オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートをリニューアルしました。
部屋探しや引っ越しで不安な場合には、こちらのシートを担当者に送り、お部屋や手続きに問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。
今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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